日産自動車はブラジルで2025年までに28億レアルの投資発表(2023年11月7日付けヴァロール紙)

日産自動車は昨年末に今後3年間の13億レアルの投資を発表していたが、投資見直しで2023年から25年までに28億レアルを投資すると発表した。新型SUV(多目的スポーツ車)2車種を新たに投入するほか、新型ターボエンジンの生産も予定している。

今月6日にブラジルに着いた内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)はブラジリア市に直行、ルイス・イナシオ・ルーラ大統領およびジェラルド・アルキミン副大統領に、日産自動車のブラジル国内における新たな投資計画を説明した。

内田誠社長は私たちはこの地域での成長の可能性があると考えており、ブラジルとラテンアメリカは戦略的地域であると強調した。内田社長はルーラ大統領との会談でブラジルの経済成長の懸念も表明したとも伝えられている。

新規の投資は新型SUV(多目的スポーツ車)2車種を新たに投入するほか、新型ターボエンジン生産も予定。2車種のうち、1車種は日産がグローバル展開しているSUV「キックス」の新型モデルであり、25年までにKicksをリニューアルし、ラテンアメリカ地域の他の国にも輸出すると内田社長は説明している。

2機種のモデルのうちの1モデルの詳細はまだ明らかにされていないが、燃焼エンジンと電気エンジンを備えたハイブリッドバージョンの基礎となるプラットフォームを備えており、エタノール燃料使用の可能性をラテンアメリカ日産のGuy Rodriguez社長は示唆している。

新規モデル生産を拡大するには、より多くのサプライヤーの関与が不可欠であり、企業名はまだ明らかにされていない4社の新しいパートナーが、レゼンデ工場の日産ラインに対して部品供給する契約に署名する予定となっている。

自動車販売代理店が加盟する全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の発表によると、現在の日産自動車のブラジル国内のマーケットシェアは3,4%に過ぎないが、2026年末までには7%と倍以上のマーケットシェアを目標にしている。

 

9月末のブラジルのクレジット残高は5兆5,750億レアル (2023年11月7日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の発表によると、2023年9月末のブラジルのクレジット残高は、0,8%増加の5兆5,750億レアル、過去12カ月間では8%増加を記録している。

また9月末の融資先が自由に選択できる自由クレジット残高は0,8%増加の3兆2,830億レアル、大型プロジェクトなどの低金利で融資先が限定されている限定クレジット残高は、0,8%増加の2兆2,920億レアルを記録している。

9月末の個人向け自由クレジット残高は、0,3%増加の3兆3,790億レアル、法人向け自由クレジット残高は、1,6%増加の2兆1,960億レアルを記録している。

ブラジル中央銀行では今年のクレジット部門伸び率は前年比7,3%増加を予想、そのうち自由クレジット部門伸び率は5,7%増加、限定クレジット部門伸び率は9,6%増加を予想、個人向けクレジットは9,9%増加、法人向けクレジットは3,4%増加を予想している。

ブラジル中央銀行の発表によると、営業日数の増減など特定の期間の特殊性を除いた季節調整後の9月の新規クレジットは2.3%増加、そのうち個人向けクレジット部門伸び率は0,5%増加、法人向けクレジットは3,8%増加、自由クレジットは3,7%増加した一方で、限定クレジット部門はマイナス5,2%と大幅な落ち込みを記録している。

 

今年9月末の健康保険プラン加盟者は5,090万人に達している (2023年11月6日付けヴァロール紙)

国家保健補助庁(ANS)の発表によると、2023年9月末の民間健康保険プラン加盟者は5,090万人に達しており、昨年9月末の民間健康保険プラン加盟者数を88万9,000人上回っている。今年9月の新規保険プラン加盟者数は20万4,300人となっている。

Citi社の調査によると、Hapvida社 は 9 月に新規契約から解約を差引いた純加盟者数は6万800人の増加を記録 したが、今年3 四半期は 3万9.7 00人のユーザー減少を記録している。

一方で民間健康保険プランのNotredame Intermédica社の今年3 四半期の純加盟者数は6万3,200人の大幅増加を記録、今後数カ月間は同様のペースで増加する可能性をCiti社は予想している。

また今年9月の民間健康保険プランのAmil社の純加盟者数は4万2,500人、3 四半期の純加盟者数は10万1,500人に達している。

今年9月の民間健康保険プランPorto Seguro社の純加盟者数は1万4,700人、3 四半期の純加盟者数は4万6,900人、前記同様にBradesco Saúde社は1万500人、1万400人、SulAmérica社は4,200人増加した一方で、3 四半期は4万6,000人減少を記録している。

また今年9月の民間健康保険プランUnimed Nacional社の純加盟者数は3,400人減少も、3 四半期の純加盟者数は1万5,400人増加、Unimed-BH社は6,700人、2万600人それぞれ増加を記録している。

今年9 月のブラジルの経常収支は13億7,500万ドルの赤字計上 (2023年11月6日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の発表によると2023年9 月のブラジルの経常収支は13億7,500万ドルの赤字計上したが、昨年同月の経常収支69億4,000万ドルの赤字の五分の一まで縮小している。

