今年5月の正規雇用の失業者は33万1,901人(2020年6月29日付けヴァロール紙)

就労・失業者管理センター(Caged)の発表によると、新型コロナウイルスのパンデミック危機の影響で、2020年5月の労働手帳に記載される正規雇用形態の失業者は33万1,901人増加している。

今年5月の正規雇用形態の解雇者総数は103万5,822人、新規雇用総数は70万3,921人、今年初め5か月間の新規雇用総数は576万6,174人に対して、解雇総数は691万1,049人、累積失業者は114万4,875人に達している。

Valor Data社の16社の金融機関やコンサルタント会社対象の調査によると、今年5月の解雇総数は新規雇用総数を89万1,170人上回ると予想されていたが、統計を取り始めた1992年からでは最悪の失業者数を記録した4月の90万2,841人を下回った。

5月の正規雇用の失業者は4月よりも減少して、連邦政府による雇用維持のための緊急救済策が功を奏していると経済省労働・社会保障担当のBruno Bianco特任長官は合格点を与えている。4月の正規雇用は前月比14.0%増加したと付け加えている。

就労・失業者管理センター(Caged)の発表によると、今年5月の雇用調査5部門のうち4部門で失業者が増加、鉱工業部門はマイナス9万6,912人、建設業部門はマイナス1万8,758人、商業部門はマイナス8万8,739人、サービス業部門はマイナス14万3,479人、唯一農畜産部門の正規雇用は1万5,993人増加している。

また5月の地域別の雇用調査では、ブラジル全国で33万1,901人が失業、南東部地域はマイナス18万466人、南部地域マイナス7万8,667人、北東部地域5万272人、中西部地域マイナス1万2,580人、北部地域はマイナス1万151人を記録している。

27州別比較では、唯一アクレ州が1,127人の正規雇用増加、最も失業者が多いのはサンパウロ州のマイナス10万3,985人、リオ州マイナス3万5,959人、ミナス州はマイナス3万3,695人であった。

2017年11月11日から施行された新労働法で労働形態が承認されている断続的(intermittent)な新たな雇用形態の5月の新規雇用は9,617人、解雇は7,212人で2,405人の断続的雇用の増加となっている。

また今年5月の新たな雇用形態のパートタイムスキームによる新規雇用は5,772人、解雇は1万1,453人で、パートタイムスキーム雇用はマイナス5,681人を記録している。

5月の中央政府の財政プライマリー収支赤字は1,260億レアルで過去最悪を記録(2020年6月29日付けエスタード紙)

COVID-19パンデミック危機の影響でブラジルの国内経済縮小による歳入減少の一方で、地方政府や企業や労働者救済のための膨張一方の歳出の影響で、中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支は、過去最悪の赤字を計上している。

2020年5月の中央政府の財政プライマリー収支は、1,266億900万レアルの赤字を計上、統計を取り始めた1997年以降の月間赤字としては過去最悪の赤字計上を記録している。経済省では2020年の中央政府の財政プライマリー収支は、失業者や非正規雇用向け救済政策が延長されれば今年の許容目標赤字1,241億レアルを遥かに上回る8,000億レアルの赤字に達する可能性を余儀なくされている。

今年5月の中央政府の財政プライマリー赤字は、過去最高の赤字を記録していた4月の929億200万レアルを上回ると予想されていた。国庫庁のマンスエット・アラメイダ長官は、COVID-19パンデミック危機対応の緊急救済措置向けの歳出拡大で今年第2四半期の財政プライマリー赤字は過去最高になると予想している。

COVID-19パンデミックによる外出自粛要請や必需品以外の営業自粛などに伴って、3月末から地方政府(州・市)の税収による歳入は減少を続けており、今年5月の地方政府の歳入総額は、国庫庁による税徴収の先送りも一因となって前年同月比36.9%減少している。

また国庫庁の緊急救済措置などの534億レアルに達する臨時歳出で、今年5月の歳出総額は前年同月比68.0%に達している。Austin Rating社チーフエコノミストのAlex Agostini氏は、5月は社会保障院INSSの13か月目サラリーの前払いの要因で、今年の財政プライマリーの最悪の赤字で底を打ったと予想している。

