今年の自由クレジットは6.8%、限定クレジットは8.4%それぞれ下方修正(2023年4月11日付けヴァロール紙)

ジャイール・ボルソナロ政権下の2022年下半期から融資先が自由に選択できない限定クレジットの伸び率は、金利引締めによるクレジット金利上昇及び連邦政府による限定クレジット拡大で、融資先が自由に選択できる自由クレジットの伸び率を上回っている。

ブラジル銀行協会連盟(Febraban )では、2月には今年の自由クレジット伸び率を前年比8.3%増加と予想していたが、今では7.9%に下方修正した一方で、限定クレジット伸び率を2月同様8.4%に据え置いている。

ジャイール・ボルソナロ政権下の2022年下半期から融資先が自由に選択できない限定クレジットの伸び率は、ブラジルの発展に貢献する長期融資を行うことができる唯一の連邦政府系金融機関である社会経済開発銀行(BNDES)のクレジット拡大以外にも、金利引締めによるクレジット金利上昇及び連邦政府による限定クレジットが拡大してきている。

今年の個人向け自由クレジット伸び率は前回予想の8.7%から8.3%に下方修正、法人向け自由クレジット伸び率は7.3%から5.1%と大幅に下方修正、個人向け自由クレジットは9.2%から8.9%に下方修正、法人向け自由クレジットも7.1%から5.4%と大幅に下方修正している。

法人向け自由クレジットは小売大手「ロージャス・アメリカーナス」は大手サプライヤーや信用保険会社に対して、200億レアルに達する一貫性にかけた不可解な不正会計発覚で与信強化されており、個人向け自由クレジットはブラジル経済の減速、延滞率の増加などの影響で下方修正を余儀なくされている。

2月の調査結果と同様に法人向け自由クレジットはアメリカーナス社のエピソード及びブラジル国内の経済活動の後退で与信強化を余儀なくされているとブラジル銀行協会連盟(Febraban )監査部の Rubens Sardenberg理事は説明、今年の債務不履行は2月の4.4%から4.7%に上方修正している。

今年3 29 日~4 4 日にかけて19行 の銀行を対象に実施した調査では、中央銀行の金融政策委員会 (Copom) の議事録に関する金融機関の認識と、信用ポートフォリオのパフォーマンスの予測を纏めた結果となっている。

国際通貨基金は今年のブラジルの公的負債総額はGDP比88,4% 予想(2023年4月12日付けヴァロール紙)

国際通貨基金(IMF)では、今年のブラジル政府の公的負債総額は、昨年のGDP比85,9% から2.5%上昇の88,4%に達すると予想している。

またブラジル政府の公的負債総額は今後の5年間連続で増加すると予想、2028年のブラジルの公的負債総額はGDP比96,2%に達すると予想している。

国際通貨基金(IMF)による今年のブラジルの公的負債総額は新興国の平均であるGDP比68,8%を大幅に上回っており、調査対象の35ヵ国のうちではウクライナのGDP比98,3%、エジプトのGDP比92,9%に次ぐGDP比88,4%が予想されている。

国際通貨基金の発表データでは、ブラジル財務省が 3 月末に発表した新しい財政枠組みの詳細についてはコメントしていないが、もうすぐ国会で審議される歳出上限法が改訂されていることのみを指摘している。

ブラジルの財政に関する IMF の予測では、新しい財政枠組みの最終的な影響が考慮されていない。 IMF は、ブラジル当局と異なる基準で公的債務総額を計算している。ブラジル中央銀行のコンセプトによると、今年 1 月の総債務は GDP の 73.1% で、昨年 12 月の GDP の 73.4% を僅かに下回っている。

ブラジル財務省の予測では、ブラジルの公的債務総額は、財政プライマリー収支、金利レベル及びGDP伸び率を考慮しており、2026 年にの公的債務総額はGDP 比73.56% ~GDP 比77.34% を予想している。

IMFでは2026年のブラジルの公的債務総額はGDP比95,2%と昨年10月の予想であるGDP比93,2%から上方修正、2026年にはGDP比96,2%に達すると予想している。

IMF のテキストによると、ブラジルの2020 年の公的債務総額はGDP 比96.8% に達したが、2021 年はGDP 比90.7%と 2022 年には GDP 比 85.9% にまで減少している。

