中銀はSelic金利を0.5%引上げて13.25%に決定(2022年6月15日付けエスタード紙)

15日開催された中銀の通貨政策委員会(Copom)は、政策導入金利(Selic) 現行の12.75%を0.5%引上げて13.25%に決定、11回連続での引上げで過去5年半のSelic金利としては最高金利に達している。

今回の通貨政策委員会(Copom)による政策導入金利(Selic)の引上げ開始時の20213月のSelic金利は、過去最低の2.00%であったが、連続11回の引上げ幅は11.25%に達し、1999年以来では最高のショック療法となっている。

Copom委員会開催前の15日午后に米連邦準備制度理事会(FRB)は、政策金利を075%引上げを決定。199411月以来、277カ月ぶりの上げ幅で、従来の3倍。約40年ぶりとなる記録的なインフレを抑制するため、異例の金融引き締めに踏み切っている。利上げは3会合連続で、政策金利の誘導目標は1.51,75%に設定している。

米国やブラジルの金利引き上げによる金融政策は、インフレ抑制の一方でクレジット金利の引上げや連邦政府の公共負債コストの上昇に繋がり、公共投資の削減、GDP伸び率、雇用や賃金の抑制に繋がって景気減速を余儀なくされる。

ブロードキャストプロジェクションの50金融機関対象の調査では、46金融機関は0.50%のSelic金利の引上げで13.25%を予想、3金融機関は0.75%の引上げ予想で13.50%、1金融機関は1.00%の引上げで13.75%を予想していた。

今年2月の中央銀行のRoberto Campos Neto総裁は、ブラジルのインフレは4月から5月にかけてピークを迎ええ、その後は下降サイクルに入るとコメントしていた経緯があった。

今年5月のブラジルの正式インフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、0.47%と前月よりも大幅に減少したが、過去12か月間の累積IPCA指数は11.73%と依然として二桁台に留まっている。

2022年のインフレ指数の中央目標値は3.50%に設定、最低許容値は2.00%、最高許容値が5.00%に設定しているにも関わらず、っ中銀及び金融市場関係者は今年のIPCA指数を8.89%前後を予想している。

40か国対象の実質金利比較では、今回のSekic金利の13.25%への引上げで、ブラジルのインフレ指数を差引いた実質金利は、8.10%に上昇して世界最高金利と Infinity Asset Management社は説明している。ブラジルに次ぐ実質金利はメキシコの4.48%、続いてコロンビアは4.47%となっている。

(ZOOM)6月の法律委員会月例会開催 

日伯法律委員会(岩尾 玄委員長)主催のオンライン月例会は、2022年6月15日午後4時から5時30分まで65人が参加して開催、司会はRafael Mantovani副委員長が務めた。

初めにMontaury Pimenta, Machado & Viera de MelloのPABLO TORQUATOパートナーは、テーマ『INPIにおける技術提供契約の承認登録の重要性 – 登録手続きの各ステップを解説する』“A importância da averbação de contratos de fornecimento de tecnologia no INPI – Um passo a passo do processo”について、続いてEYのCAIO ALBINO パートナーとLUANA DE AMARAL  弁護士はテーマ 『OECD(経済協力開発機構)ガイドラインに基づくブラジルの新しい移転価格税制』”Nova regra de preços de transferência no Brasil baseada nas diretrizes da OCDE” についてそれぞれ講演した。

セミナー視聴は右クリックhttps://www.youtube.com/watch?v=frcgN_0eqxA

PDF anexos:
1. “A importância da averbação de contratos de fornecimento de tecnologia no INPI – Um passo a passo do processo”
2. “Proposta do novo sistema de preços de transferência no Brasil, alinhado com as diretrizes da OCDE”

 

 

ブラジルは2022年の「世界競争力ランキング」で2ランク後退の59位

スイスのビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)が発表した2022年の「世界競争力ランキング」で、ブラジルは昨年より2ランク下げて59位に後退、調査対象の63ヵ国のうちブラジルよりもランクが低いのはヴェネズエラ、アルゼンチン、モンゴル及び南アフリカだけとなっている。

2022年の「世界競争力ランキング」トップはデンマーク、次いでスイス、シンガポール、スエーデン、香港、オランダ、台湾、フィンランド、ノルウエー、米国は10位となっている。

