ヴォトランチンセメントは来年IPOに再度挑戦(2021年8月11日付けエスタード紙)

ヴォトランチンセメント社は、8年前にサンパウロ証券取引所で新規株式公開を試みたにも関わらず、投資家の注目を集めることができずに、IPO中止を余儀なくされていた経緯があった。

ヴォトランチンセメント社のMarcelo Castelli社長は、来年中の同社のIPOに再度挑戦を表明しているが、IPO時期や株価の設定など詳細は依然として明らかにしていない。

来年中の同社のIPOは、ニューヨーク並びにサンパウロでの同時の新規株式公開をMarcelo Castelli社長は示唆している。ヴォトランチンセメント社は、ブラジルのセメント業界のリーダーであり、世界6位のプレーヤーの地位を確保している。

今年は建設不動産業界にとって建築ブームにも拘らず、ヴォトランチンセメント社のコンペチターは、サンパウロ証券取引所B3での新規株式公開の先送りを余儀なくされている。

CSN Cimentos社は、今年7月に予定していたIPOの先送りを発表したが、InterCement社は、同社が希望する株式販売価格が設定していた最低価格を下回ったためにIPOを取りやめた経緯があった。

昨日発表のヴォトランチンセメント社の今年第2四半期の純益は、前年同期の1億5,300万レアルの赤字から一転して、6億9,200万レアルの大幅黒字を記録している。

今年のオートバイ生産を122万台と大幅に上方修正(2021年8月11日付けヴァロール紙)

マナウスフリーゾーンでオートバイを生産している各二輪車メーカーは、今年の二輪車の国内販売並びに輸出共に大幅な上方修正を行っている。

今年7月のオートバイ生産は、伝統的に義務教育が一斉に冬休みに合わせた従業員の集団休暇導入による影響で前年同月比3.0%減少、前月比でも9.9%減少の9万5,000台に留まっている。

ブラジル二輪製造会社協会(Abraciclo)の発表によると、今年初め7か月間の二輪車生産は、Covid-19パンデミックによる影響で昨年3月末から5月にかけて生産中止を余儀なくされていた前年同期比では、35.4%増加の66万3,900台と大幅増加を記録している。

1月から2月にかけて新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大、入院患者の治療に必要な酸素が危機的な不足状況に陥ったために、今年初めのマナウスフリーゾーンの二輪車生産は、壊滅的な減産を余儀なくされていたが、3月末から徐々に回復傾向となり、昨年下半期は正常時の生産体制に戻っている。

新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大に陥っていた今年初めの今年の二輪車生産は、僅か106万台に留まると予想されていたが、今では昨年比26.8%増加に相当する122万台に上方修正されている。

今年7月の二輪車生産は、前年同月比32.2%増加の11万2,500台を記録、前月比では5.5%増加、今年初め7か月間の累計二輪車生産台数は、前年同期比44.5%増加の62万9,200台、今年の二輪車の新車登録台数予想は、前回予想の91万5,200台を24.6%上回る114万台に上方修正されている。

今年7月の二輪車輸出は、前月比36.0%増加の6,000台、今年初め7か月間の累計輸出台数は、前年同期比の約2倍に相当する3万2,300台を記録、特にアルゼンチン、コロンビア並びに米国向け輸出が順調に推移している。今年の二輪車輸出は、前回予想の4万台から5万台に上方修正、昨年比では51.0%増加を予想している。

(ZOOM)日伯法律委員会主催の8月の月例会開催 (2021年8月11日)

日伯法律委員会(岩尾 玄委員長)主催のオンライン月例会は、2021年8月11日午後4時から5時30分まで約45人が参加して開催、司会はクラウジオ・ヴァス副委員長が務めた。

初めにPinheiro NetoAdvogados弁護士事務所のCRISTIANE I. MATSUMOTOパートナー及びANDRE AMASCITTパートナーが”従業員利益分配金(PLR)における税制トランザクション (公示通知 11/2021) “について、従業員利益分配金のコンセプト、労働法改正並びに法令14020号/2020によるPLR変更点、コスト×ベネフィットの評価などについて説明した。

DannemannSiemsen弁護士事務所のGUSTAVO DE FREITAS MORAISパートナーは、”特許強制ライセンスおよび Covid-19” について現地生産への技術移転、Anvisaのパテント申請審査、コロナワクチンの特許放棄などについて説明した。

