エンブラエル社はフラッパー社とUAM市場開発でパートナーシップを発表(2021年7月22日付けエスタード紙)

パイロット操縦による垂直離着陸機(eVTOL)やドローン使用の空中輸送でのアーバン・エア・モビリティ(Urban air mobility)による都市交通システムは、今後の交通渋滞解消の切り札と期待されている。

エンブラエル社傘下の都市交通システムソルーションを事業の柱とするEve社は、独立したプライベートオンデマンド航空プラットフォームで、ラテンアメリカ地域向けのVTOL (Vertical Take-Off and Landing:垂直離着陸機)投入による都市交通網の共同開発で、Flapper社とのパートナシップ締結を発表した。

Eve社は、ブラジルの大都市のサンパウロ市、リオデジャネイロ市、ベロオリゾンテ市、チリのサンティアゴ市、コロンビアのボゴタ市、メキシコのメキシコシティ市など南米の主要都市で、フラッパー社に対して年間最大2万5,000時間のフライトを提供する予定となっている。

このパートナーシップ契約は、EVE社からフラッパープラットフォームに対して、最大25機の垂直着陸(EVA)車両を持ち込む可能性が記載されている。

EVE社からフラッパー社へのVTOL(電動垂直離着陸機、俗称:空飛ぶクルマ)提供は、ラテンアメリカ地域の都市交通の需要拡大に繋がり、またブラジル、メキシコ、コロンビア並びにチリの大都市圏の二酸化炭素排出削減に結びつくとEve社のAndre Stein社長は説明している。

世界の10大都市圏でのヘリコプター運航の6都市は、ラテンアメリカ地域に集中しており、今後もヘリコプターに替わる電動垂直離着陸機の需要拡大が見込めるとFlapper社のPaul Malicki社長は指摘している。

今年の鉱物関連ロイヤリティの臨時歳入は、前年比30%増加の90億レアル予想(2021年7月22日付けエスタード紙)

ブラジル鉱業協会(Ibram)の統計によると、今年上半期の鉱物関連ロイヤリティによる臨時歳入総額は、前年同期比111.7%と倍増以上の44億8,000万レアルに達している。

今年の鉱物資源の需要が中国の好調な経済が牽引して、鉄鉱石を中心に国際コモディティ価格の上昇及びレアル通貨に対するドル高の為替で、下半期も上半期同様に大きな需要が継続するとブラジル鉱業協会(Ibram)のWilson Brumer会長は予想している。

今年下半期の鉱業部門の売上は、上半期同様の1,500億レアル予想で、年間の売上は3,000億レアルを予想、鉄鉱石の国際コモディティ価格は、年末まで1トン当たり200ドル~220ドルを維持するとWilson Brumer会長は予想している。

今年の中国のGDP伸び率は8.5%が見込まれており、今年の中国の粗鋼生産は10億トンに達するが、来年の中国の鉄鉱石需要は、今年並みに留まると予想している。

今年下半期に予想されている旱魃による水力発電所の電力危機対応の節電や節水は余儀なくされるが、各鉱業企業は電力エネルギー確保のために、各社は太陽光発電や風力発電も代替えエネルギー部門に投資してきているために、鉱業部門への電力エネルギー危機は、今年の鉱物生産には影響を及ぼさないとブラジル鉱業協会(Ibram)では見込んでいる。

(ZOOM)「移転価格税制の基礎」オンラインセミナー開催 2021年7月22日

日伯法律委員会(岩尾 玄委員長)課税・通関ワーキンググループ(天野義仁グループ長)主催による「移転価格税制の基礎」セミナーは、2021年7月22日午前9時から10時まで講師にEY Brasil社の笹澤誠一氏を迎え、120人が参加して開催。ブラジルの移転価格税制は、OECDのガイドラインの規範に沿っておらず、二重価格税制になっているケースもあり、本社担当者の理解を得るのに苦労していると笹澤誠一氏は説明した。

初めに移転価格税制は、海外の関連企業との取引を通じた所得の海外移転防止の制度、所得配分の適正化のため、関連会社との取引に掛かる取引価格を独立企業間価格(ALP)で行われたとみなして所得計算すると説明した。