ブラジルが59位に甘んじている要因として、国内経済、税制、生産性、基本的なインフラストラクチャ、資格のある労働力の供給、高等教育へのアクセスなどのトピックに関する企業経営者の認識が悪化している。

ラテンアメリカ諸国の比較では、チリは45位でトップ、続いてペルー54位、メキシコ55位、コロンビア57位、ブラジルは59位、アルゼンチン62位及びヴェネズエラ63位はブラジルよりもランクが低い。

ブラジルの労働力の生産性は国際平均を下回っているが、熟練労働者の利用可能性、および科学技術学科の卒業生の数の少なさは、要求される新しいスキルと能力に追いついていない。 企業経営者の評価は、ブラジルの大学教育は企業のニーズと合致していない

ブラジルはビジネスを始める際の官僚主義を減らし、公共サービスのデジタル化を進めたにも拘らず、ビジネス法、教育、インフラストラクチャーなどの分野のギャップは引き続き重くのしかかっており、改革、特に税と行政改革。 「ブラジルが緊急に調整を必要としていることは明らかで、いくつかの進歩にもかかわらず、ブラジルは依然として競争力のない国と見なされている」とドン・カルラル財団のカルロス・アルーダ教授は説明している。

4月の中央政府の財政プライマリー収支は285億5,300万レアルの黒字計上(2022年6月14日付けヴァロール紙)

2022年4月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府のインフラ指数を差引いた実質財政プライマリー収支は285億5,300万レアルの黒字計上、月間黒字幅としては2011年以降では最高の黒字幅を計上している。

今年4月の中央政府の財政プライマリー収支の内訳は、国庫庁の黒字は529億⒎00万レアルを計上した一方で、社会保障院(INSS)は2429,000万レアルの赤字を計上、ブラジル中央銀行も6,400万レアルの赤字を計上していた。

4月の中央政府の過去12か月間の累積財政プライマリー収支はGDP0.06%に相当する46億レアルの赤字を計上している。

昨年4月の中央政府の財政プライマリー収支は166億5,800万レアルの黒字を計上、2021年の中央政府の財政プライマリー収支はGDP比0.4%に相当する350億レアルの赤字を計上していた。

今年初め4か月間の国庫庁は1,590億9,900万レアルの黒字を計上した一方で、社会保障院は797億8,100万レアルの赤字、中銀は5,500万レアルの赤字を計上している。

今年の連邦政府の財政プライマリー収支の許容上限赤字は1,705億レアルに設定しているが、連邦政府では655億レアルの赤字に留まる可能性が大きいと予想している。

今年4月の中央政府のインフレ指数を差引いた純収益は前年同期比5.9%増加の1,656億1,400万レアルを記録していた。一方純支出は0.5%減少の1,3706,100万レアルであった。

今年初め4か月間の連邦政府の支出総額は、最高許容額の1兆6,800億レアルの31%に相当する5,217億8,000万レアルを記録している。

4月の連邦政府の公社などによる配当金収入は7億5,030万レアルと昨年同月の39億1,500万レアルの5分の1以下に留まっている。今年初め4か月間の連邦政府の累計配当金収入は594,100万レアルと昨年同月の594,300万レアルと同レベルで推移している。

過去3年間でラテンアメリカ地域のフィッテック企業は112%増加

米州開発銀行(BID)の調査によると、ラテンアメリカ地域の2018年のフィンテック企業数は1166社であったったが、3年後の2021年末の意は112.0%増加に相当する2482社と急増している。

ラテンアメリカ地域のフィンテック企業が3年間で112%増加した要因として、ブラジルのフィンテック企業が急増、464社から771社と急増してラテンアメリカ地域のマーケットシェアの31.0%を占めてトップ、メキシコのマーケットシェアは21.0%、コロンビア11.0%、アルゼンチンも11.0%チリは7.0%を占めている。

世界のフィンテック企業総数は1万1000社に達しているが、そのうちラテンアメリカ地域のフィンテック企業数は世界全体の22.6%を占めて急拡大している。

世界の有望な投資先としてスタートアップ企業をターゲットにしている投資家は、ラテンアメリカ地域でクレジット支払いのデジタルソルーション、銀行窓口業務などで頭角を現しそうな有望なフィンテック企業に注目している。

