ルーラ新政権は各州政府に燃料向けICMS税補填で269億レアル支給で合意(2023年3月10日付けヴァロール紙)

今年1月から政権を担っているルーラ新政権は、ジャイール・ボルソナロ前大統領による州税である燃料関連の商品流通サービス税(ICMS)の税率引き下げによる州政府の歳入減少に対する補填で合意に達した。

各州政府は昨年の燃料関連の商品流通サービス税(ICMS)の税率引き下げによる州政府の歳入減少に対する補填として、国庫庁に450億レアルの支払いを要求して交渉を行ってきた経緯があった。

しかしルーラ新政権は燃料関連の商品流通サービス税(ICMS)の税収減少の補填として130億レアルの支払を提示していたが、各州政府に対して総額269億レアルの補填で合意に達している。フェルナンド・ハダジ財務相が州政府との合意発表を予定している。

各州政府に対して総額269億レアルの補填合意には、国庫庁のRogerio Ceron長官及び補填交渉を先導したピアウイ州のRafael Fonteles州知事が交渉にあたっていた。

昨年10月2日に大統領選を控えるボルソナロ大統領や連邦議会からの圧力で、ペトロブラス石油会社は昨年7月下旬にガソリン卸売価格を引き下げを余儀なくされていた。また各州政府でも、天然ガス、電気、通信、公共交通機関にかかる商品流通サービス税(ICMS)の税率引き下げ実施を余儀なくされていた経緯があった。

 

 

機械金属部会懇談会開催

機械金属部会(三好康敦部会長)懇談会は、2023年3月9日午後3時から4時30分まで17人が参加してハイブリッド形式で開催、司会は三好康敦部会長が務めた。

3月22日開催される部会長シンポフォーラム発表資料作成では、参加者はテーマ「2022年度下期の振り返り並びに今後の展望」、副題 「世界的な高インフレの影響を乗り越える」に対する自社の業績について発表した。

昨年下期の振返り及び今年上期の展望では、半導体供給不足による自動車減産、鉄鋼製品価格の上昇、ロシアによるウクライナ侵攻による原材料価格の上昇及び原材料価格の供給問題、Selic金利及びインフレ指数の高止まり、新車不足による中古車市場の活況、二輪車販売好調、アンテナショップによるブランドイメージアップ戦略、経費削減、為替変動、製造コスト上昇も難しい価格転嫁、在宅勤務体制の移行などが挙げられた。

総領事館及び商工会議所事務局から進出企業向けサポートとして、ジャパンハウスでの企業PRの活用、どんな些細なことでもしてほしいと説明した。

参加者

HITACHI SOUTH AMERICA           三好

MITSUBISHI IND. PESADAS     山田

NIPPON STEEL AMÉRICA DO SUL     秋山

METAL ONE                       加藤

TADANO BRAIL                    平野

EBARA BOMBAS AMERICA DO SUL     小林

TMEIC G2                        二本松

KYOCERA DO BRASIL               中土居

IDEMITSU LUBE                   木内

NSK BRASIL                      安積

NTN DO BRASIL                   中野

YUSHIRO DO BRASIL     竹内

YUSHIRO DO BRASIL    上野

在サンパウロ日本総領事館         吉田副領事

JETROサンパウロ                          松平次長

JETROサンパウロ                     古木調査部長

ブラジル日本商工会              村田事務局長

今年2月のセメント販売は前年同月比7.7%減少(2023年3月9日付けヴァロール紙)

全国セメント工業組合(SNIC)の発表によると、経済動向の指標の一つである2023年2月のセメント販売は、前年同月比7.7%減少の440万トンに留まっている。

今年2月のブラジル国内の地域別セメント販売では、北東部地域のセメント販売は14.2%と最も落ち込みが激しく、北部地域のセメント販売も12.4%それぞれ二桁台の落込みを記録している。

今年1月のセメント販売は490万トンを記録した一方で、2月のセメント販売は、営業日数が大幅に減少した影響で前月比10%以上の落ちこみを記録している。2月の1日平均のセメント販売は前月比9.8%減少の22万1,000トンに留まっている。

