鉄鋼メーカー団体は2023年の粗鋼生産を下方修正(2023年4月17日付けヴァロール紙)

ブラジル鉄鋼協会は、今年第1四半期の鉄鋼製品の需要低迷しており、2023年のブラジル国内の粗鋼生産、鉄鋼製品の輸出及び輸入ともに見直しを余儀なくされている。

昨年11月の今年の粗鋼生産は前年比1.5%増加が見込まれていたが、13.75%の高止まりの政策誘導金利Selicやインフレでブラジルの国内経済の低迷、不透明な海外の金融市場などの影響で、今年の粗鋼生産は前年比マイナス1.0%の2,320万トンに下方修正している。

今年3月の鉄鋼製品需要は僅かに回復したにも拘らず、今年第1四半期のブラジル国内の粗鋼販売は前年同期比2.0%増加、粗鋼消費は3.4%増加している。

今年3月の鉄鋼製品輸出は前年同月比マイナス6.1%、粗鋼生産はマイナス6.8%を記録した一方で、鉄鋼製品輸入は、22.2%の二桁台の増加を記録している。

今年のブラジル国内の鉄鋼製品販売はマイナス0.7%の2,010万トン、粗鋼生産は2.0%増加の3,465万トン、輸出は7.6%増加、輸入は2.5%増加が見込まれている。

2026年までの鉄鋼業界の投資総額は、新規プロジェクト、近代化や拡張工事など406億レアルに達すると予想されている。

ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ政権時の2009年の経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設“私の家、私の暮らし”(MCMV)プログラムは、2019年~2022年のジャイール・ボルソナロ政権時に“ブラジルシンボルカラー大衆住宅 緑と黄色の家 Casa Verde e Amarela”プログラムに改名して大衆住宅建設を行っていた経緯があった。

ルーラ大統領は更新した大衆住宅建設“私の家、私の暮らし”(MCMV)プログラムの暫定令MP発令で、政権終了する2026年迄の4年間に200万軒の大衆住宅建設及び100万人の新規雇用創出を謳っている。

2022年のブラジルの魚介類輸出は記録更新(2023年4月17日付けヴァロール紙)

ブラジル養殖魚協会(Peixe BR)の発表によると、2022年のブラジルの魚介類輸出は、前年比15.0%増加の2,380万ドルに達し、記録を更新している。

昨年のブラジルの魚介類輸出の98%を占めたのはチラピアで、前年比28.0%増加、輸出額は2,320万ドルに達している。

昨年のチラピア輸出が拡大した要因として、ブラジル国内の需要低下及び供給増加、および新規販売チャンネルの開拓、チラピア生産の拡大や品質向上で厳しい国際市場への参入に繋がっているとブラジル農牧調査研究公社(Embrapa)調査員の Manoel Pedroza Filho氏は説明している。

昨年の養殖魚生産は前年比2.0%増加の86万トン、ビジネスではティラピアが優勢であるが、在来魚は引き続き非常に重要であるとブラジル養殖魚協会(Peixe BR)のFrancisco Medeiros 会長は説明している。

ブラジル農牧調査研究公社(Embrapa)及びブラジル養殖魚協会(Peixe BR)では、2018年からブラジルの魚介類輸入を閉鎖していたヨーロッパ市場が再びブラジルに輸入許可を出したために、今年下半期の魚介類輸出は急増すると予想している。2022年上半期のブラジルの魚介類輸出は、下半期よりもよりも多い1,430万ドルを記録していた。

昨年の米国向け魚介類輸出は、全体の80%以上に相当する1,900万ドルで前年比43.0%増加、米国に次いでカナダは2位であった。

昨年のパラナ州の魚介類輸出は全体の58.0%を占め、南マット・グロッソ州は18.0%で2位、バイア州は11.0%で3位を占めていた。昨年の魚介類輸出でチラピアに次いでタンバキは、前年比マイナス51.0%の26万8,000ドル,スルビンは前年比186%増加の11万4,000ドルであった。

アマゾン地域での連邦検査システム (SIF) によって認可された魚肉処理場が不足しているのが、ブラジルの魚介類輸出拡大のネックになっていると FIA Business Schoolの Gleriani Ferreira教授は指摘している。

ブラジルと中国は貿易・投資やデジタル、科学技術を含む15分野の2国間協力文書に調印(2023年4月14日付けヴァロール紙)

中国への公式訪問中の、ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領と中国の習近平国家主席は、今月14日に宇宙探査、貿易、文化、農業、メディア関連などの分野で 15種類 の貿易協定に署名した。