ラテンアメリカ地域、特にブラジル国内でのデジタルトランスフォーメーション企業は雇用創出につながっていると米州開発銀行(BID)のMauricio Claver-Carone総裁は指摘している。

2013年にブラジルで設立されたNubankは昨年末に新規株式公開IPOを実施、ブラジル国内はもとよりメキシコやアルゼンチンで事業を拡大しており、更なる業務の国際化に積極的に事業を拡大している。

4月のサービス部門提供量は前月比0.2%微増(2022年6月14日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると、20224月のサービス部門提供量(生産性指標)は前月比0.2%微増、COVID-19パンデミック前の20202月比では7.2%増加した一方で、過去最高を記録した201411月比では依然としてマイナス4.2%を記録している。

また今年4月のサービス部門提供量は、前年同月比9.4%増加で14ヶ月連続で増加を記録、今年初め4か月間の累積は前年同期比9.5%増加、4月の過去12か月間の累積は、3月の13.6%増加から12.8%増加に減少している。

今年4月のサービス部門提供量調査では、大枠の5部門のうち2部門で増加を記録、情報・通信サービス部門は前月比0.7%増加、今年初め4か月間の累積提供量は2.5%増加、前期同様に一般家庭向けサービス部門は1.9%増加、5.2%増加を記録している。

前期同様に輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は前月比マイナス1.7%、教育・研究機関などの公共サービス部門はマイナス0.6%、その他のサービス部門はマイナス1.6%を記録している。

また今年4月のサービス部門提供量の前年同月比の比較では、輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は15.5%増加、一般家庭向けサービス部門は60.8%増加、教育・研究機関などの公共サービス部門は7.8%増加、情報・通信サービス部門は1.6%増加している。

今年初め4か月間のサービス部門提供量の前年同期比の比較では、大枠5部門のうち4部門で増加を記録、また調査対象の166セクターの66.9%に相当するセクターで増加を記録している。

輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は15.6%増加、一般家庭向け部門37.3%増加、教育・研究機関などの公共サービス部門は8.1%増加、情報・通信サービス部門は3.2%増加を記録した一方で、その他のサービス部門はマイナス3.8%であった。

今年4月のサービス部門提供量の前月比の州別比較では、27州のうち12州で増加を記録、リオ州は1.0%増加、エスピリット・サント州3.6%増加、北大河州7.9%増加、セアラー州は2.4%増加を記録している。

一方サンパウロ州はマイナス0.5%、ミナス州マイナス2.8%、ブラジリア連邦直轄地マイナス8.2%、南大河州マイナス2.8%とそれぞれ大幅な減少を記録している。

5月の段ボール箱派生品生産指数(IBPO)は前月比0.6ポイント減少(2022年6月13日付けヴァロール紙)

ブラジル包装紙協会(Empapel)の発表によると、2022 年5月の経済動向のバロメーターの1日当りの平均段ボール箱派生品生産は、前年同月比4.4%減少の1万3,041トンを記録している。

今年5月の段ボール箱派生品生産指数(IBPO)は、前年同月比0.6%微減の151ポイントを記録したが、段ボール箱派生品の生産総数は33万9,073トンと5月としては過去2番目の生産量を記録している。

季節的な影響を含まないデータを考慮すると、5月の段ボール箱派生品生産指数(IBPO)は1.6%増加となり、昨年9月以来の最高レベルである148.1ポイントを記録している。

今年5月の段ボール箱、シート並びに板紙付属品を含む段ボール箱派生品出荷量は33万1,817トンに達し、1営業日当りの出荷量は前月比6.2%減少の1万2,762トンに留まっている。

5月の貿易収支は、前年同月比44.7%減少の49億4,300万ドルに留まる(2022年6月13日付けヴァロール紙)

経済省通商局(Secex)の発表によると、2022年5月のブラジルの貿易収支は、49億4,300万ドルの黒字を計上したにも関わらず、昨年5月比では44.7%と大幅な黒字の減少を記録している。

今年5月の輸出総額は、前年同月比8.0%増加の296億4,700万ドルに対して、輸入総額は、33.5%増加の247億400万ドル、貿易収支は49億4,300万ドルの黒字に留まっている。

