2021年の製造業部門の貿易収支は530億ドルの赤字計上(2022年2月7日付けヴァロール紙)

工業開発分析研究所(Iedi)の調査によると、2021年のブラジルの製造業部門の貿易収支は、2015年以降では最悪となる533億ドルの赤字を計上、Covid-19パンデミック前の2019年の製造業部門の貿易収支赤字420億ドルよりも100億ドル以上悪化している。

ブラジル貿易会(AEB)の統計によると、2021年の製造業部門の貿易赤字は1110億ドルに達し、2000年以降では最悪の赤字を計上、2019年の貿易赤字827億ドルよりも300億ドル以上赤字幅が増加している。

2019年の製造業部門の輸出は前年比26.3%増加したにも拘らず、輸入は35.1%と大幅に上昇して、貿易収支の悪化を要因となっている。昨年の付加価値の高い完成品の輸出は、米中貿易摩擦の煽りで前年比マイナス5.2%を記録していたと工業開発分析研究所(Iedi)エコノミストのRafael Cagnin氏は指摘している。

昨年の製造業部門のローテクノロジ-関連輸出は全体の72.4%、ハイテクおよびミディアムハイテクノロジー関連輸出は約30%占めていた。過去最高の製造業部門の貿易収支赤字は、2013年に記録した653億ドルであったが、ハイテクおよびミディアムハイテクノロジー関連輸出は全体の36.1%を占めていた。

2013年の製造業部門のハイテク関連輸出は全体の6.4%を占めていたが、Covid-19パンデミックの影響で、ブラジルが誇るハイテクの航空機産業部門の輸出が大打撃を被った影響もあり、昨年のハイテク関連輸出は3.9%まで縮小している。

2011年の製造業部門の完成品輸出は全体の56.5%、2021年には27.4%に半減した一方で、前期同様に半完成品14.1%から13.2%に微減、基礎産品輸出は26.3%から59.4%に2倍以上増加を記録している。

昨年のブラジルの中国向け輸出は全体の31.0%を占めていたにも拘らず、完成品輸出は全体の僅か2.3%に留まっている。米国向け輸出は全体の11.0%を占めたが、完成品輸出は全体の21.6%、アルゼンチンは4.0%、12.9%であった。

最終フォーカスレポートは4週連続で今年のインフレ指数を上方修正(2022年2月7日付けエスタード紙)

7日のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2022年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を前回予想の5.38%から5.44%に上方修正したが、1か月前の予想は5.03%であった。

今年のインフレ指数の中央目標値は3.50%、許容範囲は2.0%~5.0%に設定されているにも拘らず、上限の許容範囲を突破すると予想されている。。2021年のIPCA指数は二桁台の10.06%を記録していた。

先週2日のブラジル中央銀行の通貨政策委員会(Copom) は、インフレ圧力の上昇に伴って、政策誘導金利(Selic)を8回連続での引上げを余儀なくされ、Selic金利9.25%を1.50%引上げて10.75%に決定、2017年5月以降では最高のSelic金利を記録している。

また2023年のIPCA指数は、前回同様3.50%に据え置いたが、中銀の中央目標値3.25%を上回っており、許容範囲の1.75%~4.75%には収まっている。1か月前の予想は3.36%であった。

最終フォーカスレポートでは、2024年のIPCA指数は前回同様3.00%に据え置いたが、1か月前の予想も3.00%であった。2024年のIPCA指数は3.00%予想、許容範囲は1.50%~4.5%、2025年のインフレ目標値は、国家通貨審議会(CMN)は未だに発表されていない。

今年末の政策誘導金利(Selic)は、11.75%と1か月前の予想を据置いている。しかし過去5日間のエコノミストの今年末のSelic金利予想は、前回予想の11.88%から11.75%に下げている。

2023年末のSelic金利予想は、1か月前の予想と同じ8.00%、2024年末は7.00%、2025年末のSelic金利は、1か月前の予想と同じ7.00%が予想されている。

また最終フォーカスレポートによると、今年のGDP伸び率は0.30%増加予想、1マ月前の予想は0.28%であった。過去5日間の調査では、23人のエコノミストは、今年のGDP伸び率ア前回予想の0.32%から0.21%に下方修正している。

2023年のGDP伸び率は、前回予想の1.55%から1.53%に微調整、1か月前は1.70%を予想。2024年のGDP伸び率は、1ヶ月前の予想と同じ2.00%、2025年のGDP伸び率は、1ヶ月前の予想と同じ2.00%となっている。