また今後6か月間の財政プライマリーの平均月間赤字は620億レアルになると予想している。今年初め5か月間の財政プライマリー赤字は2,224億6,800万レアルで記録更新したが、公的機関の債務回収、司法上の支払い命令が出されている個人や法人向けなどのプレカルトリオの200億レアルの支払いの先送りをしている。今年初め5か月間の国庫庁の歳入総額は前年同期比14.2%減少、歳出総額は20.8%増加している。

今月28日までの国庫庁の公式な今年の財政プライマリー赤字はGDP比9.5%に相当する6,760億レアルであったが、マンスエット長官は、緊急救済プログラムの延長で、今年の財政プライマリー赤字はGDP比11.5%の修正を余儀なくされている。

回章 CIR-050/20  2020年度第3四半期会費の支払期限猶予について

                           CIR-050/20
                           2020年6月30日
会員各位
                           ブラジル日本商工会議所
                           会頭 村田 俊典
                           財務委員長 福元 信義

          2020年度第3四半期会費の支払期限猶予について

前略

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、新型コロナウイルスの終息が一向に見通せない中、雇用維持政策をはじめ事業継続戦略の見直し等々が余儀なくされ、皆様におかれましては日々大変ご苦心されているものと察します。
かかる状況下、今般のパンデミックが会員の皆様に与える影響を少しでも軽減すべく、先般の常任理事会において、「来る第3四半期(7~9月)の会費のお支払いは第4四半期(10~12月)の会費分と纏めて10月にお支払い頂く」との緊急措置が承認されましたのでご案内申し上げます。

 

 

今年5月のディーゼル燃料消費は回復傾向(2020年6月29日付けヴァロール紙)

新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、今年4月のディーゼル燃料消費は底を打ち、5月からは回復傾向を示しているもののパンデミック以前のレベルには達していないとブラジル石油監督庁(ANP)の統計は示している。

穀物の収穫期による農業部門の国内輸送並びに輸出向けトラック輸送が牽引して、今年5月ディーゼル燃料消費は回復傾向になっていると燃料配給業界3位のRaízen社のCláudio Oliveira取締役は説明している。

農産部門のトラック輸送が牽引してガソリンポストのディーゼル燃料販売を牽引している一方で、製造業部門向けトラック輸送は依然としてパンデミック以前のレベルに達していない。5月のディーゼル燃料販売は3月末以前の水準に近付いたが、6月は穀物の輸出増加で更に上昇して、パンデミック以前のレベル近づくとOliveira取締役は予想している。

BR社並びにIpiranga社に次いでブラジル国内のディーゼル燃料販売で17.7%のマーケットシェアを擁しているRaízen社のCláudio Oliveira取締役は、北部地域並びに北東部地域でのディーゼル燃料需要は増加しているが、COVID-19パンデミック対応の外出自粛要請で、都市の公共交通機関のディーゼル燃料消費が僅かに回復したが、今後数か月間は継続して消費低迷すると予想している。

ディーゼル燃料販売で28.9%のトップシェアを誇るBR社の4月のディーゼル燃料販売は、今年第1四半期の平均を5.0%下回っていたが、5月は3.0%上回った。6月は3月並みになると予想している。

ブラジル国内の98%の石油・天然ガスの精油能力を擁するペトロブラス石油公社のAnelise Lara取締役は、今年5月のディーゼル燃料販売は32億リットルとパンデミック前の水準に回復していると説明している。

今年5月のディーゼル燃料消費は前月比8.7%増加したが、前年同月比では9.0%減少、今年第1四半期比では3.5%減少、今年5月の石油派生品販売は43億6,100万リットルに達している。

(You Tube)法律13,988/2020の税制に関するWEBセミナー

Covid-19パンデミック対応の法律13,988/2020では連邦税務当局と納税者の間の税務取引を実施。法律と一部の取引モダリティはすでに規制されており、分割払いと関連する割引で納税者が支払うことができる税債務の再交渉の可能性を提供している

Assista ao vídeo clicando AQUI   視聴回数 59回 (7月16日現在) 

講演者はSouto Correa Advogados弁護士事務所税制担当のPedro Demartini弁護士
Telefones: (55 11) 3530-8402 / 9 9221-4915    
E-mail: pedro.demartini@soutocorrea.com.br
 

