ブラジルの紙・パルプ業界は、ESG実践モデル(2023年1月16日付けヴァロール紙)

技術革新と持続可能性成長に重点を置いて、ブラジルの紙・パルプ業界は変革を遂げ、2029 年までに世界中の業界の売上は約3,700 億ドルに達すると予想されている。

ブラジル国内には18州の540市町村に220社の紙・パルプ関連企業が存在すると26加盟企業のブラジルパルプ・紙技術協会(ABTCP)は説明している。

ブラジルの鉱山エネルギー省(MME)の発表によると、ブラジルの紙・パルプ生産は米国に次いで世界2位で生産量は11.0%以上に達している。また紙・パルプ輸出では世界トップで製紙生産は世界のトップ10に名を連ねている。

持続可能性は、環境、社会的側面、透明性、および管理に関連する優れた慣行を評価する ESG テーマ (環境、社会、およびガバナンス) に沿ったソリューションに対する需要の増加に基づいている。

ブラジルの紙・パルプ業界では資源の利用に関して、生産性、回収、廃棄物の再利用、および水の使用量の削減を積極的に行っており、持続可能な成長及びで高品質で効率的な生産が紙パルプ業界の主な課題であるとことをFalconi Consultores 社のアレシャンドレ・リバス取締役は強調している。

南大河州グアイバ市に2009年からパルプ生産を行っている CMPC Brasil社の Mauricio Harger専務は、46万7,000ヘクタールのユーカリ植林地のうち41%は原生林を維持して、生産チェーン内の環境管理に力を入れていると説明している。

同社では2025年までにパルプ生産のための水資源の25%削減及び埋立地の廃棄物ゼロを目指しており、また、2030 年までに温室効果ガス排出量を 50% 削減し、新たに 10 万ヘクタールの保護地域を追加することを目指している。

不正会計発覚の小売大手ロージャス・アメリカーナスはサプライヤーやマーケットプレイス店子からプレッシャー(2023年1月17日付けヴァロール紙)

不正会計発覚の小売大手「ロージャス・アメリカーナス」は大手サプライヤーや信用保険会社に対して、200億レアルに達する一貫性にかけた不可解な不正会計の対応に追われている。

「ロージャス・アメリカーナス」の最大の収入源であるマーケットプレイスに商品を提供するテナントに対し、運営上の問題から身を守るために代替プラットフォームを探すように指導している弁護士も存在する。

200億レアルに達する不正会計発覚の小売大手「ロージャス・アメリカーナス」のオンライン顧客の大幅な減少の可能性に晒されており、マーケットプレイスは壊滅的な影響を受けると予想されている。

昨日は一日中、商品供給メーカーとその法務部門の間、およびマーケットプレイスの店子と雇用弁護士の間で話合いが持たれたが、同社は浮足立つ顧客対応に追われている。

サムスンなどの耐久消費財業界では、先週の金曜日以降、現金支払い契約を通じて販売を承認するポリシーを採用している企業もでてきている。

国際的な保険会社の中には、既にサプライヤーの保証業務の与信限度額を引き下げた保険会社もあり、 小売業者の支払い問題から身を守るのは保険業界であるため、リスクは保険会社に転嫁される。

Valor社の聞き取り調査によると、Mapfre社 が先週金曜日に同社の営業枠を削減し、何時でも商品供給停止の体制を敷いている。LG社、Motorola社、Samsung社の保険会社も同じ体制を採用している。

農畜産物の国際コモディティ価格の高騰で2022年のブラジルの貿易収支黒字は記録更新(2023年1月16日付けヴァロール紙)

2022年のブラジルの貿易収支は、農畜産物の国際コモディティ価格上昇が牽引して2021年の614億ドルを僅かに上回る618億ドルに達し、過去最高となる記録を更新している。

昨年のブラジルの輸出金額は前年比19.1%増加の一方で、輸入金額は24.3%増加したが、鉱業部門の貿易黒字幅は前年比減少、また製造業部門の赤字は増加している。

ゼツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(FGV/Ibre) の貿易指数(Icomex)調査によると、今年のブラジルの輸出金額及び輸入金額、貿易収支黒字はそれぞれ前年割れが予想されている。

2022 年の GDP伸び率は農畜産部門の国際コモディティ価格低下はGDP伸び率の足枷となっているが、農畜産部門の貿易収支は前年の465億ドルから658億ドルに増加している。また昨年の鉱業部門の貿易収支黒字は前年の630億ドルから455億ドルと約180億ドル減少を記録している。

昨年の製造業部門の輸出シェアは全体の55.7%を占めた一方で、鉱業部門は22.8%、農畜産部門は21.3%を占めている。また昨年の製造業部門の輸出金額シェアは全体の25.2%、鉱業部門4.7%、製造業部門は25.2%を占めている。

昨年の農畜産部門の国際コモディティ価格は34.0%増加、輸出量は僅か2.6%増加、前記同様に製造業部門は15.7%増加、8.0%増加、鉱業部門はマイナス0.4%、マイナス3.5%であった。