JTB Americaの鈴木社長ご一行が訪問 

写真は左から文岡社長、平田事務局長、村田会頭、鈴木社長、舘澤企画部長

4日、Quickly Travelの文岡正樹社長にJTB America,Ltdの鈴木重行取締役社長、同社の舘澤利典取締役企画部長が同行、村田俊典会頭および平田藤義事務局長と、コロナ禍のビジネス・マーケット状況や将来展望等々の他に、日本や北米市場の回復状況についても幅広く意見交換を行った。

 

化学品部会一行が会議所を訪問 

写真左から平田藤義事務局長、化学品部会部会長の東洋インキの亀岡功良社長及び伯国三菱商事の石油・化学ソリューション部長の佐々木智大氏

化学品部会部会長である東洋インキの亀岡功良社長及び伯国三菱商事の石油・化学ソリューション部長の佐々木智大氏が会議所を訪問。今年度のフォーラムでの部会の発表について相談した。

VERSTA一行が会議所を訪問 

写真左から平田藤義事務局長、特定非営利活動法人VERSTAの小野瀬由一専務理事、同山添源二名誉顧問

特定非営利活動法人VERSTAの名誉顧問山添源二氏及び専務理事の小野瀬由一氏が会議所を訪問した。2月2日に開催されたVERSTAジュサラ椰子AF等プロジェクト会議&AF等啓発セミナー合同会議について意見交換を行った。

クラシキの川頭社長が会議所を訪問 

写真左から平田藤義事務局長、生活産業部会部会長のクラシキ・ド・ブラジル・テキスタイルの川頭義人社長

2022年度の生活産業部会部会長としてクラシキ・ド・ブラジル・テキスタイルの川頭義人社長が今年度の部会活動にあたり、所属会員企業や3月のフォーラムの発表の仕方について意見交換を行った。

(ZOOM)今年初めてのオンライン食品部会懇談会開催 

今年初めてのオンライン食品部会(佐々木 達哉部会長)は、2022年2月2日午後4時から6時まで19人が参加して開催、進行役は岡本副部会長が務めた。

初めに佐々木部会長が開催挨拶を行い、新規部会員のゼンショー社の原昭吾氏、Aoki do Brasil社の古越敬児氏、BRFS社の佐藤智則氏並びに小寺健一氏、JTI社の関口尚氏がそれぞれ自己紹介を行った。

続いて食品部会の21年度活動および22年度活動方針案の報告後の、参加者は、各社の昨年の回顧、今年の展望、SDGsの取組について発表した。

昨年の回顧では、コロナ禍による事業への影響、為替変動、原材料の供給リスク及びコスト上昇、コンテナ不足によるフレート高騰、景況感悪化、デリバリー販売の拡大、Eコマースなどの新たなデジタルチャンネル開拓、消費者の生活習慣の変化、低所得者層の購買力低下、デリバリー用製品の拡充、好調な穀物輸出、筋肉体質への改善、南部地域の旱魃、SNSを中心とした消費者へのコミュニケーション戦略によるシェア拡大、不法品の市場占有率の高止まりなどが挙げられた。

今年の展望では、健康志向トレンド、高付加価値新製品の上市、BtoB市場拡大、働き方改革の推進、デジタルコンテンツの更なる活用、顧客管理アプリの導入、デジタル化による新規顧客獲得、DX推進、現地パートナーとの協業などが挙げられた。

SDGsサスナビリティ取組では、水資源の有効利用、フードロス問題に対するソリューション提供、CO2削減のための重油から液化天然ガスへの変更、社用車のハイブリッド車利用、今後の太陽光発電やバイオマスボイラーの採用が挙げられた。

大使館・領事館からのトピックスとして、日本大使館の小川大輔参事官は、ブラジルのOECD加盟プロセスではブラジルの改善課題の認証登録、税制、通関手続きなどについて説明。サンパウロス領事館の中野直樹副領事は、日本企業によるジャパンハウスのビジネス促進の活用、日本企業と日系農家のマッチングへの協力などについて説明した。

最後に平田藤義事務局長は、コロナ禍での厳しい環境下でも食品部会の各社は、クリエイティブなアイデアでビジネス展開をしていることに感銘を受けたと説明。また2014年の第1回日伯農業・食料対話から2019年の第4回までブラジルの農務大臣の参加、食料の安全供給保障、OECD加盟によるブラジルのビジネス環境、投資環境の改善などについて説明した。

 

2021年の段ボール箱派生品は前年比4.3%増加の408万トン(2022年2月3日付けヴァロール紙)

ブラジル包装紙協会(Empapel)の月間統計速報によると、2021年の経済動向のバロメーターの段ボール箱派生品出荷量は、前年比4.3%増加の408万トンを記録している。

しかし2021年第4四半期の段ボール箱派生品出荷量は、インフレ指数や金利上昇による国内経済の先行き不透明感などの要因で、前年同四半期比マイナス5.3%を記録している。

