(ZOOM)2月の法律委員会月例会開催 

日伯法律委員会(岩尾 玄委員長)主催のオンライン月例会は、2022年2月16日午後4時から5時30分まで開催、初めに Abe Giovanini Advogados弁護士事務所のGustavo Barroso Taparelliパートナー及びMaira Cristina Madeiraパートナーはテーマ「州間高速道路の運営に課せられたICMS DIFALの発生率に関連して、補完法190/2022が最終消費者に与える影響」について、続いて Tauil & Chequer Advogados弁護士事務所の Flávio Amaral Garciaパートナーは、テーマ「入札および行政契約制度の主な変更点:進歩と課題」についてそれぞれ講演した。

PDF anexos:
1. “ICMS-Difal – Lei Complementar 190/2022”
2, “As principais mudanças no regime de licitações e contratos administrativos: avanços e desafios”

2021年の食品部門の実質売上は前年比3.2%増加(2022年2月16日付けヴァロール紙)

ブラジル食品工業会(ABIA)の発表によると、2021年の食品部門のインフレ指数を差引いた実質売上は、原材料並びに包装関連の供給不足による影響で前年比3.2%増加に留まった。

しかし昨年の食品部門のインフレ指数10.6%を考慮しない名目売上は前年比16.9%の大幅増加の9226億レアルを記録、食品部門の生産は前年比1.3%微増に留まっていた。

昨年の食品部門は農畜産の国際コモディティ価格上昇による原材料の製造コスト及び包装関連コスト上昇にも拘らず、製造コスト上昇分の最終消費者への価格転嫁ができず、収益を圧迫された。

昨年の食品部門は、COVID-19パンデミックの影響でレストランやバーの外食部門の売上は減少した一方で、巣籠需要による食品販売が大幅に増加していた。

今年のブラジルのGDP伸び率が0.5%~1.0%増加に留まる予想では、食品部門の実質売上は前年比1.5%~2.0%増加に留まると予想されている一方で、食品部門の輸出は昨年並みの450億ドルが見込まれている。

昨年のブラジル国内の食品部門の実質売上は前年比1.8%増加、食品部門生産は1.0%増加。昨年の総売上高は、2020年に24.3%減少した家庭外食品チャネルからの売上高が26%増加の6,785億レアルに達している。

昨年のインフレ指数は二桁台の上昇を記録、昨年初め9か月間の一般消費者の買い物の習慣に変化が表れており、食品の購入頻度は前年比マイナス2.1%、1回の購入額もマイナス1.8%を記録、この期間の食料品価格は11.8%上昇した一方で、購入金額は9.7%増加に留まっている。

昨年の食品価格は国際コモディティ価格の上昇に伴って値上げを余儀なくされたが、特にコーヒー価格は60%高騰、パームオイルは55%、大巣は43%それぞれ増加している。

国家配給公社(Conab)によると、2021/22年度の穀物生産は、南部地域の旱魃の影響で大豆の大幅な減産が見込まれているが、最終予想は、1月の2億8,440万トンの予想を大幅に下回る2億6,820万トンに下方修正されたにも関わらず、昨年の生産を5.0%上回る予想で、記録更新が見込まれており、食品価格の値上がりは昨年を下回ると予想されている。

 

2022年2月の小売部門の企業経営者の景況感が1.2%悪化(2022年2月16日付けヴァロール紙)

全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)のリテール業界の企業経営者対象の景況感調査によると、2022年1月の企業経営者の景況感指数(ICEC)は、前月比マイナス1.2%の119.3ポイントに減少している。

今年2月のリテール業界の企業経営者の景況感指数(ICEC)の1.2%の悪化は、今年1月の景況感の大幅な改善を帳消しにする悪影響の結果となっている。

今年2月のリテール業界の企業経営者の景況感指数(ICEC)が前月比で悪化したのは、現状景況感がマイナス1.4%、今後数か月間先の見通し景況感はマイナス1.6%、投資意欲指数はマイナス0.9%を記録している。

一方今年2月のリテール業界の企業経営者の景況感指数(ICEC)のCOVID-19パンデミックの影響を受けていた昨年2月比では、現状景況感が25.3%増加、今後数か月間先の見通し景況感は7.1%増加、投資意欲指数は15.3%増加を記録している。

今年2月のリテール業界の企業経営者の景況感指数(ICEC)はマイナス1.2%、今年1月は1.4%増加、今年初め2か月間の累計景況感指数(ICEC)はマイナス0.2%微増を記録している。

今年2月のリテール業界の企業経営者の景況感指数(ICEC)調査では、調査対象の54.2%の企業経営者は景気の悪化を感じている一方で、45.8%の企業経営者は楽観的な見方をしている。

