2023年第1四半期の業務・会計監査開催

2023年第1四半期の業務・会計監査は2023年5月4日午前11時から開催。監事会から二宮正人監事会議長 (Advocacia Masato Ninomiya)、天野ウーゴ監事 (BDO Brazil)、財務委員会から石川裕巳副委員長(丸紅ブラジル)、事務局担当委員会から長島公一委員長(丸紅ブラジル)が参加、事務局から2023年第1四半期及び通年の現金預金並びに有形固定資産、収入、支出などの財務諸表とその詳細、入会・退会状況、会費延滞状況などについて説明。それに対する監事会側からの質問やアドバイスなど受けた。最後に監事会は、「2023年第1四半期の会議所の業務遂行と会計処理は適正であったこと」を承認した。

業務・会計監査は慣例に従い各四半期を締めた後3ヶ月おきに開催され、事務局からは村田俊典事務局長、日下野成次総務担当、上田エレーナ会計担当、久場アレッシャンドレ会計担当補佐が参加した。

 

通貨政策委員会は財政政策の進展を理解するもSelic金利の13.75%維持を決定(2023年5月3日付けヴァロール紙)

3日開催のブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) は、高止まりするインフレの財政リスクへの影響緩和を維持するため、また与党の13.75%を継続しているSelic金利の引下要請の圧力に屈することなく、現行のSelic金利の13.75%の継続を検定している。

通貨政策委員会 (Copom) は、インフレを抑制するためのSelic金利の高止まりの維持において「忍耐と平穏」が必要であると繰り返し説明しており、Selic金利を長期間にわたり高水準に維持する戦略を維持している。

通貨政策委員会 (Copom) は、今年4月までの過去12カ月間のインフレ指数が4.65%を維持しており、2024年の目標インフレ指数の3.00%に誘導するために、昨年8月からSelic金利を13.75%の水準での維持を余儀なくされている。

今年9 月にSelic金利の利下げサイクルが始まることを考慮したいわゆるリファレンスシナリオでは、2023 年のインフレ予測は 5.8% であり、目標上限を上回っている。今年のインフレ指数の中央目標値は 3.25% 、許容範囲は 1.5% 、最大許容値 4.75%が設定されている。

通貨政策委員会 (Copom) は、Selic金利が翌年を通じて維持されるという別のシナリオを再び提示しており、このシミュレーションでは、今年のインフレ予測5.7%と最大許容値を上回るが、2024 年には 2.9%と目標中央値をわずかに下回っている。

通貨政策委員会 (Copom) は、インフレ下降プロセスが期待通りに進まない場合、Selic金利の調整サイクルを再開することを躊躇しないと繰り返したのに対して、フェルナンド・アダジ財務相は、このコメントは金利引き上げの脅威と解釈して批判していた経緯があった。

しかし実際、この通貨政策委員会 (Copom)の議事録のフレーズは、低金利に対する市場の一方的な賭けを冷やす方法として、2022 年 8 月から繰り返されていた経緯があった。誤解を避けるため、通貨政策委員会 (Copom)は現在、新たな金融引き締めを「可能性が低いシナリオ」と見なしていることを強調している。

3月22日開催のブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) は、ルーラ大統領初め与党のブラジル中銀の金利政策批判にも関わらず、高止まりするインフレの財政リスクへの影響緩和を維持するために、政策誘導金利Selicを全会一致で13.75%の据置を決定していた経緯があった。

米連邦準備制度理事会(FRB)は5月3日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25%の利上げ(政策金利引き上げ)を決めた。政策金利であるFF金利の誘導目標は5.00%~5.25%となった。

2016年8月31日以降のSelic金利の推移

今年4月の新車販売は9.14%増加の16万600台を記録(2023年5月2日付けヴァロール紙)

自動車販売代理店が加盟する全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の発表によると、2023年3月及び第1四半期のトラックやバスを含むブラジル国内の新車販売は、前年同月比9.14%増加の16万600台を記録している。

また今年初め4か月間の新車の累計販売台数は、前年同期比14.38%増加の63万2,300台を記録、世界的な自動車用半導体の供給不足の解消傾向に伴って、在庫調整のための減産政策の解消傾向を示している。

世界的な自動車用半導体の供給不足の解消傾向に伴って、自動車メーカーは正常な生産体制に戻り始めているが、新車販売を牽引しているのは、比較的低価格の配車アプリやタクシー向けの新車販売が牽引している。

