連邦政府は新型コロナウイルス感染終焉後の経済や雇用活性化のインフラプロジェクトを準備

連邦政府は新型コロナウイルスのパンデミック終焉後のブラジル国内経済活性化並びに雇用創出に向けた大型インフラ整備プロジェクトに対する投資パッケージの青写真を擁している。連邦政府は新型コロナウイルスのパンデミック終焉後の今年下半期には、44件に達するインフラ整備プロジェクトの民営化入札を予定している。

新型コロナウイルスのパンデミック終焉早々の停滞しているブラジル国内経済のエンジン始動及び雇用創出を目的に、優先順位の高いインフラプロジェクトリストを作成しているが、短期間の民営化入札にはとどまらないとインフラ省は指摘している。

2020年の54件のインフラプロジェクト向けには60億レアルの予算保証を試みているとインフラ省のタルシジオ・フレイタス大臣は説明。しかし今年のインフラプロジェクト向け60億レアルは、運輸省輸送インフラ局(Dnit)が管轄する国道補修用の年間予算相当に過ぎない。

今日16日インフラ省のタルシジオ・フレイタス相は、パウロ・ゲーデス経済相と政府内で「インフラ整備大型パッケージ」と呼ばれている総額300億レアルの70件のインフラ整備プロジェクトについて交渉を予定している。

この「インフラ整備大型パッケージ」では中規模ゼネコンとの直接契約、運輸省輸送インフラ局(Dnit)、ブラジル鉄道施術建設公社(VALEC)並びにブラジル空港インフラ業務会社(Infraero)の管轄下で国道の舗装、港湾や空港ターミナル改修、鉄道建設などのプロジェクトが予定している。

インフラ省では、これらのインフラ整備プロジェクトが始動すれば新型コロナウイルスのパンデミックの影響で上昇していた失業率に歯止めがかかり、今年下半期並びに2021年中には約100万人の新規雇用につながると試算している。

2020年の54件のインフラプロジェクトには、すでに環境ライセンス取得が進んでいるトカンチンス州とバイア州沿岸部を結ぶ1,500キロメートルの東西統合鉄道(Fiol)、アマゾナス州マナウス市とロンドニア州ポルト・ヴェーリョ市を結ぶ国道BR-319号線の舗装並びにミナス州ベロ・オリゾンテ市の国道BR-381号線の複線化プロジェクトが含まれている。

1995年連邦法第8,987号(「コンセッション法」)以前の公共事業は、連邦政府との共同事業で伝統的なゼネコンとの契約及び事業推進は慢性的な問題を抱えていたとInter.B社のコンサルタントCláudio Frischtak氏はコメントしている。

新型コロナウイルスのパンデミック終焉後の大型インフラ整備プロジェクトによる短期間の経済活性や雇用創出は、連邦政府にとって喫緊の課題となっている。

1929年に発生した世界恐慌を克服するために、米国のフランクリン・ルーズベルト大統領が1933年から行った恐慌から脱出するための公共事業中心の一連の経済政策などの検討を連邦政府は余儀なくされている。(2020年4月16日付けエスタード紙サイトから抜粋)

Volkswagenは部品現地調達でサプライヤーとパートナーシップを検討

新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けて、中国製自動車部品の供給に依存している世界中の自動車メーカーは、中国製の自動車部品の供給不足で、今後も生産に支障をきたす可能性が否定できない。

ブラジル国内で生産している自動車メーカーは、中国製輸入部品の依存を軽減するために、早急に現地調達をする必要に迫られている。自動車メーカーは部品メーカーと部品供給体制でパートナーシップを再検討し始めている。

新型コロナウイルスのパンデミック終焉直後の“day after”と命名される海外からの調達に依存しないために、戦略的部品の国産化による現地調達の重要性をVolkswagenラテンアメリカ担当のPablo Di Si社長は強調している。

自動車ビジネスエージェンシー社のオンラインインタビューで、「中国製部品が100ドル安いために、今後も欧米の自動車メーカーは中国製部品を購入すると思うか? 私はそう思わない」と部品コストに関係なく欧米の自動車メーカーは、安定的部品供給の新たな戦略を採用するとPablo Di Si社長は説明している。

Volkswagen社ではすでにブラジル国内での国産化部品の現地調達拡大プランを擁していた。最近のドル高の為替も後押しして現地調達に拍車をかけると説明。ブラジルの独占禁止法に違反しない自動車メーカーと部品サプライヤーの協力が重要とPablo Di Si社長は説明している。

