中国はコンポーネントのサプライチェーン再開もブラジルへの航空運賃が200%増加(2020年6月1日付けヴァロール紙)

中国は新型コロナウイルスのパンデミック危機脱出で、電気電子製品コンポーネント輸出開始したにも拘らず、ブラジル向け部品供給の航空運賃がパンデミック以前と比較して、航空便の大幅な減少に伴って49%~200%も高騰しているとブラジル電気電子工業会(Abinee)の調査で判明している。

中国からのブラジル向けの電気製品コンポーネントの大半は、商業用旅客便の貨物として輸入されていたが、中国からブラジル向けの国際旅客便の大幅な減便による需要の急上昇で、貨物運賃が上昇しているとブラジル電気電子工業会(Abinee)のウンベルト・ベルバット会長は指摘している。

ブラジル電気電子工業会(Abinee)の今年4月の調査対象のコンポーネントを輸入するブラジル国内の電気電子メーカーの65%は貨物コスト上昇を指摘、そのうち39%は貨物コストはパンデミック危機前の49%までのコスト上昇を指摘、20%は50%~199%、6%は200%以上の貨物コスト上昇を指摘している。

今年3月末から4月初めにかけてコンピューターやプリンターの販売や賃貸はホームオフィス向けに加えて、ホームスクーリング‘(home schooling)’向けでピークを記録したが、今後数か月間は時短による減収や失業率の増加がネガティブに作用するとIDC Brasil社のマーケットアナリストのRodrigo Pereira氏は指摘している。

匿名希望の情報分野のスペシャリストは、今年下半期のコンピューター関連市場は回復するが、市場の回復はコンピューター関連製品販売の拡大を意味するものではない。今年上半期の市場の販売減少は実店舗の営業自粛奨励が牽引していた。

今年のGDP伸び率はマイナス4.5%の予想では、電気電子業界のGDP伸び率はマイナス7.0%~マイナス8.0%に達する可能性はあるが、電気電子業界は7月から正常の操業再開、電気電子業界の今年のGDP伸び率はマイナス5.0%に留まると楽観的な見方をAbinee工業会のウンベルト・ベルバット会長はしている。

パンデミックの影響で外出自粛や必需品以外の営業自粛要請の開始された3月の電気電子業界の生産は前月比9.1%減少、また今年2月の生産は、中国製のコンポーネントや材料供給に問題が生じていたために前月比ではすでに5.5%減少していた。また今年4月の電気電子業界の生産はパンデミックの影響による外出自粛要請で更なる悪化が予想されている。

今年第1四半期の電気電子業界の生産は、特に電子製品の生産減少が1.7%減少が牽引して0.4%減少した一方で、電気製品生産は0.8%増加している。

電気電子業界のうち電気部門の電力エネルギーのジェネレーター、送電や配電の最長1年前から発注されるために、パンデミックの影響で国内経済の停滞で電力エネルギーの消費減少に伴って、今後の投資の先送りが予想されている。今年第1四半期の電気電子製品の輸出は前年同期比9.5%減少の11億5,000万ドルであった。

今年4月の電力エネルギー消費は鉱工業部門や商業部門の低迷でマイナス6.6%(2020年6月1日付けエスタード紙)

電力エネルギー調査公社(EPE)の発表によると、2020年4月の電力エネルギー消費量は、COVID-19パンデミックの影響を受けて前月比マイナス6.6%相当の3万7,116ギガワット(GWh)に留まった。とくに商業部門の電力エネルギー消費量はマイナス17.9%、鉱工業部門はマイナス12.4%と二桁台の大幅な減少をきたしている。

一方今年4月の一般家庭の電力エネルギー消費は、今年3月中旬から開始された各州政府の外出自粛要請で、今年4月の家庭内での電力エネルギー消費量は6.0%増加を記録している。

COVID-19パンデミック危機が顕著になった3月下半期から開始された各地方政府による外出自粛令並びに必需品以外の営業自粛要請で、一般消費部門、サービス部門や工業部門が家滅的な影響を受けて、今年第1四半期のGDP伸び率はマイナス1.5%、2015年第2四半期のGDP伸び率マイナス2.1%以降では最大の落込みを記録している。

