ペトロブラスの次期5 か年計画の投資総額は780億ドルで変わらず(2023年7月18日付けヴァロール紙)

ペトロブラス石油公社のJean Paul Prates総裁は、2024年-2028年の次期5 か年計画の最終投資総額は今年末まで待つ必要があるにも拘らず、780億ドル前後になるとロイターとのインタビューで回答している。

またペトロブラスの株主に対する配当金支払いは、将来に備えて考慮する必要があり、現実に即した配当金支払いになると回答しており、過去よりも配当金支払いの割合が低くなる可能性を示唆している。

ペトロブラスの含有率が高い岩塩層下原油プレソルト向け投資は、同社にとって非常に重要であるが、原油開発のポートフォーリオ拡大も否定していない。

赤道周縁部の原油探査計画について、この地域の原油開発を放棄するつもりはないと述べた。 今年5月、ブラジル環境再生可能天然資源院(IBAMA)は、フォス・ド・アマゾナス地域の探索を求めるペトロブラスの要請を拒否したが、ペトロブラス石油公社は控訴し、環境庁からの新たな回答を待っている。

またガイアナまたはスリナムを経由して赤道縁辺を探索する可能性を示唆しており、もう一つの選択肢は、ブラジルの沖合油田と地質学的に類似しているアフリカ大陸の西海岸を探索することだとペトロブラス石油公社のJean Paul Prates総裁は説明している。

Jean Paul Prates総裁は石油輸出国機構とその同盟国(Opep+)と緊密に議論したいが、7月初旬、オーストリアのウィーンで開催された第8回OPEC国際セミナーに参加。Prates総裁はOPECのHaitam Al Ghais事務総長ブラジル訪問に招待し、新しい良いニュースで歓迎できると説明している。

今年上半期のアパート賃貸料の値上げ幅はインフレ指数の3 倍に相当する9,24% (2023年7月18日付けUOLサイトより抜粋)

ブラジル国内50都市の広告に掲載された販売価格を基準にまとめられる1平方メートル当たりの不動産価格動向を取り扱う「FipeZap」によると、2023年上半期のアパート賃貸料の値上げ幅は、インフレ指数の3 倍に相当する9,24%を記録している。

今年上半期の累積インフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は2,87%に留まっているために、上半期のアパート賃貸料の平均値上げ幅9,24%はインフレ指数を軽く3倍以上上回る値上げを記録している。

特に上半期のアパート賃貸料の値上げ幅が大幅に上昇したのは、調査対象の11州都のうちゴイアニア市は24,03%の大幅値上げ、続いてサンタ・カタリーナ州のフロリアノポリス市23,72%、セアラー州フォルタレーザ市は13,56%と二桁台の値上げを記録している。

今年上半期のアパートの賃貸料上昇幅はワンベッドルームのアパートが10.38%増加を記録した一方で、4寝室の増加率は5.05%に留まっている。DataZAP+エコノミストのPedro Tenório氏は、「寝室カテゴリー別のオープン価格の推移を比較すると、2020年2月以降、1寝室の賃貸の平方メートル当たりの価格の上昇が最も少ないと説明している。

平方メートル当たりの賃貸料比較では、サンパウロ州バルエリ市が53,14レアルで最も高い。続いてサンパウロ市48,92レアル、フロリアノポリス市は48,26レアル、調査対象の平均は40,03レアルであった。

 

2023年上半期の各州都のアパートの賃貸料値上げ率比較

 

2023年上半期の各州の主要都市のアパートの賃貸料値上げ率比較

 

2023年上半期の各州の主要都市の平方メートル当たりのアパートの賃貸料比較

 

 

今年第1 四半期のセルラー販売は11% 減少も売れ筋は低価格帯(2023年7月18日付けヴァロール紙)

コンサルタント会社IDC Brasil社の調査によると、2023年第1 四半期のセルラーやスマートフォン販売台数は前年同期比11,1% 減少、売上金額は32,8%減少の152億レアルに留まっている。

今年第1 四半期のセルラーの平均販売価格は24,4%減少、スマートフォンの平均販売価格は24,9%減少に相当する2.116レアルから1.589レアルに減少している。

今年初めの一般消費者は前年同期比と比較してファイナンス状況悪化で低価格帯への移行を余儀なくされたために、各セルラーメーカーでは低価格帯のセルラーの大量販売戦略への切替を余儀なくされたとIDC Brasil社アナリストのAndréia Chopra氏は説明している。

