(写真左から平田事務局長、住友商事の市川鉄彦取締役、中谷芳子プラニングマネージャー、稲村敦志取締役)
住友商事の市川鉄彦取締役、稲村敦志取締役及び中谷芳子プラニングマネージャーは、2021年12月2日に商工会議所を訪問、市川鉄彦取締役は応対した平田事務局長に帰国挨拶を行った。市川氏は環境委員会副委員長として会議所活動に尽力、また今後の社会インフラ整備や再生可能エネルギーの動向などについても意見交換を行った。

(写真左から平田事務局長、住友商事の市川鉄彦取締役、中谷芳子プラニングマネージャー、稲村敦志取締役)
住友商事の市川鉄彦取締役、稲村敦志取締役及び中谷芳子プラニングマネージャーは、2021年12月2日に商工会議所を訪問、市川鉄彦取締役は応対した平田事務局長に帰国挨拶を行った。市川氏は環境委員会副委員長として会議所活動に尽力、また今後の社会インフラ整備や再生可能エネルギーの動向などについても意見交換を行った。

2020年第3四半期から9カ月連続で国内総生産は増加を継続していたが、今年第2四半期のGDP伸び率はマイナス0.4%、今年第3四半期は、マイナス0.1%と2四半期連続でマイナスを記録したために、テクニカルリセッション入りと判断されている。
しかし今年第3四半期のGDP伸び率は、前四半期比マイナス0.1%を記録したにも関わらず、Covid-19対応ワクチン接種の拡大に伴って、サービス部門の活性化に伴う雇用増加で、GDPの70%を占めるサービス部門のGDP伸び率は1.1%増加を記録している。
年央の旱魃による穀物生産へのダメージの影響で、第3四半期の農畜産部門は、前四半期比マイナス8.0%と大きな落ち込みを記録して、第3四半期のGDP伸び率の足枷となっている。
また第3四半期の鉱工業部門のGDP伸び率は、世界的な輸送機器向け半導体などの部品供給問題やコンテナ不足や海上輸送費の高騰などが足を引っ張って、前四半期比では同率となっている。
ワクチン接種の拡大による自粛緩和政策の導入に伴って、第3四半期の一般家庭消費の伸び率は前四半期比0.9%増加、美容院、映画館、バーやレストランでの消費が拡大してきている。
ワクチン接種の拡大に伴って、経済活動や雇用は徐々に回復してきている一方で、高騰するインフレによる実質賃金の目減りは、特に低所得者層の消費意欲を削ぐ原因となっている。
第3四半期の国内総固定資本形成(FBCF)伸び率は、連邦政府の財政悪化や来年の大統領選挙など不透明な見通しで投資意欲を削がれているためにマイナス0.1%を記録している。
9月のブロードキャストプロジェクションの調査では、上昇を続けるインフレ指数、中銀によるSelic金利の上方修正などの要因で、今年のGDP伸び率を4.8%、2022年のGDP伸び率を0.5%とそれぞれ下方修正を余儀なくされている。
与党は前政権の家族手当(ボルサ・ファミリア)プログラムに替わるブラジル救済(Auxílio Brasil)プログラム向けの400レアルの財源確保のために、インフレ指数の計算方法の変更による歳出上限変更、司法の有罪判決から生じる連邦政府の支払いであるプレカトリオス向け緊急憲法改正案(PEC)による与野党の攻防などの影響で、サンパウロ平均株価の下落やレアル通貨に対するドル高の為替を引き起こしている。
2021年第3四半期のブラジルのGDP伸び率は前四半期比マイナス0.1%、農畜産部門はマイナス8.0%、鉱工業部門は0.0%、サービス部門は1.1%、FBCF部門はマイナス0.1%、一般家庭消費は0.9%増加、公共支出は0.8%増加を記録している。
前記同様に前年同四半期の比較では、4.0%増加、マイナス9.0%、1.3%増加、5.8%増加、18.8%増加、4.2%増加、3.5%増加、また過去12か月間の累計では、3.9%増加、0.2%増加、5.1%増加、3.3%増加、20.2%増加、2.1%増加、0.4%増加を記録している。
今年第3四半期のブラジルの国内総生産は2.2兆レアル、農畜産部門は1237億レアル、鉱工業部門は4554億レアル、サービス業部門は1.3兆レアル、FBCF部門は4305億レアル、一般消費部門は1.3兆レアル、連邦政府の公共支出は4062億レアルを記録している。
今月3日に大手卸売スーパーのアサイ社は、200店舗目となる店舗をパラナ州都のクリチーバ市に開設、2023年末までにブラジル国内の店舗数300店舗開設を予定していると発表。
アサイ社は今年末までに20億レアル以上の投資で、総売り場面積が40万平方メートルに達する新規の28店舗の開設を予定、また年内にはアクレ州で初めてとなる店舗の開設を予定している。