1,両国間の外務省と開発産業貿易サービス省間の貿易円滑化作業部会に関する了解覚書

2,CBERS-6 (中国とブラジルの土地資源衛星) の共同開発、宇宙科学技術の応用における協力に関する補足     議定書

3.両国間の科学技術イノベーション省間の研究とイノベーションにおける協力に関する了解覚書

4. 情報通信技術における協力に関する、両国間の科学技術イノベーション省間の了解覚書

5. ブラジル発展産業商業サービス省と中国国家発展改革委員会との間の、投資と産業協力の促進のた           めの覚書

6. 両国の同等の省庁間のデジタル経済への投資における協力強化に関する了解覚書

7. ブラジル財務省と中国財務省間の了解覚書

8. ブラジル通信省と国家電気通信局、および中国の産業情報技術省との間の情報通信における協力に           関する了解覚書

9. 中国のメディアグループとブラジルの制度関係事務局間の了解覚書

10. 新華社通信とブラジル通信会社 (EBC)との間の協力協定

11. 開発・社会支援・家族・飢餓対策省、ブラジル農業開発・家族農業省、中国農業・農村省の間の飢           餓と貧困、社会・農村開発改善のための協力に関する了解覚書

12. 2023年-2032年の中国国家宇宙局とブラジル宇宙局間の宇宙協力計画

13. 動物由来製品の電子認証における協力のための両国間のプロトコル

14. ブラジルから中国に輸出される加工された動物性タンパク質の衛生および検疫要件に関する、ブラ            ジル農務省と中国税関総局間の議定書

15.テレビ共同制作協定は、マルガレス・メネゼス文化相と以前に調印されていた

 

今年1月のサービス部門提供量は前月比マイナス3.1%と過去最高の落込みを記録(2023年4月14日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると、2023年1月のサービス部門提供量(生産性指標)は、前月比マイナス3.1%を記録、統計を取り始めた2012年初めからでは最高の落込みを記録している。

2022年12月のサービス部門提供量(生産性指標)は、前月比2.9%と大幅な増加を記録していたが、今年1月は一転して大幅な落ち込みを記録したが、Covid-19 パンデミック直前の2020年2月の水準を10.3%上回っている。

今年1月のサービス部門提供量は前年同月比では6.1%増加、今年1月の過去12か月間の累積サービス部門提供量は前年同期比8.0%増加を記録している。

Valor Data社の25金融機関やコンサルタント会社対象の1月のサービス部門提供量の前月比の調査によると、最低予想はマイナス2.1%、最高予想は1.2%、平均予想はマイナス1.4%であった。

今年1月のサービス部門提供量のセクター別の前月比との比較では、輸送セクターはマナス3.7%、その他のサービスセクターはマイナス9.9%、教育・研究機関などの公共サービスセクターはマイナス1.5%を記録している。

一方今年1月の情報・通信サービスセクターは、昨年11月と12月の累積マイナス2.5%から一転して1.0%増加を記録、一般家庭向けサービスセクターは、昨年11月と12月の累積3.5%増加から継続して1.0%増加を記録している。

2022年1月~2023年1月までのサービス部門提供量の推移

臨時運輸サービス部会開催

臨時運輸サービス部会(大胡俊武 部会長)は2023年4月14日午前10時から11人が参加して開催、進行役は大胡部会長が担当、米国、日本、カナダの短期査証免除の撤回で最も影響を受ける運輸サービス部会の意見を纏めて、ブラジル・日本両国間短期渡航のビザフリー化の公式な要望書提出することについて討議した。

初めに村田俊典事務局長は、ブラジル・日本両国間短期渡航のビザフリー化の要望書提出の背景を説明、今年1月からスタートしたルーラ政権の外交政策は、相互主義を軸としており、前ボルソナーロ政権が発布した、米国、日本、カナダの短期査証免除に関する法令は今年10月より撤回することが発表されているが、両国間の人の交流は、ビジネス環境を下支えするものであり、今後の日伯両国の友好関係をさらに拡大して行くためにも短期査証免除は双方にメリットがあり、さらに、このモメンタムを維持するためにも、日本側がブラジル人の短期査証免除を実施することによりブラジル政府が掲げる相互主義原則により、双方の短期査証免除を実現して欲しい旨の要望書をサンパウロ日本国総領事館に提出することで全会一致した。最後に村田事務局長は今後の要望書提出のスケジュールを説明した。