PDF anexos:
1. Transação Tributária (Edital 11/2021) – Débitos de Participação nos Lucros ou
Resultados (PLR)”
2. “Licença Compulsória de Patentes e a Covid-19”

在日ブラジル人は本国への送金停止、永住への生活スタイルに変化(2021年8月9日付けヴァロール紙)

日本在住の在日ブラジル人は、日本での永住を基本に住宅購入や生活向上などの生活スタイルを切り替えており、ブラジル帰国を見据えた本国への送金停止する在日ブラジル人が増加の一途を辿っている。

2005年の在日ブラジル人は30万5,000人に達していたが、2008年の金融危機で解雇されて帰国を余儀なくされたために、今では32.0%減少の20万8,500人まで減少している。

8月末まで東京の非常事態の延長を余儀なくされたcovid-19の感染増加に伴い、日本政府は、ブラジル人を含むすべての人の経済活動の維持を保証すると日本の外国コミュニティにサービスを提供する企業の代表者は説明している。

日本政府は、新型コロナウイルス対策で、首都圏では東京都に出されている緊急事態宣言に次いで、8月2日から31日迄埼玉、千葉、神奈川の3県を追加する方針を決定、この首都圏にはブラジル人を雇用している多くの製造業が存在している。

リクルート企業S&T社のMárcio Shiguemi Nakashima主任は、首都圏100キロ圏内の製造メーカーに80人のブラジル人を派遣しており、コロナ禍当初は解雇が増加したが、今では正常化レベルに回復したものの、給与レベルは概ね減少している。

90年初めの製造業部門の給与水準は、3300ドルに相当する40万円が相場であったが、労働者の賃金が安いアジアへの製造拠点への移転の影響で、今では日本国内の製造業の現場では30万円稼げれば御の字とNakashima主任は説明している。

2005年の在日ブラジル人の本国送金は、20億ドル~25億ドルに達していたが、昨年9月の送金額は、僅か760万ドルと90年初期の月間2億ドルの送金額とは比較にならない程減少している。

静岡県浜松市でミナス料理を提供しているレストランTrem Bomのオーナーのラウル・ヒラタ氏は、コロナ禍で営業活動の制限を受けたが、顧客の多くは、永住を決めて住宅を購入しており、レストランでの消費は継続すると説明している。またコロナ禍が収まれば今後数か月間後には、在日ブラジル人が増加すると予想している。

Nubankは米国でのIPOで400億ドル調達で主幹会社と契約(2021年8月10日付けヴァロール紙)

世界最大のデジタル銀行であるブラジルの「Nubank」は、米国のナスダック株式市場での新規株式公開IPO準備のために、北米の大手銀行のMorgan Stanley, Goldman Sachs並びにCiti、米国以外のHSBC銀行, Allen & Co社並びにUBSとも契約を締結した。

デジタル銀行のNubankは6月上旬に、ウォーレン・バフェットの投資ファンド「バークシャー・ハサウェイ」から5億ドルの出資を受けたことを発表していた。

Nubankのナスダックでの新規株式公開は、今年第3四半期若しくは第4四半期が予定されており、400億ドルに達する資金調達を目論んでいる。子の400億ドルの資金調達はブラデスコ銀行が米国で調達した399億ドル、XP銀行が調達した277億ドルを上回る可能性が見込まれている。

Nubankは既にテスト・ザ・ウオーターtesting the watersと呼ばれる新規株式公開への募集に関する機関投資家への事前打診をウオールストリート街で行っており、機関投資家から打診結果として非常にポディティブな感触を受けている。

コロンビア人のデビッド・ヴェレス氏が経営で陣頭指揮を執っているNubankのIPOに対する期待は、マイクロソフト社が切望するようになったボイスオーバーIPアプリケーション(voip)である米国資本のスタートアップDiscord社と、米国で最も価値の高いユニコーン企業のストライプ社と同様の期待を背負っている。

ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイを魅了した7億5,000万ドルの追加資金で、Nubankの時価総額はすでに300億ドルとに達しており、同社のIPOで時価総額は大幅に上昇すると見込まれている。