今年初め2か月間のセメントの累積販売は前年同期比0.9%減少の930万トン、今年2月の過去12カ月間の累積販売は前年同期比2.2%減少の6,260万トン、全国セメント工業組合(SNIC)では、2023年のセメント販売を前年比1.0%増加の6,400万トンと予想している。

全国セメント工業組合(SNIC)では、今年のセメント販売は高止まりするインフレや金利で先行き不透明感が強い一方で、2009年のルーラ政権の経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設”私の家、私の暮らし Minha Casa Minha Vida”の新規プログラムに期待が寄せられている。

 

現在の不透明やブラジル国内の経済シナリオでも、セメント産業は、インフラ整備や住宅建設などを中心に連邦政府の基幹産業プログラム再開如何にかかっていると全国セメント工業組合(SNIC)のPaulo Camillo Penna会長は期待している。

2022/23度の穀物生産は記録更新が予想(2023年3月9日付けヴァロール紙)

国家配給公社(Conab)によると、2022/23年度の穀物生産は、前回予想の3億1,060万トンから3億990万トンに下方修正したにも拘らず、過去最高の穀物生産を記録した2021/22年度を13.8%上回り、記録更新すると予想している。

2022/23年度の大豆生産はブラジルの穀物生産の約50%を占める1億5,140万トンが見込まれており、過去最高を記録した2021/22年度を20.6%上回ると予想されている。

2022/23年度の穀物生産は過去の記録を更新すると予想されているが、南大河州の旱魃の影響を受けて、2月の予想よりも1.0%減少が見込まれているが、トカンチンス州、南マット・グロッソ州、サンパウロ州及びゴイアス州の穀物生産がカバーすると国家配給公社(Conab)のGuilherme Ribeiro総裁は説明している。

2022/23年度の穀物収穫はすべての穀倉地帯で進んでいるものの、2021/22年よりはペースが鈍化している。収穫中の降雨に加えて、ゴイアス州やブラジル新興農業開発地域のマラニョン州(MA)南部、トカンチンス州(TO)東部、ピアウイ州(PI)南部、バイア州(BA)西部の4地区に跨る「マトピバ地域」などのいくつかの地域では、植え付けが遅れていた経緯があった。

Conab によると、植え付けの遅れは 2022/23 年の耕作面積の 63.6% に達し、2 番目のトウモロコシの第2期作の播種に影響を与えると予想されているが、。 それでも、トウモロコシ生産量が 11.3% 増加の9,560 万トンになると予想されている。

2022/23 年のトウモロコシの第1期作生産は前年比6.9%増加の2,676万トン、第2期作を合わせたトウモロコシ生産は10.2%増加の1億2,470万トンが見込まれている。

また今年の棉生産は前年比9.0%増加の278万トンが予想されているが、2月の予想の300万トンを下回ると予想されている。

今年の米生産は昨年の1,020万トンを8.4%減少の990万トンと1,000万トン割れが見込まれている要因として、耕作面積の縮小、南大河州の旱魃の影響が指摘されている。

今年の3期作合わせたフェジョン豆生産は前年比2.4%減少の290万トン、小麦生産は1,050万トンが見込まれている。

電機・情報通信部会懇談会開催

. 電機・情報通信部会(水守 信介部会長)懇談会は、2023年3月8日午後5時から6時30分まで17人が参加して開催、司会は 水守 信介部会長が務め、3月30日開催の部会長フォーラム発表資料作成で意見交換を行った。

テーマ ブラジル経済並びに電機・情報通信業界の2022年下期の回顧と今後の展望について、アンケート結果では、在庫水準の回復、Covidパンデミック落着きによる一部需要回復、部品不足による納期遅延、通貨安の影響、世界的な市況変化によるビジネスへの影響と対策、アフターコロナの働き方、リモートワーク形態状況、アンケートから見る経済展望などについて説明した。