アクレ州の店舗開設で、ブラジル国内24州での店舗開設となる。今後数年以内に、今年買収したExtra Hiperの71店舗をアサイ社の経営形態に取込み、2万人に達する新規雇用を予定している。
2022年には買収したExtra Hiperの40店舗を改装、2024年末までに300店舗に拡大して、昨年の売上390億レアルを1000億レアルまで引き上げて、マーケットシェア拡大を目論んでいる。
71店舗のExtra Hiper社の買収による積極的な拡大戦略はアサイ社の負債拡大につながり、業界内では非常に危惧されていたが、JP Morgan 社並びにBradesco BBI社は、積極的な買収戦略をポディティブに取られている一方で、11月だけでアサイ社の株価は17.5%下落している。
現代自動車は2012年にブラジルに自動車生産工場を建設して以来、自動車販売ではマーケットシェア拡大で大きな飛躍をしているが、代々の社長は、伝統的にマーケティング以外の自社の戦略広報は控えめにしている。
現代自動車は、サンパウロ州ピラシカーバ工場の隣接地でエンジン工場の建設が進んでいる様子であるが、投資額やどのモデル向けのエンジンなどは未定であるとブラジル現代自動車のAngel Martinez副社長は、詳細については明らかにしていない。
丁度1年前にBarjas Negri市長は、地元のメディアに対してプロジェクトの詳細を発表したのは、再選を目指していた市長選挙で落選が明らかになった8日後の出来事であった。
現代自動車にとって、ピラシカーバ工場で生産しているコンパクトカーHB20車並びに韓国から輸入しているスポーツタイプのCreta車向けエンジン生産プロジェクトは、ドル高の為替の現状では非常に重要なプロジェクトとなっている。
レアル通貨に対するドル高の為替並びに半導体を中心とした輸入部品の供給不足問題、コンテナ不足、混雑を極める港湾となどは、現代自動車にとって自動車の生産にとって足枷となっている。
コンテナ価格は4倍から10倍に高騰、またサントス港にコンテナ船が着いても港湾の混雑で荷下ろしができず、アルゼンチンからの帰りに再度サントス港に寄港しなければならないとMartinez副社長は指摘している。
半導体や部品不足で生産調整を余儀なくされており、ベストセラーカーのHB20車の購入希望者の需要に答えられない。最新型のCreta車の納期は60日から00日も要しており、悪いことにいつ納入できるのか顧客に答えられないとMartinez副社長は困惑している。
Covid-19パンデミックがピークであった昨年中頃と大きく異なっている。昨年中頃は、外出自粛要請などでレンタカー会社など個人や法人向け新車販売が73%占めていたが、現代自動車の現状は、僅か17%まで減少している。今年初め11か月間のCreta車販売は、コンパクトスポーツカー部門ではベストセラーカーとなっている。
ドル高の為替、ロディスティック問題、憂慮されているマクロ経済、金利の上昇、高止まりする失業率にも関わらず、新車購入の需要は継続している。海外旅行の先送りを余儀なくされている中間層は車の買い替えを検討しているために、新車購入の需要は高止まりしている。
渡辺弘樹化学品部会長(三井化学ブラジル社長)は、部会員との対面が出来ない中で、2日(木)18:30からオンライン忘年会を開いた。
来年度の部会長、副部会長選任要領の紹介に続き、平田事務局長と渡邊副領事が挨拶。参加者から各社3分程度、本年度の回顧と来年度の展望に関して説明。その後に各自が用意した飲み物とご馳走を前に、本音で語り合う集い・フリートークを行った。
フリートークでは赴任時の悩みの案件や応急的な解決策を共有、特に運転免許証取得については、恒久的対策として官民連携による当局への改善・働きかけ等を検討して行く事になった。
参加者(順不同・敬称略)は渡辺(三井化学)、亀岡(東洋インキ)、佐々木(三菱商事)、大谷(東レ)、古賀(ロート製薬)、松木(双日)、 碧川(高砂ブラジル)、北原(Kuraray)、郷園 (PILOT PEN)、和久津(長瀬産業)、片山(住友化学)、渡邊(在サンパウロ総) 、平田(会議所)
2021年12月には、各州の市町村の上下水道向け民間コンセッション入札が目白押しとなっているが、上下水道の民営化の投資総額は、83億レアルに達すると予想されている。
特に12月に予定されている上下水道の民営化入札では、アラゴアス州のブロックB並びにブロックC、今年4月に入札に掛けられたにもかかわらず、応札がなかったリオ州ブロック3が注目されているが、規模は小さいが、リオ州テレゾポリス市並びにゴイアス州ゴイアネジア市の4つのブロックも入札準備を行っている。