また意見価格税制のリスク例として、各国の税率が異なる場合を説明。また移転価格税制の特徴、BEPS 行動13 (国別報告書、マスターファイル、ローカルファイル)、BEPSプロジェクト、BEPS 最終報告書(15の行動計画)、BEPSへの実務対応、一般的な分析プロセス、OECDガイドラインとの主な相違点として独立起業価格の算定方法、PRL法やCPL法において、利益率の固定、リスク分析の不要、製品等の種類ごとに利益計算、事前確認制度の取扱い、国外関連者の広い定義範囲、対象外のロイヤリティ支払いについて説明。

輸入では、PIC(独立価格批法)並びにCPL(原価基準法)、PRL(再販売価格基準法)、セーフハーバーのそれぞれのディスアドバンテージ及びアドバンテージ、移転価格算定に必要な情報。特定の算定方法と運用では、利子およびコモディティ、サービス、Backto Back取引、輸入及び輸出取引の実務上の対応などについて説明した。

笹澤誠一氏は、最後にブラジルの移転価格税制の纏め、今後の見通しではOECD加盟に向けてのシナリオなど懇切丁寧な分かり易い講演に、天野グループ長は、丁寧なお礼を述べて講演会は終了した。

PDF210722 移転価格税制の基礎(課税通関WG)EY Brasil社の笹澤誠一氏

(ZOOM)7月の労働問題研究会開催 2021年7月21日

企業経営委員会(讃井慎一委員長)主催の7月の労働問題オンライン月例会は、2021年7月21日午後4時から5時30分まで約50人が参加して開催。フェルナンド・ミハラ コーディネーターが司会を務めた。

初めにPwCのRomero J.S. Tavaresパートナーは、テーマ”ブラジルにおける日本の投資に関する税制:税制改革における提案と解決” について、憲法改正法案45号(PEC45/2019)、財・サービス納付金(CBS)のPL3887/2020、ブラジルへの対内直接投資に課される個人所得税並びに法人所得税のOECD加盟国との税率比較などについて説明した。

Madrona Advogados.弁護士事務所のRodolfo Tamanaha弁護士並びにLuciana Renouard弁護士は、テーマ”スタートアップの主な法的枠組み” について、スタートアップ企業の定義、投資ツール、イノベーションの調査・開発促進、入札の新規則イノベーションソルーションに対する公共機関の契約などについて説明した。

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6月の一般歳入総額は前年同月比46.0%増加(2021年7月21日付けヴァローレ紙)

2021年6月の連邦政府のインフレ指数を差引いた基礎的財政収支対象経費からロイヤリティ収入等の臨時歳入を除いた実質一般歳入総額は前年同月比46.77%の大幅増加の1371億6,900万レアルに達し、6月の月間税歳入総額は2011年以降で最高記録を更新している。

また今年上半期の連邦政府の実質一般歳入総額は前年同期比24.49%増加の8819億9,600万レアルに達し、統計を取り始めて以降では過去最高を記録している。

今年6月の連邦政府のインフレ指数を差引かない名目一般歳入総額は前年同月比59.02%増加の862億5,800万レアルを記録している。

今年6月の国庫庁の実質一般歳入総額は前年同月比45.68%増加の1,330億80万レアル、名目一般歳入総額は57.84%増加、今年上半期の実質一般歳入総額は24.63%増加の8,449億3,500万レアル、名目一般歳入総額は32.60%増加を記録している。

また今年6月の国庫庁の石油ロイヤリティなどの実質臨時歳入総額は前年同月比92.93%と約倍増の41億6,100万レアルを記録、また名目臨時歳入総額は前年同月比109.3%と2倍以上に増加している。

今年上半期の実質臨時歳入総額は21.23%増加の370億6,200万レアルを記録している。一方6月の免除総額は前年同月比では約2倍に達する141億4,600万レアル、特に司法関連の免除総額は72億7100万レアルが過半数を占めている。

今年6月の国庫庁の歳入の内訳では、法人税(IRPJ)並びに純益に対する社会納付金(CSLL)による歳入総額は前年同月比77.0%の大幅増加を記録、臨時歳入総額は40億レアルを記録している。

今年6月の工業製品税(IPI)による歳入は、好調なマクロ経済が追い風となって前年同月比25.79%増加、資本財関連のIPI税による歳入は26.20%増加、サービス関連IPI税による歳入は23.0%増加、輸入製品関連IPI税による歳入は73.81%と大幅増加を記録している。電子ノッタフィスカルによる歳入申請件数は50.89%増加、歳入金額は27.59%増加している。