アジアからの海上輸送運賃はCOVID-19パンデミック前の5.7倍に高騰(2022年2月16日付けエスタード紙)

全国工業連合会(CNI)の調査によると、2022年2月のアジアからブラジルへの海上輸送運賃は、COVID-19パンデミック前の5.7倍に高騰しており、今後数年間継続する可能性がある。

2020年3月開始の世界的なCOVID-19パンデミックで、世界各国が採用を余儀なくされた外出自粛で世界的な需要縮小による世界貿易が停止していたが、2020年下半期から世界経済の回復に伴って、貿易再開による海上輸送運賃が上昇を開始した。

しかし世界貿易の活性化で港湾サービス、保税倉庫、コンテナ船などの需給バランスの均衡崩壊で、海上輸送運賃は右肩上がりの一途であった。

全国工業連合会(CNI)の調査によると、2021年1月のアジアからブラジルへの20フィートコンテナの海上輸送運賃は、8,900ドルに高騰、COVID-19パンデミック直前の2020年1月の海上輸送運賃の4.6倍に高騰していた。

2021年3月のコンテナ船の海上輸送運賃は、6,200ドルに減少したにも拘らず、昨年12月には9,700ドルに高騰、今年1月にはCOVID-19パンデミック前の2020年1月の5.7倍に相当する1万1,150ドルを記録している。

海上輸送運賃が高騰している一因として、COVID-19感染拡大予防のために、一般消費者は外出する必要のないEコマース販売を通した商品購入が一般的になってきて、生活スタイルの変化が一因となっている。

世界貿易の90%相当は海上輸送に依存しており、またEコマース販売も海上輸送のコンテナ船の需給バランスを不均衡にさせて、海上輸送コストを引上げる要因となっている。

(Zoom)コンサルタント部会懇談会開催

今年初めてのオンラインによるコンサルタント部会(笹澤誠一部会長)懇談会は、2022年2月16日午後2時から3時まで12人が参加して開催、司会は笹澤部会長が務め、3月3日の金融部会共催の部会長フォーラムの発表資料作成で意見交換を行った。

発表資料作成では、COVID-19パンデミックの影響を受けたセクター、半導体不足、コンテナ不足、輸送コスト高騰、消費動向、Eコマースや宅配事業の伸長、EGG関連事業の新規投資、LGPD(ブラジル個人情報保護法)、実態とかけ離れたインフレ指数、ブラジル国内でのサプライチェーン構築、パンデミックコスト上昇、日本企業の存在感の薄れ、駐在員減少及び非補充、慎重すぎる日本企業の投資アクション、働き方の変化及び対応、進出企業撤退の未然防止などが挙げられた。

サンパウロ総領事館の渡邉副領事は、本社へのブラジルのポテンシャルやポディティブ面の発信の重要性。有望なカーボンクレジット関連事業、日本企業の内向き傾向によるビジネスチャンス喪失、ブラジルのスタートアップ企業への薄い注目度、ブラジルのOECD加盟審査開始も正式加盟プロセスには3年~5年を要する事。ブラジルコストなどに対して、日本政府から是正を勧告することが可能となり、今後は日本企業が抱えているビジネス障害の問題点に見える化への協力を要請した。

平田事務局長は、遅れているブラジルのOECD加盟プロセス、行政改革や税制改革は頓挫しているものの、再生可能エネルギー、カーボンニュートラル、ESGなど有望な投資部門が認知されていないブラジルのポテンシャルの情報発信、本社幹部がブラジルに注目するような話題提供、デフレで全く元気のない日本を元気にさせる話を提供してほしいと要請した。

参加者
笹澤氏(EY)
安岡氏(Deloitte)
天野氏(KPMG)
三上氏(KPMG)
柏氏(Cescon Barrieu)
山下氏(Yacon)
原所長(ジェトロサンパウロ事務所)
中野副領事(総領事館)
渡邊副領事(総領事館)
平田事務局長(商工会議所)
梶原アシスタント(商工会議所)
大角編集担当(商工会議所)

異常気象による穀物減産で莫大な損害及び食品価格の上昇圧力(2022年2月15日付けエスタード紙)

世界的な異常気象の影響で南部地域の南大河州、サンタ・カタリーナ州及びパラナ州、中西部地域の南マット・グロッソ州は、旱魃による日照り続きで穀物生産に大きな影響を与えている。

ブラジル国家農業連合(CNA) の調査によると、過去数か月間に亘る旱魃の影響で南部地域と南マット・グロッソ州の穀物生産は、2,520万トンの減産が予想されている。