アラゴアス州のブロックB並びにブロックCの入札は、今月13日に予定されており、8企業グループの応札が見込まれているが、ブロックBには、Agreste地域並びにSertão地域の34都市の上下水道、ブロックCは、Zona da Mata地域の27都市の上下水道コンセッションが入札に掛けられる。
アラゴアス州のブロックB並びにブロックCの上下水道向け投資総額は29億レアル、コンセッション期間は35年、ブロックBの最低入札価格は330万レアル、ブロックCの最低入札価格は3,240万レアルとなっている。
アラゴア州の州都マセイオ市都市圏の入札は2020年9月に実施され、熾烈な入札合戦をしのいだBRK Ambiental社が落札していた経緯があった。
今年6月のアマパ州の上下水道入札には、上下水道部門では伝統的な企業のAegea Saneamento社, Iguá Saneamento社並びにÁguas do Brasil社、新規参入グループとしてAllonda社, Encalso社並びにCymi社も応札したが、Equatorial Energia社が他を圧倒する価格で落札している。
リオ州ブロック3の上下水道入札には、同州で既に事業を行っているAegea社、Iguá社並びにÁguas do Brasil社が入札参加を予定、Aegea社並びにIguá社は、4月に実施されたCedae社でそれぞれブロックを落札、Águas do Brasil社はBRK社とコンソーシアムを組んでリオ市の東部地域のブロックを落札していた。
経済省通商局(Secex)の発表によると、2021年11月のブラジルの貿易収支は、輸入総額は前年同月比53.1%増加の216億ドルを記録した影響で、13億⒎00万ドルの赤字を計上している。昨年11月の貿易収支は、24億8,800万ドルの黒字を計上していた。
今年11月の輸出総額は、前年同月比23.2%増加の202億9,600万ドルに対して、輸入総額は53.1%増加の216億300万ドルを記録、貿易総額は、輸入の急増が牽引して37.0%増加している。
今年11月の輸入の急増要因として、肥料、化学肥料、電力エネルギー並びにCovid-19対応ワクチンが牽引、一方輸出は鉄鉱石の輸出量が減少並びに鉄鉱石の国際コモディティ価格の減少、トウモロコシや棉輸出量の減少が響いている。
今年初め11か月間の貿易収支は、前年同期比19.9%増加の571億9,100万ドルの黒字を計上、輸出総額は34.9%増加、輸入総額は39.7%増加を記録している。
今年11月の農畜産部門の輸出では16.5%に相当する2,239万ドル増加、鉱業部門は14.8%に相当する3,262万ドル、製造業部門は28.3%に相当する1億4,348万ドルを記録している。
また今年11月の農畜産部門の輸入は61.8%に相当する1,074万ドル、鉱業部門は248.3%に相当する6,539万ドル、製造業部門は43.5%に相当する3億ドルを記録している。
2021年11月のバスやトラックを含む新車販売は、前月比6.2%に相当する1万台増加したにも拘らず、前年同月比では23.4%減少の17万2,300台に留まって、11月の月間販売では過去5年間で最低の販売台数に留まっている。
世界的な自動車向け半導体供給問題が依然として継続している影響で、自動車メーカーは生産調整を余儀なくされ、自動車ディーラーの新車在庫が底をついており、今年初め11か月間の新車販売は、前年同期比5.4%減少の191万台の販売不振をきたしている。
ワーゲン社のサンパウロ州サン・ベルナルド・ド・カンポス自動車工場では、半導体不足で新車生産体制が整っていないために、11月初めから1,500人の製造ラインの従業員に対してレイオフを導入したが、来年3月迄1ラインの生産体制の導入を余儀なくされている。
フィアット社はミナス州ベッチン工場の従業員1,800人に対して、10月初めからレイオフ制度を導入、GM社はサンパウロ州サン・ベルナルド・ド・カンポス自動車工場で700人の従業員にレイオフ体制を導入している。
またルノー社はパラナ州サン・ジョゼ・ドス・ピニャエス工場の300人の従業員にレイオフを導入した一方で、トヨタ社のサンパウロ州ソロカバ自動車工場では、今週初めから3勤務体制を敷いて需要に対応する。
ルノー社はパラナ州サン・ジョゼ・ドス・ピニャエス工場などの250人の従業員対象に希望退職制度(PDV)を導入、ホンダ社は、サンパウロ州インダイアツーバ工場並びにイチラピーナ工場の従業員に対して、優遇退職制度を導入している。
トヨタ社は、今週初めからソロカバ工場の生産体制を2交代制勤務から3交代制勤務に変更、特にスポートタイプのCorolla Cross車の生産拡大のために、550人の新規雇用を図っている。