市場概況では、設置機械稼働状況及び工作機械輸入金額傾向、ブラジルの液晶TV、ブラジルのIT全般(モバイル・IoT市場)、ブラジルの5G状況、パブリッククラウド状況、 ブラジルの携帯電話回線契約数推移、ブラジルのブロードバンド回線契約数推移について説明した。

大手卸売りチェーンAssaí社は30億レアルに相当する追加公募増資(フォローオン)を予定(2023年3月8日付けヴァロール紙)

大手卸売チェーンAssaí社は、早ければ今月13日にフランス資本の小売業者Casino社救済のための追加公募増資(フォローオン)の開始を予定。 この取引には約 30 億レアルの資金調達が見込まれており、ブラジルの株式市場が活気を失っている時期に今年の最初の追加公募増資(フォローオン)を行う。

Casino 社の Assaí 社への出資比率の減少でファイナンス強化を図っており、昨年 11 月に行われた追加公募増資(フォローオン)では、Casino はブラジル卸売市場での地位を引き下げるオファーで 26 億レアルの資金を調達していた。

現在、Casino 社はAssaí社 の発行株式の約 30.5% を所有しているが、今回の追加公募増資(フォローオン)が成功すれば、Casino 社の持ち株比率は約 15% に半減する。

しかしAssaí社 のエグゼクティブ プレジデントとしてCasino 社の Belmiro Gomes 氏は継続して経営を主導するが、Casino社 のAssaí社取締役会のメンバーは 2 名に減らされる。

今回のAssaí 社の追加公募増資(フォローオン)を担当する幹事会社は、 BTG Pactual社, Bradesco BBI社, Itaú BBA社並びに JP Morgan社が引き受ける。

昨年11月、幹事銀行は大統領選挙後に行われた追加公募増資(フォローオン)で市場のボラティリティをヘッジするための「フラッシュ」オファーを開始していた経緯があったが、金融市場が落ち着いていない時期でも、外国人投資家を中心に需要が高かった。 .

今年1月の製造業部門の雇用、賃金、労働時間はそれぞれ増加(2023年3月8日付けヴァロール紙)

全国工業連合会(CNI)の調査によると、2023年1月の製造業部門の雇用、給与、労働時間は前月比でぞれぞれ増加を記録した一方で、インフレ指数を差引いた製造業企業の実質売上、労働者の平均所得は減少している。

また今年1月の製造業部門の2022 年 1 月との比較では、雇用率、労働時間、賃金、平均労働者所得は増加した一方で、製造業企業の売上は1.1%減少、設備稼働率も1.5%減少している。

今年1月の製造業部門の実質売上は前月比0.9%減少、前年同月比では1.1%減少、前記同様に実質賃金は0.3%減少、2022年1月からの累計実質賃金は高止まりするインフレ指数で6.6%と大幅に減少している。

過去 5 か月間の製造業部門の雇用は比較的安定しており、昨年 同月比では1.0%増加、賃金は1.5%増加、昨年1 月からの累積賃金レベルでは7.8% 増加。 一方、前記同様労働時間は、 0.5%増加、3.2% 増加している。

今年1月の製造業部門の設備稼働率は前月比同率の79.7%を記録、しかし設備稼働率は前年同月比では1.5%減少している。

男女平等の賃金支払い拒否に対する罰金は、企業支払いの最高給与の10 倍相当。(2023年3月8日付けヴァロール紙)

シモーニ・テべテ予算企画相は、同じ職務を遂行する男性と女性の同一賃金を順守しない会社に対する罰金は、会社が支払った最高給与の 10 倍になると説明した。

ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領 (労働者党-PT) は、毎年3月8日の国際女性デーに、男女間の同一賃金を順守しないブラジル国内の企業に対する罰する法案に署名した。

ルーラ大統領は、女性に対する男性との同一賃金支払いを望まない企業は多く存在するが、女性は能力に見合った賃金を男性同様に得る権利があり、企業経営者には法を確実に遵守するよう司法に監視強化を求めている。

