ジェトロサンパウロ事務所の井上徹哉所長と宮本敏央次長が訪問

写真左からToshifumi Murata, Tetsuya Inoue e Toshihisa Miyamoto

ジェトロサンパウロ事務所の井上徹哉所長と宮本敏央次長が2024年3月14日に商工会議所を訪問、応対した村田俊典事務局長と更なる商工会議所活性化のためのセミナーやイベント開催など多岐に亘って意見交換した。

2024年上期の第2回フォーラム開催

2024年上期の第2回フォーラムは2024年3月14日午前9時から10時までテーマ:2023年度下期の振り返り並びに今後の展望 副題:「2024年、ブラジル民間投資拡大の可能性~現地市場ニーズの取り込みに向けて~」について、自動車部会及び運輸サービス部会共催で開催。司会はフォーラム委員会の木村康宏委員長が務めた。

初めに自動車部会の広佐古博之部会長は、四輪業界の昨年下期の振り返り並びに今後の展望では、四輪の販売台数推移、月間販売推移、生産台数や輸出台数の推移、ブランド別シェアの推移、四輪(中古車・新車)の販売台数、2024年のブラジル市場・輸出・生産などについて説明した。

藤代部会員は二輪車の生産・販売推移、月別登録台数推移、支払い形態別販売比率などについて説明した。質疑応答では2024年の四輪販売見通し及び背景。Covid-19 前の販売水準に戻るのはいつか。今後の中国製電動車の販売予想。2020年から二輪車の販売は増加しているが、今年の販売台数予想。平等なビジネス環境推進の阻害要因などが挙げられた。

運輸サービス部会の大胡俊武 部会長は「海運」セグメントではコンテナ、ドライバルク、完成車及びばら積み輸出台数推移、パナマ運河の渇水、スエズ運河から喜望峰航路への変更の影響、菅原氏は「航空貨物」セグメントではブラジル航空貨物推移、日本のフライト離発着回数推移、倉庫需要動向、「その他物流関係」セグメントではエルニーニョ現象の継続予想、新自動車産業政策、文岡副部会長は「旅行・ホテル・航空旅客・レンタカー」セグメントではブラジル国内および国際旅行市場、航空会社シェア、訪日旅行客数推移、訪伯日本人の訪問先などを説明。質疑応答ではゴール航空の企業再生法申請の影響が挙げられた。

PDF自動車部会発表資料

PDF運輸サービス部会発表用資料

続いて運輸サービス部会の大胡俊武 部会長は「海運」セグメントについて、コンテナ輸出入、ブラジル完成車輸出入台数の推移、ブラジルばら積み主要貨物輸出量推移、今後の展望ではパナマ運河の渇水、スエズ運河から喜望峰航路への変更の影響などについて説明した。

菅原氏は「航空貨物」セグメントについて、グアルーリョス空港及びヴィラコッポス空港の空港貨物推移。「その他の物流」セグメントでは倉庫需要増加、エルニーニョ現象継続による影響、DU-IMP開始マジかも準備不足、日本での今年4月から時間外労働時間規制問題などについ説明した。

文岡副部会長は「旅行・ホテル・航空旅客・レンタカー」について、ブラジル国内市場、国内ホテル及び国内レンタカー売上推移、ドメスティック及びインターナショナルエアーチケット売上推移、トップ20の国際便ルート、ブラジルから訪日客の推移、昨年9月30日からの短期ビザ免除による訪日客の増加、日本のインバウンドサービス対応などについて説明した。質疑応答では今年1月のゴール航空の破産法申請の影響が挙げられた。

2024年1月の一般小売販売は前月比2.5%増加と予想を大幅に上回る伸び率を記録(2024年3月14日付けヴァロール紙及びIBGEサイトより抜粋)

14日発表のブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、2024年1月の自動車や建材部門を除くインフレ指数を差引いた実質一般小売販売量は前月比2.5%増加と予想を大幅に上回る伸び率を記録している。今年1月の実質一般小売販売量は前月比2.5%増加は2023年1月に記録した2.5%増加と同じ伸び率を記録している。

Valor Data社の27金融機関やコンサルタント会社対象の調査によると、今年1月の一般小売販売の最低予想はマイナス1.1%、最高予想は1.7%増加、平均予想は僅か0.1%増加であった。

今年1月の一般小売販売は前月比2.5%、前年同月比4.1%、今年初め2か月間の累積は4.1%、1月の過去12カ月間の累積一般小売販売は1.8%であった。前記同様に自動車及び建材を含む広範囲小売販売は2.4%、6.8%、6.8%、2.9%それぞれ大幅に増加を記録している。