今年第1 四半期のセルラーの最も販売が好調であった平均価格帯は、700レアル~999レアルに留まった一方で、5Gセルラー販売は前四半期比31%と大幅増加を記録している。

IDC 社はまだ第 2 四半期のセルラー販売結果を発表していないが、今年第1 四半期のセルラー販売台数とほぼ同等と予想で前年同期比では減少を予想、下半期のセルラー販売は、上半期に比べれば改善が見込まれるにもかかわらず、下半期は非常に厳しい状況になる傾向を予想している。

2022年7月から12月にかけて、スマートフォンの販売台数は、高金利と消費者インフレの影響に加え、ブラックフライデーとクリスマスとワールドカップが近いことが年末の売上に直接影響した時期で、過去数年間で最悪記録となっていた。

今年第1 四半期の模造や密輸セルラーの販売台数は前年同期比20,8%減少したにも拘らず、依然としてブラジル国内市場では大きなマーケットシェアを占めているとChopra氏は指摘している。

スマートフォンの価格競争力が高まったことで、テキストメッセージや音声通話の基本機能を備えた最もシンプルなモデル「feature phones」の今年第1 四半期の販売は、前年同期比19.3%減少の43万2900台に留まり、マーケットシェアは僅かに4.4% に留まった。

 

Boram社は電動オートバイの生産開始(2023年7月17日付けヴァロール紙)

ブラジル北部地域で中国からの自動車の輸入業者をしているマナウスフリーゾーンに本社を置くBoram社は、1050万レアルを投資して電動オートバイの生産を開始する。

2020年にチアゴ及びエリオ・フレイリ兄弟が設立した同社は、ブラジル国内のオートバイの3分の1のマーケットシェアを占める南東部地域の市場にすでに参入している。

Boram社は既にマナウスフリーゾーンでのサプライヤーの確保及びマナウス・フリーゾーン監督庁(SUFRAMA)によるオートバイ生産の認可を受けている。

Jabil 工場のオートバイ組立ラインは、月間最大 2,500 ユニットの生産能力がある。最初の 1 か月で、300 台のオートバイが組み立て。 8月には、500台に増加予定。当初、フルキャパシティーに達するのは2025年と推定されている。しかし、Boram社のチアゴ最高経営責任者(CEO)は、月間1,500台の注文が可能な大手小売業者と交渉中であると説明している.

また進行中のもう 1 件の取引は、現在 7,000 台のオートバイを保有し、全国的に展開している配送会社との取引であり、取引交渉は現在6か月間続いており、このクライアントのニーズを満たす特定のモデルの開発が含まれている。

同社のビジネスモデルには3つの柱があり、ブランドのディーラーネットワークにおける最終顧客への販売、小売業者によるBoramオートバイの取引、そして大規模なオートバイの供給であり、すべてのサービスと部品保証を含むアフターサービスは Boram 社が担う。

現在、同社はアマゾナス州、ロンドニア州、ロライマ州に 8 店舗を構えており、8月には、北部地域以外では最初の店舗がサンパウロ州カンピナス市にオープンする予定で、既に地元パートナーと提携している。年末までに、州内にはリベイロン・プレート市、バウル市、ソロカバ市、サン・ジョゼ・ドス・カンポス市の4店舗がさらにオープン予定。サンパウロ州の海岸地域でもディーラーを選定している。

同社は2024年の初めまでサンパウロ市内に自社の店舗を開設、南東部地域をサポートするために、Boram は既にヴァリーニョス市 ( にアフターサービスのための部品流通センターを設立している。

サンパウロ市攻略の次のステップは、ブラジル国内のオートバイ保有台数の約25%を占める第2位の二輪車市場である北東部地域となる。まず、おそらくレシーフェ市かフォルタレザ市に部品を保管する物流センターが設置される予定。計画では、北東部地域の各州都にワークショップを備えた独自の店舗を構える。

同社の2022 年の純益は 1,300 万レアル、今年は 6,900 万レアルと見込まれており、5か年計画では、2027年までに国内の各州都と連邦管区に計27店舗となる直営店を設け、部品の国産化を拡大し、100%ブラジル製電動オートバイを開発する計画となっている。

女性モード専門店マリーザは下半期に88店舗閉鎖でリストラプロセスを加速(2023年7月17日付けヴァロール紙)

女性モード専門店を展開する衣料小売販売網マリーザ社は、業務改善が確認された店舗を維持することを目的として、今年下半期に売り上げが芳しくない88店舗の閉鎖を発表したが、これは当初予想の92店舗を下回った。