今後は中国からの輸入部品を依存から脱却するために、自動車部品の現地調達に拍車がかかるが、大半の自動車部品メーカーは危機時の運転資金に問題を抱えているために、“部品サプライヤー強化プログラム”に必要性をBright Consulting社のPaulo Cardamone社長は示唆している。

「我々は4月、5月並びに6月は自動車生産が不透明で乗り切ることに全力を注がななければならない。なぜなら自動車メーカーは収益は全くないにも拘らず、固定支出は非常に大きい」。「大半のメーカーの今後3か月から4か月間の収入なしの支出だけでは、3年から4年分の投資計画に相当する運転資金の損失に等しい」とPablo Di Si社長は説明している。

Volkswagen社は5月からの自動車生産再開を予定しているが、3勤務交代体制ではなく1勤務体制での自動車生産の再開に期待している。Volkswagen社は労働組合と時短勤務並びにレイオフの柔軟な勤務体制採用で交渉している。(2020年4月16日付けエスタード紙サイトから抜粋)

国内銀行はCOVID‐19パンデミックで甚大なダメージを被っている部門に500億レアルの救済パッケージを準備中

ブラジルの国内銀行は新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、甚大なダメージを被っている産業部門に対して、約500億レアルに達する臨時救済パッケージを準備中とBroadcastの調査で判明している。

最終的な臨時救済パッケージは500億レアルを上回ると予想されているが、電力エネルギー部門や自動車部門への救済パッケージは、社会経済開発銀行BNDESと金融機関がクレジットを牽引する。

また新型コロナウイルス感染防止に対する外出自粛措置や必需品販売で営業自粛を要請されていないスーパーマーケットや薬局部門を除く商業部門へのクレジット支援は、銀行と小売企業代表で構成されるグループで協議される。

「各産業部門は特徴の異なる問題を抱えているために解決方法は異なる。中小規模企業への臨時救済は400億レアルで解決できるが、大企業にとっては充分でない」とブラデスコ銀行のOctavio de Lazari頭取は説明している。

ブラジル電力取引市場(CCEE)が先導している救済プログラムが先行している電力エネルギー部門への臨時クレジット総額は、2015年同様の150億レアル~180億レアルが見込まれている。

この臨時クレジットは社会経済開発銀行が牽引、ブラジル銀行、ブラデスコ銀行、イタウー銀行並びにサンタンデール銀行が協力を承諾。またSafra銀行、Citi銀行並びに旧Votorantim銀行のBV銀行などから2~3行の参加が予定されている。

またブラジル国内路線が95%近く運航停止に追い込まれている国内航空会社のLatam航空, Azul航空並びにGol 航空はBNDESから総額30億レアルのクレジット提供を受けるが、持ち株比率の上限は未だ決まっていない。

「ブラジル国内の航空会社3社は毎日7,000万レアルから1億レアルの赤字を垂れ流しており、早急な応急手当をしなければ倒産に追い込まれる」とSantander銀行のSergio Rial会長は指摘している。(2020年4月16日付けエスタード紙サイトから抜粋)

検疫隔離による小売店の閉店が履物業界の生産流通チェーン全体に債務不履行となって圧迫(2020年4月17日付けバロール紙)

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大と3月に国内の履物店の95%が一時的に閉店したことで、履物業界の生産流通チェーンに打撃を与えている。業界では、販売の落ち込みに加えて、閉店をさかのぼる数か月前に発注された製品に対する支払いの遅れという問題も抱えている。

ブラジル皮革・履物・工芸品用コンポーネント会社協会(Assintecal)によると履行遅滞など債務不履行の水準は、通常なら平均で6%から7%で推移するところ、70%前後まで急激に上昇したものと推定している。「履物メーカーの生産流通チェーンには、ドミノ効果が存在する。店舗を閉店すれば小売会社はメーカーに対して発注のキャンセルあるいは発送の停止、支払期日の先送りをメーカーに求める。履物メーカーも、コンポーネント業界に同様の対応を取る」と、Assintecalのイルセ・ギマランエス(Ilse Guimarães)執行理事は言う。