IMF は、昨年のブラジルの財政プライマリーは GDP比 1.3% の黒字を計上したが、今年は GDP比 2% の赤字、になると推定しています。 2024 年はGDP比 1% の赤字が予想されている。

今年第1四半期のセメント販売は前年同期比マイナス1.2%(2023年4月11日付けヴァロール紙)

全国セメント工業組合(SNIC)の発表によると、経済動向の指標の一つである2023年第1四半期のセメント販売は、前年同期比マイナス1.2%に相当する1,470万トンに留まっている。

今年3月のセメント販売は前年同月比マイナス2.1%の540万トン、第1四半期の1日当りのセメント販売はマイナス2.3%を記録している。

今年3月の1日当りのセメント販売はマイナス5.9%に相当する21万5,900トン、前月比ではマイナス2.3%となっている。

今年3月の過去12か月間の累積セメント販売は前年同期比マイナス2.3%の6,250万トン、今年2月の今年のセメント販売は前年比0.8%~1.0%増加が見込まれていたが、現在の予想は、高止まりしているインフレや金利、一般家庭の負債増加、高止まりしている生産コストなどの要因で、昨年を若干下回ると全国セメント工業組合(SNIC)の Paulo Camillo Penna会長は下方修正している。

建設資材以外の分野では生産コストが抑制されているが、セメント製造用の資材が再び上昇しており、第 1 四半期の電力エネルギーが 24%、包装紙が 25%、耐火物が 17% 増加している。石油コークスは 2022 年に 3%、今年第 1 四半期に 4% 減少しましたが、2020 年以降では 200% 上昇している。

新築住宅リリース軒数の減少、上下水道関連の法律の変更、税制改革など依然として不透明であり、今後のセメント販売の動向が把握できていない。また2020年~2021年にかけての住宅建築ラッシュによるブームの終焉を Penna会長は憂慮している。

一般基本衛生法に関連する新しい政令は、公的部門の努力を取り入れているという点で肯定的な点がある一方で、工事が始まる時期に規制上の不安をもたらすとPenna会長は指摘している。税制改革については、建設業界は建設面積の優遇措置を及び税率の差別化を要求している。

大衆住宅建設“私の家、私の暮らし”(MCMV)プログラムは今年下半期から加速する一方で、新規の中高級住宅プログラムは減少するが、バランスが取れるとPenna会長は指摘している。

連邦政府は2026 年までに 200 万戸の住宅を建設するという目標は、建設方法 (石積みブロックまたはコンクリート壁) に応じて、その期間に 800 万トンから 1,200 万トンのセメントの追加販売が期待できる。

今年3月のインフレはガソリン価格の値上げが牽引して0.71%を記録(2023年4月11日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2023年3月のブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、2月の0.84%から0.71%に減少したが、3月の最低のIPCA指数は2020年3月の0.07%、最高のIPCA指数は2022年3月の1.62%であった。

Valor Data社の36金融機関やコンサルタント会社対象の調査によると、3月の最低IPCA予想は0.69%、最高は0.85%、平均IPCA指数は0.77%であった。

今年3月の過去12か月間の累積IPCA指数は、2月の5.60%から4.65%と約1.00%減少、 Valor Data社の最低予想は4.63%、最高予想は4.80%、平均予想は4.71%であった。 3月の過去12か月間の累積IPCA指数は2021年1月に記録した4.56%に次ぐ低い水準であった。

3月の過去12か月間の累積IPCA指数は、ブラジル中央銀行の今年のインフレの中央目標値3.25%を大幅に上回っている。また2024年及び2025年は3.00%、許容値は±1.50%に設定されている。

連邦政府は、2022年6月に制限されていた燃料価格と電力エネルギーへの課税を再開。ガソリンは8.33%上昇し、IPCA指数を0.39ポイント押上げ、電力エネルギーは2.23%上昇している。

3月のIPCA指数算出に使用された 9 アイテムのうち、7 アイテムは前月よりも減少、 食品および飲料は前月の (0.16% から 0.05% と減少、住宅は 0.82% から 0.57% 、健康およびパーソナルケア 1.26% から 0.82% 、個人的支出 は0.44% から 0.38% とそれぞれ減少している。

また教育 は6.28% から 0.10%、コミュニケーション は0.98% から 0.50%とそれぞれ減少している。住居関連は2月のからマイナス0.27%、衣類はマイナス0.24%から0.31%とそれぞれ逆転している。