昨年12月のブラジル段ボール箱指数(IBPO) は、前年同月比4.3%減少の139.3ポイントまで減少、12月としては、2018年同月以降で初めて減少を記録している。

昨年12月の段ボール箱やアクセサリーなどの派生品出荷量は、31万2,800トンを記録し、過去2年間連続で月間30万トンを上回っているとブラジル包装紙協会(Empapel)は指摘している。

季節的な影響のないデータを考慮すると、昨年7月~11月迄5か月連続で減少後、昨年12月の段ボール箱派生品の出荷量は、前月比1.6%増加の31万2,800トンに達し、2021年9月以来の最高値を記録している。また昨年12月の1日平均の出荷量は1万2,777トンであった。

2021の港湾取扱量は前年比4.8%増加(2022年2月3日付けヴァロール紙)

2021年のブラジル国内の港湾ターミナルの取扱量は、新海上輸送プログラム(BR do Mar)発令が後押しで前年比4.8%増加の12億1,000万トンを記録したとインフラ省国家水上輸送庁(Antaq)のEduardo Nery専務は説明している。

2020年のブラジルの港湾取扱量は、前年比2.4%増加の12億3,900万トン、2025年は13億6,000万トン、2026年は14億200万トンに増加するとインフラ省国家水上輸送庁(Antaq)は予想している。

昨年のブラジルの港湾取扱量の部門別比較では、コンテナ部門は前年比11.3%増加の6,010万トンを記録、コンテナ部門の取扱量は全体の11.0%を占めている。昨年の穀物類取扱量は、前年比1.8%増加の7億360万トンを記録、ブラジルの港湾取扱量の全体の58.0%を占めている。

しかし昨年のトウモロコシは、2020年~2021年にかけての長雨の天候異変による減産が影響して、港湾取扱量は前年比35.6%減少の3,110万トンに留まった。また昨年下半期の鉄鉱石の港湾取扱量は、前年同期比2.6%減少したにも関わらず、昨年1年間の港湾取扱量は、前年比4.0%増加を記録している。

植物油などの液体穀物類の取扱量は8.0%増加の3億1,370万トン、鉄鉱石は4.0%増加の3億⒎040万トンを記録。原油の取扱量は前年比5.1%増加、石油派生品は11.5%増加、肥料は16.2%増加、石炭は37.4%増加している。

一方昨年の港湾取扱量が前年比で減少を記録したのは、粗糖はマイナス8.1%、ボーキサイトはマイナス3.3%、トウモロコシはマイナス35.6%を記録している。

中銀はSelic金利を2017年以降で初めて二桁台の10.75%に引き上げ(2022年2月2日付けヴァロール紙)

2日ブラジル中央銀行の通貨政策委員会(Copom) は、インフレ圧力の上昇に伴って政策誘導金利(Selic)を8回連続での引上げを余儀なくされ、現在のSelic金利9.25%を1.50%引上げて10.75%に決定した。

今回の中銀のSelic金利は、今後のインフレ指数の抑制強化のために前回同様1.50%引上げ、2017年7月以降では、4年半ぶりの二桁台のSelic金利の決定を余儀なくされている。

中央銀行の通貨政策委員会(Copom) は、声明のなかで、物価の安定を確保するという基本的な目的を損なうことなく、今回のSelic金利の1.50%引上げは、経済活動レベルの変動を抑制し、雇用増加を促進に繋がると説明している。

昨年12月8日の中銀の通貨政策委員会(Copom) は、インフレ圧力の上昇を軽減するために、政策誘導金利(Selic)を1.50%引上げ9.25%に決定していたが、議事録では既に今回のSelic金利の1.50%引上げを示唆していた経緯があった。

今回のSekic金利の1.50%の引上げは、Covid-19パンデミック中に記録していた過去最低のSelic金利2.00%から8回連続での引上げを記録、8回連続でのSelic金利の引上げのうち初め3回連続で0.75%、8月及び9月はそれぞれ1.00%、昨年10月、前回並びに今回は3回連続で過去20年間で最高となる一挙に1.50%の引上げとなっている。

2015年7月から2016年8月迄Selic金利は、過去最高となる14.25%を続けていたが、2016年10月の14.0%から2018年2月の6.75%まで下降サイクルを継続、2018年3月から2019年6月迄は6.25%で推移、2019年7月から2020年6月迄は再度下降サイクルを継続、2020年8月から2021年1月迄は過去最低のSelic金利2.00%を続けていた経緯があった。

ジャイール・ボルソナロ政権発足時のSelic金利は6.50%であったが、2020年8月迄下降サイクル、今年3月の2.75%から12月の9.25%まで、Selic金利は10か月間で6.50%も急上昇していた。今回の1.50%にSelic金利の引上げで、2017年5月以降で初めて二桁台に戻っている。