今年上半期の連邦政府による免税や支払い延長による歳入免除総額は469億5,600万レアルに達しており、今年6月だけでは70億8,300万レアルを記録している。今年上半期の零細・小企業向け簡易税務申告(Simples Nacional)や個人零細事業主(MEI)向け免税総額は79億5,500万レアルに達している。

またディーゼル燃料向け消費に関する社会保障賦課金(Cofins)並びに社会統合基金(PIS)向け免税総額は36億7,800万レアルに達している。

大手工作機械メーカーRomi社は、コロナ禍の最悪期は脱出(2021年7月21日付けヴァローレ紙)

昨年3月から始まったCOVID-19パンデミックの影響で、ブラジル国内の小売業、サービス業や製造業など壊滅的な影響を受けていたが、今年4月以降は最悪期を脱出しているとブラジルの最大手工作機械メーカーRomi社のLuiz Cassiano Rosolen社長は指摘している。

今年第2四半期のRomi社受注残高は、前年同期比68.5%増加に相当する6億7,500万レアルを記録、純益は、277.5%増加に相当する4,270万レアルを記録している。

国際コモディティ価格の上昇や世界的な半導体や電機電子部品の供給不足、レアル通貨に対するドル高の為替による原材料費高騰にも関わらず、同社は今年第2四半期の受注残並びに純益、増産を記録している。

好調な受注残で2022年度の生産計画に弾みがついており、アジア並びにヨーロッパ向けマーケット拡大を積極的に進めるとLuiz Cassiano Rosolen社長は楽観的な見方をしている。

世界的な半導体や電子部品の供給問題は、わが社にと直接影響を及ぼしていないが、我が社のパートナー企業への部品納期の遅れの影響は多少受けているとLuiz Cassiano Rosolen社長は説明している。

インフレコストは我社にインパクトを与えるが、マージン率を維持するために、機械・装置業界では価格転嫁ができていると説明している。

(ZOOM)ラテンアメリカ協会主催のラテンアメリカなるほどトークセミナー開催 2021年7月21日

ラテンアメリカ協会主催のラテンアメリカなるほどトークセミナーは、2021年7月21日午前9時から10時過ぎまで約130人が参加して開催、講師はラテンアメリカ協会の桜井悌司常務理事がシリーズ第4回テーマ『ラテンアメリカに適した人材とは』と題して講演した。

桜井悌司常務理事は、初めに自己紹介として、ジェトロに41年間勤務、海外勤務としてスペイン、イタリア、メキシコ並びにチリのラテン語圏で15年半勤務、ラテン民族に関する豊富な経験と洞察力で一般的に知られていないラテンアメリカの文化、教養、ビジネスなど貴重な内容の話を披露した。

初めに言葉の問題として、スペイン語は世界第4位。ポルトガル語は第7位の使用言語で、語学取得の価値があり、情報入手、人脈拡大、仕事がよりスムーズに運ぶ、駐在生活が格段に楽しくなる利点を説明した。

続いて駐在員の家族帯同のメリット、CSR,ESG的センスを持った人材派遣のメリット。教養力・総合力に優れているラテンアメリカのインテリ層に対応するための全体を見渡せる人材、総合力・バランス力・教養力に優れた駐在員の派遣。提案力の優れた人材、時節で主張、情報を発信できる人材の派遣。現地ロータリークラブの入会メリットを説明した。

また本社を説得できる人材、周りを巻き込む情熱を持った人材、ラテンアメリカが嫌いでない人材派遣の必要性。中国間ビジネス経験者はラテンアメリカとのビジネスの適応力、日系人を理解し、一緒に働ける人材などラテンアメリカ地域への駐在員派遣の人選で成功を収める「虎の巻」セミナーであり、参加者は、桜井悌司常務理事の経験に基ずく卓越した洞察力、説得力、話術に魅了されていた。

最後の質疑応答ではラテンアメリカ諸国の国民性やマインドの相違点。男性や女性の単身赴任のメリット・デメリット。チリと日本の文化や思考の相違点。女性がラテンアメリカでビジネスキャリアを積む方法。セミナーで使用された比類ない貴重な発表資料の入手方法などが挙げられた。

(ZOOM)7月の労働問題研究会開催

Madrona Advogados.弁護士事務所のRodolfo Tamanaha弁護士並びにLuciana Renouard弁護士は、テーマ”スタートアップの主な法的枠組み” について、スタートアップ企業の定義、投資ツール、イノベーションの調査・開発促進、入札の新規則イノベーションソルーションに対する公共機関の契約などについて説明した。