Pedro Demartini (Foto: Divulgação)

(ZOOM)企画戦略委員会についてのウェブ会議開催

2020年6月29日16時から、企画戦略委員会についてのウェブ会議が開催された。2015年~2019年にかけての同委員会の活動実績や今後の新しいコロナ環境下での取り組みなどについて意見交換が行われた。

参加者は村田俊典会頭(双日)、大久保敦元企画戦略委員長(ジェトロ・サンパウロ)、吉田企画戦略委員長(住友商事)、市川鉄彦企画戦略副委員長(住友商事)、中谷 芳子氏(住友商事)、平田事務局長。

 

事務局便り JD-101/20 新型コロナウイルス関連(サンパウロ州政府による発表)

                                                                               JD-101/20
                                                                               2020年6月29日
会員企業各位
                                                                               ブラジル日本商工会議所
                                                                               事務局
下記の通り新型コロナウィルスに関する情報を在サンパウロ総領事館より頂きましたので会員企業の皆様へ共有させていただきます。
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—–Original Message—–
From: 在サンパウロ日本国総領事館 [mailto:sp@mailmz.emb-japan.go.jp]
Sent: Friday, June 26, 2020 8:00 PM
To: secretaria@camaradojapao.org.br
Subject: 新型コロナウイルス関連(サンパウロ州政府による発表)

6月26日(金),サンパウロ州政府は,7月14日(火)まで不要不急の商業活
動を規制する政令(「quarentena(クアレンテーナ)」(注))を延長することを発
表しました。

(注)同措置は3月24日(火)から実施され,今回で6回目の延長(前回の発表で
は6月28日(日)まで延長)。医療,治安,清掃,食料品(スーパーマーケット
等),燃料供給,銀行,公共交通機関等の必要不可欠なサービスは継続。実質的な外
出自粛要請。なお,6月1日より,サンパウロ州政府が策定した経済活動再開計画
(Plano Sao Paulo)に基づき,州内各地域において,経済活動の段階的再開が開始
している。

【問い合わせ先】
在サンパウロ日本国総領事館 領事部
電話 (55-11)3254-0100
メール cgjassist@sp.mofa.go.jp

※「たびレジ」簡易登録された方でメール配信を停止したい方は、以下のURLから停
止手続きをお願い致します。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/simple/delite 
 ※ ご帰国,他国に転居等されておられ,帰国(転居)届がお済みでない場合は,誠
に恐れ入りますが,以下のとおり手続きをお願いします。

<帰国>
紙で在留届を提出された方は,当館にFAX,メール等で帰国届を提出して下さい。
ORRnetを利用されている方は以下のURLから手続きをお願いします。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html

<転居>
最寄りの在外公館に紙で提出するかORRnetを利用して在留届の提出をお願いしま
す。

Sigma社は8月からリチウム鉱開発に着手、2022年から生産開始予定(2020年6月29日付けヴァロール紙)

Sigma Mineração社は、電気自動車用バッテリーに使用するリチウム鉱開発プロジェクト向け資金として、Société Générale銀行から4,500万ドルの調達に成功した。ミナス州のリチウム開発プロジェクトの投資総額は7,400万ドルが見込まれている。

ミナス州のリチウム鉱山はヴァーレ・ド・ジェキンチーニョニャ(Vale do Jequitinhonha)地域のイチンガ市で、鉱山開発プロジェクトの今年8月から300人の従業員で着手する。Société Générale銀行の4,500万ドルのクレジットは、 green project financeとして世界的パイオニアファンディングとなり、電気自動車向けバッテリー材料では初めてのケースとなる。

Société Générale銀行のクレジット条件として、金利はLiborプラス5%、返済期間は6年で支払い開始猶予は2年。リチウム鉱開発として、環境問題重視であり、鉱滓用ダムの建設が不要で開発用水資源の95%の再利用、重化学製品の不使用、地方自治体の税収並びに雇用増加が見込まれている。

電気自動車(EV)やスマートフォン向け電池の主要原材料であるリチウムをめぐって世界中で争奪戦が展開されており、合わせて世界の約4分の3を産出するリチウム原料大国のオーストラリアとチリがそれぞれリチウムの精製や製造工場の誘致を展開している。ブラジル国内ではリチウム鉱開発でSigma社並びにドイツ資本AMG社が開発プロジェクトを擁している。

