今年2月のサンパウロ市のインフレは0,46% を記録(2024年3月4日付けヴァロール紙)

今年2月のサンパウロの経済調査財団の消費者物価指数(IPC-Fipe)は、前月同様の0,46% を記録している。昨年2月のサンパウロの経済調査財団の消費者物価指数(IPC-Fipe)は0,43%であった。

消費者物価指数(IPC-Fipe)を構成する 7部門 のうち、4 部門でインフレ率の低下、または物価の大幅な下落を示している。

輸送部門は前月の1,18%から0,86%、個人消費部門はマイナス0,49%からマイナス0,53%、衣類部門はマイナス0,20%からマイナス0,29%、教育部門は1,10%から0,53%とそれぞれ減少を記録している。

一方で住居部門は前月の0,31%から0,47%、食品部門は0,87%から1,04%、健康保健部門は0,31%から0,36%とそれぞれ上昇している。

2023 年のブラジルのGDP伸び率は2.9%(2024年3月1日付けヴァロール紙およびIBGEサイトより抜粋)

3月1日のブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2023 年のブラジルのGDP伸び率は前年比2.9%増加を記録している。

2023年の農畜産部門のGDP伸び率は前年比15.1%、鉱工業部門は1.6%、サービス部門は2.4%、国内総固定資本形成(FBCF)部門はマイナス3.0%、一般家庭消費部門は3.1%、政府消費部門は1.7%を記録している。

2023年のブラジルの国内総生産額は10.9兆レアル、農畜産部門は6776億レアル、鉱工業部門は2.4兆レアル、サービス業部門は6.4兆レアル、国内総固定資本形成(FBCF)部門は1.8兆レアル、一般家庭消費部門は6.9兆レアル、政府消費部門は2.0兆レアルを記録している。

バロール紙が66社の金融機関とコンサルティング会社対象の2023年最終四半期のGDP伸び率は、最低マイナス2.2、最高0.5%増加、平均0.1%増加であった。ブラジル地理統計院(IBGE)では2023年第3四半期のGDP伸び率を前回予想の0.1%増加から0.0%と下方修正していた。

2023 年第4四半期のブラジルのGDP伸び率は前年同期比2.1%増加、バロール紙が64社対象の調査では最低0.3%、最高3.1%、平均のGDP伸び率は2.2%増加であった。

2023 年第4四半期の鉱工業部門のGDP伸び率は前四半期比1.3%増加とヴァロールの平均予想の0.7%を大幅に上回っている。また前年同期比では2.9%増加とヴァロールの平均予想の1.9%増加を大幅に上回っている。2023 年の鉱工業部門のGDP伸び率は前年比1.6%増加を記録している。

2013年~2023年のブラジルのGDP伸び率の推移

2018年~2023年までの鉱工業部門、サービス業部門、農畜産部門のGDP伸び率の推移

上段左から2018年~2023年までの一般家庭消費部門、政府消費部門のGDP伸び率推移

下段左から2018年~2023年までの国内総固定資本形成(FBCF)部門、輸入部門、輸出部門の伸び率推移GDP

 

上段から2023年第4四半期の前四半期比の各部門別GDP伸び率、2023年第4四半期の前年同四半期比の各部門別GDP伸び率、2023年の前年比の各部門別GDP伸び率、2023年第4四半期の各部門の生産金額、2023年の各部門の生産金額、GDPに対するFBCF比率、FBCFに対する貯蓄比率

2024年1月締めの四半期の月間平均失業率は7.6% (2024年2月29日付けヴァロール紙及びIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の継続的全国家庭サンプル調査(Pnad Continua)の調査結果を発表によると、2023年11月~2024年1月の四半期の月間平均失業率は7.6%を記録して、2023年8月~10月の前四半期の月間平均失業率7.6%と同率で推移している。

2023年10月~12月の四半期の月間平均失業率は、発表当時の7.6%から7.4%に下方修正されたが、失業率7.6%は2015年1月締めの四半期の月間平均失業率6.9%以降では最低の失業率となっていた。

Valor社が25社のコンサルタント及び金融機関対象の2024年1月締めの四半期の14歳以上の労働人口の月間平均失業調査では、最低予想は7.4%、最高予想は8.1%、平均予想の7.8%を0.2%下回った。

2024年1月締めの四半期の14歳以上の労働人口の月間平均失業者数は829万2,000人と線四半期比0.4%に相当する3万2,000人増加している。また前年同期比ではマイナス7.8%に相当する70万3,000人減少している。

2024年1月締めの四半期の労働人口は前四半期比0.4%に相当する38万7,000人増加の1億59万3,000人、前年同期比では2.0%に相当する195万7,000人増加を記録している。