今年初め4か月間の新車登録台数は増加傾向を示しているにも関わらず、Covid-19 パンデミック前の2019年の水準よりは依然として32.0%下回っている。

所得税免税枠の引上げで1,300万人が恩恵を受ける(2023年5月2日付けヴァロール紙)

ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領は、メーデーの前日30日に個人所得税 (IRPF) の免税範囲を 現行の1,903.98レアル から2,112レアルに拡大、毎月 528 レアルを控除する暫定措置に署名。最低サラリーの2倍に相当する2,640レアルまでの低所得層が免税の恩恵を受ける。

個人所得税の新免税リストは5月から有効となり、1,370万人の低所得層が恩恵を受ける。また5月1日から現行の最低サラリー1,302レアルも1,320レアルに引上げられる。

8 年前に 1,903 レアルで凍結されていた個人所得税の免税範囲を変更後は2,640レアルまでの個人所得税は免税となる。ルーラ大統領の任期が終了するまで、個人所得税の免税枠は5,000 レアルまで拡大するとルーラ大統領はマスコミで強調している。

新個人所得税の税率リスト

2.112レアルまでは免税

2.112レアル~2.826,65レアルまでは税率 7,5%

2.826,66レアル~3.751,05レアルまでは税率15%

3.751,06レアル~4,664,68までは税率 22,5%

4.664,68レアル以上は税率27,5%

個人所得税の免税枠の拡大で、連邦政府の歳入は32億レアル減少する一方で、連邦政府は32億レアルの歳入減少を補うために、海外での所得税に対する課税で32億5,000万レアルの歳入増加を見込んでいる。

 

CSI Leasing Brasil社のエドアルド・ヤマザト アカウントマネージャーが訪問

Eduardo Yamazato e Toshifumi Murata

サンパウロ市近郊のバルエリ市のCSI Leasing Brasil社のエドアルド・ヤマザト アカウントマネージャーが2023年5月3日に商工会議所を訪問、応対した村田俊典事務局長とブラジル国内のリース業界の動向などについて意見交換を行った。

東京センチュリー株式会社傘下のCSI Leasing, Inc.は、米国に本社を構えるIT機器を中心としたグローバル大手のリース会社。米国内をはじめとして、中南米、欧州、アジアなど世界50ヵ国以上でサービスを展開。IT機器に関する残価付リースであるFMV(Fair Market Value)リース事業分野で長い経験と、北米での100%子会社EPC, Inc.を通じたライフサイクルマネジメント(LCM)分野(リファービッシュ・物件再販・データ消去等)において高い専門性を有し、良質のサービスを提供している。

JEOL Brasil Instrumentos Científicos Ltdaの向井智昭社長が訪問

写真左からTomoaki Mukai e Toshifumi Murata

JEOL Brasil Instrumentos Científicos Ltdaの向井智昭社長が2023年5月3日に商工会議所を訪問、応対した村田俊典事務局長と日本進出企業のビジネス障害となっているブラジルコスト削減のための構造改革の動向などについて意見交換した。

日本電子株式会社(JEOL Ltd.)は電子顕微鏡をはじめとした精密機器や理科学機器の設計、製造、販売、保守を行う企業で理科学機器メーカー。

今年4月のブラジルの貿易収支は82億2,500万ドルの黒字計上(2023年5月2日付けヴァロール紙)

開発商工サービス省(MDIC)の発表によると、2023年4月のブラジルの貿易収支は、前年同月比5.5%増加の82億2,500万ドルの黒字計上している。

今年4月の輸出総額は、前年同月比マイナス0.3%の273億6,500万ドルに対して、輸入総額はマイナス2.6%の191億4,000万ドルを記録している。

今年初め4カ月間の累計輸出総額は前年同期比1.8%増加の1,035億ドル、累計輸入総額はマイナス2.2%の795億ドル、貿易総額は1,830億ドルであった。

今年初め4カ月間の累計貿易黒字は、17.9%増加の241億ドルと統計を取り始めた1989年以降では最高の貿易収支黒字を計上している。また今年初め4カ月間の累計輸出総額の過去の記録を更新している。

今年4月の中国、香港並びにマカオ向け輸出は5.3%増加、アジア向け輸出は0.8%微増に留まっている。北米向け輸出はマイナス0.65%、南米は16.6%増加、ヨーロッパ向け輸出は、マイナス10.64%と二桁台の落込みを記録している。