今年4月の地域別の電力エネルギー消費比較では、ブラジル国内の全ての地域で電力エネルギー消費は減少したが、特に北東部地域の電力エネルギー消費はマイナス21.7%、南東部地域はマイナス19.3%を記録している。

また鉱工業部門のべ紋別電力エネルギー消費では、自動車工業会部門はマイナス47.3%、繊維工業部門はマイナス28.5%、機械・装置部門を除く金属部門はマイナス24.9%を記録していた。

農畜産部門生産の記録更新予想でGDP比率の大幅な比率上昇か(2020年6月1日付けエスタード紙)

2020年のブラジルの農産物生産額は、前年比11.8%と二桁台増加の7,286億レアルに達して記録更新すると全国農業連合会(CNA)では予想している。

農畜産部門のブラジルの国内総生産(GDP)に占める割合は、レアル通貨に対するドル高の為替並びに穀物の国際コモディティ価格が堅調に推移して全体の23.6%と昨年の21.4%から2.0%以上上昇するとCNA経済担当のRenato Conchonコーディネーターは予想。今年のブラジルのGDP伸び率はマイナス5.8%に対して、農畜産部門のGDP伸び率は堅調に推移すると予想されている。

レアル通貨に対するドル高の為替は農畜産部門の輸出に追い風となる。またパンデミック危機でも食料品の消費は減少しないとConchonコーディネーターは指摘。2019年のブラジルの穀物生産は2億5,000万トンで記録更新したが、今年は更に記録更新が見込まれており、穀物生産者は既に次期の穀物栽培向け種子や農薬などを購入開始している。

今年5月には、作付けが始まっていない来年の穀物生産量の32%に相当する収穫物の売買を既に成立させているが、昨年同期の先物取引は来年度の穀物生産取引量は8.0%に留まっていたが、2017年の実質先物取引はゼロであったとMB Agro社のJosé Carlos Hausknecht取締役は説明している。

今年の穀物生産総額7,286億レアルのうち大豆並びにトウモロコシが牽引、そのうち大豆は前年比13.0%増加の1,750億レアル、トウモロコシは32.9%増加の900億レアル、一方牛肉による売上は19.5%減少の1,390億レアルが予想されている。サトウキビの売上は474億レアルに留まると予想されている。

ブラジル国内でも中西部地域の165市町村がブラジルの農畜産部門を牽引、特にマット・グロッソ州のSapezal市並びにSorriso市、ゴイアス州Rio Verde市、南マット・グロッソ州Três Lagoas市、バイア州西部のSão Desidério市の生産合計は2017年の農畜産部門売上高の2.2%を占めていた。

ゴイアス州Rio Verde市の土壌並びに気候はそれ程優れていないにも拘らず、南部地域や南東部地域の内国移民によって土壌改良や順応作物研究向け投資が行われたと農業技師のÊnio Fernandes Júnior氏は説明している。

南マット・グロッソ州Três Lagoas市では年々牧畜から穀物栽培に転作が続いており、大豆栽培では1ヘクタール当たり1,000レアルの収益に結びついているとMateberi農場のWilliam Costa監督は説明している。

事務局便り JD-084/20  COVID-19ブラジル政府対応策セミナー

                        JD-084/20
                        2020年6月1日
会員各位
                        ブラジル日本商工会議所 事務局
 
現在の危機的な状況下にKPMGのご好意により通常の顧客先向け情報を広く会員向けにも情報共有させて頂ける事になりましたのでご案内させて頂きます。
 
From: Yoshida, Koji [mailto:kojiyoshida1@kpmg.com.br] 
Sent: Monday, June 1, 2020 10:57 AM
Cc: BR-FM KPMG Japanese Practice <br-fmjppractice@kpmg.com.br>; Yoshida, Koji <kojiyoshida1@kpmg.com.br>
Subject: KPMG Brazil Webcastのご案内 (英語 6月3日): COVID-19ブラジル政府対応策 (外国人投資家向け ): Overview of Brazil government and institutional response to Covid-19 for foreign investors, June 3rd
 