2022年2月~4月の四半期以降の各四半期の平均失業率の推移

Itau BBAのRicardo Shikataリレーションシップマネージャー並びにIsabelle Hyppólito新事業責任者が訪問

写真左からToshifumi Murata, Isabelle Hyppólito e Ricardo Shikata

Itau BBAのRicardo Shikataリレーションシップマネージャー並びにIsabelle Hyppólito新事業責任者が2024年2月29日に商工会議所を訪問、応対した村田俊典事務局長と直近のブラジル金融業界動向などについて意見交換した。

2月の企業経営委員会月例会開催

2月の企業経営委員会月例会は、2024年2月28日午後4時から5時30分まで71人が参加して開催、司会はフェルナンド・ミハラ副委員長が務めた。

初めにMiura Seguros のFABIO MIURA代表はテーマ『保険業界の変貌: 益々リスクが高まる市場で最新のニュースを探る』“Seguros em transformação: navegando pelas novidades em um mercado cada vez mais arriscado”について講演。続いてDeloitte税制担当の: BRUNA BELLINIパートナー及びRODRIGO SILVA MADUREIRAシニアマネージャーはテーマ 『税制改革と人事分野への影響』 “Reforma tributária e impactos na área de recursos humanos”について講演した。

PDF anexos:
1. “Seguros em transformação: navegando pelas novidades em um mercado cada vez mais arriscado”
2. “Reforma tributária e impactos na área de recursos humanos”

 

慶応義塾大学大学院修士課程の結城和臣氏が訪問

写真左からToshifumi Murata, Kazuomi Yuki e Masayuki Nagano

慶応義塾大学大学院商学研究科国際経営論専攻修士課程の結城和臣氏及び三井住友海上ブラジルの長野昌幸代表取締役会長が2024年2月29日に商工会議所を訪問、応対した村田俊典事務局長と直近のブラジル及び日本の政治経済動向など多岐に亘って意見交換した。

ソフトバンクはラテンアメリカ地域で投資再開か(2024年2月28日付けヴァロール紙)

ラテンアメリカでベンチャーキャピタルの台頭を牽引してきたソフトバンクは、テクノロジー系新興企業の急激な調整の一環として、バリュエーションがより現実的な水準にまで低下する中、今年は同地域での投資が再開されると予想されている。

ラテンアメリカ地域では過去数年間に亘って、高金利と魅力的なスタートアップ企業などの取引の不足で数年間警戒が高まっていたが、M&A取引などの活動が回復すると予想とソフトバンクラテンアメリカファンドのJuan Franckマネジング・パートナーが指摘している。

投資ファンドにとっては今後のラテンアメリカ地域は健全な投資チャンスがあるが、今後もバリュエーションについては極めて慎重になる必要があると指摘。同氏は、スタートアップ企業の創業者の期待と投資家が提示するであろう評価額との乖離が大幅に低下したため、市場は昨年後半から回復傾向を示しているとJuan Franckマネジング・パートナーが指摘している。

ソフトバンクは、ラテンアメリカ専用の50億ドルの投資ファンドを立ち上げ、2019年以来大きな影響を与えている。その後、同地域にさらに 30 億ドルを割り当て、Nubank、Gympass、Kavak、Rappi などの企業の主要な資金提供企業となった。

しかし2022年初めに前ラテンアメリカ投資ファンドチームが去った後、同資本市場は依然として新規株式公開(IPO)などの取引に対してほとんど動きが停止されているため、ソフトバンクは現在のポートフォリオの大部分の管理に投資戦略を再度集中させた経緯があった。

ソフトバンクは、ラテンアメリカ地域への投資の一部を初めて売却。ソフトバンクは、Pismoが6月に10億ドルで買収したブラジルの金融テクノロジー企業Visaの売り手の1社だった。その他の投資企業の売却には、Itaú Unibanco が買収した Avenue Holding Cayman の株式や、PayStand が買収したメキシコの決済会社 Yaydoo SAPI de CV の株式などが含まれる。

2023年12月31日時点で、ソフトバンク傘下の投資ファンドはラテンアメリカ地域で総額78億ドルの投資を継続しており、これらの投資の公正価値は63億ドルとなっている。これは、昨年 3 月と比較して 6 億ドル増加に相当する金額となっている。

2024年のラテンアメリカ地域は投資ファンドにとって非常に興味深い地域となっており、非常に好調な企業ほど、バリュエーションの観点からの期待がより合理的になるとJuan Franckマネジング・パートナーが指摘している。

ソフトバンクが今後ラテンアメリカ地域で追加資本が必要な場合、主力のビジョン・ファンド2からスタートアップ企業向け投資金として約80億ドルを活用する可能性があるとJuan Franckマネジング・パートナーは説明している。

2月のインフレ指数の総合市場物価指数(IGP-M)は、前月比マイナス0,52%とデフレを記録(2024年2月28日付けヴァロール紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)のインフレ調査によると、2024年2月の住宅賃貸料調整基準となるインフレ指数の総合市場物価指数(IGP-M)は、前月比マイナス0,52%とデフレを記録、今年1月の0,07%のインフレから反転している。