今年9 月の過去12か月間の累積経常収支は、GDP比1,92%に相当する398億3,200万ドルの赤字を計上している。

ブラジル中央銀行の最終四半期インフレレポート (RTI)では、今年のブラジルの経常収支は360億ドルの赤字を予想している。

今年9 月の海外投資家による対内直接投資残高は、37億5,200万ドルと昨年同月の96億2,800万ドルから大幅に縮小している。

今年9 月の過去12か月間の累積対内直接投資残高は、GDP比2,89%に相当する600億4,200万ドルと昨年同月のGDP比3,91%を大幅に下回っている。

今年9 月の海外投資家による株式などの金融関連投資残高は14億1,400万ドルの黒字を記録したが、昨年同月は32億8,600万ドルの赤字を記録していた。

今年9 月の海外投資家による確定金利付き投資は18億9,100万ドルを記録、ブラジル中央銀行では、今年の海外投資家によるブラジルの株式投資残高は100億ドルを見込んでいる。

今年9 月の外資系企業による本国への利益・配当金送金は、33億6,900万ドルと昨年同月の50億6,400万ドルを大幅に下回っている。昨年の送金総額は420億ドルであった。

負債を抱える59万人が債務再交渉プログラムで18億レアルの債務返済交渉 (2023年11月6日付けヴァロール紙)

6日付けの財務省の発表によると、債務再交渉プログラムo Desenrolaでブラジル人59万人が負っている18億レアルの債務についてすでに再交渉を行っている。

また11月2日までに、負債総額21億レアルに相当する100万件以上の債務が僅か負債総額の10%強に相当する2億6,200万レアルの返済で再交渉されていた。

債務再交渉プログラムo Desenrola は10月9日から交渉開始、現段階ではクレジットカードなどの銀行債務と、電気、水道、衛生、小売業など他の分野からの延滞請求が含まれている。

債務再交渉プログラムo Desenrolaは負債を抱えているブラジルの一般消費者が信用を取り戻すための実行可能かつ持続可能な交渉を提供していると財務省では説明している。

一般消費者が抱えるこれらの負債は、FGO によって保証され、頭金なしで現金または資金調達で最長 60 か月以内にでの返済が可能となる。月利は最大 1.99% で、最初の分割払いは 59 日以内に行われる。

債務再交渉プログラムo Desenrolaのフェーズ 2 では、7 月から 10 月にかけて 205 億レアルが再交渉され、280 万件の契約が再交渉、220 万人の顧客に恩恵をもたらした。

 

 

今年10月の海外投資家の株売り越し残高は28億7,000万レアル (2023年11月3日付けヴァロール紙)

サンパウロ平均株価指数(Ibovespa)が0,54%上昇した10月31日の海外投資家によるサンパウロ証券取引所(B3)の株式投資金引上げ残高は1,520万レアルを記録している。

今年10月の海外投資家の株売り越し残高は28億7,000万レアルに達している一方で、今年初め10か月間の株式買い越し残高は63億7,000万レアルを記録している。

金融機関投資家による10月31日の売り越し残高は7810万レアル、10月の金融機関投資家による売り越し残高は24億5,000万レアル、今年初め10か月間の売り越し残高は333億5,000万レアルを記録している。

個人投資家による10月31日の売り越し残高は6140万レアル、10月の個人投資家による買い越し残高は20億9,000万レアル、今年初め10か月間の個人投資家による買い越し残高は103億6,000万レアルの大幅な黒字を記録している。

最終フォーカスレポートは来年のインフレ指数を再度上方修正(2023年11月6日付けヴァロール紙)

6日発表のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2024年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の3,90%から3,91%.に上方修正したが、2025年のIPCAは前回同様3,50%に据置いている。2023年のIPCAは前回予想の4,63%に据え置いている。

今年末の政策誘導金利Selicは、前回同様11,75%に据置いた一方で、2024年のSelic金利は9,25%、2025年のSelic金利も8,75%それぞれ据置いている。

ブラジル中銀の今年のIPCA指数の中央目標値を3.25%、2024年及び2025年の中央目標値を3.00%、許容範囲は±1.50%を設定している。

今年のGDP伸び率は、前回予想の2,89に据置、2024年のGDP伸び率は1,50%、2025年のGDP伸び率も前回同様1,90%に据置いている。

ブラジル地理統計院(IBGE)は9月1日、2023年第2四半期(4~6月期)の国内総生産(GDP)の成長率が、前期と比較して0.9%増加を記録したとする国民経済統計を発表した。

Valor社の74社のコンサルタント会社や金融機関対象の調査によると、今年のGDP伸び率の最低予想はマイナス0,8%、最高予想は1,1%増加、平均予想は0,3%増加であった。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替は前回同様R$ 5,00に据置、2024年末はR$ 5,05、2025年末のドルの為替はR$ 5,10にそれぞれ据え置いている。

9月の鉱工業部門生産は前月比0,1%増加(2023年11月1日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM-PF)によると、2023年9月の鉱工業部門生産は前月比0,1%増加に留まった。