リオ・グランデ・ド・スル州ノーヴォ・アンブルゴ(Novo Hamburgo)市に拠点を置く塗料・ステッカー・メーカーのキリング(Killing)のミルトン・キリング(Milton Killing)社長は、「検疫隔離措置によって小売業界では履物メーカーに対する債務不履行が生じ、それと同じことが我々にも波及してきた」と話す。同社長によると、それでも履物メーカーはコンポーネント・メーカーが資金繰りに苦しんでいることは認識しているという。同社は債務不履行以外にも、3月と4月の受注量が60%も急落するという問題にも直面している。「顧客が要求するのは基本的に、掛け売りの決済期日の先送りだ。今のところ当社は、良好な取引をできている」と同社長はコメントした。

リオ・グランデ・ド・スル州ポルトン(Portão)市に拠点を置き皮革処理や履物用の化学品を製造するMKキミカ(MK Quimica)の場合、顧客の履物メーカーのおよそ40%で債務不履行が発生しているという。残りの20%についても、決済期日の先送りを再交渉した。「受注もこの期間に大幅に落ち込み、キャッシュ・フローが大きく減少した」と同社のヴィヴィアーネ・コーグラー(Viviane Kogler)マーケット担当取締役は話す。

MKキミカの場合、履物メーカーからの受注量は3月が30%減、4月は99%減だという。「今週になって一部のメーカーが操業を再開し発注し始めている。だがその発注は中断していた納品の再開であり、新規の受注というわけではない」とヴィヴィアーネ取締役はコメント。また同社によると債務不履行となった支払に関する条件の再交渉は、訴訟を避けるためのものだという。「現在の状況は、誰にとっても平等に厳しいものだ。話し合って、可能なら手を差し伸べる時で、けんかをする時ではない」とヴィヴィアーネ取締役は説明した。

サンパウロ州セルキーリョ(Cerquilho)市に拠点を置く合成ラミネートメーカーのシパテックス(Cipatex)は、3月の初旬から支払いを遅らせて欲しいという要望が「雪崩のように」舞い込んできたという。シパテックスのマルセーロ・ニコラウ(Marcelo Nicolau)社長によると「顧客の大部分が決済期日の先送りを求めており、現状、ほぼすべての顧客と協議を進めている。それだけでなく、すでに債務不履行となり交渉に向け努力しているものもある」という。

ブラジル履物工業協会(Abicalçados)は、業界の債務不履行に関する統計データを把握していない。だが、同協会のアロルド・フェレイラ(Haroldo Ferreira)会長は、事実上すべての小売店が、受領済みの商品に対する支払期日を90日先送りするよう求めていると話す。

また債務不履行以外に、履物メーカーの売上は、3月に49%減、4月には50%を上回る減少に直面している。「3月に業界のメーカーの60%が操業を停止した。一部は操業を再開しているが、その水準は生産能力の25%、あるいは50%、75%だ。業界企業の内部留保は払底しており、銀行から融資を受けることもできない」とフェレイラ会長は付け加えた。

収入が急減したことで、履物メーカーは過去30日間で全体の6.3%に相当する1万7,000人を解雇した。

この状況はコンポーネント業界にも波及している。Assintecalによると、第1四半期におけるコンポーネント販売は前年同期比-20%だった。イルセ執行理事は、「履物の生産・販売チェーンは、店舗の営業再開、それも国内販売、とりわけ最大の消費者を抱えるサンパウロ州の販売回復に強く依存している」という。

2019年の場合、国内で製造された履物の89%がブラジル国内で消費された。しかも国外市場は、国内市場よりもはるかに良好と言える状況にもない。国際履物協会によると、世界の履物販売量は2020年に、パンデミックの影響で前年比-22.5%となる見込みである。(2020年4月17日付けバロール紙)

日産が新規投資計画を撤回し製造ラインの停止措置を5月20日まで延長(2020年4月17日付けバロール紙)

日産ブラジルのマルコ・シルバ社長は3月第2週、ブラジルを対象にした新たな投資計画の最終調整のために訪日した。数日後にこの計画の発表を予定していたが、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、計画の即時変更を余儀なくされた。この3月第2週の時点でブラジルの感染者数は100人に達し、リオデジャネイロ州とサンパウロ州では学校の休校とイベントの禁止を両州政府が発表している。

シルバ社長は当時、帰国に先立ち社内にすべての部門の代表者が参画する危機対策委員会を設置した。設置以降、危機対策委員会は連日のように会議を行いパンデミックが同社のブラジル国内事業に与える影響を最小化すべく対策を策定してきた。

