9月のブラジルの財政プライマリー収支は約130億レアルの黒字計上(2021年10月29日付けヴァロール紙)

2021年9月の中央政府並びに地方政府を合わせたブラジル政府の財政プライマリー収支は、129億3,300万レアルの黒字を計上、9月としては、2010年以降では最高の黒字を計上している。

一方昨年9月の財政プライマリー収支は、Covid-19パンデミック対応の緊急歳出出動を余儀なくされたために645億5,900万レアルの大幅な赤字を計上していた。

今年9月のブラジルの政府の財政プライマリー収支には、中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府、州政府と市町村で構成される地方政府並びに公立銀行及び、ペトロブラス石油公社並びにブラジル中央電力公社を除く公社の決算が含まれている。

今年9月の中央政府の財政プライマリー収支は、7億800万レアルの黒字を計上して2012年以降の9月としては最高の黒字を計上、また地方政府の財政プライマリー収支は、104億3,900万レアルの黒字を計上、公社の財政プライマリー収支は、17億8,600万レアルの黒字を計上している。

今年初め9か月間のブラジル政府の財政プライマリー収支は、141億⒎100万レアルの黒字を計上、2013年以降では最高の黒字を記録したが、Covid-19パンデミックの影響を受けていた昨年同期は大幅な赤字を計上していた。

今年9月の過去12か月間のブラジル政府の財政プライマリー収支は、GDP比0.63%に相当する528億5,400万レアルの赤字を計上したが、今年8月の財政プライマリー収支は、GDP比1.57%に相当する赤字を計上していた。

9月の過去12か月間のブラジル政府の財政プライマリー収支赤字528億5,400万レアルは、Covid-19パンデミック対応の緊急財政出動による昨年同期の7,030億レアルの赤字とは比較にならない程少ない赤字となっていると中銀統計部のFernando Rocha課長は説明している。

今年9月の過去12か月間のブラジルのインフレ指数を考慮しない名目財政プライマリー収支赤字は、GDP比4.84%に相当する4,044億6,900万レアルと8月のGDP比5.62%よりも大幅に減少している。

今年初め9か月間の名目財政プライマリー収支赤字は、2,919億6,400万レアルに達し、昨年同期の2,525億9,600万レアルよりも400億レアル近く赤字幅が増加している。

9月のブラジルの公的負債残高はGDP比83.0%(2021年10月29日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の発表によると、2021年9月の連邦政府のインフレ指数を考慮しない名目公的負債残高は、GDP比83%に相当する6兆9,390億レアルに上昇している。

今年8月の名目公的負債残高は,GDP比82.7%に相当する6兆8,490億レアルであったが、僅か1か月間で900億レアルも公的負債が増加を記録している。

中銀では今年9月の名目公的債務残高の増加要因として、名目利払いは0.5ポイント、レアル通貨に対するドル高の為替は0.3ポイント、ブラジル国債発行は0.2ポイントを占めていた一方で、名目GDP伸び率はマイナス0.8ポイントを記録している。

連邦政府の8月のインフレ指数を差引いた実質公的債務残高は、GDP比59.4%に相当する4兆9,180億レアルであったが、9月はGDP比58.5%に相当する4兆8,960億レアルに減少を記録している。

今年9月の実質公的債務残高の減少要因として、レアル通貨に対するドル高の為替は0.9ポイント、名目GDP伸び率は0.6ポイント、財政プライマリー収支黒字は、0.2ポイントを占めていた一方で、名目利払い調整は0.7ポイントの増加要因となっている。

今年9月の名目並びに実質公的債務残高の統計は、連邦政府、州政府と市町村で構成される地方政府、公立銀行、ペトロブラス石油公社並びにブラジル中央電力公社を除く公社で構成されている。

9月の中央政府の財政プライマリー収支は、過去9年間で初めて黒字計上(2021年10月28日付けエスタード紙)

2021年9月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府のインフラ指数を差引いた実質財政プライマリー収支は、過去9年間で初めてとなる3億300万レアルの黒字を計上している。

また今年初め9か月間の中央政府の財政プライマリー収支は、844億8,600万レアルの赤字を計上、統計を取り始めた1997年以降では、過去5番目の赤字幅を記録している。

今年9月の中央政府の財政プライマリー収支の3億300万レアルの黒字は、2012年9月に記録した10億6,700万レアルの黒字以来初めて黒字を計上したが、昨年3月のCovid-19パンデミック発生で影響を受けた昨年9月の中央政府の財政プライマリー収支は、継続して膨大な緊急財政出動を余儀なくされたために、761億4,400万レアルの記録的な赤字を計上していた。また昨年1月から9月の中央政府の財政プライマリー収支は、6,774億4,600万レアルの赤字を記録していた。