過去4か月間の一般小売販売では 2023年10月の一般小売販売は前月比にマイナス0.3%、11月は0.2%微増、12月はマイナス1.4%を記録していた経緯があったが、今年1月は予想を大幅に上回る2.5%増加を記録していた。

Valor Data社の24金融機関やコンサルタント会社対象の調査によると、今年1月の広範囲小売販売の最低予想はマイナス3.1%、最高予想は1.6%増加、平均予想は僅か0.6%増加であった。また昨年12月の広範囲小売販売は前月比マイナス1.5%を記録していた。

今年1月のインフレ指数を考慮しない名目一般小売販売は前月比0.9%増加、前年同月比では5.8%増加を記録している。また今年1月の広範囲小売販売は前月比2.3%増加、前年同月比8.2%増加を記録している。

2023年1月から2024年1月の一般小売販売の月間販売量の推移

2023年1月から2024年1月の一般小売販売の過去12カ月間の累計月間販売量の推移

2023年11月から2024年1月の一般小売販売及び広範囲小売販売の部門別増減の推移

2022年のブラジルの人間開発指数は89位に悪化(2024年3月14日付けヴァロール紙)

平均余命・教育・所得の側面から人間開発の達成度を示す指数の2022年のブラジルの人間開発指数( Human Development Index, HDI)は、前年の87位から89位に後退している。

2022年のブラジルの人間開発指数(HDI)は、前年までの2年連続の低下から一転して2ランクアップして悪化しているが、2022年のブラジルの人間開発指数(HDI)は、依然としてCovid-19 パンデミック前よりも低い水準にある。

さらに、政治的二極化が進む世界的な傾向がブラジルでも見られ、国民の生活の質の向上が妨げられている。これは、国連(UN)の国連開発計画(UNDP)が今月13日に発表した人間開発報告書(HDR)が示している。

人間開発指数(HDI) は、平均余命、就学年数、一人当たり収入などの要素に基づいて、国の生活の質を測定することを目的とした指標であり、スケールは 0 から 1 までで、指数が 1 に近づくほど、その国の生活の質は向上する。

2022年のブラジルの人間開発指数(HDI)は0.760に達し、2020年の0.758や2021年の0.754よりは高い水準となったが、それでも2018年以降の水準よりは低い。

ブラジルの人間開発指数(HDI)0.760と同レベルには、ペルー、アゼルバイジャン、北マケドニアなどであり、このレベルは人間開発指数が非常に高いと考えられる高水準レベルよりも低いレベルに留まっている。

1990年代初頭から2010年代半ばにかけて生活の質の向上という点でブラジルは急速な進歩を遂げたと強調。過去10年間、この傾向は停滞していたとPnud統計担当のYanchun Zhangチーフは説明している。

ブラジルは世界的な政治的二極化が進む状況の中に置かれており、二極化が生活の質の向上に及ぼす悪影響をPnudのPedro Conceição理事は指摘している。

2020年から2021年にかけての世界の人間開発指数(HDI)の低下は、パンデミックだけが原因ではなかったとPnudのPedro Conceição理事は述べた。同氏はまた、二極化が社会問題や環境問題の解決にもたらす障害についても言及している。

一例として、「パンデミック中にワクチンを接種するかマスクを着用するか」という決定が挙げられる。この決定は多くの場合、これらの措置の有効性よりも、人々が所属する特定のグループの意見に基づいたものであったが、同じことが気候変動でも起こりうる

ラテンアメリカとカリブ海地域は、高いレベルの不平等や貧困、生産性の低さなどのさらなる課題に直面しており、そのためこれらの国々は他の地域よりも外的ショックに対して脆弱になっているとPnudラテンアメリカ及びカリブ担当のMichelle Muschett理事は説明している。

しかし、この地域が北米と西ヨーロッパに次いで世界で3番目に民主的であることが指標で示されているという事実など、調査できる前向きな点もある。ブラジルは社会正義の問題を非常に強力に取り入れ、不平等に取り組んでいるとMichelle Muschett理事は説明している。

3月の日伯法律委員会月例会開催

日伯法律委員会(岩尾 玄委員長)主催のオンライン月例会は、2024年3月13日午後4時から5時30分まで78人が参加して開催、司会はClaudio Vaz副委員長が務めた。