運輸サービス部会懇談会開催

運輸サービス部会(大胡俊武 部会長)懇談会は、2023年3月8日午前10時から11時30分まで13人が参加して開催、進行役は大胡俊武 部会長が務めた。

3月28日開催のフォーラムでの発表資料作成で、参加者はテーマ:「部会による2022年度の振り返り並びに今後の展望」、副題: 「世界的な高インフレの影響を乗り越える」について自社業績の振り返りと展望について発表した。

「海運」、「航空貨物」、「その他の物流」並びに「旅行・ホテル・航空旅客・レンタカー」セグメントについて発表。昨年下期の振り返りでは、コンテナの輸出入数量、完成車輸送、ドライバルク貨物、半導体不足、航空運賃並びに海上運賃の推移、中国のゼロコロナ政策などについて説明した。

今年の展望では、原油高による航空運賃上昇、国内旅客、国際旅客、国内ホテル並びに国内レンタカーの推移、航空旅客の大幅な回復、サントス港民営化の行方などが挙げられた。

参加者は大胡部会長 (MOL)、野口副部会長 (HIS)、保阪氏 (ONE) 、湯原氏 (NYK)、北村氏 (NYK)、谷口氏 (IDL)、行徳氏(K-LINE) 、今安氏(JAL)、坂本氏(全日空)、文岡氏 (QUICKLY TRAVEL)、井上氏(WTB Travel)、広瀬氏(山九)、宍戸領事 (在サンパウロ総領事館)

格付け機関は企業の格付け見直しを加速(2023年3月8日付けヴァロール紙)

今年初め僅か 2 か月で、停滞するブラジル国内の経済活動、高金利、金融市場における流動性の逼迫という致命的な組み合わせに加えて、小売大手のロージャス・アメリカーナ社によって引き起こされた不正会計発覚危機の影響で、企業の信用リスクを測定する格付け機関では、格付け見直しを加速させている。

ムーディーズ(Moody’s Corporation)、スタンダード&プアーズ(Standard & Poor’s)、フィッチレーティングスリミテッド(Fitch Ratings Limited)の3大格付け会社の一つであるフィッチ社は、今年既に昨年と同数に相当する上場企業の格付けを 9 回引き下げている。 ムーディーズでは、昨年の格付けの引下げ企業2 社に対して、今年初め僅か2か月間に既に4 社の格付けが引き下げている。

ロージャス・アメリカーナ社によって引き起こされた不正会計発覚で、今年初めから高いレバレッジに圧迫された企業の支払条件が急速に悪化している様子で、債務の繰り越しが困難なため、状況はさらに悪化し、短期満期の企業の首を絞めている。

ロージャス・アメリカーナ社は、今年1 月に不正会計発覚で会計上の赤字が表面化した後、S&P を含む 3 つの主要なリスク評価機関から格下げに見舞われており、企業の存続危機が表面化している。

今年はより堅調な経済活動は予見されなかったが、クレジット市場の流動性危機により、ブラジル企業の財務健全性に黄信号が灯ったとフィッチ・レーティングス社法人担当エグゼクティブ・ディレクターのリカルド・カルバーリョ氏は指摘している。

フィッチは、COVID-19パンデミックが始まった 2020 年は経済活動への強い影響と多くの不確実性により、9 社の格下げを余儀なくされた。 今年は高金利や先行き不透明な経済活動などで企業の収益増加はあまり見込めないが、問題は、ロージャス・アメリカーナ社の不正会計発覚で、一晩で企業が負債の借り換えをする能力がなくなったこととカルバーリョ氏は指摘している。

ロージャス・アメリカーナ社の不正会計発覚の影響で、信用不足のシナリオがいつまで続くか不透明となっており、より多くの企業が会社更生法に基づく裁判手続きに入ることが予測されている。これは、流動性の供給がほとんどないため、困難な状況にある企業は現金の迅速な保護を求める必要がある。

債権者からの負債返済圧力と格下げを受けて、Azul 社と Gol社 の航空会社は、債務を軽減するための措置を発表。 Azul社は航空機リースの義務を再交渉することに成功し、Gol社はAbra保有を完了したために、バランスシートが改善している。

 

2023年1月~2月にかけて格付け引き下げられた企業及びランク付け