投稿者: camarajp
水力発電所の貯水ダムの水位は2012年以降で最高(2022年4月11日付エスタード紙)
国家電気システム (ONS)のジェネラルマネージャーのLuiz Carlos Ciocchi氏は、昨年下半期は、過去91年間で最悪となる水不足による危機に直面、電力コストの高い火力発電所の稼働を余儀なくされていた。
国家電気システム (ONS)の発表によると、昨年1月の貯水ダムの平均水位は23.36%であったが、旱魃の影響を受けて昨年9月には16.75%まで低下していた。昨年11月から今年3月までブラジル全国的に順調な降雨で、水力発電所の貯水ダムの平均水位は上昇、今月11日には水力発電所の貯水ダムの平均水位は71.7%に達し、2012年以降では最高の水準に達している。
ブラジル国内の水力発電所の70%を占めている南東部地域及び中西部地域の1年前の水力発電所の平均水位は、僅か35%に留まっていたが、今年は既に60%を突破している一方で、南部地域の水力発電所の平均水位は、50%前後と昨年の60%よりも低下しているが、4月に入って降雨が増加しているとCiocchi氏は楽観的に見ている。
国家電力エネルギー庁(ANNEL)は水力発電所の水位乗用に伴って、今年末まで最も電力エネルギー料金の安い緑旗に変更すると予想されているが、昨年は旱魃よる水力発電所の貯水ダムの水位低下による発電能力の低下並びにコストの高い火力発電所の稼働を余儀なくされて、赤旗の電力料金が適用されていた。
ロシアによるウクライナ侵攻で石油派製品やガス価格が上昇しているが、ブラジル国内の水力発電所の水位上昇に伴って、火力発電所の稼働の必要性がなくなるために、液化天然ガス(LNG)の輸入減少が見込まれている。
Selic金利は5月以降も上昇継続か(2022年4月11日付けヴァロール紙)
3月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、燃料及び食料品関連の値上りが牽引して、レアルプラン発表前のハイパーインフレ時の1994年に記録した42.75%以降では最高となる1.62%を記録、金融市場関係者の3月のIPCA予想の1.35%を大幅に上回っている。
今年3月の過去12カ月間の累計広範囲消費者物価指数(IPCA)は二桁台の11.3%に上昇、中銀の今年のIPCA指数の中央目標値3.5%の3倍以上のインフレ指数を記録しており、中銀の最大許容範囲値の5.00%に収めるのは不可能と予想されている。
金融市場関係者は3月のIPCA指数が予想を大幅に上回り、5月の中銀の通貨政策委員会(Copom) による政策誘導金利(Selic)の1.0%上方修正で、Selic金利の切り上げサイクルは終了すると予想されていたが、依然としてインフレ圧力が上昇しているために、5月以降のSelic金利の引き上げが予想されている。
今年5月の通貨政策委員会(Copom) による政策誘導金利(Selic)の1.0%上方修正で12.75%が予想されていたが、3月のインフレ詩集が予想を大幅に上回っているために、多くの金融市場関係者は、今年末のSelic金利を13.25%以上を予想している。
中銀では今年のIPCA指数を6.3%、2023年のIPCA指数を3.1%に設定して、5月のCopom会議によるSelic金利の引き上げでサイクル終了を見込んでいたが、5月のCopom会議でSelic金利の1.00%、6月は0.75%、8月は0.50%それぞれ引き上げて,14.0%まで引き上げられるとCredit Suisse銀行では予想している。
Haitong社チーフエコノミストのMarcos Ross氏は、今年のSelic金利は14.0%を突破すると予想、今年のIPCA指数を前回予想の6.8%から7.4%、2023年のIPCA指数も前回予想の3.7%から4.3%にそれぞれ上方修正している。
BofA銀行チーフエコノミストのDavid Beker氏は、今年のインフレを8.0%、来年のインフレを4.5%とそれぞれ上方修正、5月のSelic金利は1.00%、6月は0.50%それぞれ引き上げて13.25%もしくはそれ以上になると予想している。