フェルナンド・アダジ財務相は、200社以上のブラジル企業がアルゼンチン向け輸出代金を受け取っていないが、アルゼンチン向け輸出スペースを失わないためにブラジル政府は解決策を模索するために、2日夜にルーラ大統領とアルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領と会合を持つ。

アルゼンチンの経済危機にも関わらず、アルゼンチン向け輸出は今年の月間及び累計でも共に増加を記録、特に4月は38.3%と大幅増加を記録、特に大豆、粗鋼、自動車、自動車部品及び電力エネルギーが牽引している。

アルゼンチンは大豆の大生産国にも関わらず、バイオディーゼル生産のためにブラジルから大豆の輸入を余儀なくされていると開発商工サービス省(MDIC)企画担当のHerlon Brandão取締役は説明している。

今年4月の農畜産物輸出は13.7%増加、鉱業部門はマイナス6.6%、製造業部門の輸出もマイナス6.3%を記録している。一方今年4月の農畜産物輸入はマイナス23.5%、鉱業部門は20.1%増加、製造業部門の輸入はマイナス3.9%であった。

Madrona Fialho AdvogadosのPriscilla Caldeira CarboneパートナーとMariana Siqueira労働法担当弁護士が訪問

写真左からMariana Siqueira, Priscilla Caldeira Carbone e Toshifumi Murata

Madrona Fialho AdvogadosのPriscilla Caldeira CarboneパートナーとMariana Siqueira労働法担当弁護士が2023年5月2日に商工会議所を訪問、応対した村田俊典事務局長とルーラ新政権の構造改革動向など多岐に亘って意見交換した。

今年2月にMadrona  Advogados弁護士事務所はFialho Salles弁護士事務所と合併してMadrona Fialho Advogados弁護士事務所に改名、サンパウロ市、ミナス州ベロ・オリゾンテ市及びブラジリア市に40人のパートナーと300人の弁護士を抱えている。

今年4月のブラジルの製造業部門の購買担当部長指数は44.3ポイント(2023年5月2日付けヴァロール紙)

2023年4月のブラジルの製造業部門の購買担当部長指数(PMI)は、6カ月連続で前年割れを記録して悪化が継続している。

S&P Global社の発表によると、今年4月の製造業部門の購買担当部長指数(PMI)は、3月の47.0ポイントから44.3ポイントと2.7ポイント減少を記録。製造業部門の健全性の急激な悪化と一致しており、3 年間で最も急速な悪化の 1 つとなっている。

4月のブラジルの製造業部門の減速は6 か月連続を記録、企業は新規ビジネス指数のより顕著な縮小により生産を削減している。

顧客の注文の延期に加えて、製造業部門は、家計の購買力の低下、潜在的な需要の弱さ、および公共政策を取り巻く不確実性が製造業部門のパフォーマンスを圧迫しており、価格に関しては、価格の上昇は緩やかではあるが、競争圧力と販売不振により、生産コストの上昇は妨げられている。

工場製造メーカーへの発注は、2020 年上半期に COVID-19 のパンデミックが始まって以来、最も急激な減少率の 1 つであると、S&P グローバルは説明している。多くの顧客が保留中の取引の承認を遅らせ、自動車部門の低迷、家計の可処分所得の縮小、および潜在的な需要の低迷と相まって、売上高がさらに縮小して来ている。

製造メーカーは4月に再び生産を減らしており、収縮のペースは鋭く、過去 3 年間で 2 番目に速かった。海外市場での需要の低迷により、海外での売上高はさらに縮小したが、ここでの減速は 6 か月で最も緩慢であった。食品、金属、プラスチックの国際コモディティ価格は高どまりしている。

 

HSBC銀行の今年第1四半期の純益は3倍増(2023年5月2日付けヴァロール紙)

HSBC銀行の今年第1四半期の純益は、世界的な金融引き締め政策による高金利が牽引して、昨年第1四半期の純益27億6,000万ドルを3倍以上上回る103億3,000万ドルに達している。

HSBC銀行の今年第1四半期の売上は、前年同期比64%増加の201億7,000万ドル、今年3月の英国Silicon Valley銀行の買収で15億ドルの利益を上げている。

HSBC銀行は、今年から最低でも12% の平均有形株主資本利益率を達成するという目標を維持しています。

HSBC銀行は、1株あたり10セントの配当を発表。これは、2019年以来初めての四半期配当で、また、最大20億ドル相当の自社株買いを開始すると説明している。