3月の鉱工業部門生産は前月比0.3%増加(2022年5月3日付IBGEサイトより抜粋)

20223月の鉱工業部門生産は前月比0.3%増加、また調査対象の4部門のうち3部門で増加を記録、調査対象の26セクターのうち14セクターで増加を記録している。
また今年3月の鉱工業部門生産は前年同月比マイナス2.1%と8ヶ月連続でマイナスを記録、今年第1四半期の鉱工業部門生産は前年同期比マイナス4.5%、3月の過去2か月間の累積生産は1.8%増加、今年第1四半期の鉱工業部門の月間平均生産はマイナス0.4%を記録している。
今年3月の鉱工業部門生産を牽引したのは、自動車・トラック・輸送機器セクターは前月比6.9%増加、その他の化学製品セクター7.8%、飲料セクター6.4%、機械・装置セクター4.9%それぞれ大幅に増加、前期同様1月はそれぞれ4.3%、0.6%、6.1%増加を記録していた。
また今年3月の鉱工業部門生産で特筆されるのは、情報機器・光学機械・電気製品セクターは7.9%、皮革・履物・旅行用品セクターは8.9%それぞれ大幅に増加、鉱業セクターは0.9%増加を記録している。
今年3月の鉱工業部門生産が前月比でマイナスを記録したのは、食品セクターはマイナス1.7%、石油派生品・バイオ燃料・コークスセクターマイナス2.1%、医薬品・医化学製品セクターマイナス8.4%はそれぞれ大幅に落ち込んでいる。
今年3月の鉱工業部門生産は前月比0.3%増加、前年同月比マイナス2.1%、今年第1四半期の累計生産はマイナス4.5%、3月の過去12か月間の累計生産は1.8増加を記録している。
前期同様鉱工業部門の資本財セクターは8.0%増加、4.4%増加、マイナス2.6%、20.9%増加、また中間財セクターは0.6%増加、マイナス2.2%、マイナス3.4%、1.3%増加している。
消費財セクターはマイナス2.5%、マイナス3.8%、マイナス7.4%、マイナス1.9%、そのうち耐久消費財セクターは2.5%増加、マイナス12.8%、マイナス18.3%、マイナス2.9%、非耐久消費財セクターはマイナス3.3%、マイナス1.2%、マイナス4.4%、マイナス1.7%であった。

今年4月の新車販売は前年同月比マイナス15.9%(2022年5月3日付エスタード紙)

自動車販売代理店が加盟する全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の発表によると、20224月のトラックやバスを含む新車販売台数は、 前月比0.3%微増の147,200台を記録した一方で、前年同月比ではマイナス15.9%と二桁台の減少を記録している。

今年4月の新車販売は前年同月比マイナス15.9%を記録したにも関わらず、2006年以降の毎年2月の月間販売比較では、COVID-19パンデミックの影響で多くの自動車ディーラーが営業停止をした昨年4月の売上高を上回っている。

昨年から継続する世界的な半導体不足による各自動車メーカーは減産を余儀なくされている影響で、今年初め4か月間の新車販売は、前年同期比マイナス21.4%に相当する552,800台に留まって、過去16年間では最低の新車販売台数に留まっている。

連邦政府は今年2月末に新車に対する工業製品税(IPI)の減税政策を導入したにも関わらず、減税の効果は新車販売には反映していない上に、1年以上前から相次ぐ新車価格の値上げの上に、新車購入ローン金利の上昇も需要減少に繋がっている一方で、新車在庫の増加をもたらしている。

4月のピックアップ車やバンを含む新車販売は、前年同月比マイナス16.8%の13万6,300台に留まっている。マーケットシェアトップはフィアット社の22.2%、GM社14.0%、トヨタ11.1%、現代自動車は10.7%であった。

今年4月のトラック販売は半導体不足による生産減少が影響して前年同月比マイナス4.4%の9,400台に留まった。またバス販売は、COVID-19パンデミックで減産を強いられていた前年同月比では9.0%増加の1,500台を記録している。

今年の鉄鋼製品輸入は内需の減少で大幅減少予想(2022年5月3日付ヴァロール紙)

上昇を続けるインフレや政策誘導金利、レアル通貨に対するドル為替のボラティリティ、ブラジル国内経済の停滞による需要減少に伴って、2022年の鉄鋼製品輸入は大幅に減少すると予想されている。

中国の主要都市のロックダウンの影響で、ブラジルへの貨物輸送は180日を要する遅延、国内経済停滞による鉄鋼製品需要減少などの要因で、今年のブラジル国内の鉄鋼製品消費は、前年比1.5%増加に留まるとブラジル鉄鋼協会(IABr)では予想している。