3月の新車生産は過去19年間で最低の18万4,800台に留まる(2022年4月8日付エスタード紙)
8日の全国自動車工業会(Anfavea)の発表によると、世界的な自動車用半導体不足によるレイオフなどによる生産調整を余儀なくされた影響で、2022年3月のバスやトラックを含む自動車生産は、前年同月比マイナス7.8%も18万4,800台に留まっている。
今年3月の自動車生産台数18万4,800台は、2003年3月に記録した12万7500台以降の過去19年間では最低記録を更新、また今年第1四半期の自動車の累計生産台数は、前年同期比マイナス17.0%に相当する49万6,100台に留まり、2004年第1四半期に記録した48万4,300台以降では最低の生産台数まで落ち込んでいる。
3月の新車販売が14万6,800台に留まったのは、2004年に記録した14万1,600台以降の18年間では最低の販売台数に留まっていると全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)は指摘している。
しかし今年3月の新車販売は、新車販売に対する工業製品税(IPI) が18.5%減税及び営業日数が前月よりも多かったために、前月比では11.0%と二桁台の販売増加を記録している。
今年第1四半期の新車販売は、前年同期比マイナス23.2%の40万5,700台に留まって2005年以降の第1四半期の新車販売では過去最低記録となっている。
今年3月の自動車輸出は前年同月比5.8%増加の3万8,900台に達したが、主要輸出先のアルゼンチン向け自動車輸出はマイナス6.2%を記録、今年第1四半期の自動車輸出は、前年同期比12.8%増加の10万8,100台を記録、3月の自動車業界の新規雇用は430人増加、業界全体の雇用総数は10万1,800人と10万人を辛うじて維持している。
3月のインフレ指数は1.62%で1994年以降では最高のインフレ指数を記録(2022年4月8日付エスタード紙)
8日のブラジル地理統計院(IBGE)発表によると、2022年3月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、燃料及び食料品関連の値上りが牽引して、レアルプラン発表前のハイパーインフレ時の1994年に記録した42.75%以降では最高となる1.62%を記録、金融市場関係者の3月のIPCA予想の1.35%を大幅に上回っている。
今年3月の過去12カ月間の累計広範囲消費者物価指数(IPCA)は二桁台の11.3%に上昇、中銀の今年のIPCA指数の中央目標値3.5%の3倍以上のインフレ指数を記録しており、中銀の最大許容範囲値の5.00%に収めるのは不可能と予想されている。
今年3月の広範囲消費者物価指数(IPCA)が1.62%まで上昇した主因として、輸送関連部門の値上りは0.65%、食品・飲料部門の値上がりは0.51%を閉め、前記2部門の値上げはIPCA指数全体の72%を占めている。
今年3月の輸送関連の値上がりは3.02%を記録、特に燃料価格の値上がりは6.70%、内訳はガソリン価格の値上がりは6.95%、3月11日にペトロブラス石油公社の石油製油所の卸売価格は18.77%値上げを記録、またディーゼル燃料価格の値上げは13.65%、自動車用ガス価格は5.29%、エタノール価格は3.02%とそれぞれ大幅な値上がりを記録している。
輸送関連部門の燃料価格の大幅な値上げ以外にも配車アプリの輸送サービス費は7.98%、任意自動車保険サービス費は3.93%、自動車関連保守サービス費も1.47%それぞれ値上げされて、3月の輸送関連のIPCA指数を押し上げる要因となっている。
今年3月の食料品・飲料部門の値上げは2.42%を記録、特に家庭内消費用食料品の値上げは3.09%を記録してIPCA指数を0.08%押し上げている。特にトマトの価格は27.22%高騰、ニンジンは31.47%高騰、過去12カ月間の累積値上げは166.17%を記録、長期保存ミルクは9.34%、大豆油8.99%、果物6.39%、フランスパンは2.97%それぞれ大幅な値上がりを記録している。