Valor Data社が29社のコンサルタント会社及び金融機関対象の調査では、最低予想がマイナス0,4%、最高予想が0.8%増加、平均予想の0,2%増加を若干下回っている。

今年9月の鉱工業部門生産は前前同月比0.6%増加、Valor Data社の調査では最低予想はマイナス0.2%、最高予想は2.3%増加、平均予想0.7%増加は若干上回っている。

今年9月の過去12カ月間の鉱工業部門の累積生産は前年同期比並みで推移、今年初め9か月間の鉱工業部門の累積生産は前年同期比マイナス0.2%を記録している。

今年9月の鉱工業部門生産は過去最高水準を記録した2011年5月よりもマイナス18.1%の水準に留まっており、Covid-19 パンデミック直前の2020年2月を依然としてマイナス1.6%の水準に留まっている。

今年9月の鉱工業部門の4部門のうち3部門で前月比マイナスを記録、また調査対象の25セクターのうち18セクターで増加を記録している。資本財部門は前月比マイナス2.2%、前年同月比ではマイナス12.9%と二桁台の落込みを記録している。

今年9月の耐久消費財部門は前月比マイナス4.3%、前年同月比マイナス3.0%を記録している。前記同様非耐久消費財部門はマイナス1.4%、2.8%増加を記録している。また鉱工業部門生産の55.0%を占める中間財部門生産は唯一0.3%増加を記録、前年同月比では1.2%増加している。

過去1年間の鉱工業部門の月間生産推移

過去1年間の過去12カ月間の鉱工業部門の累積生産推移

今年9月の石油・天然ガス生産は記録更新の466万6,000バレル(2023年11月1日付けヴァロール紙)

11月1日の 国家原油庁(ANP)の発表によると、2023年9月のブラジル国内の原油や天然ガスの1日当たりの平均生産は466万6,000バレルに達し過去最高の生産量を記録した2023年7月の448万2,000バレルを更新している。

9月のブラジル国内の原油や天然ガスの1日当たりの平均生産466万6,000バレルのうち岩塩層下プレソルトの原油生産は359万4,000バレルに達し、過去最高を更新している。

9月のブラジル国内の原油生産は前月比6.1%増加の367万2,000バレル、前年同月比では16.7%増加を記録している。過去最高の原油生産は2023年7月に記録した351万3,000バレルであった。

今年9月の天然ガス生産は前月比6.9%増加の1億5,799万立方メートル、前年同月比10.4%増加を記録して2023年7月の1億5,407万立方メートルを突破して記録更新している。

今年9月のブラジル国内の77%を占めるプレソルト油田の原油並びに天然ガス生産は359万4,000バレルと2023年7月に記録した335万9,000バレルを突破して記録更新している。

今年9月のプレソルト油田の原油並びに天然ガス生産は前月比9.5%増加、前年同月比では19.8%増加、そのうち144カ所の油田からの原油生産は283万バレル、天然ガスは1億2,161万立方メートルとなっている。

ペトロブラスの原油生産のうち海上油田の生産は97.6%、天然ガス生産は87.2%を占めている。ペトロブラスのブラジル国内の原油や天然ガスの生産は全体の89.02%を占めている。また地上油田は5,764カ所に対して海上油田は520カ所となっいる。

サントス海盆のプレソルト油田のツピ油田の9月の原油生産は90万2,400バレル、天然ガスは4,432万立法メートル、原油開発向けのFPSO(洋上浮体式生産・貯蔵・積出施設)のプラットフォームGuanabaraの原油生産は17万9,340バレル、天然ガス生産は1157万立方メートルを記録している。

今年第3四半期の平均失業率は7.7%(2023年10月31日付けヴァロール紙)

31日発表のブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、2023年第3四半期の月間平均失業率は7.7%に減少、2014年に記録した失業率6.9%以降では最低の失業率を記録している。

2023年第3四半期の月間平均失業率7.7%は、2023 年第 2 四半期の8%並びに2022 年同時期の8.7% の両方を下回った。 また6月から8月終了の四半期は7.8%だった。

Valor Dataっ社が21社のコンサルタント会社や金融機関対象の調査では、最高の失業率7.9%、最低の失業率7.6%、平均失業率予想は7.75%であった。今年第3 四半期の14歳以上の労働者人口の中で失業中の人口は830万人であった。

今年第3 四半期の失業中の人口830万人は、第 2 四半期比では3.8% に相当する33 万 1,000 人減少、2022 年の同時期と比較して 12.1%に相当する110 万人減少している。これは2015年3月から5月に終了した移動四半期の失業者数の830万人以来最低の失業者数となった。

今年7月から9月までの四半期の就業人口(従業員、雇用主、公務員)は9,980万人で、調査が開始された2012年以降では最大の就業人口を記録している。

今年第3四半期の労働者数は前四半期比0.9%に相当する92万9,000人増加、前年同期比では0.6%に相当する56万9,000人の増加を記録している。今年第3 四半期の労働者の平均収入は前年同期比 1.7% に相当する49レアル増加の増加の2,982 レアルとなった。

2012年3月から2023年9月迄の失業率の推移

2012年3月から2023年9月迄の朗雄同社の平均賃金の推移