中銀は今年のクレジット総額を前年比7.6%増加に上方修正(2020年6月25日付けヴァロール紙)

中銀が6月25日に発表した四半期インフレレポート(RTI)によると、今年の個人並びに法人向けクレジット総額は、COVID-19パンデミックの影響で特に法人向けクレジットが牽引して前年比4.8%増加から7.6%増加に引き上げている。

今年3月の四半期インフレレポート(RTI)では、今年の法人向けクレジット総額は前年比0.6%増加であったが、COVID-19パンデミック影響で前年比10.0%増加に上方修正を余儀なくされていた。

采配自由な法人向けクレジットは、3月下旬から急上昇して既に59.6%増加している。中銀では、今年の個人向けクレジット総額は、COVID-19パンデミック影響で歳入減少や失業率増加、負債増加などの要因で前年比7.8%増加から5.8%増加に下方修正している。

また中銀では今年の自由采配できるインフレ指数を考慮しない名目クレジット総額は前年比8.2%増加から10.6%増加に上方修正した一方で、今年の低金利の大型プロジェクト向けクレジット総額は前年比3.5%増加に据え置かれている。

COVID-19パンデミック危機で、必需品以外の製造業部門や小売部門、サービス部門従事者が時短やサラリーカットなどで個人向けクレジット部門は大きな影響を受けている。負債の分割や先払い交渉を余儀なくされている。

 

事務局便り JD-099/20 民間企業による検査の実施に関するサンパウロ州政府の発表

                                                                              JD-099/20
                                                                              2020年6月26日
会員企業各位
                                                                             ブラジル日本商工会議所
                                                                              事務局

下記の通り民間企業による検査の実施に関するサンパウロ州政府発表の情報を在サンパウロ総領事館より頂きましたので会員企業の皆様へ共有させていただきます。
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—–Original Message—–
From: UEDA MOTONORI [mailto:motonori.ueda-2@mofa.go.jp] 
Sent: Thursday, June 25, 2020 3:27 PM
To: Câmara Japonesa <secretaria@camaradojapao.org.br>
Cc: NAKAMURA REIKO <reiko.nakamura@mofa.go.jp>; NAKANO NAOKI <naoki.nakano-2@mofa.go.jp>
Subject: 民間企業による検査の実施に関するサンパウロ州政府の発表につきまして

ブラジル日本商工会議所事務局 御中

いつもお世話になっております。
在サンパウロ総領事館の上田です。

サンパウロ州政府は,民間企業による新型コロナウイルスの検査の実施を推奨する旨を発表いたしました。

詳細については以下のサンパウロ州政府のサイトを御覧いただければと存じますが,検査を実施した企業を登録し,証明書を発行するプログラムを開始するそうです。https://www.saopaulo.sp.gov.br/noticias-coronavirus/governo-de-sao-paulo-lanca-certificado-de-testagem-para-o-setor-privado/

御関心のある企業様は少ないかもしれませんが,当地進出日本企業も対象になるようですので,御参考情報として,会員企業様に対して本件について周知をしていただくことはできませんでしょうか。

どうぞ宜しくお願いいたします。

上田 拝

(ZOOM)第5回新型コロナ対応状況説明会の後編オフ報告会開催

第5回新型コロナ対応説明会は講師としてコンサルタント部会の吉田幸司部会長を迎えて、『2020年度第1四半期決算発表からみる新型コロナウイルスのブラジル企業への影響』と題して、2020年6月24日に59人が参加して開催、非常に興味ある内容で時間が足りないぐらい大盛況であった。多くの参加者からの要望で、その特別編として6月26日午後7時から9時30分まで7人が参加して開催、吉田幸司講師が後編を詳しく説明後に、参加者全員が反省会を含めて、次回の向けたテーマについても懇談した。今後、このような懇談会を企画することでさらに報告会が盛り上がるのは確実と思われる懇談会となった。

 

ブラジルとメキシコはトラック・バスで自由貿易協定で暫定的政治合意に達した(2020年6月25日付けヴァロール紙)

25日ブラジルとメキシコは、トラック並びにバスの自由貿易協定で暫定的な政治的合意に達したが、完全な貿易関税撤廃は2023年7月1日からと3年間先送りとなった。しかし政治的な合意で自由貿易協定発効すれば今年下半期から徐々に貿易関税の引き下げが予定されている。