マリーザ社は88店舗の閉鎖では4,450万レアルの支出を余儀なくされるにも拘らず、当初予想の支出を16%下回る。今年の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は4,000万レアル、2024年のEbitdaは6,000万レアルが見込まれている。

マリーザ社は88店舗の閉鎖後は、デジタル部門のサポートとビジネス モデルの革新により、生産性と営業成績の最大化に重点を置き、246 店舗の営業を維持して利益拡大を図る。

マリーザ社は88店舗閉鎖と経費削減計画の痛みを伴う大規模なリストラ戦略採用で、マリーザ社のビジネス強化と維持に向けた重要な一歩となるとマリーザ社は起死回生を図る。

マリーザ社は一般管理費削減プロセスの第 1 段階を完了し、年間 3,500 万レアルの追加現金が可能になり、このプロセスを継続すると、下半期にはさらに 1,000 万レアルの現金調達が可能となる。

マリーザ社は既にサプライヤーの約 90%、再販パートナーの 97% とすでに債務の再交渉を行っており、同社はまた、不動産所有者の80%と新たな賃貸契約を締結している。

今年上半期のブラジル国内のM&A 案件は低調に推移(2023年7月17日付けヴァロール紙)

TTR Data 社の調査によると、2023年上半期のブラジル国内の企業の買収・合併M&A 案件は、前年同期比44.16%減少の868件に留まり、M&A 案件の総額は、33.79%減少の914億レアルとそれぞれ大幅な減少を記録している。

2022年のブラジル国内のM&A 案件は2650件、M&A 案件の総額は、3580億レアルと2021年の投資総額の半分以下に留まっていた。

ブラジルの金融市場が株式と負債の両方で回復の兆しを示していることから、資金調達の歯車が回転し始めて、これが新たなをM&A 案件を刺激し始めると予想されており、Enel社によるCoelce社の売却の場合と同様、今年中に大きなM&A 案件の成立が予想されている。

M&A専門会社RGS社の調査によると、エネルギー関連企業に関わるM&A取引は、2012年から2022年にかけて最も活性化し、同期間に379件のM&A 案件取引があり、資金調達総額は4,120億レアルに達している。

Valor社がサンタンデール銀行のRenato Ejnisman副頭取とのインタビューでは、今後数カ月間に電力エネルギー関連のM&A取引が活発化すると予想している。

ルーラ新政権下での税制改革と財政枠組みの進展により、企業資産の取引が再び勢いを取り戻している。ただし、数日で完了する「フォローオン」とは異なり、M&Aの範囲内での交渉ははるかに複雑で、結果が出るまでに1年以上かかる場合もある。

第一実業株式会社の二宮隆一代表取締役とブラジル第一実業の樋口喜芙社長が訪問

写真左からToshifumi Murata, Ryuichi Ninomiya e Yoshifusa Higuchi

総合機械商社の第一実業株式会社の二宮隆一代表取締役 専務執行役員とブラジル第一実業の樋口喜芙社長2023年7月17日に商工会議所を訪問、応対した村田俊典事務局長とブラジルのビジネス障害や貿易規制など多岐に亘って意見交換を行った。

5月の経済活動指数(IBC-Br)は、前月比マイナス2.0% (2023年7月17日付けヴァロール紙)

17日ブラジル中銀発表の2023年5月のGDP伸び率の先行指標となる経済活動指数(IBC-Br)は、前月比マイナス2.0%と4月の0.56%増加から一転して減少に転じている。

Valor Data社によるコンサルタント会社及び金融機関対象の5月の経済活動指数(IBC-Br)調査では、最低予想はマイナス1.3%、最高予想は1.0%増加、平均予想はマイナス0.1%であった。

今年5月の過去12カ月間の累計経済活動指数(IBC-Br)は前年同期比3,43%増加、今年3月~5月の四半期の平均月間経済活動指数(IBC-Br)は2月~4月の四半期比ではマイナス0,49%であった。

IBC-Br の計算方法は、ブラジル地理統計院(IBGE) が計算する国内総生産の計算方法とは異なり、毎月の頻度の BC 指標は、経済活動の進化をより頻繁にモニタリングすることを可能にし、四半期ごとの頻度の国内総生産 (GDP) は、より包括的な状況を説明している。

2022年5月~2023年5月までの経済活動指数(IBC-Br)の推移

2022年5月~2023年5月までの過去12カ月間の累計経済活動指数(IBC-Br)の推移