ヴァーレ社は昨年の法人税やロイヤリティ支払い総額は前年比63%増加の93億ドル(2022年6月1日付けエスタード紙)

ブラジルの資源大手ヴァーレ社の2021年の世界グループの法人税やロイヤリティなどの支出総額は93億ドルに達しており、そのうちブラジルの国庫庁への支払総額は世界グループ全体の89%に相当する83億ドル、レアル通貨換算では450億レアルに達している。

昨年のヴァーレ社の法人税やロイヤリティなどの支出総額は前年比63%と大幅に増加、特に鉄鉱石や銅鉱石の国際コモディティ価格の上昇が納税の増加分の大半を占めている。

昨年のヴァーレ社の世界への経済貢献総額は456億ドル、昨年までの過去10年間では3,170億ドルに達している。この経済貢献総額には事業を行っている国への納税、サプライヤ―への支払世界グループの20万人に達する従業員への給与、再投資などが含まれている。

我々が事業を行っている国への納税は、持続可能性な成長を事業に統合する責任を受け入れる方法の1つであり、地元のコミュニティや地方政府への社会的責任、環境保全、雇用創出に繋がると Octavio Bulcão取締役は強調している。

2020年に発行された第1回レポートには、Vale社の税金と投資へのアプローチの原則が詳しく説明されており、所得、鉱業、給与、製品およびサービスなどの税金に関する情報が含まれ、鉱業開発を行っているブラジル、カナダ、インドネシア、モザンビークで支払われた金額に関するデータが開示されている。

5月の企業経営者の信頼感指数は昨年10月以降で最高(2022年6月1日付けヴァロール紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査によると、20225月の企業経営者の信頼感指数(景況感指数ICE)は、4月の94.5ポイントから2.9ポイントと大幅に上昇、信頼感指数の分岐点となる100ポイントに接近する97.4ポイントを記録して、昨年10月に記録した100.4ポイントに接近している。

また今年3月~5月の企業経営者の月間平均信頼感指数(ICE)は、今年2月~4月の月間平均信頼感指数(ICE)2.1ポイント上回ており、景気回復の傾向の可能性が表れ始めている。

また今年5月の企業経営者の現状信頼感指数(ISA-E) は、 2.4ポイント上昇の98.1ポイントを記録して、202110月に記録した99.5ポイントに接近している。企業経営者の今後数か月後の見通し信頼感指数(IE-E)3.7ポイント上昇の98.1ポイントに達し、20142月以降では初めて現状信頼感指数(ISA-E) 並びに見通し信頼感指数(IE-E)が一致している。

企業経営者の信頼感指数(ICE)は鉱工業部門、サービス部門、小売部門並びに建設業部門の企業経営者を対象とした調査であるが、今年5月の企業経営者の信頼感指数(ICE)では、唯一悪化していた。

今年5月の企業経営者の信頼感指数(ICE)は、3月から3ヶ月連続での上昇を記録、特に鉱工業部門及びサービス部門の企業経営者の信頼感指数(ICE)は分岐点の100ポイントに接近してきている。 鉱工業部門の企業経営者の信頼感指数(ICE)の改善は国内経済の回復に伴って、海外需要の増加及び適正在庫に近づいている。

サービス部門の企業経営者の信頼感指数(ICE)の改善は、COVID-19対応のワクチン接種拡大が功を奏しており、今年第2四半期の国内経済の徐々の回復を FGV Ibre戦略部門担当の Aloisio Campelo Jr氏は指摘している。

今年4月のブラジル政府の財政プライマリー収支は388億7,600万レアルの黒字計上(2022年5月31日付けヴァロール紙)

中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府並びに州政府並びに市町村で構成される地方政府を合わせた2022年のブラジルの財政プライマリー収支は388億7,600万レアルの黒字計上している。

今年4月のブラジルの財政プライマリー収支388億7,600万レアルの黒字の内訳は、中央政府の財政プライマリー収支は296億3,800万 レアルの黒字、地方政府は102億⒎800万レアルの黒字を計上した一方で、公社の財政プライマリー収支は104,000万レアルの赤字を計上している。