ブラジルとメキシコの両国はトラック・バスの自由貿易協定開始を2020年7月1日を目標に交渉してきた経緯があった。ブラジル政府並びにメキシコ政府は昨年3月に自動車自由貿易協定にサイン、両国で現地生産している自動車メーカーは、輸入枠や輸入税などの貿易障害が一切ない自動車貿易が可能となっていた。

ブラジルとメキシコは2002年に自動車貿易協定を締結、2015年に最後の見直しが行われたが、輸入枠制度の5年間の延長、2018年3月からの1年間の輸入枠は両国とも17億ドルであった。

メキシコからの輸入自動車は、ブラジルの輸出向け自動車よりも付加価値の高い自動車が大半、一方ブラジルからメキシコ向け輸出として、Gol車並びにUP車などの低価格の大衆向け自動車輸出が大半を占めている。

政治的合意のトラック並びにバスの自由貿易協定が7月1日から発効すれば20%の貿易関税の削減、2021年7月1日から40%、2022年7月1日から70%の貿易関税の削減、2023年7月1日から免税となる。重量車両向けパーツは発効と共に免税が予定されている。

米中貿易摩擦や新型コロナウイルスのパンデミック危機のラテンアメリカ地域の貿易大国のブラジル並びにメキシコの自由貿易交渉の進展は、世界及び地域経済活性化に寄与すると貿易局のLucas Ferraz局長は強調している。

2019年のブラジルとメキシコの自動車関連貿易総額は38億ドルに達していた。トラックやバスの両国間の自由貿易協定締結で、今後数年間にブラジルからメキシコへのトラックやバスなどの重量車両の輸出拡大が期待されている。

上院議会は上下水道関連のフレームワーク改正を承認(2020年6月24日付けエスタード紙)

24日夜、上院議会では上下水道関連の新規則となるフレームワーク改正を賛成65票、反対13票で承認、COVID-19パンデミック終焉後の経済回復を先導する非常に重要な法案承認と期待されている。

上院議会では、下院で承認された新規則の最も重要な背骨に相当するテキストの内容変更は行われず、ジャイール・ボルソナロ大統領のサインを待つだけとなった。

今までは州政府や市町村の各自治体は入札をせずに、上下水道サービスを提供する州公社と契約することが可能だったが、新しい法的フレームワークは州政府、市町村などの地方自治体が上下水道の整備事業運営をするに当たり、民間事業者と契約することを後押しする新しいフレームワークとなる。

今回のフレームワーク改正で上下水道サービス事業に民間企業の事業参入が容易となり、連邦政府では投資総額を5,000億レアル~7,000億レアルに達すると胸算用している。また上下水道サービス事業の法令改正で今後5年間に100万人の雇用創出につながり、ブラジル国内の経済回復の牽引車になると太鼓判を押している。

今回の上下水道の新規則は州政府などの水道公社と30年間以上に亘って契約更新が容易にできていた経緯があったが、契約更新は2022年3月までに制限され、来年から上下水道公社の民営化に拍車が掛かると予想されている。

今回の上下水道のフレームワーク改正で、2033年までにブラジルの人口の99%に対して水道の普及、現在46%に留まっている下水道整備の普及率を90%に引き上げる。南東部地域の下水道整備の普及率は79%に達している一方で北部地域は僅か10.5%に留まっている。

今年5月の経常収支黒字は予想を下回る13億ドルに留まる(2020年6月24日付けヴァロール紙)

中銀の発表によると、2020年5月の経常収支は13億2,600万ドルを計上したにも関わらず、中銀は31億ドルの黒字を予想していた。昨年5月の経常収支は13億8,500万ドルの赤字を計上していた。

今年初め5か月間の経常収支は、前年同期の183億3,800万ドルの赤字から一転して113億3,400万ドルの黒字を計上している。今年6月の経常収支は20億ドルの黒字を中銀では予想している。今年5月の過去12か月間の経常収支は、GDP比2.54%に相当する424億4,700万ドルの赤字を計上したが、今年4月のGDP比2.63%の赤字を下回った。

中銀の3月に発表した四半期インフレレポート(RTI)では、2020年の経常収支はGDP比2.5%に相当する410億ドルの赤字を予想していた。明日発表の四半期インフレレポート(RTI)では、今年第2四半期の経常収支予想を発表する。