お客様各位
 
平素は格別のご厚情を賜り誠に有難うございます。
 
既に私どものMaketing部署より案内させて頂いている方も多数いらっしゃるかと思いますが改めてご案内させて頂きます。
 
さて、急なご案内となり恐縮ですが、この度KPMG Brazilでは以下の通りにWebcastを実施する運びとなりましたのでご案内致します。
 
日時:2020年6月3日(水)
11時~12時15分(サンパウロ時間)
表題: COVID-19ブラジル政府対応策
言語:英語
 
既に多くの情報を把握され対応もされていることと思いますが、支援策全般(税務、法律、労務、経済刺激策)をまとめた現地専門家による英語でのセミナーとなりますので、もし、まだ対応策を検討しているということなどあり、ご都合が宜しければご参加を検討頂けますと幸いです。
ご参加頂ける場合には以下の”click here to register”をクリックしお申し込み頂けますようお願い致します。
 
皆様のビジネスのお役に立てれますと幸いです。
 
ご不明な点等ございましたらKPMG Brazil Professionalもしくは私の方までご連絡を頂けますようお願いいたします。
 
KPMG ブラジル
吉田幸司
 
 
 
 
 
 
 
COVID-19 has forced businesses to look at the status and health of every part of their business. As business leaders begin to address the needs of their foreign operations, they face a complex matrix of government programs, different in approach, scope and scale in each country. What are the programs available? Which businesses or situations are they intended to address? Will these government programs apply to my business?
 
KPMG is hosting a webinar to provide foreign investors with an overview of the Brazil government’s program to support businesses as they address the economic fallout of COVID-19. This webinar will cover the following areas in the Brazil market:
• Tax measures
• Legal measures
• Employment related measures
• Economic stimulus measures
• Question and answers following presentations
Intended audience: C-suite and key strategy, financing and operational leaders from foreign investors and companies with business interests in Brazil.
 
Please note the Webinar will be in English. 
Date: June 3rd, 11h to 12h15 (São Paulo, GMT – 3h).
 
 
 
 
 
 
 
 
 
* Please, it is recommended to use Chrome
 
Speakers
 
 
 
Mauricio Endo
Head of Government
KPMG in Brasil and South America  
 
Marco Andre
Head of Deal Advisory 
KPMG in Brazil 
and South America  
 
Ericson Amaral
Head of International and M&A Tax 
KPMG in Brasil  
 
Luciana Lorenti
Partner of Corporate Law Ferraz de Camargo e Matsunaga Advogados Associados  
 
Valter Shimidu
Partner of Labor & Social Security Tax KPMG in Brasil
 
 
 
 
 
 
 
kpmg.com.br 
   
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Remover e-mail | Privacidade & Declaração
Rua Arquiteto Olavo Redig de Campos, 105, Torre A, 6º ao 12º andar – CEP: 04583-110 – São Paulo, SP – Tel.: 3940-1500. 
© 2020 KPMG Auditores Independentes, uma sociedade simples brasileira e firma-membro da rede KPMG de firmas-membro independentes e afiliadas à KPMG International Cooperative (“KPMG International”), uma entidade suíça. Todos os direitos reservados. Impresso no Brasil. 
O nome KPMG e o logotipo são marcas registradas ou comerciais da KPMG International.
 
 
 
 
 
 
 
================================================
KOJI YOSHIDA (吉田 幸司)
KPMG Brazil
Seconded partner, Japanese CPA
Head of Japan Desk of KPMG Brazil and South America
Tel: +55-11-3940-3643
Cel: +55-11-9 9657-1156
e-mail: kojiyoshida1@kpmg.com.br
================================================

事務局便り JD-083/20  ジェトロサンパウロ事務所より「ブラジル等における新型コロナ対応状況(報告会)」のご案内

                        JD-083/20
                        2020年5月29日
会員各位
                        ブラジル日本商工会議所 事務局

ジェトロサンパウロ事務所より「ブラジル等における新型コロナ対応状況(報告会)」のご案内を別添の通りいただきましたのでお知らせ申し上げます。
皆様奮ってご参加ください。
________________________________________
2020年5月29日
ブラジル等における新型コロナ対応状況(報告会)
主催:ジェトロサンパウロ
協力:在サンパウロ日本総領事館、ブラジル日本商工会議所

コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、ブラジル政府、州政府・自治体の取組や対策等は日々動いており、各社様もウオッチされていることと存じます。ジェトロでは、今後定期的にブラジル連邦政府、州政府、サンパウロ市などの動きや各国の経済動向等について共有・勉強する会を開催します。また皆様の要望もお聞きしながら他国の動きや企業動向に関するテーマについても併せてご案内します。