ブラジル政府の財政プライマリー収支決算には、ブラジル銀行や連邦貯蓄金庫などの公立銀行、ペトロブラス石油公社及びブラジル中央電力公社(Eletrobras) の連邦公社は含まれていない。

今年4月の過去12か月間のブラジルの累積財政プライマリー収支は、GDP1.52%に相当する1,373億⒎900万レアルの黒字を計上、今年3月のGDP1.37%から0.15%増加を記録している。

また今年初め4か月間のブラジルの累積財政プライマリー収支は、昨年同月の7584,100万レアルの黒字の約2倍に相当する1484億9,300万レアルの黒字を計上している。

今年4月の連邦政府の外貨準備金を含む純公共負債総額はGDP57.9%に相当する5兆2,270億レアルと3月のGDP58.2%よりも若干減少を記録している。

2022年4月の中央政府、地方政府、公社並びに公立銀行などを含む総負債総額はGDP78.3%に相当する7兆750億レアル、3月のGDP比78.5%よりも若干減少を記録している。

今年2月~4月の月間平均失業率は、10.5%と前四半期比0.7%減少(2022年5月31日付けヴァロール紙)

20222月~4月の月間平均失業率は、10.5%と前四半期の11.2%よりも0.7%減少、また前年同期比では4.3%と大幅な減少を記録、20152月~4月の月間平均失業率の8.1%以降では最低の失業率を記録している。

20222月~4月の月間平均失業者は、前四半期比5.8%に相当する699,000人減少の1,130万人、前年同期比では25.3%に相当する380万人減少を記録している。

20222月~4月の月間平均賃金は2,569レアル、202111月~20221月の2,566レアルよりも3レアル減少、20212月~4月の月間平均賃金であった2,790レアルよりも221レアルも減少している。

20222月~4月の月間平均雇用人口は、前四半期比1.1%に相当する110万人増加の9,650万人に達し、統計を取り始めた2012年初めからでは過去最高記録を更新している。また前年同四半期比では、10.3%に相当する900万人増加している。

20222月~4月の雇用人口の労働人口に対する比率は、前四半期比0.5%増加の55.8%を記録、前年同四半期比では、4.8%と大幅な雇用創出を記録している。

20222月~4月の労働人口のうち非労働人口は、前四半期比同率の6,490万人、前年同四半期比ではCOVID-19対応ワクチン接種の拡大に伴って雇用増加で、5.3%に相当する360万人と大幅な減少を記録している。

20222月~4月の雇用を諦めている人口は、前四半期比6.4%減少の450万人と大幅に減少、前年同四半期比では24.6%に相当する150万人の減少を記録している。.

20222月~4月の民間部門の労働手帳に記載される正規雇用は、前四半期比2.0%に相当する69万人増加の3,520万人、前年同四半期比では、11.6%に相当する370万人の増加を記録している。

一方20222月~4月の民間部門の非正規雇用は、前年同四半期比では同率の1,250万人、前年同四半期比では、COVID-19による正規雇用の減少と反比例するように20.8%に相当する220万人増加を記録している。

今年第1四半期のGDP伸び率は1.2%増加予想(2022年5月31日付けエスタード紙)

ブロードキャストプロジェクションの2022年第1四半期のGDP伸び率予想調査では、調査対象の45社の金融機関及びコンサルタントのうち約73%相当の企業が1.0%若しくはそれ以上のGDP伸び率を予想している。正式な今年第1四半期のGDP伸び率は、62日にブラジル地理統計院(IBGE)から発表される。

ブラジル地理統計院(IBGE)の今年第1四半期のサービス生産量調査(PMS)では1.8%増加、また広範囲小売販売は2.3%増加、鉱工業部門生産調査では0.3%増加を記録している。

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間生産量調査(PMS)の発表によると 、今年3月の広範囲小売部門販売量は0.7%増加、サービス業部門生産量は1.7%増加、Covid-19パンデミック前の20202月の水準を依然として6.2%上回っているが、過去最高水準を記録した201411月の水準を4.0%下回っている。

各金融機関は3月のブラジル地理統計院(IBGE)の月間生産量調査(PMS)の発表後に、今年第1四半期のGDP伸び率を上方修正、 UBS銀行は前回予想の0.5%から1.0%、 Credit Suisse銀行は0.4%から1.1%、 Santander Brasil銀行は前回予想の0.5%から0.9%増加にそれぞれ上方修正している。