2017年のブラジルのリチウム埋蔵量は世界の僅か0.33%であったが、カナダ資本Sigma Lithium Resources社のブラジルの子会社Sigma社のミナス州内の調査進展で、ブラジルのリチウム埋蔵量は世界の8.0%が見込まれている。

ミナス州のリチウム鉱開発プロジェクトの操業開始は2021年12月で年間のリチウム鉱生産は3万3,000トン、2025年の世界の年間のリチウム鉱生産は65万トンが見込まれている。

今年5月のクレジット部門の平均延滞率は3.2%に減少(2020年6月26日付けヴァロール紙)

2020年5月のブラジルの銀行システムのクレジット部門の平均延滞率は、前月の3.3%から0.1%減少の3.2%となっている。またブラジルの銀行の平均クレジット金利は、4月の21.5$から5月は20.4%、5月の過去12か月間では4.5%減少している。

今年5月の法人向けクレジット金利は、前月の12.9%から12.00%に減少、個人向け平均金利は、前月の27.2%から26.2%と1.00%の大幅な減少を記録している。

今年5月の貸付先を自由選択できる自由クレジットの平均金利は4月の31.3%から5月は29.5%、そのうち個人向けクレジットの平均金利は44.6%から42.7%と1.90%減少、法人向けクレジットの平均金利は15.7%から14.2%と1.50%減少を記録している。

また銀行のクレジット向け平均スプレッド金利は4月の17.2%から16.4%と0.80%減少、そのうち個人向けクレジットの平均スプレッドは、4月の22.9%から5月は22.1%に減少、法人向けクレジットの平均スプレッドは4月の8.6%から5月は8.1%に減少している。

銀行システムのクレジット部門の平均延滞率は4月の3.3%から5月は3.2%に減少、そのうち法人向けクレジット部門の平均延滞率は2.3%で変わらず、個人向けクレジット部門の平均延滞率は4.0%から3.9%と僅かに減少している。

前期同様に自由クレジット部門の平均延滞率は4.0%で変わらず、そのうち個人向けは5.5%で変わらず、法人向けは2.4%となっている。大型プロジェクト部門向けの低金利で貸付先が限定されているクレジット部門の平均延滞率は、4月の2.3%から2.1%に減少している。

事務局便り JD-100/20 第6回ブラジル等における新型コロナ対応状況(報告会)

                                                                           JD-100/20
                                                                           2020年6月26日
会員各位
                                                                           ブラジル日本商工会議所 事務局

ジェトロサンパウロ事務所より「ブラジル等における新型コロナ対応状況(報告会)」のご案内を別添の通りいただきましたのでお知らせ申し上げます。
皆様奮ってご参加ください。
________________________________________
2020年6月26日
第6回ブラジル等における新型コロナ対応状況(報告会)
主催:ジェトロサンパウロ
協力:在サンパウロ日本総領事館、ブラジル日本商工会議所

コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、ブラジル政府、州政府・自治体の取組や対策等は日々動いており、各社様もウオッチされていることと存じます。ジェトロでは、今後定期的にブラジル連邦政府、州政府、サンパウロ市などの動きや各国の経済動向等について共有・勉強する会を開催します。また皆様の要望もお聞きしながら他国の動きや企業動向に関するテーマについても併せてご案内します。

•      原則毎週水曜日9時30分~(40分~1時間程度)

•      第6回 7月1日(水)9:30~ 『チリにおける新型コロナウイルスの影響』

•      報告予定者: ジェトロ・サンチアゴ 所長 佐藤 俊平

•      開催ツール:ZOOM 第6回アクセス先は以下↓:

•      https://us02web.zoom.us/j/89862440608?pwd=UnlkNXpZSC9XcnRPcWx5VXNqcFNBZz09
※こちらのアクセス先は会員企業様のみにご案内しております。ご転送はお控えください。
【お願い】:アクセス時の表示名につき、お名前と所属先がわかるようにご表示ください。表示例:山田@JETRO

•      第7回 7月8日(水)9:30~  (予定)
事前のご質問事項等あれば、infosao@jetro.go.jp  宛にご連絡ください。