3月の輸送セクターは、2月の0.37% から 2.11% と大幅に上昇、3月の IPCA指数 の 0.71% 上昇を牽引、0.43% ポイントのインパクトに繋がっている。8.33%値上がりしたガソリンのインパクトは0.39ポイントであった。今年3月の過去12か月間の累積IPCA指数は、2月の8.44%から7.78%と大幅に減少している。

2022年3月~2023年3月の月間IPCA指数の推移

2022年3月~2023年3月の月間IPCA指数の平均及び許容値の推移

2023年3月のIPCAのグループ別増減

今年1月のアグロインダストリー部門は過去5年間で最高(2023年4月11日付けヴァロール紙)

2023年1月のブラジル国内のアグロインダストリー部門生産指数(PIMAgro) は、前年同月比1.3%増加を記録、食品・飲料部門は4.6%増加した一方で非食品部門はマイナス3.0%を補っている。

今年1月のアグロインダストリー部門生産伸び率1.3%は、1月としては2018年以降では最高の伸び率を記録、昨年10月から4か月連続で増加を記録している。

今年1月の植物性食品セグメントは 4.9% 増加した一方で、砂糖セグメントはマイナス6.7%、精米セグメントはマイナス5.5%で足掛けになっていた経緯があった。

食肉セグメントは7.6%と大幅に増加、今年は牛の屠札数の大幅な増加が見込まれており、アグロインダストリー部門を牽引すると見込まれている。

左から2022年8月~2023年1月の食品・飲料セグメント生産、非食品セグメント、

アグロインダストリー部門生産の推移

 

大統領就任100日のルーラ新政権手腕承認は33%に対して不承認は30%と拮抗(2023年4月10日付けヴァロール紙)

サンパウロ州のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領就任100日後の政治手腕評価は承認が33%に対して、不承認は30%と拮抗している一方で、ブラジル全国の調査では承認が38%に対して、不承認は29%とDatafolha社の調査で判明している。

またサンパウロ州の労働者党PTに対する政権運営評価では、普通と回答したのは34%に対して、全国平均30%、判らないと回答したのは3%であった。

ルーラ政権100日の手腕調査は、サンパウロ州内の16歳から65歳の1,806人とのインタビューからはじき出され、、調査誤差は±2.0%、全国調査は126都市の2,028人とのインタビューからはじき出されている。

ルーラ大統領の政治手腕調査では、サンパウロ州と全国調査では大差はなく、意見の分裂は、二極化した大統領選挙プロセスを反映したままであり、ルーラ候補はボルソナロ候補とは僅か1.8 パーセントの僅差で大統領に選出されていた。

サンパウロ市の大都市圏では労働者党 PT のルーラ大統領への支持、内陸部ではボルソナロへの支持が勝っており、ボルソナロ前大統領が支持したタルシジオ・デ ・フレイタス州知事 (共和党員Republicanos ) の支持の構図は同様となっている。

ルーラ大統領の支持が勝っていたサンパウロ大都市圏の調査内容は、ルーラ政権の手腕は最高・良いは37%、普通は33%、最悪・悪いは26%、前記同様に全国調査では29%、35%、32%となっている。

労働者党PT のルーラ大統領候補に投票したサンパウロ出身者の評価は、州平均だけでなく、全国平均よりも肯定的であり、大統領選挙でルーラ候補に投票した人の 68% が優れている/良い、27% が普通、3% が悪い/最悪と評価している。前記同様に一方のルソナロ候補に投票した人の評価は8%、33%、56%となっている。

サンパウロ州のルーラ政権100日の評価で期待以下と回答したのは56%と全国平均評価の51%を上回っており、前記同様に28%は予想通り、予想以上は11%、18%、28%は予想の範囲内と回答、全国評価では25%であった。

3期目のルーラ政権の優先事項は、新ボルサ・ファミリアプログラムによる貧困層向けの給付金支給及び2019年~2022年のジャイール・ボルソナロ政権時に“ブラジルシンボルカラー大衆住宅 緑と黄色の家 Casa Verde e Amarela”プログラムに改名して大衆住宅建設を再度経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設“私の家、私の暮らし”(MCMV)プログラムに戻すことであるが、依然として高止まりするインフレや高金利などの影響でブラジル経済が依然として空回りしている。