ブラジル日本商工会議所の目的は、I. ブラジルと日本との間の経済交流、貿易の助長、並びに両国間の商工業の促進と協力、II. 会員の商工業活動の上での相互啓発への協力、III.ブラジルと日本の政府や関係機関への会員の商工業に関する総合的な意見の提出、IV.会員の商工業活動より生ずる諸問題の友誼的解決の仲介の4つであり、2023年3月現在295社(うち日本からの進出企業は185社)を有する団体として活動している。会員企業の声を集約し、日本政府に届けることも重要な任務であると認識している。

 

今年に入って会社更生や破産申請が急増(2023年4月13日付けヴァロール紙)

企業や一般消費者の延滞率の増加、高止まりしている銀行金利やインフレ指数、クレジット部門の与信強化、低迷しているブラジルの国内経済などの要因で、今年に入って会社更生法や破産申請が急増しており、今後ますます悪化すると金融関係者は憂慮している。

銀行業務集中サービス会社(Serasa Experian)の調査によると、2023年第1四半期の会社更生法申請件数は、前年同期比37.6%と急増、破産申請件数は44.1%と大幅増加している。

今年3月の会社更生法申請件数は年率換算で6.8%増加、破産申請件数は40.6%増加しているが、2月の会社更生法申請件数は、前年同月比87.3%増加、破産申請件数は38.7%増加していた。

また今年第 1 四半期で特に注目に値するのは、債権者と債務者間の合意が司法環境の外で行われる超法規的回収の要求が大幅に拡大しており、会社更生では前年同期比で900% 増加。破産申請では750% 増加している。

今年第1四半期の会社更生法申請では、零細・小企業の申請は前年同期比1.7%の微増に留まったが、中企業の申請は4.5%増加、特に3月の大企業の会社更生法申請は、前年同月比57.14%と大幅に増加している。

今年第1四半期の零細・小企業の会社更生法申請件数は、181件で前年同期比44.8%増加、平均インデックスは9.0%、大企業は35件で94.44%増加している。今年第1四半期には小売販売大手のアメリカーナス社、ペトロポリスグループ、Tokstok社及びOi社が2日目の債権者からの保護を訴えている。

今年第1四半期の会社更生法申請件数は、過去3年間にないほどの申請件数に達しており、今後は更に破産件数が増加するとSerasaチーフエコノミストLuiz Rabi氏は指摘している。

2021年1月~2023年3月までの企業再生法や倒産申請件数の推移

今年第1四半期の二輪車生産は前年同期比21.4%増加(2023年4月13日付けヴァロール紙)

14メーカーが加入するブラジル二輪製造会社協会(Abraciclo)の発表によると、マナウスフリーゾーンの2023年第1四半期の二輪車生産は、前年同月比21.4%増加の39万7,100台に達し、過去9年間では最高の生産台数に達している。

今年3月の二輪車生産は前月比25.3%増加の15万2,450台、前年同月比では11.8%増加を記録している。今後数カ月間は、過去3年間と異なって、操業停止をすることなく正常生産体制で、今後数カ月間の二輪車生産は加速すると予想されている。

需給が供給を上回る排気量の小さい二輪車及びスクーターに対する数珠つなぎの供給待ちは、減少するとブラジル二輪製造会社協会(Abraciclo)のMarcos Antonio Bento新会長は説明している。

今年の二輪車の生産は前年比9.7%増加の155万台、今年第1四半期の二輪車生産は、年率換算で160万台の生産体制となっている。

今年第1四半期の二輪車の新車登録台数は前年同期比30%増加の35万7,200台、3月の二輪車の新車登録台数は32.7%増加の14万6,000台、営業日数が前月よりも3日間多かった影響で、前月比では45.1%増加を記録している。

ブラジル二輪製造会社協会(Abraciclo)では、今年の二輪車の新車登録台数を9.4%増加の149万台を見込んでおり、今年第1四半期の生産体制を維持すれば年間140万台を突破すると見込まれている。

今年第1四半期の二輪車輸出台数は前年同期比マイナス2.9%の1万276台、3月の輸出台数はマイナス28.7%の2,813台、前月比では12.0%増加している。

今年第1四半期のアルゼンチン向けの二輪車輸出台数は輸出全体の27.3%を占め、コロンビア向け輸出は25.2%、米国は14.5%を占めている。

国家配給公社(Conab)は2022/23年度の穀物生産を再度上方修正の3億1,250万トンで記録更新予想(2023年4月13日付けヴァロール紙)

国家配給公社(Conab)によると、夏物の穀物収穫後の現在の2022/23年度の穀物生産予想は、今後の天候にも左右される可能性があるものの、3月の前回予想を250万トン上回る3億1,250万トンに上方修正、2021/22年度比では15.0%に相当する4,010万トン増加予想で、記録更新すると予想している。