昨年のブラジルの輸出を牽引したのは大豆、続いて原油、鉄鉱石であったが、鉄鉱石輸出は輸出量並びに輸出金額ともにマイナス35.3%を記録していた。昨年はロシアによるウクライナ侵攻、気候変動問題に関連する農産物供給問題による農産物の価格が上昇、鉱業部門では、世界的な鉄鉱石需要の不振を受けて価格と輸出量が後退。 製造業部門の貿易赤字は、2009 年以降継続している。

2023年の世界経済は前年を下回る予想で、ブラジルのGDP伸び率は1.0%以下が予想されており、輸出及び輸入ともに前年割れが予想されている。

今年のブラジルの農産物輸出は、中国向けに左右されるが、中国のCOVID-19ゼロ政策の終焉で、今年の中国のGDP伸び率は5.0%前後が予想されている。

 

最終フォーカスレポートは、今年のGDP伸び率を若干下方修正(2023年1月16日付けヴァロール紙)

16日のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートは、今年のGDP伸び率を前回予想の0.78%から0.77%と若干下方修正している。

また2024年のブラジルのGDP伸び率は前回同様に1.50%に据え置いている。一方2022年のGDP伸び率は前回予想の3.03%から3.02%に微修正している。2022年のブラジルの正式なGDP伸び率及び昨年第4四半期のGDP伸び率は3 月 2 日にブラジル地理統計院(IBGE)から発表される。

2023年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前回予想の5.36%から5.39%と若干上方修正されたが、2024年の IPCA指数は3.70%に据置、2025年は3.30%から3.50%に上方修正されている。

今年末の政策導入金利(Selic)は前回予想の12.25%から12.50%に上方修正されたが、2024年末のSelic金利は9.25%に据置、2025年末のSelic金利は8.00%から8.25%に上方修正されている。

今年の連邦政府のIPCA指数の中央目標値は3.25%、2024年及び2025年は3.00%、許容範囲は±1.50%に設定されている。また今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$5.28%に据置、2024年末及び2025年末のドルの為替はR$5.28に据え置かれている。

的中率の最も高いトップ5の今年末のIPCA指数は5.12%から5.44%と大幅に上方修正された一方で、2024年末のIPCA指数も3.45%から3.47%に若干上方修正された一方で、2024年末のIPCA指数は3.18%から3.00%に下方修正されている。

またトップ5の今年末のドルの為替は前回予想のR$5.25からR$5.40、2024年末はR$5.26からR$5.41、2025年末はR$5.30からR$5.65に修正されている。

 

2022年11月のブラジル国内の鉱工業部門は調査対象の15地域のうち6地域でマイナスを記録(2023年1月13日付けヴァロール紙)

13日のブラジル地理統計院(IBGE)の地域別鉱工業部門生産調査(PIM-Regional)によると、2022年11月のブラジル国内の調査対象の15地域のうち6地域で前月比マイナスを記録している。

昨年11月のブラジルの鉱工業部門生産は前月比マイナス0.1%微減、地域別ではパラー州は前月比マイナス5.2%、ペルナンブーコ州はマイナス2.0%、南大河州はマイナス1.3%、リオ州マイナス0.9%、ゴイアス州はマイナス0.3%を記録している。

ブラジル全国の鉱工業部門を牽引する昨年11月のサンパウロ州の鉱工業部門生産は前月比3.1%増加、前年同月比7.3%増加、昨年11月の過去12カ月間の累積鉱工業部門生産はマイナス0.4%を記録している。

一方昨年11月の鉱工業部門生産が増加したのは、パラナ州の8.5%増加、エスピリット・サント州7.6%、セアラー州4.3%、マット・グロッソ州3.8%、バイア州3.5%、ミナス州2.2%、サンタ・カタリーナ州0.3%、アマゾナス州は0.1%それぞれ増加を記録している。

また昨年11月の鉱工業部門生産の前年同月比の比較では、調査対象の15地域のうち5地域で増加を記録、特にサンパウロ州は7.3%増加、リオ州6.0%、ミナス州4.7%、ゴイアス州4.2%、アマゾナス州1.8%それぞれ増加、ブラジル平均は0.9%増加であった。一方減少したのはパラー州はマイナス16.5%、パラナ州マイナス12.2%とそれぞれ二桁台の減少を記録している。

2022年11月のブラジルの鉱工業部門生産の地域別比較表

昨年11月の経済活動指数(IBC-Br)は、前月比マイナス0.55%と予想以下 (2023年1月13日付けヴァロール紙)

13日中銀発表の2022年11月のGDP伸び率の先行指標となる経済活動指数(IBC-Br)は、前月比マイナス0.55%と金融市場の予想を下回り、4カ月連続でマイナスを記録している。

昨年11月の経済活動指数(IBC-Br)は前月比マイナス0.55%と8月のマイナス1.21%、9月のマイナス0.11%、10月のマイナス0.28%に続いて4カ月連続で前月比を下回っている。

Valor Data社の昨年11月の経済活動指数(IBC-Br)の最低予想はマイナス0.60%、最高予想は±0.0%、平均予想はマイナス0.20%と実際のマイナス0.55%を上回っていた。