これ等の地域の旱魃による大豆は、1,900万トンの減産が見込まれており、減産による損害額は621億レアルに達するとラジル国家農業連合(CNA) では見込んでいる。

またトウモロコシの第1期作は520万トンの減産で、損害額は83億レアル、コメ生産は89万トンの減産で、損害額は8億6,000万レアル、フェジョン豆の第1期作は12万5,000トンの減産で、損害額は6億1,000万レアルが見込まれている。

2022年1月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は0.54%上昇、1月としては2016年1月に記録した1.27%以降では、最高のインフレ指数を記録。食料品だけで全体の43.0%のIPCA指数を占めている。

また労使間社会経済調査・統計所(Dieese)の調査によると、今年1月の食料品基本バスケット価格調査によると、調査対象の17州都のうち16州都で上昇を記録していた。

コンサルタント会社MB associados社チーフエコノミストのSergio Vale氏は、食料品並びにガソリン価格の上昇で今年のインフレ指数のIPCA指数を前回予想の4.7%から5.8%と1.1%の上方修正をしている。

国家配給公社(Conab)によると、2021/22年度の穀物生産は、南部地域の旱魃の影響で大豆の大幅な減産が見込まれているが、最終予想は、1月の2億8,440万トンの予想を大幅に下回る2億6,820万トンに下方修正されたにも関わらず、昨年の生産2億5,270万トンを5.0%上回る予想で、記録更新が見込まれている。

 

大手民間銀行のクレジットの延滞率増加でクレジット部門の縮小予想(2022年2月15日付けエスタード紙)

イタウー銀行、ブラデスコ銀行やサンタンデール銀行などの大手民間銀行は、二桁台に上昇している政策誘導金利(Selic)、減速してきている国内経済及び商業銀行のクレジット部門の延滞率増加などの要因で、今年のクレジット部門の縮小を余儀なくされると予想されている。

今月2日ブラジル中央銀行の通貨政策委員会(Copom) は、インフレ圧力の上昇に伴って政策誘導金利(Selic)を8回連続での引上げを余儀なくされ、現在のSelic金利9.25%を1.50%引上げて10.75%に決定している。

今年のクレジット部門は、二桁台のSelic金利、国内経済の停滞、延滞率増加などに伴って、クレジット返済期間の短縮化、住宅購入向けクレジットやクレジットカード部門の与信強化やクレジット縮小が見込まれている。

ブラジル銀行連盟(Febraban)は先月、今年のクレジット部門の伸び率は前回予想の前年比7.3%増加から6.7%増加に下方修正している。ブラデスコ銀行のOctavio de Lazari Jr.頭取は、今年の同行のクレジット部門の伸び率は前年比10%~14.0%増加を予想、昨年のクレジット部門伸び率の18.0%を大幅に下回る予想に下方修正している。

ブラジル最大の民間銀行イタウー銀行のMilton Maluhy Filho頭取は、今年のクレジット部門伸び率は、前年比11.5%~14.5%増加と2021年の23.0%を約半分の伸び率に設定している。

サンタンデール銀行は、今年のクレジット部門伸び率を一桁台の9.0%増加と昨年の10.3%増加よりも低く設定している。また延滞率上昇に対応するため138億レアルの貸倒引当金を宛がっている。

2022年のサンパウロ市内の新築住宅販売伸び率は昨年を下回る予想(2022年2月15日付けエスタード紙)

サンパウロ州内の不動産業界企業が加盟するサンパウロ不動産関連業者組合(Secovi-SP)の予想によると、2021年のサンパウロ市内の新築住宅リリース軒数は、上半期は低率で推移していた銀行金利や住宅ブームで、前年比36.0%大幅増加に相当する8万1,800軒を記録していた。

しかし2020年のサンパウロ市内の新規住宅リリース販売は、既に二桁台に達した政策誘導金利Selicは更なる金利上昇予想による住宅ローン金利の上昇や高止まりするインフレ指数や景況感の悪化で、前年比17.0%~25.0%増加に相当する7万軒~7万5,000軒に留まると予想されている。

昨年のサンパウロ市内の住宅販売は、前年比29.0%増加の6万6,100軒、今年の住宅販売は、前年比17.0%~26.0%増加に相当する6万軒~6万5,000軒に留まると予想されている。

しかし年初の今年の住宅販売は、前年比マイナス10%~マイナス15%に相当する5万5,000軒~6万軒が予想されていた。一方今年の新築住宅のリリース軒数は、前年比マイナス10%~マイナス15%に相当する6万5,000軒~7万軒が予想されていた。、