旱魃と寒冷前線停滞による低温で今年の穀物生産前年比1.2%減少に下方修正

国家配給公社(Conab)では、世界的な天候異変はブラジル国内でも大きな影響を及ぼしており、旱魃と長期の寒冷前線停滞で今年の穀物生産は、前年比1.2%減少と下方修正を余儀なくされている一方で、ブラジル地理統計院(IBGE)では、今年の穀物生産は4ヶ月連続での下方修正にも関わらず、前年比0.8%増加を見込んでいる。

国家配給公社(Conab)では、2021年度の穀物生産は、前年比1.2%減少の2億5,398万トンに下方修正しているが、ブラジル地理統計院(IBGE)では、依然として前年比0.8%増加予想にも拘らず、今後も継続して更なる下方修正を行うと予想されている。

国家配給公社(Conab)では、今年の穀物栽培面積は前年比4.0%増加しているにも関わらず、寒冷前線の長期停滞による霜害並びに旱魃による乾燥で、特に中西部地域から南部地域にかけて大きな影響を被っている。

特に今年のトウモロコシの生産は、前年比15.5%減少の8,665万トンに留まると予想、夏収穫の第一期作のトウモロコシは、前年同期比11.0%減少の2,490万トン、第二期作は、19.6%減少の6,032万トンに留まると国家配給公社(Conab)では予想している。

多くの州では僅かな降雨しかなく、その上寒冷前線の停滞で低温度が持続、パラナ州並びに南マット・グロッソ州では、霜が降りて影響を受けているとブラジル地理統計院(IBGE)農畜産部門アナリストのCarlos Antônio Barradas氏は説明している。

今年第1四半期の農畜産部門のGDP伸び率は、大豆生産が牽引して前四半期比5.7%増加を記録、今年初めの今年の農畜産部門のGDP伸び率は、前年比2.0%~3.0%増加が見込まれていたが、旱魃並びに低温、霜害などの影響で前年並みの予想に修正されている。

(Teams)オンライン渉外広報委員会開催(2021年7月1日)

渉外広報委員会(長野委員長)は、2021年7月1日午後4時から5時30過ぎまで10人が参加して開催、司会は長野委員長が務め、初めにニッケイ新聞取材対応に係る状況の説明。新サイトへの旧サイトからのデーターの移行状況、バグやエラーメッセージ発生状況、データー管理方法、今後の対応策や委員会開催のスケジュールなどについて意見交換を行った。

参加者は渉外広報委員会から長野委員長(三井住友保険ブラジル)、山田副委員長(ブラジルトヨタ自動車)、田辺副委員長(NECラテンアメリカ)、井上氏(UBIK)、石田氏(三井住友保険ブラジル)、事務局から平田事務局長、日下野総務担当、梶原アシスタント、上田アシスタント、大角編集担当。

(Zoom)運輸サービス部会懇談会開催(2021年8月10日)

運輸サービス部会(藤代泰輔部会長)のオンライン懇談会は、2021年8月10日午前9時から10時30分まで21人が参加して開催。初めに藤代部会長は、運輸サービス部会の体制、業種別部会長シンポジウムに替わるフォーラム開催の背景を説明した。

海運、航空貨物、旅行・ホテル・航空旅客並びに物流部門の代表は、今年の上期の振り返り及び下期の展望について発表、上期の振り返りでは、ブラジルへの旅行者数の推移、日系大手旅行社の実績、好調な農業部門の輸出、“Alerta Malha Fina”警告通達、ワクチン接種の有無にかかわらず、ブラジル人の盛んな国内旅行、タイトな自動車専用船状況、堅調な航空貨物要因として良好なサプライチェーン状況などが挙げられた。

下期の展望では、DU-IMP実施時期のずれ込み予想、7月にトラック運転手による1日ストライキの発生、ワクチン接種率増加に伴う近隣諸国への渡航緩和への期待、半導体供給不足による自動車出荷減少、温室効果ガス排出規制の環境規制問題の影響、Covid-19による船員交代、乗務員感染による船腹不稼働問題、旅客便の再運航の進捗、航空運賃高止まり解消の要因などが挙げられた。また輸出元のINCOTERMや関税コードなどの知識不足による通関時の問題発生を抑制するために通関業務セミナー開催の必要性が指摘された。

