中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) は、政策導入金利(Selic)の0.5%切下げ決定

20日開催のブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) は、政策導入金利(Selic)を現行の13.25%を0,50%引き下げて12.75%に決定した。

ヴァロール社が140社の金融機関及びコンサルタント会社対象の調査では、139社が0.5%の切下げを予想していたが、唯一1社だけが0.25%の切下げを予想していた。

声明では「予想されるシナリオが確認されれば、COPOM委員会では全会一致で次回会合で同規模の縮小を予想し、これがディスインフレプロセスに必要な金融収縮政策を維持するのに適切なペースであると評価する」と強調した。

Copom委員会はまた、長期にわたる金利緩和サイクルの全体的な規模は、インフレ圧力の今後の展開、特に金融政策と経済活動に最も敏感な要素、インフレ予測の特に長期的なインフレ期待に依存することを強調すると付け加えている。

1999年のインフレ目標設定以来、最も積極的な利上げサイクルを経て、Selic金利は8月までの12か月間、年率13.75%を維持していた。2021年3月から昨年8月まで、当局の金融政策により金利は11.75%ポイント上昇していた

8月2日開催のブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) では、政策導入金利(Selic)を13.75%を0,50% 引き下げて13,25%に決定したが、議事録では次回の会合では同規模の引き下げを予想していると示唆していた経緯があった。。

2020年8月5日のブラジル中央銀行のCopom会議で2,25% から2%に引き下げたが、3年ぶりのSelic金利の引き下げを実施していた。

また20日午後、米連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレ抑制のための利上げを見送り、政策金利の誘導目標を5・25%~5・5%の据置を決定。インフレ上昇率は依然として高水準だが、金融引き締めによる経済への悪影響が懸念されており、利上げの効果と副作用を慎重に見極める必要があると判断して利上げを見送った。利上げ見送りは今年6月以来2会合ぶり、2022年3月に始まった今回の利上げ局面では2回目となっている。

Portal MoneYou社の調査によると、インフレ指数を差引かない名目Selic金利12.75%に対して、ブラジルのインフレ指数を差引いた実質金利6.4%は、メキシコの実質金利6.61%に次いで世界2位の高金利に後退、3位はコロンビアの5.1%となっている。

世界の名目金利の比較では、ブラジルの名目Selic金利12.75%は6位。トップはアルゼンチンの118%, トルコ25%, ハンガリー14%, コロンビア13,25% 、ロシアは 13%で5位にランク付けされている。

2021年1月以降のSelic金利の推移

ブラジルの輸入プラスチック製品の半分以上が中国製(2023年9月20日付けヴァロール紙)

ブラジル・プラスティック生産者協会(Abiplast)の発表によると、2022年のブラジルが輸入したプラスチック製品の50,3%は中国製が占めている。

中国に次ぐ輸入プラスティック製品は米国からの輸入であるが、輸入比率は全体の僅か4,7%を占めているに過ぎず、中国製の輸入プラスチック製品が席捲している状況となっている。

また中国からの輸入プラスチック製品価格は、全体の32,9%に相当する12億6,000万ドルと付加価値の低い製品が大半を占めているのに対して、米国からの輸入プラスチック製品価格は全体の12,5%に相当する4億7650万ドルと付加価値の高いプラスチック製品の輸入が多くを占めている。

2018年以降、ブラジルが輸入するプラスチック製品の輸入量は年間70万トンを超えているが、ブラジル国内消費への関与は他の産業分野に比べてまだそれほど大きくない。

2022年の輸入プラスチック製品は73万7.700トン、そのうち37万760トンが中国製品、国内消費量は710万トンとなっている。

しかし、アジアからのプラスチック製品輸入が増加し続ける一方で、ブラジルのプラスチック業界は増産したり、輸出ペースを加速したりする力をつけていない。

2022年の国内プラスチック生産量は3年連続で減少し、ここ10年以上で最低水準の670万トンに留まった。 2022年の国内プラスチック生産量は前年比マイナス6.1%に留まった一方で輸出量は 2.4% 増加の31万7,000トンを記録している。

. Covid-19 パンデミック以降は国内市場が停滞しており、今後 6 か月を見てみると、状況はさらに悪化するブラジル・プラスティック生産者協会(Abiplast)とJosé Ricardo Roriz Coelho会長は指摘している。