危機対策委員会が打ち出した最新の提案は、集団休暇の終了直後の4月22日に、製造に携わる労働者と雇用契約を1か月間停止することだった。この場合、3月25日から稼働を停止している同社のレゼンデ工場の製造ラインの再稼働は、5月21日になる。

リオデジャネイロ州南部金属労組まとめ役となり4月16日にオンラインで表決を実施した結果、製造に携わる労働者らは日産の提案を受け入れた。この期間、給与額の少なくとも75%が保証される。また社長を含む管理職も、労働時間と給与を20%削減することで合意した。なお、日産の従業員数は2,500人である。(2020年4月17日付けバロール紙)

2020年4月に入りブラジル南部で工業部門が工場の稼働を漸進的に再開(2020年4月17日付けバロール紙)

4月13日から、リオ・グランデ・ド・スル州のカシアス・ド・スル市とファロウピーリャ市のようなセーラ・ガウーシャ地域に位置する都市が検疫隔離措置を終了し、経済活動が再開し始めた。ランドンとマルコポーロ、グレンデーネなどいくつかの企業が市当局との交渉を経て、従業員の25%を職場に復帰させて部分的に事業を再開することを明らかにしている。そこからおよそ350km離れたリオ・グランデ・ド・スル州パナンビー市でも、サイロと食料保管庫を展開するケプラー・ウェーバーが、同市の事業所の事業再開を発表している。

リオ・グランデ・ド・スル州内の経済活動の再開の動きは、その他の州、とりわけサンタ・カタリーナ州にも検疫隔離措置の終了に向けたムードを醸成しつつ波及している。サンタ・カタリーナ州がすでに州内工業に50%の設備稼働率で操業を再開するのを承認したのをはじめ、同じく南部のパラナ州も雇用主組合が州内各市及び州政府と交渉を進めている。

商業では路面店の営業再開に向けサンタ・カタリーナ州政府が今週、社会的距離の確保と集会を禁止する規定を定め対応を打ち出した。サンタ・カタリーナ州工業連盟(Fiesc)のマリオ・セーザル・デ・アギアール会長はこの措置について、3月17日から4月16日にかけて生産を28%削減、34億レアルの損失を被った州内工業の見通しを改善するものだと受け止めていいる。Fiescは、検疫隔離措置による州工業の損失について、740社を対象に調査を実施した。

この調査では、サンタ・カタリーナ州内の工業部門は16万5,000人、21%に相当する雇用を削減したことが示された。調査対象となった企業の少なくとも4分の1が、ただ、全面的な検疫隔離措置に賛成しており、漸進的に経済活動を再開させることには11%が賛成していた。「全面的な検疫隔離措置は、最も適切な措置ではない」とアギアール会長は受け止めており、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染確認件数がわずかな一部の都市では外出規制を導入して経済活動を完全に再開することは可能だという見解を示した。

パラナ州工業連盟(Fiep)のカルロス・マルチンス・ペドロ会長によるとパラナ州では、工業部門で50%弱の企業が操業を再開している。「州政府は、30%から50%規模の従業員の復帰というかなり緩やかなペースで工業部門が経済活動を再開すべく取り組みを始めている。だが多くの企業が受注を失っており、現地の商業部門の営業再開が鍵を握る」と状況を説明した。

マルチンス・ペドロ会長によるとパラナ州の州都クリチーバ市では、パッケージ業界のような基幹産業にサービスを提供しているいくつかの企業が営業を再開している。またマリンガー市では、市条例により企業が段階的に従業員を職場に復帰させて緩やかに営業を再開するのを認めた。100人以上の従業員を抱える企業の場合は70%を上限とし、残りの企業は30%を上限とする。さらに先週(4月第2週)には、Fiepと他の経営者組合がラチーニョ・ジュニオルことカルロス・ロベルト・マッサ・ジュニオル知事(PSD:社会民主党)に対して、経済活動の再開を支援する対策を要請する書簡を送った。

パラナ州に本社を置くパソコンと携帯電話のメーカー、ポジチーボは、パラナ州クリチーバ市とアマゾナス州のマナウス・フリーゾーン(ZFM)の工場でおよそ700人の従業員が、稼働を停止することなく生産を継続している。ただし同社は、国内で感染が広がる中で操業を継続するため、体温の測定や防護具の利用といった安全対策を導入した。同社のマウリシオ・ロールダ・オペレーション担当副社長は、「需要が後退したことで生産量もそれに対応する必要が生じているが、4月は平均で設備稼働率のおよそ70%という水準で生産している」という。