Valor Data社の21社の金融機関やコンサルタント会社対象の調査では、最低予想はマイナス0,69%、最高予想は0,1%.平均予想のマイナス0,49%を若干下回った。

今年初め2カ月間の累積総合市場物価指数(IGP-M)は0,45%、過去12カ月間の累積総合市場物価指数(IGP-M)は3,76%、2023年2月の総合市場物価指数(IGP-M)はマイナス0,06%、過去12カ月間の累積総合市場物価指数(IGP-M)は1,86%であった。

エルニーニョ現象はブラジル国内の一部の農作物生産に被害を与えているが、国内の農業生産に広範な減少は見られない。このシナリオを相殺して、世界の穀物供給の拡大はブラジルの食料価格に対するインフレ圧力を緩和し、インフレを適度に緩和することが期待されている。

大豆とトウモロコシの国際コモディティ価格の急激な下落しており、大豆価格は最大14.18%下落、トウモロコシも7.11%まで下落しており、世界の需要と供給のダイナミクスを浮き彫りにしているとジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)物価指数担当のAndré Brazコーディネーターは説明している。

2月の総合市場物価指数(IGP-M)の60%のウエートを占める広範生産者物価指数(IPA)はマイナス0.90%を記録、マイナス0.09%を記録した1月よりもさらに激しい下落となっている。

2 月の総合市場物価指数(IGP-M)の60%のウエートを占める消費者物価指数 (IPC-M) は0,53%と前月のマイナス0,59% から反転している。

2 月の総合市場物価指数(IGP-M)の10%のウエートを占めるブラジル建設コスト指数 (INCC-M)は0,20%と前月の0,23%から若干減少している

2023 年のブラジルの化学製品輸入比率は47% に達して過去最高を更新(2024年2月27日付けヴァロール紙)

ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、2023年のブラジル化学工業部門のブラジル国内消費における輸入製品の比率は47%に達し、統計を取り始めた過去30年間で最高の輸入比率を更新している。

昨年の化学製品輸入の比較では、熱硬化性樹脂中間体の輸入は前年比86%増加した。可塑剤は57.3%、熱硬化性樹脂は44.2%、熱可塑性樹脂は17.1%とそれぞれ大幅増加を記録している。

ブラジル国内の化学品メーカーは急増する輸入化学製品に対抗する手段を擁しておらず、またブラジルの化学製品輸出も競争力を失っているとブラジル化学工業協会(Abiquim)のFátima Giovanna Coviello Ferreira経済統計部長は指摘している。

昨年のブラジルのGDP伸び率は3%前後を記録した一方で、化学工業部門はマイナス10%前後の後退が見込まれており、これは明らかに産業空洞化の深刻なプロセスを示しているとゼツリオ・バルガス財団(FGV)エコノミストのPaulo Gala氏は、連邦政府による再工業化政策の早急な採用の必要性を指摘している。

昨年、ブラジル国内の化学部門生産は前年比マイナス10.1%を記録、輸出もマイナス10.9%を記録した一方で、化学製品輸入は7.8%増加している。化学製品生産と輸入の合計から輸出を差し引いたブラジルの需要はマイナス1.5%、国内売上高は9.4%減少している。

昨年のブラジル国内の化学工業部門の平均設備稼働率は、64%まで減少して統計を取り始めて以来最低の設備稼働率を記録、2007年の設備稼働率がギリギリの水準を維持していたが、それ以降は適切な設備稼働率の水準を下回っている。

2023 年のブラジルの一人当たり平均世帯収入は1.893レアル(2024年2月28日付けヴァロール紙およびIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の27州対象の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、2023 年のブラジルの一人当たり平均世帯収入は1.893レアルを記録している。

2023 年のブラジルの一人当たり平均世帯収入には、あらゆる源泉からの収入が考慮されており、家族が雇用先から受け取る給与だけでなく、家賃や臨時収入、退職金や年金、社会制度、さらには慰謝料や寄付金、手当てなどの支払いも含まれている。

ブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)は雇用先からの収入と各世帯の居住者が受け取るその他の収入源を加算。次に、総収入を家族で割るが、IBGEは前年との比較を目的としてインフレ調整後の値を公表しておらず、名目一人当たり平均世帯収入となっている。

この指標は、いわゆる一人当たり国内総生産(GDP)とは異なる。 1人当たりの世帯所得は、世帯の所得のみを考慮しますが、1人当たりのGDPは、GDPを国内の住民の数で割った値に基づいて計算され、したがって、このGDP総額には、農業、工業、サービス、政府、投資など、経済のさまざまなセクターからの富の創出が含まれる。

一方、マラニョン州では再び最低所得が記録され、その額はわずか 945 レアルであり、ブラジル連邦直轄地ブラジリア市の一人当たり世帯収入はマラニョン州の 3 倍以上に相当している。

2023 年のブラジル各州別の一人当たり平均世帯収入