今年上半期のプラスティック業界の業績好調は、例外的な要因の組み合わせに支えられ、生産量は前年比5%増の342万トンを記録している。

2022 年のブラジルのプラスチック部門売上は 1,175 億レアルで、うち 38 億ドルが輸入、14 億ドルが輸出。アルゼンチンが主な輸出先で、輸出総額の 32.9% を占めた。 この業界には国内のプラスチック業界には 1万1,339 社が事業を展開しており、34万3,900 人の労働者が雇用されている。

 

 

9月の企業経営委員会月例会開催

企業経営委員会(島田領委員長)の労働問題研究会は、2023年9月20日午後4時から5時30分まで76人が参加して開催、進行役はFernando Mihara副委員長が務めた。

初めにLicks AdvogadosのALEXANDRE DALMASSOパートナーは、テーマ「社内の情報漏洩をどう防ぐか、どう対処するか」“Como prevenir e remediar vazamento de dados na empresa”について講演。Gaia Silva Gaede AdvogadosのMARIA BEATRIZ R. DIASパートナー及びVANESSA LARIZZATTI MAIA ROSSIシニア弁護士は、テーマ「リモートワークにおけるモラルハラスメント」“Assédio moral no trabalho remoto”について講演した。

PDF anexos:
1. “Como prevenir e remediar vazamento de dados na empresa”
2. “Assédio moral no trabalho remoto”

General Mills社の第1四半期の純益は 17.9%減少の6億7,350万ドルに留まる(2023年9月20日付けヴァロール紙)

大手食品メーカーでYoki 及びKitanoブランドを擁するGeneral Mills社の2023年第1四半期の純益は 17.9%減少の6億7,350万ドルに留まっている。

General Mills社の今年6月~8月の四半期の売上は、前年同期比4.0%微増の49億ドルを記録している。

インフレの緩和、サプライチェーンの安定化、慎重ながらも回復力のある消費を特徴とする経営シナリオの中でも、今年第1四半期は売上高増加ができたとJeff Harmening 最高経営責任者(CEO)は説明している。

今年第1四半期の本業売上高の伸びは、為替の影響を除いて4%を記録。販売量は 2% 減少したが、商品価格と製品構成が 7% 改善したことで収益に結び付いている。

ブラジルを含む世界市場では、General Mills の売上高は 前年比 10% 増加の7 億 1,580 万ドルに達し、本業の観点から見ると、売上は 9%増加 した。同期間の販売量は5%減少したが、価格と構成比は10%上昇している。

同社は、今年の売上高は前年比3%~4%増加と調整後営業利益の4%~6%増加などの目標を改めて表明。ゼネラル・ミルズはまた、良好なフリーキャッシュフロー変換が継続し、為替レートや売却による業績への影響が少なくなると予想している。

調整後の1株当たり利益は1.09ドルで、「“FactSet”ファクトセット」機関がインタビューしたアナリスト予想の1.08ドルをわずかに上回った。売上高も予想の48億8,000万ドルを上回った。

 

オンライン安全対策セミナー開催

総務委員会(中村茂雄委員長)所属の安全対策チーム(北村倫章リーダー)主催のオンライン「安全対策セミナー」は、2023年9月19日午後5時30分から6時30分まで開催、講師に仲谷 嘉行 在サンパウロ日本国総領事館 領事を迎えて、テーマ:『サンパウロの治安情勢と安全対策』と題して日本語で講演。司会は北村リーダーが務め、梅田副委員長が開催挨拶を行った。

初めに仲谷嘉行領事は、サンパウロの治安情勢と安全対策について、サンパウロの治安情勢として2013年以降の殺人事件、強盗事件並びに窃盗事件の発生件数の推移、2013年以降の邦人被害の推移及び犯罪傾向について説明。邦人被害の多発地域としてリベルダーデ地区、ダウンタウン、パウリスタ大通り、パライゾ地区。

続いて防犯に対する心構えや対策として、周囲を観察する動作による警戒心維持、ラフな服装と最小限の所持品の分散所持、犯罪被害に遭遇した時の対処として、犯人の指示に従い、犯人の顔を見ない。抵抗などと誤解される素早い動きの禁止が特に重要と指摘。また予防に勝る防犯はないと説明。被害届の重要性として、警察は被害届を基に状況把握や分析、犯罪地域や拠点、防犯対策や捜査支援に役立つために、インターネットによる被害届や大使館・総領事館への連絡の重要性を強調した。質疑応答では犯罪防止に対する防弾車使用の必要性。講師を招いて職場で講演したいが、その方法は。防弾車に乗っている時の拳銃を向けられた時は窓を開けるべきか。警備員やボディーガードの必要性などが挙げられた。