セーラ・ガウーシャ地域における工業生産活動の再開は、地域の17市で3,300人以上の労働者を抱える金属工業労組とカシアス・ド・スル電子部品労組(Simees)、服飾工業組合(Sindivest)や樹脂工業組合(Simplás)などの雇用主組合が共同で対策をまとめた成果である。

カシアス・ド・スル市は市内の工業部門に対して市条例により、防護対策と衛生対策を導入することを条件に4月6日から25%という規模での事業再開を認可した。車体とバスを製造するマルコポーロは、再開が承認された日から、日勤と夜勤でそれぞれ25%のスタッフにより製造を再開した。同社は、「製造プロセスに最低限の効率を確保するには、この25%という水準を引き上げる必要がある」と話す。それでも同社は、4月末までに350台の製造を見込んでいる。

職場復帰の対象から外れた従業員は、特別労働協約(Convenção Coletiva de Trabalho Extraordinária)で規定するフレックス制を適用した。「5日間のフレックス制が適用された従業員に対して会社は、給与の50%を支払う」とマルコポーロは説明するとともに、新たな対策を来週にも発表することを明らかにした。

トレーラーを生産するランドンも同様に今週、カシアス・ド・スル市の工場で、25%の人員で稼働を再開した。だが同社がその他の都市で展開する工場の操業再開は、集団休暇の終了あるいは地元の市役所、あるいは州政府の検疫隔離措置の終了に依存する。マルコポーロと同様に同社は、集団休暇を実施した外に月間10日を限度にフレックス制を導入している。フレックス制の対象となった労働者は自宅待機となり、待機中は給与の50%を会社が支払う。

ファロウピーリャ市では、シューズメーカーのグレンデーネが、25%の従業員対象に労働時間と賃金を50%削減する条件で職場に復帰させ、操業を再開した。同社は5月13日、残りの10工場(内9工場がセアラー州、1工場がバイーア州)でも、集団休暇を終えて5月13日から操業を再開する予定である。セーラ・ガウーシャ地域から外れるが近隣のパナンビー市では、ケプラー・ウェーバーが製造部門とロジスティクス部門で30%の従業員を復帰させて操業を再開した。残りの従業員は集団休暇を続け、管理部門はホームオフィスによる勤務を継続している。同社のピエロ・アボンディ社長によると、「この数字は安全性を確保し当社の危機管理委員会が定めたプロトコルを履行するのに適切なものだ。当社は、公共衛生の状況に応じて対処する当局の対応に従い操業を再開する生産曲線を計画済み。新たな事態が生じなければ、5月15日までに当社は通常の操業体制に復帰する」という。(2020年4月17日付けバロール紙)

機械・装置部門は新型コロナウイルス危機以降すでに1万1,000人の解雇を余儀なくされている

サンパウロ市近郊エンブー・ダス・アルテス市の機械・装置メーカーMaquigeral社は、新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けて、3月に総従業員170人のうち半数の解雇を余儀なくされていた。また今後数日間に更に20人~30人の従業員の解雇を余儀なくされており、最高でも70人の従業員体制で電力エネルギー向けジェネレーターの生産を継続する。

Maquigeral社では、半数に達する従業員解雇は運転資金を年末まで維持するための決断であり、従業員を解雇しなければ運転資金は6月末で資金枯れが発生する。同社の年間売り上げは7,000万レアル、新型コロナウイルス発生前の支払い遅延は5,000レアル、昨年の平均月間支払い遅延は1万レアルであったが、今では250万レアルに急増した一方で、売り上げは半減している。

今年2月から3月にかけて、機械・装置業界は全従業員の3.5%に相当する1,100人の解雇を余儀なくされたとブラジル機械・装置工業会(Abimaq)のJosé Velloso会長は説明。しかし来週から集団休暇から復帰する従業員の解雇が始まるために状況は更に悪化するとブラジル機械・装置工業会(Abimaq)のJosé Velloso会長は説明している。調査対象の78.6%の企業は集団休暇制度、46.2%は時間貯蓄銀行(Banco de Horas)制度を採用している。