30日発表のブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、2021年第3四半期のブラジルの月間平均失業率は、第2四半期の14.2%から1.6%の大幅減少の12.6%を記録している。
今年第3四半期の就職活動をしている失業者は、前四半期比9.3%減少に相当する1,350万人まで減少、一方雇用総数は、4.0%増加の9,300万人に達している。
今年第3四半期の労働人口に占める雇用者総数は、第2四半期の52.1%から2.0%上昇の54.1%に達している。しかし第3四半期の平均賃金は、前四半期比4.0%に相当する102レアル減少している。
また第3四半期の平均賃金は、前年同期比では二桁台の11.1%に相当する307レアル減少の2,459レアルに留まり、給与の減少幅は2012年から統計を取り始めて最大の減少幅を記録している。
今年第3四半期の雇用の54.0%は労働手帳に記載されない非正規雇用であり、民間部門の非正規雇用は、10.2%増加に相当する1,170万人を記録している
今年第3四半期の部門別雇用では、商業部門の雇用は前四半期比7.5%に相当する120万人が新たに職を得ている。また家政婦は前四半期比9.2%に相当する540万人に達し、増加率では、統計を取り始めた2012年以降では最高記録、第3四半期の非正規雇用は、10.8%に相当する39万6,000人増加を記録している。
Covid-19パンデミック以前の2020年第1四半期の家政婦部門は600万人が従事していたが、Covid-19パンデミックによる失業では最も打撃を受けた職種となっていた。
また今年第3四半期の自営業者は、前四半期比3.3%増加の2,550万人に達して、統計を取り始めて最高の比率を記録、全国法人登録台帳(CNPJ)を所持しない自営業者は1.9%増加、非正規雇用は40.6%に相当する3,800万人を記録している。
今年第3四半期の商業部門の新規雇用は7.5%に相当する120万人増加、鉱工業部門は6.3%に相当する72万1,000人増加、建設業部門は7.3%に相当する48万6,000人増加、家庭内サービス部門の雇用は、8.9%に相当する44万4,000人増加を記録している。
資源大手ヴァーレ社は、2022年の投資は主に鉄鉱石の増産などに58億ドルの投資を予定しているが、この投資には鉱滓用ダム関連のメンテナンスも含まれている。また2023年以降は毎年50億ドルから60億ドルの投資を見込んでいる。
ヴァーレ社は、2022年末の鉄鉱石の生産能力を現在の3億4,100万トンから3億⒎000万トンに引き上げるために、鉄鉱石開発部門に投資を集中させる計画を説明している。
同社の鉄鉱石増産計画には、パラー州のS11Dシステムの増産、Serra Norte鉱山のGeladoプロジェクトなどのNorteシステムの拡張計画などが含まれている。
中国の習近平国家主席が打ち出した目標である2030年の二酸化炭素(CO2)排出のピークアウト、2060年のカーボンニュートラルの実現のため、2021年は粗鋼の生産能力を抑え、減産すると発表している。
2022年2月に開催される北京冬季五輪を控えた中国政府の汚染対策などの要因で、鉄鉱石市場でボラティリティーの高い状況が続く可能性は否定できないとヴァーレ社のEduardo Bartolomeo社長は指摘している。
中国で石炭不足の深刻化で、電力供給が不安定になっており、新型コロナ対応の活動規制の緩和で内需回復が進む一方で、中国では豪雨等により石炭採掘量減少、中国政府が脱炭素のための急激なエネルギー構造変化を推進、供給不足などの要因で、来年の粗鋼生産は10億トンを割り込むと見込まれている。
今年のヴァーレ社の鉄鉱石以外の生産では、カナダのSudburyニッケル鉱山で6月1日に労働組合によるストライキが発生、そのうち40日間のストライキは、第3四半期でニッケル鉱石及び銅鉱石の生産並びに販売に影響を及ぼした。またパラー州Sossego鉱山の保守の遅延なども影響している。
2022年の同社のニッケル生産は、17万5,000トン~19万トンと今年を上回る生産を見込んでおり、また銅生産は、今年予想の29万5,000トン~30万トンを上回る生産を見込んでいる。
2015年に発生したミナス州マリアナ市で起きたサマルコ社の鉱山廃水ダムの堤防決壊事故による環境破壊の修復や各種の賠償金支払い並びに2019年1月25日に発生したヴァーレ社のミナス州ブルマジーニョ鉱山のフェイジョン1鉱滓用ダムの決壊事故対する保守や損害賠償を含めて、2030年迄の事故発生地域の50万人に達する貧困層地域住民に対する社会救済を発表している。