今年初め5か月間の累積貿易黒字は、前年同期比6.4%減少の251億2,800万ドル、今年初め5か月間の累積輸出総額は、前年同期比20.3%増加の1,310億8,600万ドルに対して、累積輸入総額は29.0%増加の1,059億5,700万ドル、累積貿易総額は、24.0%増加の2,370億4,400万ドルを記録している。

経済省通商局(Secex)が4月に行った最終予想によると、今年の貿易収支は1,116億ドルを見込んでおり、輸出総額は3,488億ドルに対して輸入総額は2,372億ドル、貿易総額は5,860億ドルと予想している。

5月の二輪車生産は過去7年間で最高記録更新(2022年6月13日付けヴァロール紙)

ブラジル二輪製造会社協会(Abraciclo)の発表によると、2022年初め5か月間のマナウスフリーゾーンの二輪車の累積生産台数は、前年同期比22.9%の二桁増加の56万9,600台に達し過去7年間では記録を更新している。

今年初め5か月間の新車登録台数は前年同期比25.6%に相当する51万5,700台を記録している。今年初め5か月間の二輪車の累積生産台数は58万600台で2015年以降では最高の生産台数を記録して、回復傾向が顕著になってきている。

今年3月の二輪車の生産台数は13万350台、4月は前月比17.4%減少の11万2,678台と二桁台の減少を記録していたが、5月は目覚ましい回復を示している。

今年5月の二輪車販売は前年同月比25.0%増加、前月比では15.2%増加、また5月の二輪車の新車登録台数は前年同月比20.8%増加、前月比では23.8%増加を記録している。

今年初め5か月間の二輪車の累積生産台数58万600台を基に推定すると今年の二輪車の生産台数は前年比7.9%増加に相当する129万台に達する可能性をブラジル二輪製造会社協会(Abraciclo)の Marcos Fermanian会長は指摘している。

4月の一般小売販売は前月比0.9%増加(2022年6月10日付けIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、2022 4月の自動車や建材部門を除く一般小売販売量は前月比0.9%増加、4か月連続での増加を記録している。

今年4月の一般小売販売量は前年同月比4.5%増加、今年初め4か月間の累計一般小売販売量は2.3%増加、4月の過去12か月間の累計一般小売販売量は0.8%増加を記録している。

今年初め4か月間の一般小売販売量は、連続で増加を記録しているが、1月の2.4%増加から4月の0.9%増加と減少傾向を示している。また今年4月の一般小売販売量は、COVID-19パンデミック直前の20202月の水準を4.0%上回っている。今年4月の自動車セクター並びに建材セクターを含む広範囲小売販売量は、前月比0.7%増加している。

今年4月の一般小売販売で、COVID-19パンデミック前の水準を大幅に上回っているセクターは、医療関連セクターで17.7%増加、建材セクター9.1%増加、その他の日用雑貨・装身具類セクターは7.3%増加している。

一方事務機器・装置セクターは、マイナス11.7%と二桁台の落込みを記録、家具・家電セクターマイナス10.7%、繊維・衣類・履物セクターはマイナス8.6%を記録している。

また今年4月の一般小売販売で前月比で増加を記録していのは、家具・家電セクターの2.3%増加、繊維・衣類・履物セクターは1.7%増加、日用雑貨・装身具類セクター0.1%増加、医薬品・香水・化粧品・医療機器セクターは0.4%増加している。

一方前月比でマイナスを記録しているのは、燃料・潤滑油セクター はマイナス0.1%、ハイパー・スーパーマーケット・食料品・飲料・嗜好品セクターマイナス1.1%、書籍・雑誌・印刷物・製本セクターはマイナス5.6%、事務用品・情報通信機器セクターはマイナス6.7%を記録。広範囲小売販売では、二輪・四輪・パーツセクターはマイナス0.2%、建材セクターはマイナス2.0%を記録している。

今年4月の一般小売販売の前月比の州別調査では、調査対象の27州のうち19州で増加を記録、アマゾナス州は4.4%増加、北大河州4.0%増加、アラゴアス州3.8%増加した一方でペルナンブーコ州はマイナス7.7%、ローライマ州マイナス4.5%、パラー州はマイナス4.4%とそれぞれ大幅な落込みを記録している。