初めにPersonal Tax Brasil ジャパンデスクチーフのROBERTO TERRAパートナー及びDANIEL KOJI KIATAQUI シニア弁護士は、テーマ『法律第14.754/2023号とブラジル駐在員への影響』”Lei nº 14.754/2023 e os impactos para os expatriados no Brasil”について講演した。続いてMontaury Pimenta, Machado & Vieira de Mello 弁護士事務所のPABLO GIMENEZ GARCIA BASTOS TORQUATOパートナーはテーマ『技術支援契約:  INPI (国立工業所有権研究所)への登録を含むステップバイステップのガイド』  “Contratos de assistência técnica: Um passo a passo, incluindo averbação no INPI”について講演した。

PDF anexos:
1. “Lei nº 14.754/2023 e os impactos para os expatriados no Brasil”
2. “Contratos de assistência técnica: Um passo a passo, incluindo averbação no INPI”

2023年の新築住宅販売は過去最高記録を24%上回る16万3,100軒で記録更新(2024年3月13日付けヴァロール紙)

20社の不動産会社が加盟するブラジル不動産開発業者協会(Abrainc)の発表によると、2023年の新築住宅販売は、統計を取り始めた2014年1月以降では過去最高記録の2021年の13万1,600軒を24%上回る16万3,100軒で記録更新している。

2023年の新築住宅販売軒数は、前年比では32.6%増加、販売総額は34.7%増加に相当する479億レアルに達している。

昨年の新築住宅販売軒数の大幅増加要因として、大衆住宅建設“私の家、私の暮らし”(MCMV)プログラムによる新規住宅販売軒数は、前年比42.2%増加の11万7,400軒、販売金額は55.1%増加の260億レアルに達している。

昨年の中高級レベルの新築住宅販売は14%増加の4万3,000軒、販売金額は18.9%増加の211億レアルを記録している。

しかし昨年の中高級レベルの新築住宅リリース軒数は、前年比2.0%減少の11万8,000軒、販売金額は10.1%増加の380億レアルを記録している。

昨年の低所得層向け大衆住宅のリリース軒数は、16.7%増加の9万3,300軒、販売金額は39.3%増加の213億レアルとなっている。

2024年上期の第1回フォーラム開催

2024年上期の第1回フォーラムは、2024年3月13日午前9時から10時30分までテーマ:2023年度下期の振り返り並びに今後の展望 副題:「2024年、ブラジル民間投資拡大の可能性~現地市場ニーズの取り込みに向けて~」について、金融部会、コンサルタント部会並びに食品部会共催で開催。司会はフォーラム委員会の木村康宏委員長が務めた。

初めに金融部会の岩尾玄部会長が挨拶を行い、銀行業界発表者の久井氏はブラジル経済動向として、主要マクロ経済指標の主要項目別GDP、産業別GDP、物価指標、労働指標、市場動向、為替レート変動要因などについて説明した。

続いて北村倫章副部会長は、保険業界の2023年動向ポイントとして、年間保険料収入の推移、自動車、火災・新種その他、生命・障害や貨物などの保険種目別保険料及び損害率、ブラジル保険市場の成長見通しなどについて説明した。質疑応答では海外投資家のブラジルに対する評価および見通し。アメリカ大統領選挙結果によるブラジルへの影響。今後の保険料の傾向が挙げられた。

続いてコンサルタント部会の天野部会長は、ブラジル経済・経営環境ではブラジルのM&A取引件数の推移、税制動向では新移転価格税制への移行、間接税改正の成立及び動向、景況感指数に見る経済動向などについて説明。在伯日本大使館の泰松公使は、最近のブラジル情勢及び民間投資拡大の可能性、ブラジルの貿易相手国、ボラ汁の輸出及び輸入の主要品目、新産業政策NIBの概要及び6つのミッションでは農業サプライチェーンのデジタル化。強靭なヘルス経済産業。都市インフラ。産業のデジタル・トランスフォーメーション。バイオエコノミー、脱炭素、エネルギー移行、防衛について説明した。

最後の食品部会の尾崎英之部会長は、食品部会会員企業の構成では会員企業15社、サブ会員企業27社で構成。市場及び会員企業状況では食品業界全体の動向、カテゴリー別動向及び会員企業状況では調味料、酒類、即席めん、乳酸菌飲料、コーヒー、チョコレート、たばこ、外食、輸入卸、BtoB、農産加工。副題の「2024年、ブラジル民間投資拡大の可能性~現地市場ニーズの取り込みに向けて~」では、ブラジル経済、個人消費の展望、各業界市場の展望、自社事業の戦略、取組を紹介。会員企業各社トピックスでは、梅田委員、鈴木副部会長、尾崎部会長が会員企業のトピックスを紹介。質疑応答では2023年のブラジルの食品志向、多様化。今年の食品部会のイノベーションや投資傾向等が挙げられた。