セミナー動画はこちら→https://youtu.be/YHNvWHWIeDA 

7月の経済活動指数(IBC-Br)は前月比0,44%増加(2023年9月19日付けヴァロール紙)

19日ブラジル中銀発表の2023年7月のGDP伸び率の先行指標となる経済活動指数(IBC-Br)は、前月比0,44%増加、6月のIBC-Brは0.22%増加後に0.63%増加に修正されている。

Valor Data社の調査では最低予想値マイナス0,10%、最高予想値1,10%、平均予想値の0,60%を下回っている。

7月の12過去か月間の累計経済活動指数(IBC-Br)は前年同期比3,12%増加、今年5月~7月の四半期の月間平均経済活動指数(IBC-Br)は4月~6月の平均月間経済活動指数(IBC-Br)よりも0,40%下回っている。

IBC-Br の計算方法は、ブラジル地理統計院(IBGE) が計算する国内総生産の計算方法とは異なり、毎月の頻度の BC 指標は、経済活動の進化をより頻繁にモニタリングすることを可能にし、四半期ごとの頻度の国内総生産 (GDP) は、より包括的な状況を説明している。

今年は輸出量増加で大幅な貿易黒字収支(2023年9月19日付けヴァロール紙)

今年初め8か月間の累積貿易黒字は既に624億ドルに達しており、昨年1年間の貿易黒字の618億ドルを突破している。

貿易指標(Icomex)の速報によると、今年5月以来、今年の月次貿易黒字は常に2022年よ​​りも上回っている。

2022年9月から12月に記録されたのと同じ貿易黒字が維持されれば、2023年の貿易収支は802億ドルの黒字を記録する。悲観的な予測では約700億ドルの黒字に留まる可能性はある一方で、楽観的な予測では約800億ドルとなると予想されている。

今年のブラジルの貿易黒字の改善は、国際コモディティ価格下落にも拘らず、輸出量の増加と輸入量の減少によって、貿易黒字幅の拡大が期待されている。

2022年9月から12月に記録されたのと同じ貿易黒字が維持されれば、2023年の貿易収支は802億ドルの黒字を記録する。悲観的な予測では約700億ドルの黒字に留まる可能性はある一方で、楽観的な予測では約800億ドルとなると予想されている。

今年のブラジルの貿易黒字の改善は、国際コモディティ価格下落にも拘らず、輸出量の増加と輸入量の減少によって貿易黒字幅の拡大が期待されている。

一方で、ブラジルの輸入の場合、非一次産品が圧倒的に多く、輸入品の約90%を占めている。この全体の輸入量は、8月に2022年の同月比で6.6%減少し、8月までの1年間では2.8%減少した。一次産品の輸入量の変動は、年初から現在までは9.4%増加を記録している。

ブラジルの輸出相手国では、依然として中国がブラジルの輸出の30.2%を占め、次いで米国10.5%、アルゼンチンが5.6%となっている。中国との黒字は貿易収支の黒字の53%に達している。

米国との赤字の削減とアルゼンチンとの黒字の改善を記録している。金額ベースでは、輸出では中国向けが 8.0%増加、アルゼンチン 向け19.7%増加した一方で、輸入はすべての市場で減少している。

 

Atlas Lithium社は2025年からリチウム生産開始予定(2023年9月19日付けヴァロール紙)

ブラジル人Marc Fogassa氏が率いる米国鉱業会社Atlas Lithium社は、2024年中頃からミナス州ベロ・オリゾンテ市から600 kmの遠隔地のJequitinhonha渓谷でリチウム鉱などの鉱山開発に着手する。

Atlas社は2011年にカリフォルニア州で設立、1年後にはフロリダ州Boca Raton市内に移動、今年1月にナスダックに上場、現在はリチウム鉱山以外にニッケル、チタン、グラファイト、希土類の埋蔵量がある鉱山を所有している。

同社によると、石油精製所向けの炭酸リチウム相当LCEの世界需要は、2033年には350万トンに達すると予想されているが、今年はLCE換算で100万トン未満が見込まれている。リチウムの主な用途は電気自動車用のバッテリー製造向けとなっている。

昨年は、リチウムの価格が急騰し、水酸化リチウム(精製物質)1トン当たり8万4,000ドルを突破した。しかし、2023年には再び下落し、ゴールドマン・サックスのデータによると、現在中国では2万7,000ドル台で推移している。Atlasが製造する予定のリチウム含有量が5.5~6%のスポジュメン精鉱は、2022年11月には8,000ドルに達した後、現在1トン当たり約2,700~3,000ドルで取引されている。