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約10社のブラジル企業は北米の証券取引所に上場か(2021年7月20日付けエスタード紙)

2021年下半期に約10社に達するブラジル企業が米国の証券取引所で新規株式公開IPOする可能性が濃厚となっていると金融市場関係者は予想している。

今年下半期に米国でのIPOでの資金調達を予定しているのは、国内大手銀行 3 行のジョイントベンチャーとして 2011 年に設立されたブラジルのクレジットカード会社である Elo Serviços S.Aが有力視されている。

またeコマースプラットインフラ構築プロバイダーVtex社、コンテンツ創造プラットフォームHotmart社、ラテンアメリカ地域のグローバル企業向けの決済ソリューションを提供しているEbanx社も新規株式公開を予定している。

今年6月に、ウォーレン・バフェットの投資ファンド「バークシャー・ハサウェイ」から5億ドルの出資を受けたブラジルのデジタル銀行Nubank社、デジタル保険業界のスタートアップ企業Thinkseg社がそれぞれ米国の証券取引所での新規株式公開を予定している。

Nubank社は時価総額の300億ドル突破を目指しているが、今年下半期に米国でのIPOを目指しているブラジル企業は最低でも3億ドルから15億ドルの資金調達を目論んでいる。

例えば、今週、テクノロジー・ソリューションズ・カンパニーZenvia社は、ナスダックで1億9,900万ドルに達する可能性のあるオファーの価格設定を予定。IPOと並行して、Zenvia社はクラウドコミュニケーションプラットフォームのリーディングカンパニーのTwilo社から5,000万ドルの資金調達で合意している。

今年6月の鉄鋼製品輸入は、前年同月比118.1%増加の22万5,970トン(2021年7月20日付けエスタード紙)

ブラジル鉄鋼卸売業者協会(Inda)の発表によると、2021年6月の鉄鋼卸売り業者による鉄鋼製品販売は、前年同月比118.1%増加の22万5,970トンを記録している。

今年上半期の鉄鋼製品輸入は、前年同期比103.8%増加の94万4,390トン、また今年6月の平板鋼を含む鉄鋼製品輸入が36万4,400トンまで急増している要因として、6月の輸入鉄鋼製品の価格は、今年1月~2月の国産の鉄鋼製品価格よりも200ドル~300ドル安いために、鉄鋼製品輸入が急増している。

また今年の輸入鉄鋼製品のマーケットシェアは、更に増加するとブラジル鉄鋼卸売業者協会(Inda)のCarlos Loureiro会長は指摘している。

今年6月のブラジル国内の鉄鋼製品の卸売販売は、前年同月比3.3%増加の30万トン、前月比ではマイナス6.4%を記録、今年上半期の鉄鋼製品の卸売販売は、前年同期比28.8%増加の192万トン、6月の過去12か月間では、25.7%増加の404万トンを記録している。

6月の1日平均の鉄鋼製品の卸売販売は、1万3,600トンと平常レベルに接近してきており、今年7月の鉄鋼製品の卸売販売は、前月比マイナス7.7%に相当する27万7,000トンをCarlos Loureiro会長は見込んでいる。

今年6月の鉄鋼製品輸入は、前年同月比16.8%増加の34万7,300トン、前月比では僅か0.5%微増、今年上半期は、前年同期比31.3%増加の203万トン、6月の過去12か月間では、22.5%増加の394万トンを記録している。

6月の卸売業者の鉄鋼製品の在庫は、営業日数換算で2.6ヶ月に相当する78万5,800トン、5月から6月にかけて約5万トン増加、7月の鉄鋼製品の在庫は、営業日数換算で3.1ヶ月に上昇すると予想されている。

今年上半期の鉄鋼製品価格は既に65%上昇、過去12か月間の鉄鋼製品の値上げは160%~170%に達しているが、今後短期間の値上げは、行われないとCarlos Loureiro会長は指摘している。

現在の輸入鉄鋼製品と国産品の価格差は15.0%前後の差があるが、ドルの為替はR$5.20~R$5.00で、鉄鉱石、石炭並びに鉄屑国際コモディティ価格が安定していると仮定するならば、短期間の鉄鋼製品価格の値上げは、行われないとCarlos Loureiro会長は指摘している。