好調な穀物生産が牽引してトラック販売が好調を維持している一方で、特に半導体の供給問題による新車の生産減少が余儀なくされ、ブラジル国内の鉄鋼製品需要は低調に推移している。

昨年から続く建設不動産部門は好調を維持して、70平方メートルから90平方メートルの新築アパートのリリース軒数は堅調に推移しているが、今後の更なる住宅販売向けローン金利の上昇が足かせになると予想されている。

また今年の鉄鋼製品輸入の減少予想要因として、ロシアによるウクライナ侵攻、輸入鉄鋼製品の50%以上を依存している中国のCOVID-19対応のロックダウンによる中国の鉄鋼製品減産及び輸送ロティステック問題の発生を指摘している。

今年第1四半期のブラジル国内の鉄鋼製品販売は前年同期比マイナス19.7%、鉄鋼製品消費はマイナス17.7%を記録した一方で、今年3月の圧延鋼輸出は28.3%増加を記録している。

今年第1四半期の平板鋼輸入は、5.3%増加の544,800トンを記録した一方で、建設業向け棒鋼輸入は、マイナス17.1%の268,900トン、今年第1四半期の鉄鋼製品輸入はマイナス3.4%を記録している。

2021年の鉄鋼製品輸入は、前年比144.2%の大幅増加の497万トンを記録した一方で、ブラジル国内の鉄鋼製品生産は、20207月~20216月にかけてのCOVID-19パンデミックによる減産を強いられたためにマイナス12.0%を記録、今年の鉄鋼製品輸入は、国内消費の16.3%に相当する438万トンが見込まれている。

ESPM大学院生訪問 

2022年5月2日、ESPM (Escola Superior de Propaganda e Marketing)大学院アジアビジネス研究ゼミの学生12名がジェトロ・サンパウロの紹介で会議所を訪問、学外授業を受けた。

司会は引率教員のアレシャンドレ・ウエハラ教授が行い、原ジェトロ・サンパウロ所長が開会挨拶、会議所の平田事務局長が当所の紹介(ビデオの投影やコロナ禍における活動の変化等の説明)、古木ジェトロ・サンパウロ所員が高度なデータが満載のプレゼンテーション資料を用い日伯経済関係の紹介を行い、エルナニ同所員ジェトロ・サンパウロ調査業務の一部紹介を行った。

質疑応答セッションではブラジルにおける税制改革や日本のソフトパワーがもたらす対ブラジル投資への影響などについて学生からの様々な質問にパネリストらは答えた。

参加者

ESPM引率教員: アレシャンドレ・ウエハラ教授、ハンナ・キム教授

大学院生: Afnen Assaad el Merhebi, Eduardo Fares de Campos Soares Bruno, Gabriel Lehwing, Julia Nascimento Aguilar, Maria Fernanda Nardelli, Mariah Ferreira Mascarenhas, Natália Yuri Kitayama, Priscila Cesarino Taddone, Tami Ussui Nakao e Theo S. A Rajabally.

ジェトロ・サンパウロ:  原 宏所長、古木勇生ディレクター、エルナニ・オダ所員

会議所: 平田事務局長、日下野総務担当

ウエハラ教授とキム教授

平田事務局長と原所長

レクチャーの模様

オダ所員と古木ディレクター

ESPM大学院生らと記念撮影

 

2月のブラジルの財政プライマリー収支は34億⒎100万レアルの黒字計上(2022年5月2日付エスタード紙)

中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府及び州政府と市町村で構成される地方政府を合わせたブラジルの20222月の財政プライマリー収支は34億⒎100万レアルの黒字を計上している。

今年2月のブラジルの財政プライマリー収支黒字34億⒎100万レアルは、20122月に計上した951,400万レアルの黒字に次ぐ記録となったが、大幅な黒字幅は地方政府の黒字が牽引している。尚ブラジルの財政プライマリー収支には、ペトロブラス石油公社並びにラジル中央電力公社(Eletrobras)の決算は含まれていない.