Greenbay Investimentos社チーフエコノミストの Flávio Serrano氏は、第1四半期のサービス部門が予想を上回る1.1%増加の伸び率を記録した影響で、第1四半期のGDP伸び率を1.2%増加と予想している。

またGreenbay Investimentos社では、第1四半期の鉱工業部門のGDP伸び率を0.4%増加、農畜産部門のGDP伸び率を0.5%増加、一般家庭の消費は0.8%増加、公共支出は0.5%増加予想の一方で、民間部門の住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)は、マイナス0.2%を見込んでいる。

今年第1四半期のGDP伸び率は小売部門やサービス部門が牽引するが、国内需要は0.6%増加とGDP伸び率予想の1.2%増加を大きく下回ると予想、輸出は7.0%増加の一方で、輸入はマイナス3.5%と内需が減速しているが、短期的には貿易収支増加に繋がる効果がある。

今年第2四半期のGDP伸び率を0.3%増加を予想、0.3%増加要因として、年金・恩給受給者に対する13ヶ月サラリーの半額前払い及び勤続期間保障基金(FGTS)からの積立金引出による国内消費の拡大をエコノミスト達は指摘している。

サービス部門生産量が1.2%増加で国内経済の刺激に繋がり、今年第1四半期のGDP伸び率は、1.4%増加を予想、特に輸送・輸送補助サービス・郵便サービスセクターは3.3%、その他のサービスセクターは2.9%それぞれ増加、小売販売セクターは2.4%増加をXP Investimentos社エコノミストの Rodolfo Margato 氏は予想している。

NSKブラジルの片岩副社長が会議所訪問

着任から約6か月が経った31日、対会議所代表者の片岩 浩副社長が平田事務局長を訪問した。

話題の中心はWithコロナ禍での駐在員の増減、複雑な税制改革の進展、ブラジル特有の問題の他、為替の変動やインフレ・金利高騰によるビジネスへのインパクト、ブラジル及び南米市場の動向、中国の不動産バブル、ローウ危機による地政学的リスク等々について幅広く意見交換を行った。

写真左から平田事務局長、NSKブラジルの片岩浩副社長

大手建材販売Leroy社は人口集中地区に10億レアルを投資して、エクスプレス店150店舗開店(2022年5月30日付けエスタード紙)

フランス資本でブラジル国内の主要都市に大規模なホームセンターを構えるLeroy Merlin社は、人口密集地帯で日々の建材需要に応じるための、小規模な建材小売店エクスプレス店を2024年までに10億レアルを投資して150店舗の新規開設を発表した。

Leroy Merlin社が予定している小規模店舗のエクスプレス店の開店は既にメガホームセンターを構えているサンパウロ州、リオ州、南大河州、ミナス州、パラナ州及びサンタ・カタリーナ州での新規開店が予定されている。

新規開店の小規模建材販売店舗エクスプレス店の販売面積は600平方メートルから1,000平方メートルで6,000アイテムの建材を販売するが,メガホームセンターの売り場面積は7,000平方メートルから18,000平方メートルで販売建材アイテムは7万種類に達している。

人口密集地区での小規模建材販売のエクスプレス店のモデルはコンペチターの Telhanorte社は20198月にサンパウロ市で開設、今ではサンパウロ市内に8店舗を構えている。2021年にはTumelero Jáの店舗名で南大河州で新規開店している。

Leroy社は2020年末にサンパウロ市のカンポ・ベロ地区でモデル店を開設、1年以上のオペレーション分析では予想を上回る売上を記録して、投資にゴーサインを出している。

サンパウロ南部地区のカンポ・ベロ店舗に次いでサンパウロ市東部地区 Perdizes2店舗目を開設、今年12月末までに3店舗及び4店舗を開設を予定している。

Leroy社によるエクスプレス店舗の開設は、ホームセンターまで行く時間のない早急な改修や修理を擁する顧客やオンライン販売による宅配時間を待てない顧客の需要の掘り起こしを目指している。