2 月にサンパウロ州の北部海岸で 65 人の犠牲者がでた被害地域を視察、ルーラ大統領はイデオロギーや政党が異なるもタルシジオ知事と協力して行動し、支援支持を表明していた。

タルシジオ候補に投票した人の48%は、 ルーラ政権を悪い/最悪と評価。 普通は 33% 、最高・良いと回答したのは15%となっている。

100日が経過したタルシジオ州知事の政権運営評価では、最高・良いと回答したのは44%、普通は39%、最悪・悪いと回答したのは11%となっている。期待以下と回答したのは45%、期待通りは37%、期待以上と回答したのは12%となっている。

今年3月の鶏肉輸出は23.0%増加(2023年4月10日付けヴァロール紙)

ブラジル動物蛋白質協会(ABPA)の発表によると、2023年3月の生鶏肉及び加工鶏肉輸出量は前年同月比22.9増加51万4,600トン、輸出金額は27.2%増加の9億8,050万ドルを記録している。

北半球での高い生産コストと鳥インフルエンザの影響で、鶏肉の供給量の減少に伴ってため、一部の輸入業者はブラジルからより多くの鶏肉の購入を余儀なくされたために、鶏肉輸出増加に繋がっているとブラジル動物蛋白質協会(ABPA)の Ricardo Santin会長は説明している。

今年第1四半期の鶏肉輸出量は前年同期比15.1%増加の130万トンに達し、輸出金額は25.5%増加の25億⒎000万ドルを記録している。今年第1四半期の中国向け鶏肉輸出は、前年同期比24.5%増加の18万⒎900トンを記録している。

中国国内でのCOVID-19パンデミック対応の国民の移動制限が終了した後、中国での食肉消費レベルが回復し、中国国内の鶏肉生産レベル低下したことで、ブラジル産の鶏肉輸出の増加に繋がっているとブラジル動物蛋白質協会(ABPA)のLuís Rua 理事は説明している。

今年第1四半期のサウジアラビア向け鶏肉輸出は、前年同期比69.9%増加の9万6,000トン、ヨーロッパ連合は24.1%増加の6万2,200トン、韓国向け鶏肉輸出は43.7%増加の5万900トンを記録している。

Sigma Lithium社はリチウム生産許可取得で輸出開始か(2023年4月10日付けヴァロール紙)

カナダ資本 Sigma Lithium社は、ミナス州政府環境機関からリチウム鉱の操業許可を取得、ブラジルでは初めてとなるリチウム鉱生産を開始、ミナス州内の Araçuaí鉱山及び Itinga鉱山で今月から操業開始、輸出は5月から予定されている。

第 1 段階で、年間 27 万トンのリチウム濃縮物を生産予定、他の 2 つのフェーズは、6 月または 7 月に操業開始2024 年半ばには、年間76万6,000トンのリチウム鉱の生産が見込まれている。

シグマ社はリチウム鉱の販売と輸出の準備完了、産業プラントはすでに委託、検査を稼働している。今月から海外の顧客に最初の出荷を行うための蓄積を開始。 リチウムの主な市場は、ヨーロッパと米国に加えて、中国を中心としたアジアとなっている。

同社は製品の流通ロジスティクスも変更、 バイーア州イリェウス港からの輸出ではなく、エスピリット・サント州ビトリア港に変更。 ビトリア港は距離は少し遠いが、大型の倉庫施設があるために変更している。

Sigma社 のリチウムプロジェクトは、第 1 段階で 12 億レアルの投資を見積もっている。 フェーズ 2 と 3 では、追加で 10 億レアルが予算化され、新しい施設と組立作業のための機器だけで 1 億 5,500 万ドルが見込まれている。

先月、電気自動車メーカーのテスラ社が、自動車メーカーが自動車のバッテリー用の原材料を確保するための世界的な競争に合わせて、リチウム生産者の支配権を握ることに関心を持っているというニュースが流れたが、 Sigma社は支配権売却を否定している。

ブラジル国内で最も貧しい地域の 1 つである Jequitinhonha渓谷地域は膨大なリチウム鉱の埋蔵が確認されているが、世界的にはオーストラリア、カナダ、チリ、アルゼンチンが依然として技術的投入を支配しており、 .ブラジル国内でも100% 持続可能なプロセスから生まれるプレミアムな製品が必要となっている。