ブロードキャストプロジェクションの調査では、今年2月の財政プライマリー収支の最低予想は450億レアルの赤字、最高予想は29億レアルの黒字、平均予想は97500万レアルの赤字予想であった。

今年2月の中央政府の財政プライマリー収支は、1918,100万レアルの赤字に対して、地方政府の財政プライマリー収支は、201億⒎200万レアルの黒字計上、内訳は州政府の財政プライマリー収支は、155億⒎100万レアルの黒字、市町村は46100万レアルの黒字計上、公社は248,000万レアルの黒字を計上している。

今年2月のブラジルの名目負債総額は、GDP79.2%と1月のGDP79.5%よりも若干減少、過去最少のブラジルの名目負債総額は、201312月に記録したGDP51.5%であった。

今年2月の外貨準備高を考慮したブラジルの純負債総額は、GDP57.1%と1月のGDP56.6%よりも0.5%上昇の5470億レアルに達している。

今年2月の経済活動指数(IBC-Br)は0.32%増加(2022年5月2日付エスタード紙)

20222月のGDP伸び率の先行指標となる中銀発表の経済活動指数(IBC-Br)は、前月比0.34%増加を記録、マイナス0.73%を記録していた1月の経済活動指数(IBC-Br)から一転して増加に転じている。

今年2月の経済活動指数(IBC-Br)の発表は414日に予定されていたが、中銀の業務停止の影響で遅れていた経緯があった。中銀の3月の最終四半期インフレレポート(RTI)によると、今年のブラジルのGDP伸び率は1.0%増加を予想している。

今年2月の経済活動指数(IBC-Br)は、1月の138.83ポイントから139.30ポイントに上昇、昨年12月のは139.85ポイントを記録していた。ブロードキャストプロジェクションの調査では、最低予想はマイナス0.20%、最高予想は1.70%増加、平均予想は0.40%増加であった。

今年2月の経済活動指数(IBC-Br)は、前年同月比0.66%増加の135.52ポイントを記録して20152月に記録した136.65ポイント以降では、最高の経済活動指数(IBC-Br)を記録している。

中銀の最終フォーカスレポートは、今年のインフレ指数を16回連続で上方修正(2022年5月2日付エスタード紙)

2日のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、 今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を前回予想の7.65%から7.89%と16週連続で上方修正したが、1か月前の予想は6.97%であった。

また2023年の広範囲消費者物価指数(IPCA) も前回予想の4.00%から4.10%に上方修正、2023年の中央目標値は3.25%、最低1.75%、最高4.75%が設定されている。各年のインフレ目標値は国家通貨審議会(CMN)によって設定されている。

過去5日間の102金融機関対象の調査によると、今年のIPCA指数の平均予想は、前回の7.72%から7.95%、2023年のIPCA指数は、4.00%から4.12%に上方修正されている。

また2024年のIPCA指数は、前回予想の3.12%から3.20%に上方修正、2025年のIPCA指数は、前回同様3.00%に据え置かれたが、1ヶ月前の予想も3.00%であった。

2024年のIPCA指数の中央目標値は3.00%、許容範囲は1.5%から4.5%に設定されているが、2025年のIPCA指数は国家通貨審議会(CMN)から未だに発表されていない。

今月3日及び4日に開催される中銀の通貨政策委員会(Copom)は、政策導入金利(Selic)を現在の11.75%を1.00%引上げて12.75%が予想されており 、今回のSelic金利の引上げで引下げサイクルは終了すると予想されている。

最終フォーカスレポートでは、2023年末のSelic金利を前回予想の9.00%から9.25%に上方修正したが、2024年末のSelic金利は、前回同様7.00%に据え置いている。

また今年のGDP伸び率は、前回予想の0.65%から0.70%に若干上方修正したが、1か月前の予想は0.52%であった。過去5日間の56金融機関対象の調査では、前回予想の0.70%から0.75%に上方修正されている。

2023年のGDP伸び率は前回同様1.00%に据え置かれたが、1か月前の予想は1.30%であった。また2024年及び2025年のGDPの伸び率は、1か月前の予想と同じ2.00%に据え置かれている。

2月の経常収支は24億1,400万ドルの赤字計上(2022年4月29日付けヴァロール紙)

ブラジルの2022年2月の経常収支は、中央銀行の予想26億ドルの赤字を下回る24億1,400万ドルの赤字に留まった。また昨年2月の39億7,000万ドルの赤字よりも約40%減少している。

今年2月の過去12カ月間の累積経常収支は、GDP比1.59%に相当する260億9,600万ドルの赤字計上、中銀ではGDP比1.71%の赤字幅を見込んでいた。

今年2月の対内直接投資総額は、中銀の予想の100億ドルを上回る118億4,300万ドルを記録、また昨年2月の対内直接投資総額88億3,700万ドルを30億ドル上回っている。

今年2月の過去12カ月間の累積対内直接投資は、GDP比3.09%に相当する506億7,800万ドルに達し、1月のGDP比2.94%を上回り、経常収支の赤字を充分カバーできる累積対内直接投資残高を記録している。