Leroy社は過去数か月間でメガホームセンターでの売り上げを伸ばしており、昨年の44店舗のメガホームセンターの売上は82億レアルに達している。

5月のインフレ指数の総合市場物価指数(IGP-M)はマイナス0.52%(2022年5月30日付けエスタード紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)のインフレ調査によると、20225月の住宅賃貸料調整基準となるインフレ指数の総合市場物価指数(IGP-M)は、 4月の1.41%増加から一転してマイナス0.52%を記録している。

エスタダン社並びにブロードキャストプロジェクションの共同調査では、5月の総合市場物価指数(IGP-M)の最低予想はマイナス0.05%、最高予想はマイナス0.67%と予想枠内に収まっている。

今年5月の過去12か月間の累計は、4月の14.66%から一挙に10.72%と約4.0%近くも減少を記録、また今年初め5か月間の累計総合市場物価指数(IGP-M)は、7.54%を記録している。

累計総合市場物価指数(IGP-M)の計算は、農業、製造業及び建設業向けの資本財及びサービス財などの原材料の価格変動、為替変動や卸売製品価格の変動に左右される。

5月の総合市場物価指数(IGP-M)がマイナス0.54%を記録した要因として、広範囲生産価格(IPA-M)は、4月の1.45%増加から移転してマイナス0.45%を記録、5月の過去12か月間の累積卸売物価指数は10.82%となっている。

また5月の消費者物価指数(IPC-M)4月の1.53%から0.35%に減少、過去12か月間の累計消費者物価指数(IPC-M)10.09%、ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)のブラジル建設コスト指数(INCC)4月の0.87%から1.49%と大幅上昇、過去12か月間の累積ブラジル建設コスト指数(INCC)11.20%を記録している。

穀物栽培コストは過去最高を更新か(2022年5月30日付けエスタード紙)

化学肥料、農薬並びにディ-ゼル燃料価格の上昇で、今年9月からの穀物栽培向け生産コストは大幅な上昇予想、特に大豆栽培向け生産コストは45.0%、トウモロコシ栽培向け生産コストは50%上昇が予想されている。

北部パラナ州のパラナシティ市で2,900ヘクタールに相当する1200あるケールで大豆栽培をしている 農場主Fabrício Maestrello氏は、肥料や農薬などの価格上昇で生産コストが高騰して大豆価格の値上がりを大幅に上回るために、耕作面積の半減を余儀なくされている。

今年の大豆生産向け化学肥料の1トン当たりの価格は前年比120%増加の6200レアル、1リットル当たりの除草剤価格は90レアルと前年比4倍に高騰している。また1リットル当たりのトラクター用ディーゼル燃料は昨年の4レアルから約7レアルに高騰した一方で、大豆の市場価格は40%上昇に留まっているとMaestrello氏は説明している。

ロシアによるウクライナ侵攻の影響によるブラジル向け肥料の輸出の停滞、電力エネルギー問題、中国の主要都市によるロックダウンによる輸送ロディスティックなどの要因で農産物生産向けコストが上昇している。

全国農業連合会(CNA)は、次回のパラナ州及びマット・グロッソ州の大豆生産向けコストは化学肥料を中心に60%から70%増加すると予想、昨年の穀物価格は140%上昇、農薬は60%から70%増加、種子は15%から20%増加を記録している。

池田領事と後任の菊池副領事が訪問

帰国する在サンパウロ日本国総領事館広報文化班の池田泰久領事並びに後任の菊池曉子副領事が2022年5月27日に商工会議所を訪問、応対した平田藤義事務局長に各々が帰国挨拶、着任挨拶を行った。

平田事務局長が06年7月末、部会長シンポジューム案内のためニッケイ新聞社(現ブラジル日報)訪問時に応対した当時の新人記者が池田泰久氏。それから総領事館の広報文化班副領事として18年6月に着任、当会議所やブラジル日報の誕生に関係が深かった数少ない領事の一人。帰国後も中南米関係の業務に携わって欲しい願いを込める一方、後任の菊池副領事にはパウリスタ大通りにあるジャパンハウスからの日本文化の発信と並行して、より一層の民間活力による全国規模での地方展開も提案した。(BrueTreeがLins市と一緒に展開するJapan ExperienceやLins Festの成功事例)