•         原則毎週水曜日9時30分~(40分~1時間程度)
•         第2回 6月3日(水)9:30~ 「アルゼンチンにおける新型コロナウイルスの影響」
•         開催ツール:ZOOM 第2回アクセス先は以下↓:https://us02web.zoom.us/j/84189823952?pwd=YjQwVloxMGtidzhPcEdWR05HNDEwQT09 
•         ミーティングID: 841 8982 3952 パスワード: 768647
•         【お願い】:アクセス時の表示名につき、お名前と所属先がわかるように表示ください。表示例:山田@JETRO
•         報告予定者:ジェトロ・ブエノスアイレス
•         第3回 6月10日(水)9:30~  (予定)
•         事前にご質問事項等あれば、infosao@jetro.go.jp   宛にご連絡ください。

最終フォーカスレポートは今年のGDP伸び率をマイナス6.25%に下方修正(2020年6月1日付けエスタード紙)

 1日発表の中銀の最終フォーカスレポートによると、今年第1四半期のGDP伸び率はマイナス1.5%を記録したために、2020年のGDP伸び率は、前回予想のマイナス5.89%からマイナス6.25%と大幅な下方修正を余儀なくされたが、4週間前の予想はマイナス3.76%であった。

ブラジル地理統計院(IBGE)が先週金曜日に発表した今年第1四半期のGDP伸び率は、3月下半期からの新型コロナウイルスのパンデミック危機の影響にも関わらず、予想を上回るマイナス1.5%を記録していた。また今年第2四半期のGDP伸び率は更に悪化が予想されている。2021年のGDP伸び率は前回同様の3.50%増加に据え置かれた。

経済省経済班の今年のブラジルのGDP伸び率は、マイナス4.7%を予想しているが、 国際通貨基金(IMF)では今年のブラジルのGDP伸び率マイナス5.3%、 世界銀行のマイナス5.0%よりも楽観視した予想となっている。

今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、パンデミックで一般消費者の需要減少の影響で、前回予想1.57%から1.55%に下方修正したが、1か月前の予想は1.97%であった。今年のインフレ指数の中央目標値4.0%、許容最低値2.50%を下回る予想となっている。

ブラジル地理統計院の発表によると、今年4月のIPCA指数はマイナス0.31%と統計を取り始めた1998年以降では最低のインフレ指数を記録、今年初め5か月間のIPCA指数は僅か0.22%となっている。

先月6日に中銀の通貨政策委員会(Copom)は、新型コロナウイルのパンデミック対応として、ブラジル経済の活性化を目的に現在3.75%の政策導入金利(Selic)を全会一致で、一挙に0.75%引下げ、過去最低となる3.00%に決定。今年末のSelic金利は2.25%が予想されている。

不透明なCOVID-19パンデミック終焉や政治混乱で第2四半期のGDP伸び率は弱い回復予想(2020年6月1日付けヴァロール紙)

COVID-19パンデミック危機が顕著になった3月下半期から開始された各地方政府による外出自粛令並びに必需品以外の営業自粛要請で、一般消費部門、サービス部門や工業部門が家滅的な影響を受けて、今年第1四半期のGDP伸び率はマイナス1.5%、2015年第2四半期のGDP伸び率マイナス2.1%以降では最大の落込みを記録している。

また今年4月から6月の国内総生産は、長引くパンデミック終焉と更なる政治的緊張の影響で、第1四半期のGDP伸び率マイナス1.5%よりも悪化すると予想、今年のGDP伸び率はマイナス7.0%~マイナス8.0%が予想されている。

予想よりも長引くパンデミック終焉で、ブラジル国内経済の回復は予想よりも長引くとTendências Consultoria社マクロ経済担当のAlessandra Ribeiro取締役は予想している。

6月末で外出自粛などが終わり、第3四半期からのブラジル国内の経済回復シナリオで、今年のGDP伸び率をマイナス4.1%と予想していたが、ヨーロッパ諸国では再びパンデミックリスクが発生して予測が難しいとTendências社では説明している。

経済省のパウロ・ゲーデス経済相は、パンデミック終焉後のブラジル経済のV字回復で世界を驚かすと強調しているにも関わらず、ブラジル経済のV字回復は起こらない。来年は更に圧力がかかるとエコノミストは説明している。