2022/23年度の穀物生産3億1,250万トンの予想は、耕作面積が前年比3.3%増加の7,700万ヘクタール、生産性が11.0%増加に相当する1ヘクタール当たり4,059キログラムが見込まれている。

ブラジルで最大の穀物生産量を誇る今年の大豆生産は、3月の予想を1.4%上回る1億5,360万トン、前年比では22.4%の大幅な増加が予想されている。

また今年のトウモロコシ生産は、耕作面積が前年比1.8%増加に相当する2,197万ヘクタール、第1期作のトウモロコシ生産は8.8%増加の2,724万トン、第2期作は11.0%増加の9,532万トン、1年通期では1億2489万トンが見込まれている。

今年のトウモロコシの植え付け時期を逃した栽培地の旱魃に強いソルガムが植えられており、ソルガム生産は、前年比26.2%増加の370万トンが見込まれている。

また今年の米生産は、主産地の南大河州の天候異変による耕作面積の減少の影響も受けて、前年比マイナス7.9%の990万トンに留まると予想されている。

今年のフェジョン豆の生産は、耕作面積が3.5%減少の一方で生産性の2.3%上昇した影響で、前年比マイナス1.3%の290万トンが見込まれている。

 

4月の法律委員会開催

日伯法律委員会(岩尾 玄委員長)主催のオンライン月例会は、2023412日午後4時から530分まで46人が参加して開催、司会はRafael Mantovini副委員長が務めた。

Mattos Filho弁護士事務所のTHIAGO LUÍS SOMBRA パートナー及びEDUARDO FRADE パートナーは、テーマ「公開入札:主な競争、腐敗防止および公法の側面」“Licitações públicas: Principais aspectos concorrenciais, de anticorrupção e direito público” 、続いてPwCORLANDO F. DALCINパートナーはテーマ「SP州における新しい ICMS 税制優遇措置 (Decrees No. 67,516/23 から 67,526/23 )」 “Novos benefícios fiscais de ICMS em SP (Decretos nº 67.516/23 a 67.526/23)” についてそれぞれ講演した。

講演会視聴は右クリック→Acesse aqui

PDF anexos:
1. “Licitações e contratos públicos: Aspectos e perspectivas de direito público,
anticorrupção e concorrencial”
2. “Novos benefícios fiscais de ICMS em SP”

今年1月の一般小売販売は前月比3,8% 増加(2023年4月12日付けIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、2023年1月の自動車や建材部門を除くインフレ指数を差引いた実質一般小売販売量は、前月比3.8%増加を記録している。

今年1月の実質一般小売販売量は前年同月比2,6%増加、今年1月の過去12カ月間の累積一般小売販売量は1.3%増加を記録している。

今年1月の自動車及び建材を含む広範囲小売販売量は前月比0.2% 、前年同月比0.5%、過去か月間の累積広範囲小売販売量はマイナス0.5%を記録している。

今年1月の実質一般小売販売量が前月比のセクター別調査では、調査対象の8セクターの内7セクターで増加を記録、特に繊維・衣類・履物セクターは27,9%、事務用品・情報通信機器セクター7,4%、ハイパー・スーパーマーケット・食品・飲料・嗜好品セクターは2,3%、燃料・潤滑油セクター1,5%、家具・家電セクター1,3%、書籍・雑誌・印刷物・製本セクターは0,6%、唯一医薬品・香水・化粧品・医療機器セクターはマイナス-1,2%を記録している。

また今年1月の自動車及び建材を含む広範囲小売販売量のセクター別では、自動車・エンジン・自動車パーツセクターはマイナス0,2%を記録した一方で、建材セクターは2,9%増加を記録している。

今年1月の実質一般小売販売量の前年同月比では調査対象の8セクターのうち6セクターで増加を記録、特に燃料・潤滑油セクターは(26,7%増加、書籍・雑誌・印刷物・製本セクター15,2%増加、事務用品・情報通信機器セクター14,8%増加、家具・家電セクター3,4%、繊維・衣類・履物セクターは2,3%、ハイパー・スーパーマーケット・食品・飲料・嗜好品セクターは2,2%それぞれ増加している。

今年1月の実質一般小売販売量の前年同月比でマイナスを記録したセクターは、医薬品・香水・化粧品・医療機器セクターはマイナス7,6%、パーソナルケア・日用品セクターはマイナス6,5%を記録している。

一般小売販売量の月間推移

セクター別一般小売販売量