今年5月の海外投資家による対内直接投資額は、25億5,200万ドルと予想の15億ドルを大幅に上回っている。昨年5月の対内直接投資額の82億6,400万ドルの1/3以下に留まった。

また今年初め5か月間の海外投資家による対内直接投資額は、205億9,500万ドルと昨年同期の316億5,900万ドルを100億ドル以上下回っている。

今年5月の過去12か月間の海外投資家による対内直接投資額は、GDP比4.04%に相当する674億9,500万ドルと4月のGDP比4.27%から減少しているが、5月の過去12か月間の経常収支赤字のGDP比2.54%を充分カバーする対内直接投資額となっている。中銀が3月に発表した四半期インフレレポート(RTI)では、2020年の対内直接投資額はGDP比5.6%に相当する600億ドルを見込んでいる。

今年5月の海外投資家によるブラジル国内の金融投資残高はマイナス15億5,000万ドルと4月の80億3,800万ドルに続いて2か月連続で金融投資が減少、昨年5月の金融投資はマイナス24億5,000万ドルを記録していた。、

今年5月の海外投資家によるブラジル企業への株投資総額はマイナス17億900万ドル、3月に発表した四半期インフレレポート(RTI)では、今年の株式投資残額は50億ドルのプラスが予想されている。

今年5月の外資系企業の利益・配当金の本国送金残は、3,200万ドルと昨年5月の22億4,100万ドルの1/7に留まっている。また今年初め5か月間では、前年同期の130億4,400万ドルの半分以下の61億7,500万ドルに留まっている。中銀では今年の外資系企業の利益・配当金の本国送金を250億ドルと予想している。

今年5月のブラジル人の海外旅行での支出総額は、2億ドルと昨年同月の14億7,100万ドルとの1/7に留まっている。前期同様に一方外国人の今年5月のブラジル国内の支出は1億1,300万ドルと昨年同月の4億1,800万ドルの20%強に留まっている。今年5月の旅行収支は8,700万ドルの赤字を計上している。今年のブラジル人の海外旅行での支出総額は70億ドルが見込まれている。

今年5月の対内債務残高は2.17%増加の4兆2,500億レアル(2020年6月24日付けヴァロール紙)

連邦政府の2020年5月のインフレ指数を考慮しない名目債務残高は、前月比2.17%増加の4兆2,500億レアルと年間ファイナンシャルプラン(PAF)の4兆5,000億レアル~4兆7,500億レアルを下回っている。

国庫庁の発表によると、今年5月の対内債務残高(DPMFi) はGDP比2.26%に相当する4兆320億レアル、対外債務残高は前月比0.41%増加の2,180億レアル(ドル換算では401億7,000万ドル) となっている。

5月の国債発行DPFは866億5,000万レアル、国債償還・書換などは130億7,000万レアル、国債発行残高は735億8,000万レアル、5月のブラジル国債の平均償還期間は、4月の5.54年から5.41年に短縮して改善している。

5月の海外投資家の対内債務残高占有率は、4月の9.36%から9.11%に減少、債対内債務残高も3,692億6,000万レアルから3,672億9,000万レアルと若干減少している。

5月の投資ファンドの対内債務残高占有率は、4月の25.76%から25.85%と僅かに増加、年金関連金融機関は25.65%~24.88%と若干減少、金融機関は26.77%から25.72%に減少している。

事務局便り JD‐098/20   「「大使館情報」第145号(2020年6月)

                         JD‐098/20
                         2020年6月25日
会員各位
                         ブラジル日本商工会議所 事務局

在ブラジル日本国大使館より「「大使館情報」第145号(2020年6月)をいただきましたので転送申し上げます。
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From: TSUMORI TADASHI [mailto:tadashi.tsumori@mofa.go.jp] 
Sent: Thursday, June 25, 2020 12:01 PM
To: secretaria@camaradojapao.org.br
Subject: 大使館情報6月号の送付

商工会議所会員の皆様 
 平素よりお世話になっております。
「大使館情報」第145号(2020年6月)及び経済情勢5月分を送付いたします。
前月に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大に伴うブラジル経済・内政の動き等についてお届けします。
  ※ 過去のバックナンバーは以下のリンクから参照頂けます。
https://www.br.emb-japan.go.jp/itpr_ja/topics.html
在伯大・津守拝