現金生産コストは、濃縮物1トン当たり300ドル未満に収まると見込んでおり、露天掘り鉱山から抽出されたスポジュメン鉱物からバッテリーグレードのリチウム精鉱を年間30万トン生産する計画となっている。

Atlasプロジェクトは、リチウム渓谷の深さ250メートルまでの地表で露出したリチウム鉱を抽出する最後のプロジェクトになる。残りは地下採掘が計画されているが開発コストが大幅に上昇する。鉱山開発地域はAraçuaí市とItinga市およびその周辺の 54 種類の240 km2に及ぶの鉱物権益 を擁している。

現在、同社は埋蔵量を測定するための掘削試験を行っている。最終報告書は2023年末に予定されているが、同社によれば、技術的・経済的実現可能性調査は2024年半ばに公表される予定になっている。

同社のCEO兼会長によると、地質学を専門とする企業が実施した冶金学的検査では、掘削から得られたサンプルの平均リチウム含有量が6.04%となっている。 リチウム市場では、含有量が 5.5% からのリチウム材料を購入できる。既に自動車メーカーからの問い合わせが続いていると説明している。

Fogassa氏は今後10年間でリチウム市場は非常に堅調になると見ている。同氏によると、カリフォルニア州では第2四半期に販売された新車の25%が既に電気自動車で2025 年の予想を2年も早く達成している。

このプロジェクトの初期投資は、1億ドル以上かかり、リチウム鉱生産は2025年下半期に開始予定、プロジェクトに必要なその他の支出を含めると、2億ドルに達する可能性がある。

日伯交流・地場企業推進委員会の三原フェルナンド副委員長は生け花プリマベーラ・ウルバナ展のオープニング式に参加

写真左からLidiane Andreatta, Rosana Okamoto, Marcia Hirata Ortega e Fernando Mihara(Fotos: Divulgação)

日伯交流・地場企業推進委員会の三原フェルナンド副委員長は2023年9月15日に草月流の生け花プリマベーラ・ウルバナ展のオープニング式に参加、商工会議所代表の三原フェルナンド副委員長に対して、サンパウロ草月流のMarcia Hirata Ortegaディレクター、サンパウロJW Marriottホテルの営業・マーケティング担当のRosana Okamotoジェネラルマネージャー及びLidiane Andreattaディレクターが丁寧にもてなしていただいた。

草月流は 1927 年に日本で設立、ブラジルでは既に 56 年間活動しており、認定講師のグループが生徒に花道を教えている。

PDF anexo:
Folder com os arranjos das ikebanistas presentes no evento .

 

財務省は今年のGDP伸び率を3.2%と大幅に上方修正(2023年9月18日付けヴァロール紙)

財務省は2023年のブラジルのGDP伸び率を前回予想の2,5% から3,2% と大幅に上方修正した一方で、2024年のGDP伸び率は前回同様2,3%に据え置いている。

財務省による2023 年のGDP伸び率の見直しは第 2 四半期の GDP 結果を反映したものであり、その増加率は第 1 四半期と比較して 0.9%増加、年率換算では 3.4% と大幅な伸び率が予測されている。

財務省がGDP伸び率予測を引き上げたその他の要因としては、2023年に予想されるブラジル国内の農産物の収穫量の増加、第3四半期に一部の先行指標で良好な結果が観察されたこと、第4四半期の中国経済の回復期待などが挙げられる。

今年のブラジルのGDP伸び率の上方修正は、すべてのセクターで改善されており、農業セクターについては、予測が 13.2% から 14.0% に修正された。鉱工業セクターのGDP伸び率は前回予想の 0.8% から 1.5% に増加し、サービスセクターは 1.7% から 2.5% に上方修正されている。

今年のブラジルの公式インフレ率である広範囲消費者物価指数(IPCA)は4.85%に据え置いたが。来年の予測は7月時点では3.3%から3.40%と若干上方修正している。

今年の給与調整の指標となるインフレ指数の累計全国消費者物価指数(INPC)は、前回予想の4,48%から4,36%、2024年は前回予想の3.44%から3.21%に修正している。

ゼツリオ・バルガス財団(FGV)の今年の総合物価指数(IGP-DI)は、以前に予想されていた2.21%のデフレに対して、3.00%のデフレが見込まれている。 2024 年の予測は前回予想の3.63% から4.00% に修正されている。