調査対象の大半の企業では、今後数か月間に従業員の解雇促進制度を導入を余儀なくされている。「業界内の解雇総数は誰にも予想はできないが、業界全体の従業員総数31万5,000人の15%に相当する5万人になる可能性」をVelloso会長は指摘している。

ブラジル機械・装置工業会(Abimaq)は、ブラジル全国の80に及ぶ労働組合と暫定令MP 936号に沿った時間短縮勤務、給与カット並びに一時的解雇レイオフで交渉している。Abimaq工業会は業界登録8,000社のうち加盟企業1,600社のうち320社が調査に回答している。

調査に回答した企業の半数は操業を停止、42%は契約キャンセルがあった。また79%の企業は給与支払いのために銀行からの運転資金借入を望んでいる。しかし4月上旬までに平均年利が14.3%のクレジットアクセスは僅か11.4%に留まった。「この高金利の借入は他の選択のない企業だけ」とVelloso会長は指摘している。

Maquigeral社は社会経済開発銀行BNDESに運転資金調達を要請したが、承認されなかった。「融資登録に何も問題はない。全ての金融関係認証を所持。負債も一切抱えていないうえに納税を遅れることなく行っているにもかかわらず、BNDESから融資が得られなかった」とMaquigeral社のPaulo Braga社長は説明している。

民間銀行のイタウー銀行やブラデスコ銀行は、中小企業向けの融資を受け入れている。しかし新型コロナウイルスのパンデミック危機前の年利は12.5%であったにも拘らず、危機後は8.0%前後のスプレッドの上昇で、年利は15%近くに達するとBraga社長は指摘している。(2020年4月17日付けエスタード紙サイトから抜粋)

自動車メーカーは来年1月支払い開始の新車ローンキャンペーン発表

今年4月の新車販売は新型コロナウイルのパンデミックの影響で、前年同月比80%の壊滅的な減少が予想されている自動車メーカーやディーラーでは、緊急を要する資金調達であの手この手の起死回生プログラムを模索している。

新型コロナウイルのパンデミックの影響で、外出自粛措置や必需品以外の営業自粛措置などの要請を受けて、自動車業界では先月中旬からの新車販売が前代未聞の落ち込みを記録した影響で、自動車メーカーではレイオフで新車生産中止を余儀なくされているにもか関わらず、自動車メーカーやディーラーは過剰な新車在庫を抱えている。

Fiat社は昨日14日~今月30日まで新たな新車販売キャンペーンとして、48回の分割払いで初回の分割払いは2021年1月。但し新車価格の40%~50%の手付金の入金が条件となっている。

また新車販売キャンペーンでは中古車も分割払いの回数削減条件として受け付けており、例えば中古車の査定価格にもよるが、48分割払いを43分割払いにすることが可能とFiat社営業担当のHerlander Zola取締役は説明している。

“Forza 2021”命名されている48回払いの新車購入プランでは、月利が1.12%。36回払いの月利は0.99%と格安条件プランとHerlander Zola取締役は今が新車購入チャンスと強調している。

今年4月初めの10日間の1日の平均新車販売は1,000台と過去平均新車販売1万台~1万2,000台よりも一桁販売が減少して危機的な状況となっている。4月の新車販売は最高でも3万5,000台に留まると予想されているが、新型コロナウイルス感染拡大前の予想は22万台であった。

FCA Fiat Chryslerグループ傘下のJeep社はSUVのRenegade車並びに Compass車販売で、初めの8か月間の分割払いはメーカーが負担する販売キャンペーンを先週から開始している。

韓国資本現代自動車は、グループ傘下ディーラーが店頭販売自粛を行っているためにInstagram, WhatsApp並びにMessengerを通して新車販売を行っているが、ディーラーは保守サービスだけ行っている。「テストドライブを要請している顧客まで持っていくサービス提供している」と現代自動車マーケティング担当のJan Telecki氏は説明している。

Ford社では、新車購入希望者が販売代理店まで赴く必要をなくすために、“外出しないで車購入-Compre Sem Sair de Casa”チャンネルを開設していると同社営業広報担当のAntonio Baltar Jr取締役は説明している。

先月Ford社は、分割払いを行っている顧客に対して3か月間の支払い先延ばしを提供。Volkswagen Financial Services社は、分割払いに問題を抱えている顧客に対して、金利据置の2か月間の支払い先延ばしを許可している。(2020年4月15日のエスタード紙サイトから抜粋)