今年のサンパウロ市にの住宅販売は、二桁台で推移する銀行金利や今年のGDP伸び率が僅か0.30%増加、クレジット部門縮小予想を反映するとサンパウロ不動産関連業者組合(Secovi-SP)チーフエコノミストのCelso Petrucci氏は指摘している。

(ZOOM)第1回機械金属部会開催 

今年初めてのオンライン機械金属部会(山田佳宏部会長)懇談会は、2022年2月15日午後1時30分から3時まで20人が参加して開催、3月4日に自動車部会及び機械金属部会共催のフォーラム向け発表資料作成のため、参加者は昨年の回顧及び今年の展望について発表した。

昨年の回顧では半導体の供給問題、コンテナ不足、海上輸送運賃の高騰及び遅延、価格転嫁、生産コストの上昇、基幹産業のトレンド、仕入れコスト上昇、サプライチェーン問題による在庫不足、建機市場の回復、中国企業との熾烈な競合、インフレ、高金利、デリバリー販売増加による段ボール需要拡大、旱魃による火力発電稼働による電力料金値上げなどが挙げられた。

今年の展望では、先行き不透明な大統領選挙、人材交流及び強化、新規ビジネスモデルとしてEコマース開始、中国の鉄鋼産業再編の可能性、中国のカーボンニュートラル取組、北京オリンピック後の中国の鉄鋼増産の可能性、中南米諸国の左派政権への傾き、電力エネルギーオークション増加、自動車生産回復への期待などが話題となった。

平田事務局長は、2月10日開催されたハイブリッド形式による化学品部会及び今回のオンライン形式の機械金属部会開催のメリット及びデメリットについて説明した。

またサンパウロ総領事館の渡邉副領事は、ブラジルのOECD加盟審査開始も正式加盟プロセスには3年~5年を要する事。ブラジルコストなどに対して、日本政府から是正を勧告することが可能となり、今後は日本企業が抱えているビジネス障害の問題点を精査して、ブラジル政府に対する要請。ジャパンハウス活用による日本企業のプレゼンス拡大、日メルコスールEPA締結、コロナ禍対応の水際対策について説明した。

参加者
三菱重工 山田氏
日立 三好氏
日本製鉄 秋山氏
JFE 栗原氏
メタルワン 加藤
コマツ 岡田氏
タダノ 平野氏
荏原BR 小野澤氏
京セラ 平野氏
横河南米 田野口氏
TMEIC 二本松氏
出光 木内氏
ユシロ 竹沢氏
NTN 中野氏
伊藤忠丸紅 杉本氏
CBC 石井氏
在サンパウロ日本総領事館 渡邊副領事
ブラジル日本商工会 平田事務局長
同 日下野総務担当
同 大角編集担当

PwCは今年は農畜産部門のM&A加速予想(2022年2月14日付けエスタード紙)

今年は農畜産部門の企業の買収・合併(M&A)が加速すると予想、特に原材料の物流、肥料、飼料、果物部門での買収・合併の増加をコンサルタント会社PwC社のLeonardo Dell’Osoパートナーは予想している。

肥料会社Eurochem社及びラテンアメリカ最大の農産物物流会社Lavoro社は、既に年内の買収・合併を表明、また5件~8件のM&A案件が進行中であり、今後3か月から6ヶ月以内に消費財部門、植林部門並びに肥料部門での買収・合併が成立するとLeonardo Dell’Osoパートナーは予想している。

高止まりしている農産物の国際コモディティ価格、記録更新を続けている穀物生産などブラジル経済を牽引している農畜産部門に対して、有望な投資先を選定している資金の豊富な投資ファンドは農畜産部門に注目している。

2022年及び2023年は農畜産部門のビジネスブームが予想されており、またドローンやビックデータ、IoT、ブロックチェーンなどの最新技術で解決するアグロテック(Aggrotech)の新しいスタートアップ企業が相次いで誕生していることも農畜産部門の企業の買収や合併に拍車をかける要因となっている。

Unigel社は、先週バイア州Aratu-Candeias港から1万8,500トンのアンモニアを農産物向け肥料が不足しているマダガスカル及び南アフリカ向けに輸出した。

Unigel社は、アグリビジネスの関連企業になるだけでなく、アンモニアを生産することでバリューチェーンの統合において重要な一歩を踏み出したと同社のRoberto Noronha Santos社長は説明している。

ミナス州のSatis社は、今年の純収益を前年比40%増加を目論んでいるが、昨年は主に蔬菜向け肥料、有機肥料、生物学的肥料の売上増加が牽引して売上高が32%増加している。

今年は、中西部地域並びにバイーア州西部地域での事業拡大に加え、2022/23年の収穫を目指してパラナでも事業展開をEndrigoBezerra社長は説明している。