Fator銀行では今年のGDP伸び率をマイナス7.4%と予想、しかし第3四半期の民間部門の住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)並びに一般消費が落ち込むと今年のGDP伸び率は更に悪化すると指摘している。

今年第1四半期の一般消費部門のGDP伸び率は前四半期比マイナス2.0%で、旱魃による電力エネルギー危機が発生した2001年第3四半期以降で最大の落込みを記録した。一方投資部門のGDP伸び率は、機械・装置輸入が牽引して3.1%増加したが、今年は二桁台のマイナスが予想されている。

また今年第1四半期のGDP全体の74%を占めるサービス部門のGDP伸び率はマイナス1.6%を記録、4月末までに非正規雇用労働者150万人が職を失っており、今後も悲観的な見通しは否定できない。今年第1四半期の工業部門のGDP伸び率は、前四半期比マイナス1.4%を記録した一方で、農畜産部門のGDP伸び率は0.6%増加している。

Guide Investimentos社チーフエコノミストのJoão Rosal氏は、今後の正常に近い社会生活復帰の速度と連邦政府による経済活性化政策の導入が今後のブラジル経済の行方を左右すると指摘。同社は今年第3四半期のGDP伸び率をマイナス10%以上と予想、今年はマイナス8.0%と予想している。

今年第1四半期の農畜産部門のGDP伸び率0.6%増加は、唯一ブラジルのGDP伸び率を支えた。また今年の大豆生産は記録更新が予想されており、継続して今年のGDP伸び率を支えるとサンタンデール銀行エコノミストのLucas Nobrega氏は指摘している。

事務局便り JD-082/20  在ブラジル日本国大使館「伯経済情勢(2020年4月)」

                         JD-082/20
                         2020年5月29日
会員各位
                         ブラジル日本商工会議所 事務局

在ブラジル日本国大使館より「伯経済情勢(2020年4月)」をいただきましたので転送申し上げます。

From: TSUMORI TADASHI [mailto:tadashi.tsumori@mofa.go.jp] 
Sent: Tuesday, May 26, 2020 8:20 PM
To: secretaria@camaradojapao.org.br
Subject: 伯経済情勢(2020年4月)

商工会議所会員の皆様 
(BCCにて失礼します)

平素よりお世話になっております。
4月の伯経済概観及び経済情勢報告について、別添に送付させて頂きます。
https://www.br.emb-japan.go.jp/itpr_ja/macro.html
よろしくお願い致します。

———————————–
在ブラジル日本国大使館 経済班 津守直
Tadashi TSUMORI(Sr.)
Segundo Secretário/Adido Financeiro
Embaixada do Japão no Brasil
Tel   : +55-61-3442-4200 (Ramal 230)
Fax   : +55-61-3242-2539
————————————-

COVID-19パンデミック危機の影響で、今年第1四半期のGDP伸び率はマイナス1.5%を記録(2020年5月29日付けエスタード紙/IBGEサイトより抜粋)

COVID-19パンデミック危機が顕著になった3月下半期から開始された各地方政府による外出自粛令並びに必需品以外の営業自粛要請で、消費の需要低下、製造業部門の生産中止、困難なクレジットのアクセス並びにロディスティック問題などの要因で、多種多様な部門で壊滅的なダメージを受けていた。

一般消費部門、サービス部門や工業部門が家滅的な影響で、2020年第1四半期のGDP伸び率は前半期比マイナス1.5%を記録、2015年第2四半期のGDP伸び率マイナス2.1%以降では最大の落込みを記録している。

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が3月11日の定例記者会見で「新型コロナウイルスはパンデミック(世界的大流行)」と認めた後の3月15日から3月末までの僅か15日間の国内総生産に与えたインパクトの悪影響で、今年第1四半期のGDP伸び率はマイナス1.5%に結びついた。

ブロードキャストプロジェクションの調査によると、今年第2四半期のGDP伸び率はマイナス11.0%と二桁台の落込みを予想、今年のGDP伸び率は、前年比マイナス6.05%と過去最大のマイナス成長を見込んでいる。

今年3月16日から開始された必需品以外の営業自粛要請措置で、ショッピングセンター、レストランやバーの閉鎖、閑散とした空港、交通渋滞のない大都市などの状況で国内経済が顕著な停滞に見舞われており、また今後のパンデミック危機の先行き不透明感で今後の経済予測ができない状態となっている。