中銀の最終四半期インフレレポート(RTI)によると、今年のブラジルの経常収支は50億ドルの黒字を予想、対内直接投資は550億ドルを見込んでいる。今年2月の海外投資家によるブラジル国内の金融投資残高は、21億6,400万ドルと1月の38億2,500万ドルの約半分近くまで落ち込んでいる。

今年2月のブラジル債券市場からの資金逃避は、26億8,500万ドルを記録した一方で、海外投資家による株取引市場への投資は50億3,400万ドル流入、2月の本国への利益・配当金送金は29億3,300万ドル、1月は24億7,400万ドルであった。

中銀の最終四半期インフレレポート(RTI)によると、今年1年間の海外投資家によるブラジル国内の株式市場への投資は110億ドル、利益・配当金送金は300億ドルが見込まれている。

今年第1四半期の平均失業率は11.1%(2022年4月29日付IBGEサイトより抜粋)

2022年第1四半期の平均失業率は11.1%と前四半期と同率で推移したが、Covid‐19パンデミックの影響を受けていた前年同期の14.9%よりも3.8%と大幅な失業率の減少を記録している。

今年第1四半期の失業者総数は、前四半期の1,200万人から1,190万人と10万人減少、また前年同期の失業者総数1,530万人から21.7%減少に相当する330万人の失業者の減少を記録している。

一方今年第1四半期の雇用者総数は、前四半期比マイナス0.5%に相当する47万2,000人減少の9,530万人を記録した一方で、前年同期比では9.4%に相当する820万人の増加を記録している。労働人口に対する雇用比率は、前四半期比マイナス0.4%に相当する55.2%と若干減少した一方で、前年同期の50.9%から4.3%と大幅増加を記録している。

今年第1四半期の家政婦部門を除いた民間部門の労働手帳に記載される正規雇用総数は、前四半期比1.1%増加の3,490万人、前年同期比では、10.7%に相当する340万人増加を記録している。

一方第1四半期の非正規雇用総数は前四半期比同じの1,220万人、前年同期比では19.3%に相当する200万人増加を記録、前記同様に自営業者総数は、前四半期比マイナス2.5%の2,530万人、前年同期比では7.3%に相当する170万人増加を記録している。家政婦は560万人、前年同期比では19.0%に相当する89万5,000人増加している。

第1四半期の労働者総数に占める非正規雇用比率は40.1%に相当する3,820万人、前年同期比は39.1%であった。また平均給与は、前四半期比1.5%増加の2,548レアルを記録した一方で、前年同期比ではマイナス8.7%を記録している。

3月のブラジルの公的債務残高は2.89%減少の5兆5,640億レアル(2022年4月28日付エスタード紙)

28日の国庫庁の発表によると、20223月のブラジルの公的債務残高は、前月比マイナス2.89%に相当する5兆5,640億レアルに減少、今年2月の公的債務残高5兆⒎300億レアルよりも1,660億レアル減少を記録している。

今年3月のブラジルの公的債務残高に対する利払いは、3928,000万レアルの一方で、償還総額は2,0466,000万レアルを記録している。

今年3月のブラジルの公的債務残高5兆5,640億レアルのうち対内債務残高は、マイナス2.69%に相当する53,420億レアル、一方対外債務残高は、マイナス7.3%に相当する2,225億レアルまで減少している。

今年3月のブラジル国債のうち政策誘導金利Selic連動国債の比率は、全体の36.22%と2月の39.11%から約3.00%減少した一方で、確定金利付き国債比率は、2月の26.89%から28.27%と約1.50%増加している。また3月のインフレ指数連動国債比率は、2月の29.56%から31.28%と約1.80%増加している。

3月の国債の償還期間が12ヶ月以内の国債の比率は、22.40%と2月の23.36%と同率で推移している。今年3月のブラジル国債の平均償還期間は、3.97年と2月の3.86年よりも償還期間が延びている。また公的負債の年利は、2月の8.68%から3月は8.59%と若干減少している。

3月の海外投資家の公的負債残高に占める割合は、2月の9.98%から9.40%に縮小、2020年末は9.24%、2021年末は10.56%を占めていた。3月の海外投資家によるブラジル国債残高は、2月の5477億レアルから5,020億レアルと大幅に減少している。

金融機関は対内債務残高(DPMFi) に占める割合が最も高く、3月は29.74%と2月の29.54%を若干下回った。また投資ファンドの比率は、2月の24.14%から3月は23.30%と減少している。

 年金ファンドの対内債務残高(DPMFi) に占める割合は、2月の21.95%から3月は22.89%と若干増加、保険関連ファンドは、3.87%から4.05%と若干増加を記録している。