昨年11月の経済活動指数(IBC-Br)は前年同月比1.65%増加、昨年初め11か月間の累積経済活動指数(IBC-Br)は前年同期比3.15%増加、昨年11月の過去12カ月間の累積経済活動指数(IBC-Br)は3.26%増加を記録している。

IBC-Br の計算方法は、ブラジル地理統計院(IBGE) が計算する国内総生産の計算方法とは異なり、毎月の頻度の BC 指標は、経済活動の進化をより頻繁にモニタリングすることを可能にし、四半期ごとの頻度の国内総生産 (GDP) は、より包括的な状況を説明している。

2021年11月~ 2022年11月までの月間経済活動指数(IBC-Br)の推移

 

 

小寺勇輝会頭が新年祝賀会に参加

2023年1月13日午後7時から文協で、在サンパウロ日本国総領事館をはじめ、日系主要5団体(文協、援協、県連、アリアンサ、会議所)の他日系団体から150人が参加して新年祝賀会を開催、商工会議所から小寺勇輝会頭が参加、更なる日系社会との関係強化を強調、万歳三唱を行った。

 

 

今年1月の製造業部門の企業経営者は景況感指数(Icei) は4カ月連続で低下(2023年1月12日付けヴァロール紙)

製造業部門の企業経営者対象の全国工業連盟(CNI)調査によると、2023年1月の企業経営者の景況感指数(Icei) は、昨年12月の50.8ポイントから48.6ポイントと前月比マイナス2.2%と大幅な落ち込みを記録している。

今年1月の企業経営者の景況感指数(Icei)は、景気判断の分岐点となる50ポイントを割込む48.6ポイントに減少したのは、2020年7月以降では初めて分岐点の50ポイントを割込んでいる。

今年1月の企業経営者の景況感指数(Icei)の48.6ポイントは、1年前の昨年1月の56.0ポイントと比較して7.4ポイントの大幅な企業経営者の景況感指数(Icei)の悪化が鮮明になっている。

企業経営者の景況感指数(Icei)は、過去 6 か月間のブラジル経済に関するビジネスマンの認識を測定する現状景況感指数(ISA)と、次の6か月間の企業経営者の景況感見通し指数(IE) の2 つの指標で構成されている。

今年1月の現状景況感指数(ISA)が2ポイント低下して48.3ポイントとなり、50ポイントの分岐点を下回ったのは、過去6か月と比較して製造業部門の企業経営者の現状景況感が悪化し始めたことを示している。

また今後6か月間の企業経営者の景況感見通し指数(IE) は、2.2ポイント低下して48.8ポイントとなり、50ポイントの分割点を下回ったため、今後6か月間の景況感は楽観的から悲観的に転換している。

企業経営者の景況感調査は、製造業部門活動の動きを予測することを目的としているため、企業経営者の信頼感を測定することは業界の道しるべとなるために、先行き楽観的な見方をしている企業経営者は製品の増産、雇用増加、投資を増加する傾向がある。

一方、先行き悲観的な企業経営者は、生産を控えて在庫調整にも直し、新規雇用や増産に対する投資には非常に慎重に成ると成るとCNI経済分析マネージャーのマルセロ・アゼベド氏は指摘している。

2023年度のブラジルの穀物生産は前年比12.6%増加で記録更新予想(2023年1月12日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)では、2023年度のブラジルの穀物生産量は前年比12.6%と二桁増加の2億9,620万トンを見込んで過去最高の記録更新を予想している。2023年度のブラジルの穀物生産量は前年比3,310万トン増加が予想されているにも拘らず、前回予想は僅か0.8%増加に留まっていた経緯があった。

ブラジルの穀物生産を牽引する今年の大豆生産は前年比24.1%の大幅増加を見込んでおり、増産量は2,880万トンに達すると予想されている。また大豆と共に穀物生産を牽引する今年のトウモロコシの第1期作の生産は16.2%に相当する410万トン増加予想されているが、2022年は南部地域及び南マット・グロッソ州の旱魃で大きな影響を受けていた経緯があった。

また今年のトウモロコシの第2期作の生産は2.5%に相当する210万トンの増産予想、原綿は1.3%に相当する5万3,900トンの増産、ソルガム黍は5.3%に相当する15万200トン増産予想、フェジョン豆の第1期作の生産は3.7%に相当する4万300トンの増産が見込まれている。

一方2023年度で減産が予想されているのは米生産は前年比マイナス3.4%に相当する36万トンの減産予想,フェジョン豆の第2期作はマイナス9.9%に相当する13万2,600トンの減産、フェジョン豆の第3期作もマイナス1.0%に相当する6,600トンの減産、小麦生産はマイナス16.2|%に相当する162万6,000トンの大幅減産が予想されている。

ブラジル地理統計院(IBGE)の2022年度の穀物生産の最終予想では前年比3.9%に相当する1,000万トン増加の2億6,320万トンが見込まれているが、大豆、トウモロコシ及び米生産量はブラジル穀物生産の91.4%を占め、また耕作面積は全体の87.0%を占めている。