コメントを求められた平田事務局長は、昨年のコロナ禍での暗黒の時期に比べて物流の動きがでてきたが、人の動きは遅れており、注視している。食料品や衣料など生活必需品部門は活発で、緊急品輸送は海運から航空貨物に移行している。Covid-19パンデミックで医療機器部門は特需の恩恵を受けていた。成功裏に終わった東京オリンピック、奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島の鹿児島及び沖縄の世界自然遺産登録などについて説明した。

参加者は藤代部会長(ブラジル日本通運)、大胡副部会長(MOLブラジル)、日根副部会長(H.I.S.ブラジル)、村田氏(鈴与)、坂本氏(全日空)、広瀬氏(ブルーツリーホテル)、谷口氏(IDL EXPRESS)、今安氏(日本航空)、行徳氏(K-Line)、湯原氏(NYKブラジル)、保坂氏(ONE)、文岡氏(Quickley Travel)、江上氏(WEC)、宮本氏(ジェトロサンパウロ事務所)、古木氏(ジェトロサンパウロ事務所)、中野副領事(サンパウロ総領事館)、吉田調査員(サンパウロ総領事館)、平田事務局長、日下野総務担当、上田アシスタント、大角編集担当、

2021年8月10日 在サンパウロ日本国総領事館の小室首席領事が会議所を訪問

2021年8月10日、在サンパウロ日本国総領事館の小室首席領事が会議所を訪問した。

小室千帆首席領事は楠彰前首席領事の後任として7月に着任した。同主席は去る4日、村田俊典会頭をオンライン表敬後に、平田藤義事務局長と対面式で特に80年央以降のブラジル経済情勢の変遷や昨今のブラジル情勢などについて意見交換を行った。

国内最大の鉄道プロジェクトFerrogrão(フェログラン)は熾烈な争いが予想されている(2021年8月9日付けエスタード紙)

Ferrogrão(フェログラン)と命名されているマット・グロッソ州シノップ市とパラー州イタイツーバ市を結ぶ933キロメートルの鉄道建設構想は、最優先プロジェクトにも拘らず、既に5年間以上も経過しているが、未だに着手されていない。

国内最大の鉄道建設プロジェクトのFerrogrão(フェログラン)は、ブラジル最大の穀倉地帯のマット・グロッソ州からパラー州経由の北回廊の輸出ルートとなり、輸送コストや輸送時間の大幅な短縮に繋がる非常に重要なプロジェクトとなっている。
北部回廊経由のFerrogrão鉄道が完成すれば、1トン当たりの穀物の輸送費は半分以下に減少、また輸送日数も4日間の短縮が可能となり、穀物生産者にとっては、大きなコスト削減で価格競争力が飛躍的に増加する。

しかし穀倉地帯のマット・グロッソ州からパラー州と横断するFerrogrão鉄道ルートは、ブラジル国内の鉄道貨物輸送を大きく塗り替えるプロジェクトであるが、アマゾン地域の熱帯雨林の伐採禁止、先住民族の社会的保護や保護地区への不侵入などの保証が不可欠となっている。

Cosanグループ傘下のRumo社は、ブラジル国内の中西部地域並びに南東部地域で鉄道網を張り巡らせており、北部地域からの穀物輸出網を獲得するためには、入札ではコンペチターを大幅に下回る価格提示の可能性が予想されている。

Ferrogrão鉄道の入札には、Cosanグループ傘下のRumo社以外にも資源大手ヴァーレ社傘下のVLI社、Hidrovias do Brasil社傘下の投資ファンドPátria社の参加が見込まれている。

2019年3月にRumo社は、南北鉄道のトカンチンス州Porto Nacionalとサンパウロ州Estrela D’Oesteを結ぶ南部地区を最低価格の2倍以上となる27億1,900万レアルで落札した。

トカンチンス州Porto Nacionalとマラニョン州Açailândia間の鉄道を運営しているVLI社が落札すると予想されていた。VLI社は最低価格13億5,000万レアルに対して20億6,500万レアルを提示したが、Rumo社が27億1,900万レアルで落札していた。

昨年末にRumo社は、サントス港湾を含むサンパウロ州内を網羅するパウリスタ鉄道網の30年契約延長を締結、今後60億レアル以上の鉄道網への投資を約束、サンパウロ州とマット・グロッソ州Rondonópolisを結ぶ北部鉄道網も落札している。