また今年3月の外食代は、2月の0.02%から0.65%と大幅に上昇、軽食代は、2月の0.85%から0.76%と若干値上がり幅は縮小している。
H.I.S.ブラジルの野口和行が会議所を訪問
2022年4月7日、H.I.S.ブラジルの野口和行社長(南米統括)及び安里リカルド日本企業担当アカウントエグゼクティヴが会議所を訪問した。
野口社長は2月末に日根前社長の後任として着任、会議所の運輸サービス部会副部会長も継続する。
応対した平田藤義事務局長に挨拶するとともに、昨今の日本、ブラジル情勢、規制緩和などについて意見交換を行った。
Toyobo do Brasil(TBL)南村社長が藤井新社長と表敬訪問
写真左から平田事務局長、南村幸彦社長、後任の藤井康喜新社長
15年9月の着任から、在任約7年の南村幸彦社長が、7日帰任を前に後任の藤井康喜新社長を紹介するため平田事務局長に表敬挨拶を行った。
TBLの歴史は1955年に「50年の進歩を5年で」をスローガンに掲げて、翌年誕生した元クビチェック大統領の時代に遡る。50年代に日本からの第一次進出ブームが起きた時代である。自動車のトヨタ、製鉄業のウジミナス(現南米日本製鉄)、造船の石川島(現IHI)等も同時代の進出組。繊維業界ではTBLはパイオニア的な存在で知られ、一早く55年に現地法人を設立、輸入代替工業化政策下で雇用の拡大や地域社会活動CSR(SDGs)などでも貢献した企業の一つ。
ブラジルの90年代からの自由化、世界的なグローバル化の波、特に21世紀初頭中国の台頭が著しい世界の情勢変化を的確に捉え、繊維事業からそれまでに育んだバイオ事業や15年頃から立ち上げたエンプラ事業にシフト、大胆な構造改革を断行して来た数少ない日系企業。
今ではバイオ事業が同社の中核製品に成長、その立役者の南村氏に過去、同じ繊維・紡績業界を古巣とした事があった平田事務局長は時代の変遷、変革チャレンジに感慨深い念を込めて、同氏と別れを惜しみながら敬意とエールを述べ、また藤井氏に同社の新事業のより一層の発展を期待した。
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今年2月の建材販売は7ヶ月連続で前月比割れ(2022年4月6日付エスタード紙)
ブラジル建設材料工業協会(Abramat)の発表によると、2022年2月のブラジル国内の建材販売は、建設不動産部門が過熱気味であった前年同月比では、マイナス10.4%と二桁台の大幅な落込みを記録した一方で、前月比では0.3%微増を記録している。
今年2月の建材販売は、昨年8月から7ヶ月連続で前年同月比でマイナスを記録、ロシアによるウクライナ侵攻、住宅ローン金利の上昇、インフレ指数の高止まりなどの要因で、今後数か月間は低調に推移、建材部門の売上回復は下半期からになると予想されている。
2022年の建材部門伸び率は、前年比1.0%前後が予想されている。今年初め2か月間の累積建材販売は、前年同期比マイナス10.6%、今年2月の過去12か月間の累積販売は、4.3%増加を記録している。
不安定な海外情勢、不透明なCOVID-19パンデミックの行方、更に上昇が見込まれている政策誘導金利、高止まりしているインフレなど今年の建材部門の需要を削ぐ要因が重なっており、短中期的には需要減少を Abramat協会のRodrigo Navarro会長は指摘している。
今年3月のブラジル建設コスト指数 (INCC-M)は、2月の0.48%から人件費の高騰で0.73%に急増した一方で、3月の過去12か月間の累積ブラジル建設コスト指数は、2月の13.04%から11.63%減少している。
2021/22年度の穀物生産は5.4%増加の2億6,930万トン(2022年4月7日付ヴァロール紙)
国家配給公社(Conab)によると、2021/22年度の穀物生産は南部地域の旱魃の影響で大豆の大幅な減産が見込まれている。今年4月の今年の穀物生産の最終予想は、前月比5.4%増加の2億6,930万トンが見込まれているが、南部地域並びに南マット・グロッソ州の中南部地域の干ばつの影響による大豆及びトウモロコシの減産予想で、今年1月の2億8,860万トンの予想を6.7%下回っている.