今年9月の中央政府のインフレ指数を差引いた実質歳入総額は、前年同月比12.9%増加した一方で、実質歳出総額は36.4%減少している。

今年9月の過去12か月間の中央政府の財政プライマリー収支は、GDP比1.8%に相当する1,542億レアルの赤字を計上、連邦政府が容認している今年の中央政府の財政プライマリー収支は2,471億1,800万レアルにも関わらず、最終2か月間レポートでは、Covid-19パンデミック対応の臨時歳出を含めても1,394億3,500万レアルの赤字に留まると予想されている。

ブラジル救済(Auxílio Brasil)プログラム向けの400レアルの財源確保のために、インフレ指数の計算方法の変更による歳出上限変更や司法上の支払い命令が出されている個人や法人向けなどのプレカルトリオの資金を宛がる憲法改正案(PEC)による2022年の予算が不透明となっている。

中銀はSelic金利を一挙に1.5%引上げて7.75%に決定(2021年10月28日付けエスタード紙)

27日中銀の通貨政策委員会(Copom) は、インフレ圧力上昇並びに歳出上限を無視する臨時歳出政策の導入伴って、政策誘導金利(Selic)を1.50%引上げ7.75%に決定、ジャイール・ボルソナロ政権では最高のSelic金利レベルに達している。

今年のインフレ指数は10%突破が濃厚となっており、また前政権の家族手当(ボルサ・ファミリア)プログラムに替わるブラジル救済(Auxílio Brasil)プログラム向けの400レアルの財源確保のために、インフレ指数の計算方法の変更による歳出上限変更で特別委員会で合意した。

ジャイール・ボルソナロ政権は、大統領選挙の年に当たる2022年で自身の再選を最優先させるために、836億レアルに相当する歳出上限の上乗せで、政府内の政治的な駆引きを行ってきていた。

中銀の通貨政策委員会(Copom) は、10%を突破するインフレ指数や大統領選挙を見据えた歳出上限変更の導入でSelic金利の大幅な引き上げを余儀なくされたが、来年は新たなリセッションに突入可能性が指摘されている。

今回の1.5%のSelic金利の引上げは、Covid-19パンデミック中に過去最低となる2.0%のSelic金利時から6回連続での引上げを記録している。

過去最低となる2.00%のSelic金利から3回連続で0.75%引上げ、その後は8月及び9月の通貨政策委員会(Copom) は、それぞれ1.0%引上げていた経緯があった。

今年10月のインフレ指数は、1995年から統計を取り始めて最高のインフレ指数が予想されており、過去12か月間の累計インフレ指数は、10.34%と二桁台に乗せている。

過去最高のSelic金利の引上げ幅は、フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ政権下の2002年にSelic金利を22.0%から25.0%と一挙に3.0%引上げたが、今回のSelic金利の1.5%引上げは、2017年10月以降では最高の引上げ幅となっている。

今年最後の中銀の通貨政策委員会(Copom) は12月に開催されるが、Copom議事録では、再度のSelic金利の1.50%の引上げを示唆しており、今年末のSelic金利は9.25%になると予想されている。

中銀では、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を前回予想の8.50%から9.50%、2022年のIPCAは3.7%から4.1%にそれぞれ上方修正したが、2023年のIPCAは3.2%から3.1%に下方修正している。

MoneYou e da Infinity Asset Managementサイトでは、インフレ指数を差引いたブラジルの実質金利は、5.96%と世界最高水準に復活、ロシアは4.77%、トルコ3.46%となっている。

10月の総合市場物価指数(IGP−M)は0.64%、過去12か月間では21.73%それぞれ上昇(2021年10月28日付けエスタード紙)

28日ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の発表によると、一般的に不動産の賃貸契約の調整に用いられるインフレ指標の一つである今年10月の総合市場物価指数(IGP−M)は、9月のマイナスの0.64%から一転して0.64%増加を記録している。

またブロードキャストプロジェクションの調査では、今年10月の総合市場物価指数(IGP−M)の平均予想は0.61%増加であった。過去12か月間の累計総合市場物価指数(IGP−M)は、前年同期比21.73%と記録的な増加を記録している。

10月の過去12か月間の累計総合市場物価指数(IGP−M)は、前年同期比21.73%と9月の21.36%を若干上回っている。また昨年10月の過去12か月間の累計総合市場物価指数(IGP−M)は、16.74%であった。