中銀は今年のインフレ指数を5.98%に上方修正(2023年4月10日付けヴァロール紙)

10日ブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2023年のブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の5.96%から5.98%に上方修正している。

また2024年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、4.13%から4.14%と若干上方修正したが、2025年のIPCAは前回同様に4.00%に据え置いている。

2023年末の政策導入金利(Selic)は12.75%に据置、2024年は10.00%、2025年末のSelic金利は9.00%それぞれ据え置いている。

中銀の今年のインフレ指数の中央目標値は3.25%、2024年及び2025年は3.00%、許容値は±1.50%に設定されている。

また今年のGDP伸び率は0.90%から0.91%に微増した一方で、2024年のGDP伸び率は1.48%から1.44%、2025年のGDP伸び率は1.80%から1.76%それぞれ下方修正している。

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2022年のブラジルの国内総生産GDP伸び率は前年比2.9%増加したが、昨年第4四半期のGDP伸び率はマイナス0.2%を記録していた。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替は前回同様R$5.25 、2024年末はR$5.30からR$5.27 とレアル高に修正、2025年末のドルの為替は前回同様R$5.30に据え置いている。

Selic金利予想の推移

2023年及び2024年のGDP伸び率の予想推移

ハダジ財務相は税制改革ではSimples Nacional 及びマナウスフリーゾーン向け税制恩典は変更なし(2023年4月6日付けヴァロール紙)

ルーラ新政権で最優先事項の税制改革は、連邦税、州政府や市町村の地方自治体の州税や市税を含む簡易税制体系を目指しているが、フェルナンド・ハダジ財務相は、Simples Nacional 及びマナウスフリーゾーン向け税制恩典プログラムは影響を受けないと強調している。

中小企業の特別納税システム「スーペル・シンプレス(Supersimples)」は、連邦政府と議会の間でプログラムを維持し、変更しない点で合意しているとハダジ財務相はBandNewsとのインタビューで説明している。

またインタビューでマナウスフリーゾーン向け税制変更について質問を受けた時、ハダジ財務相はプログラムを変更する可能性を否定、また大学促進プログラム(ProUni) やサンタ・カーザ慈善病院向けの国庫庁による補助金削減を否定するなど他のプログラムについても説明した。

今年のSimples Nacional 及びマナウスフリーゾーン向け税制恩典による免税総額は、今年の免税総額の30%に相当する1430億レアルに達する。

国庫庁の歳入増加ための税制措置は大企業に焦点を当てることを強調、商品流通サービス税(ICMS)を介して州政府によって付与された補助金を削減する可能性の終焉を再び擁護、連邦税の純益に対する社会納付金(CSLL)や個人所得税(IRPJ)について触れている。

連邦政府は、債務を清算するという選挙公約である「Desenrola」を立ち上げることができるようにするために、ソフトウェアの開発を含む運用上の問題を克服しようとしている。プロジェクトの準備は、銀行業務集中サービス会社(Serasa) などの信用分析と決定を行う企業の参加にも依存しているとハダジ財務相は説明している。

ブラジル連邦政府が、アマゾン奥地の開発を図るために1967年に設立したマナウスフリーゾーン(ZFM:Zona Franca de Manaus)では、家電並びに二輪、時計などの外資系工場の進出により、現在までブラジル経済の発展に大きく寄与している。

マナウスフリーゾーンは、特に南東部地域の製造業部門を誘致するために、魅力的な税制恩典政策を導入、2014年の憲法改正でその期限が2023年から50年間延長され、2073年までと定められていた。

ZFMの税恩典は、連邦税として輸入税(II)、工業製品税(IPI)、社会統合基金・公務員厚生年金および社会保険融資負担金(PIS/COFINS)の減免、さらには法人所得税(IRPJ)の減免、州税では商品流通サービス税(ICMS)の減免、ZFMに進出する企業が恩典を享受するには、製造する製品ごとに実質的な現地調達義務を定めた基礎製造工程(PPB)基準を満たすことが必要となっている。

しかし2009年のマナウスフリーゾーンの税制恩典比率はブラジル全体の17.1%を占めていたが、他州の零細企業に対して簡易で低率の税制体系が適用されるSIMPLES NACIONAL 適用の拡大で、2018年には8.5%まで減少している。