COVID-19問題にも関わらず、ブラジルの中国への輸出依存度拡大

昨年12月の中国湖北省武漢市が発生源の新型コロナウイルスのパンデミック拡大に伴う世界貿易縮小の影響にも関わらず、2020年第1四半期のブラジルから中国への輸出は、農畜産製品が牽引して増加した一方で、米国への輸出は減少している。

中国の今年第1四半期の正式な国内総生産GDP伸び率は17日に発表されるが、エコノミストは中国の第1四半期のGDP伸び率をマイナス6.5%と予想、今年通年のGDP伸び率は僅か2.5%増加予想、1976年以降では最低のGDP伸び率を記録すると予想されている。

今年第1四半期のブラジルの中国への輸出は前年同期比7.36%増加した一方で、ブラジルの輸出はマイナス3.22%に縮小。米国の輸出は1.0%増加した一方で、ブラジルからの輸入はマイナス19.31%と貿易相手国トップ5で最高の減少を記録している。

新型コロナウイルス感染で都市封鎖措置(ロックダウン)など厳しい統制が行われた今年第1四半期の中国への輸出は世界全体の29.0%を占め、前年同期の26.0%のマーケットシェアから更に拡大した一方で、米国のシェアは13%~11%に減少している。

今年第1四半期の中国への輸出は農畜産製品が牽引、特に豚肉輸出は前年同期比270%、牛肉は125%、原綿は120%それぞれ増加。また4月初め2週間の中国向け農畜産製品輸出は前年同期比71%増加した一方で、輸出全体では僅か2,0%増加に留まっている。4月初め2週間の中国向け大豆輸出は大豆輸出全体の70%以上を占めている。

今年第1四半期の米国向け輸出では、工業製品の落ち込みが顕著でマイナス17%、航空機向けエンジンやタービンは前年同期比マイナス52%、航空機はマイナス27%、建設用機械・装置マイナス51%であった。(2020年4月15日付けエスタード紙サイトより抜粋)

連邦政府は2023年迄の10年間の財政赤字予想

15日経済省は2014年から継続している財政赤字は最低でも2023年迄の10年間は赤字が継続すると予想、2022年の財政プライマリ収支赤字は1,275億レアル、2023年は833億レアルの財政プライマリー収支赤字の下方修正を余儀なくされている。

2021年の財政プライマリー収支は、2014年から8年連続での赤字計上は避けられないと経済省のWaldery Rodrigues特別財政担当長官は説明している。

今年3月から新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛措置や必需品以外の営業や製造業部門凍結措置などの要因で、国庫庁の歳入減少で財政政策の見直しを余儀なくされており、2023年迄の財政プライマリー収支赤字は避けられない。

2021年の財政赤字軽減のためには、税制改革や行政改革などの一連の構造改革による恒常的な歳出削減、連邦公社の民営化による臨時歳入並びに人件コストカットなどによる歳出削減は避けて通れないと国庫庁のMansueto Almeida長官は指摘している。

2021年の中銀並びに国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支の許容目標赤字は1,496億レアルを見込んでいるが、新型コロナウイルス感染拡大による国庫庁の大幅な歳入減少は避けられないために、経済省は赤字幅を緩める可能性を否定していない。

2021年の中央政府並びに地方政府(州政府・市役所)を合わせたブラジル政府の財政プライマリー収支赤字は、1,533億8,000万レアルを経済省では見込んでいる。また2022年は1,264億4,000万レアル、2023年は821億2,000万レアルの赤字を見込んでいる。

2021年度の基本予算法(LDO)では、連邦公社の赤字は39億7,000万レアル、2022年は42億3,000万レアル、2023年は45億2,000万レアルの赤字が見込まれている。また2021年度の基本予算法(LDO)では、地方政府の黒字は2億レアル、2022年は53億レアル、2023年は57億レアルの黒字が見込まれている。

2021年の中央政府の財政プライマリー収支赤字はGDP比1.84%、2022年はGDP比1.47%、2023年はGDP比0.90%の赤字予想。また2021年の社会保障院INSSの赤字はGDP比3.09%に相当する2,520億レアル、2022年はGDP比3.10%の2,697億レアル、2023年はGDP比2.99%に相当する2,775億レアルが見込まれている。(2020年4月15日 エスタード紙サイトより抜粋)