3月から4月にかけて、トウモロコシを中心に2番目の播種の終了時期に近づいており、南部地域を含む生産地域全体で規則的な降雨のおかげで良好な湿度条件での植え付けを可能にしている。
今年の穀物栽培面積は、前年比4.4%増加に相当する7,280万ヘクタール、特に大豆向け耕作面積は前年比4.1%に相当する160万ヘクタール増加、トウモロコシは、6.5%に相当する130万ヘクタール増加している。
4月の今年の大豆生産は1億2240万トンが予想、3月の1億2,280万トンより40万トンの下方修正されているが、昨年の大豆生産との比較では11.4%と二桁台の減少が見込まれている。南大河州、南マット・グロッソ州およびパラナ州の旱魃は最も悪影響を及ぼした一方で、マトビバ地域のピアウイ州は最適な降雨に恵まれて予想を上回る大豆生産を記録している。
今年の大豆輸出は、昨年の8,016万トンから7,700万トンと400万トン以上の輸出減少が見込まれている要因として、大豆派生品への輸出比重が上昇しており、大豆油などの派生品輸出は年初の110万トンから160万トン増加が見込まれている。
今年のトウモロコシ生産は、旱魃に見舞われて大幅な減産を余儀なくされた前年比では32.7%増加の1億1560万トンが見込まれている。4月の今年のトウモロコシ生産予想は3月の予想よりも3.0%上方修正されている。
今年の第二期作のトウモロコシ生産は8,850万トンが見込まれている。また4月の今年のトウモロコシ輸出予想は、3月の3,500万トンから3,700万トンに上方修正、前年比では77.8%増加が予想されている。
ブラジルへの投資ランクはCovid‐19パンデミック以前の22位に上昇(2022年4月7日付エスタード紙)
コンサルタント会社Kearney社のCovid‐19パンデミック前の今年1月の海外投資家による世界投資対象国ランキング調査によると、ブラジルへの投資ランクは、2021年の24位からCovid‐19パンデミック前の水準である22位に上昇、ランキング指数は1.64ポイントから1.71ポイントに上昇している。
現在のブラジルへの投資ランクが22位に上昇したにも関わらず、2012年から2013年にかけての世界投資ランク3位には程遠いランクに甘んじているが、ブラジルの比類ない豊富な鉱物資源や世界コモディティ商品である農産物生産量は、再度世界の投資家を引き付ける魅力を擁している。
2016年のブラジルの投資ランクは12位であったが、2018年は13ランク落として25位に転落、Covid‐19パンデミック前の2020年初めは22位に上昇、Covid‐19パンデミックが猛威を振るっていた2021年1月は24位に下げていた。今年のブラジルへの海外投資家による対内直接投資は550億ドルが見込まれているが、Covid-19前の2019年の692億ドルを大幅に下回ると予想されている。
今年のブラジルへの投資ランクが上昇した要因として、原材料価格の高騰及びCovid‐19対応のワクチン接種による経済活動の活性化の一方で、高止まりするインフレ及び金利の上昇、10月の大統領選挙の不透明感がマイナス要因となっている。ブラジルの株式投資の内訳は、海外投資家の投資比率は53%、法人は25.4%、個人投資家は16.5%となっている。
ブラジルへの投資ランクは、25新興国の中でも中国の10位、アラブ首長国連邦14位、カタール24位と並んでトップ4カ国の中に入っている。ロシアのウクライナ侵攻後の調査と仮定すればブラジルのランクは22位から19位に上昇すると仮定されている。
今年1月の投資ランクトップ10は、米国、ドイツ、カナダ、日本、英国、フランス、イタリア、スペイン、スイス、中国は10位、オーストラリア11位、ニュージーランドは12位、韓国16位、シンガポール18位、ポルトガル19位、ブラジルは23位にのノルウエーを抑えて22位となっている。