今年10月の鉄鉱石価格は、9月のマイナス21.74%からマイナス8.47%、ディーゼル燃料価格は0.00%から6.61%増加したが、今月25日に発表されていたディーゼル燃料価格の値上げは含まれていない。

IGP-Mのインフレ指数には、農畜産部門、製造業部門並びに建設業部門で使用される原材料などの財やサービス価格変動が含まれており、為替や卸売製品価格の変動に左右される。

今年10月の消費者向け価格指数(IPC-M) は、9月の1.19%から1.05%増加に減少、過去12か月間のIPC-M指数は、9.50%から7.41%に減少している。

今年10月のブラジル建設コスト指数(INCC-M) は、9月の0.56%から0.80%に上昇、過去12か月間では15.35%、今年初め10か月間では12.88%それぞれ大幅増加を記録している。

(ZOOM) オンラインセミナー「地域物流拠点としてのウルグアイ」開催 2021年10月28日

ジェトロ・ブエノスアイレス事務所主催、コスタ・オリエンタル社並びにブラジル日本商工会議所共催のオンラインセミナー「地域物流拠点としてのウルグアイ」は、2021年10月28日午前9時30分から10時30分まで開催した。

司会はジェトロブエノスアイレス事務所の西澤裕介所長が務め、ウルグアイのフリーゾーンで最大級の地域物流センターを運営する物流会社コスタ・オリエンタル社のCEO マウリシオ・パパCEO並びに同コマーシャル&マーケティング担当のダニエラ・ロペスマネージャーが講演した。
初めにウルグアイのフリーゾーン制度とブラジル、アルゼンチン、パナマの制度との比較、メルコスール諸国に直接輸送・保管する場合、ウルグアイのフリーゾーンを利用してメルコスール諸国に出荷する場合の比較、海上輸送運賃の高騰の解決策やキャッシュフロー改善などの活用メリット、 日本企業の活用事例など詳細に説明した。

質疑応答では、原産地証明、租税効果、アルゼンチンの輸入認可、Taxや制度メリット、企業関係居住者なしでの企業活動の有無、Taxの支払時期、マナウスフリーゾーンとの比較、モンテビデオのフリーポート制度の特徴、Covid-19対応の入国、製品加工に対する関税率、物流倉庫管理後の南米諸国への輸送手配、フリーゾーンからの他国への投資可能性、ウルグアイ国内でのデモや気候等による輸送障害の発生の可能性、スポット取引などが挙げられた。

講演資料「地域物流拠点としてのウルグアイ」https://www5.jetro.go.jp/newsletter/arb/2021/costaoriental/CO_presentation_october_2021.pdf

(Zoom)Gaia Silva Gaede Advogados弁護士事務所のオンラインセミナー開催(2021年10月28日)

最高裁判所によるテーマ756の判決に照らして、連邦税の消費に関する社会保障賦課金(Cofins)並びに社会統合基金(PIS)の非累積についてセミナー開催。

講師はGaia Silva Gaede Advogados弁護士事務所のMaria Aline Buratto Aunシニア弁護士並びにMarcela Adari Camargo弁護士

セミナー視聴は右クリック  acesse aqui .

PDF anexo:
1. “Alcance da não cumulatividade do PIS e da Cofins à luz do julgamento do Tema 756 pelo STF” 

山田大使の送別会、文協で開催 2021/10/27

(写真提供 ニッケイ新聞社)

27日、日系主要5団体共催による山田彰日本国特命全権大使の送別会が、文協の貴賓室で開催された。各団体それぞれ5人の参加枠を設けた厳しい人数制限下で開催、総勢約50人が参加した。

先ず、共催団体および来賓が紹介された後、今回は、各主要5団体長から直接、記念品や感謝状プレートが山田大使に贈呈され、5団体を代表してレナト石川文協会長が、在任4年間の日系社会に対する数々の功績を称えて送別の辞を述べた。

日系姉妹によるギターとヴォーカルで癒された一時後に、山田大使からお別れの言葉があり、日系社会へ特別な思いを馳せながら、パンデミック前後の主な活動や日伯経済関係強化については、「残念ながら日-メルコスールEPAに向けた共同研究に至らず道半ば」と述懐、「これは後任の林禎二新大使に、その任務を託して、今後は日本からしっかりとEPA合意、締結までの行方を見守って行きたい」と語った。また帰国後も、さらにポル語を勉強して、従前以上に日系社会とのコンタクトを続けて行きたい、と名残惜しい言葉で結んだ。村田会頭が一階の大広間で、乾杯の音頭を執った後に、弁当形式の食事会が行われた。