今年第1四半期の工業部門のGDP伸び率は、前四半期比マイナス1.4%、GDPの74%を占めるサービス業部門は、マイナス1.6%を記録した一方で、農畜産部門のGDP伸び率は0.6%増加している。

今年第1四半期の農畜産部門のGDP伸び率は唯一0.6%増加を記録したが、第2四半期のGDP伸び率も中国の大きな需要が牽引して、プラスを継続するとXP Investimentos社エコノミストのVitor Vidal氏は予想している。

今年第1四半期の一般消費部門のGDP伸び率は外出自粛令の影響で、前四半期比マイナス2.0%を記録。今年3月並びに4月の労働手帳に記載される正規雇用労働者が110万人解雇され、また4月末までに非正規雇用労働者も150万人が職を失っている。

リオカトリック大学教授でGenial Investimentos 社エコノミストのJosé Márcio Camargo氏は、パンデミック危機による経済リセッションで今年のGDP伸び率はマイナス7.0%を予想、また年末の失業率は16.0%~18.0%に上昇すると予想している。

2020年第1四半期のGDP伸び率は前四半期比マイナス1.5%、前年同四半期比ではマイナス0.3%、過去1年間では0.9%増加、第四1半期の国内総生産高は1兆8,000億レアルを記録している。

前期同様に農畜産部門は0.6%増加、1.9%増加、1.6%増加、1197億レアル、また鉱工業部門マイナス1.4%、マイナス0.1%、0.7%増加、3,055億レアルであった。

サービス業部門マイナス1.6%、マイナス0.5%、0.9%増加、1兆1,000億レアル、国内総固定資本形成(FBCF)部門3.1%増加、4.3%増加、3.0%増加、2,851億レアルであった。

前期同様に今年第1四半期の一般消費部門のGDP伸び率はマイナス2.0%、マイナス0.7%、1.3%増加、1兆2,000億レアル、公共投資部門のGDP伸び率は0.2%増加、0.0%、マイナス0.4%、3,435億レアルとなっている。

 

4月の中央政府の財政プライマリー収支は929億レアルの赤字計上(2020年5月28日付けヴァロール紙)

2020年4月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府のインフレ指数を考慮した実質財政プライマリー収支は929億200万レアルの赤字を計上、統計を取り始めた1997年以降では最高の赤字を計上、過去最高の赤字は2015年12月に計上した729億レアルを200億レアル上回る赤字計上となっている。2019年4月の財政プライマリー収支は65億2600万レアルの黒字を計上していた。

今年4月の中央政府の財政プライマリー収支赤字929億200万レアルの内訳は、国庫庁が592億7,800万レアルの赤字を計上、社会保障院INSSは333億8,100万レアルの赤字、中銀も2億4,300万レアルの赤字を計上している。

今年初め4か月間の中央政府の財政プライマリー収支は957億6,200万レアルの赤字計上、4月の過去12か月間ではGDP比2.58%に相当する1,895億レアルの赤字を計上している。

2020年の中央政府の財政プライマリー収支の許容目標赤字は1,241億レアルであったが、新型コロナウイルスのパンデミック危機に対する連邦政府の非常事態宣言(calamidade publica)で財政プライマリー収支の許容目標赤字はキャンセルされている。

今年4月の中央政府の歳入総額は前年同月比35.6%減少の821億7,400万レアルに留まった一方で、歳出総額は44.7%増加の1,750億7,600万レアルと大幅に拡大した影響で、赤字幅が過去最悪となっている。

連邦政府による今年4月の投資は前年同月比53.3%減少の28億7,400万レアル、今年初め4か月間の投資は前年同期比23.3%減少の96億5,800万レアルを記録している。

連邦政府の今年4月の連邦公社の配当金による歳入は、前年同月の2億8,050万レアルを約1億レアル上回る3億7,940万レアルを記録、特にBNBの配当金による歳入は1億3,030万レアルで最高の配当金を記録していた。今年初め4か月間の配当金による歳入総額は19億8,700万レアルを記録している。

今年4月の中央政府の歳入減少並びに歳出増加が継続すれば、今年の連邦政府の債務残高はGDP比93%に達する可能性が濃厚となってきている。