発表資料掲載

金融部会フォーラム資料

コンサルタント部会資料

日本大使館資料(商工会議所部会長フォーラム)

食品部会資料

 

2024年2月の段ボール箱出荷は前年同月比11.1%増加(2024年3月12日付けヴァロール紙)

2024年2月の経済動向のバロメーターの段ボール箱、シート並びに板紙付属品を含む段ボール箱派生品出荷量は、前年同月比11.1%と二桁台の増加を記録とブラジル包装紙協会(Empapel)では発表している。

今年2月の段ボール箱指数(IBPO)は、145.5ポイントに相当する32万6,723トンを記録しており、2月の月間出荷高としては過去最高を記録した2021年2月の33万2,024トンに次ぐ記録となっている。

今年2月の1営業日当たりの出荷量は前年同期比6.5%増加の1万3,613トンで、今年2月は前年同月よりも1営業日多い24営業日であった。

季節の影響を受けないデータを考慮すると、2月のIBPO は1.4% 増加の156 ポイントとなり、出荷量では34万9,631トンを記録している。また1営業日当たりの平均出荷量は9.8%増加の1万4,568トンであった。

 

最終フォーカスレポートは今年のIPCA指数を3.77%に上方修正(2024年3月12日付けヴァロール紙)

通常よりも1日遅れの12日発表のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を前回予想の3,76%から3.77%に若干上方修正している。

2025年のIPCA指数は前回同様3,51%に据置。また2026年のIPCA指数は, 前回同様3,50%に据置いている。また2024年, 2025年並びに2026年のIPCA指数の中央目標値は3,00%、許容範囲は±1,50%に設定されている。

2024年末の政策誘導金利 Selicは前回同様に9,00% に据置。2025年末のSelic金利も8,50%、2026年末のSelic金利も8,50%に据え置いている。

2024年のブラジルのGDP伸び率は前回予想の1.77%から1.78%に微調整、2025年及び2026年のGDP伸び率は前回同様2.00%に据置いている。

ブラジル地理統計院(IBGE)が先週発表した2023年第4四半期のブラジルのGDP伸び率は安定しており、バロール報告書が聞き取り調査したコンサルタント会社や銀行66社の予測中央値の0.1%増加をわずかに下回った。2023年のブラジルのGDP伸び率は2.9%増加を記録している。

2024年末のレアル通貨に対するドルの為替は、前回同様R$ 4,93に据置、2025年はR$ 5,00に据置。2026年末のドルの為替は前回予想のR$ 5,04に据え置かれている。

2024年、2025年、2026年のSelic金利の推移予想

2024年、2025年及び2026年のGDP伸び率の推移予想

2024年、2025年、2026年のレアル通貨に対するドルの為替の推移予想

2024年2月のインフレ指数は予想を上回る0.83%を記録(2024年3月12日付けヴァロール紙)

ブラジルの正式なインフレ指数である2024年2月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、1月の0.42%の約2倍に達する0.83%を記録、2023年2月のIPCA指数は0.84%であった。

Valor Data社が38社の金融機関及びコンサルタント会社対象の今年2月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)調査によると、最低予想は0,57%、最高予想は0,88%、平均予想は0,78%であった。

今年2月の過去12カ月間の累計IPCA指数は、1月の4.51%から4.50%と若干減少、Valor Data社の調査では最低予想4.23%、最高予想4.55%、平均予想の4.44%を若干上回っている。

連邦政府の2024年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)の中央目標値は3,00%、許容範囲は±1.5%であり、目標下限値は1.50%,目標上限値4.50%と同率となっている。

今年2月のIPCA指数のうち住居部門は1月の0.25%から0.27%と若干上昇、前記同様に輸送部門はマイナス0.65%から0.72%、通信部門はマイナス0.08%から1.56%それぞれを大幅に上昇している。

一方今年2月のIPCA指数が減少したのは、食糧・飲料部門で1.38%から0.95%、家庭用品部門は0.22%からマイナス0.07%、衣類部門は0.14%からマイナス0.44%、健康・パーソナルケア部門は0.83%から0.65%、個人消費部門は0.82%から0.65%それぞれ減少している。

2023年2月~2024年2月までのIPCAの月間推移

 

2023年2月~2024年2月までのIPCAの中央目標値(青色)、上限値(赤色)、過去12カ月間の累計(緑色)の月間推移

2024年2月のIPCA指数の部門別増減