来賓として、桑名良輔総領事、小室千帆首席領事、江口雅之JICAサンパウロ所長、原宏JETROサンパウロ所長等関係者が紹介され、また会議所からは、村田俊典会頭、鈴木ワグネル副会頭(日伯交流・地場事業推進委員長)、小寺勇輝副会頭(日伯経済交流促進委員長)、佐々木達哉副会頭(総務委員長)、平田藤義事務局長が出席した。

 

9月の連邦政府の公的債務残高(DPF) は0.68%減少の5兆4,430億レアル(2021年10月27日付けヴァロール紙)

国庫庁の年間ファイナンス計画(PAF)の見直しによると、2021年9月のインフレ指数を考慮しない名目公的債務残高(DPF) は、前月比マイナス0.68%の5兆4,430億レアルを記録している。

今年9月の名目公的債務残高(DPF) は、前月比マイナス0.68%の5兆4,430億レアル、名目公的債務残高(DPF)の最終見直しの許容目標値である5兆5,000億レアル~5兆8,000億レアルを下回っている。

今年9月の対内債務残高(DPMFi) は、前月比0.91%減少の5兆1,860億レアル、対外債務残高は、5.83%増加の473億8,000万ドルに相当するする2,577億レアルを記録している。

9月のブラジル国債発行は、1459億3,000万レアルに対して、国債償還総額は2,362億レアルを記録して、国債発行総額を902億⒎000万レアル上回った。

ブラジル国債で12ヶ月以内に償還を迎えるブラジル国債比率は、8月の25.18%から9月は24.34%に減少、また平均償還期間は、8月の3.73年から3.83ヶ月に伸びている。

今年9月の過去12か月間のブラジル国債の平均利払いは、7.79%と8月の7.55%から上昇、対内債務残高(DPMFi) の利払いは、8.10%と8月の7.96%を0.1%以上上回っている。

9月のポストフィックスのブラジル国債比率は、全体の33.95%と8月の36.11%から大幅に減少、今年の年間ファイナンス計画(PAF)の許容範囲は、33.0%~37.0%に設定されている。

また9月の確定金利付きブラジル国債は8月の31.86%から33.95%と2.0%以上増加、インフレ連動国債は27.35%から28.48%に増加、為替連動国債は4.68%から4.99%微増している。

今年の確定金利付き国債発行の許容範囲は全体の31%~35%、インフレ連動国債は26%から30%、為替連動国債は3.0%~7.0%に設定されている。

今年9月の海外投資家の公的債務残高に占める割合は、8月の9.76%に相当する5,109億レアル、9月は10.05%に相当する5,213億9,000万レアルを記録している。

また9月の投資ファンドが占める公的債務残高は、全体の23.15%と8月の24.06%と若干減少、年金基金は21.76%と8月の21.96%から若干減少、金融機関は31.33%と8月の31.01%を若干上回っている。

10月の企業経営者の景況感指数は調査対象の30セクターのうち22セクターで減少(2021年10月27日付けヴァロール紙)

製造業部門の企業経営者対象の全国工業連盟(CNI)調査によると、2021年10月の企業経営者の景況感指数(Icei) 調査対象の30セクターのうち22セクターで減少を記録したにも拘らず、30セクター全てで分岐点の50ポイントを上回っている。

企業経営者の景況感指数(Icei) は、0ポイントから100ポイントで評価されるが、50ポイントを割れば企業経営者の景況感指数が悪化しているシグナルとなる。

調査対象の30セクターのうち22セクターで減少した要因として、現状の国内経済と企業収益悪化を憂慮しているが、今後6か月後の景況感見通しは、ポディティブとなっていると全国工業連盟(CNI)エコノミストのLarissa Nocko氏は指摘している。

今年10月のその他の輸送機器セクターの企業経営者の景況感指数(Icei) は、9月の58.1ポイントから53.9ポイントと大幅に悪化している。

またパルプ・紙派生品セクターも58.4ポイントから55.5ポイントに減少、特殊建設サービスセクターも56.8ポイントから54.2ポイントに悪化している。

一方今年10月の企業経営者の景況感指数(Icei) が改善したのは、生皮革・人工皮革セクターで9月の56.1ポイントから10月は60.7ポイントと大幅に上昇、印刷・録画再生セクターも55.1ポイントから57.1ポイントに改善、家具セクターは1.9ポイント上昇の54.7ポイントを記録している。

全国工業連盟(CNI)の今年10月の企業経営者の景況感指数(Icei) 調査は、今月1日~15日かけて加盟企業2413社対象に行われ、小企業は961社、中企業は890社、対企業は562社であった。