最終フォーカスレポートは今年のGDP伸び率をマイナス1.18%に下方修正

6日発表の最終フォーカスレポートによると、2020年のGDP伸び率は前回予想のマイナス0.48%からマイナス1.18%と0.70%の大幅な下方修正を行った。2021年のGDP伸び率は前回と同じ2.50%増加に据え置かれた。

また5月上旬に実施される中銀通貨政策委員会(Copom)での政策誘導金利(Selic)も現在の3.75%を0.25%切り下げの3.50%が見込まれている。このフォーカスレポートは100社以上の金融機関を対象の追跡調査。

先週のフォーカスレポートのエコノミストの予想では、5月初めの中銀通貨政策委員会(Copom)での政策誘導金利(Selic)は0.50%引下げの3.25%予想で、年末まで3.25%の継続が予想していた。

また先週のフォーカスレポートでは、2021年の政策誘導金利(Selic)は、前回予想の5.0%から4.75%に下方修正していた経緯があった。

今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の2.94%を2.72%と4回連続で下方修正。中銀のインフレ指数の中央目標値4.0%を下回るが、許容範囲2.50%~5.5%には辛うじて留まると予想されている。

2021年の広範囲消費者物価指数(IPCA)前回予想の3.57%から3.50%と若干下方修正して4回連続での下方修正を記録。来年のインフレ指数中央目標値3.75%を若干下回るが、許容範囲2.25%~5.25%には留まると予想されている。(2020年4月6日付けエスタード紙サイトより抜粋)

2020年3月に農機具販売が堅調だった一方でメーカーは製造ラインを停止中(2020年4月7日付けバロール紙)

2020年3月に国内の農機具販売が回復の兆しを見せて販売台数を拡大した。ただし、国内の農機具メーカーはいずれも新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの影響で事実上の生産停止状態であり、業界では、販売店の在庫が払底する今後数か月でその堅調な売れ行きも完全に失速すると予想している。

全国自動車工業会(Anfavea)が4月6日に発表したデータによると、3月のトラクターとコンバイン、ハーベスターの販売台数は4,100台で、2月の実績を46.1%上回った。Anfaveaのアルフレッド・ミゲル・ネット(Alfredo Miguel Neto)副会長によると、2019年3月と比較した場合でも+10.3%を記録した。比較対象の販売実績が低調だったこと、さらに季節的な販売変動(穀物コンバインの販売拡大時期)を反映しているという。さらに信用収縮で止まっていた売買交渉がまとまったことなどが影響したという。

3月に連邦政府は、社会経済開発銀行(BNDES)による農業融資を通じた農機具の調達に対する融資枠に、15億レアルを追加した。ただしこの融資は、農機具向けの政府融資の柱である車両刷新計画(Moderfrota)に合わせた金利が設定されていない。Moderfrotaの融資は、2019/20農年に97億レアルが、年利8.5%から10.5%で提供された。(2020年4月7日付けバロール紙)

COVID-19が水産業界にも波及(2020年4月7日付けバロール紙)

国内のバールやレストランが閉店しているために製品の重要な販売策がなくなり、さらに主だった顧客の半数に達する規模で履行遅滞が発生するなどして、1万人以上を雇用するブラジルの水産業界にも新型コロナウイルス(COVID-19)の高波が押し寄せている。

2020年に200億レアル規模と推算される水産業界は、パンデミックの影響で60億レアルの損害を被ると予想している。連邦政府が発表した金融支援はまだ1万人を雇用する水産加工業界には届いていない。

ブラジル水産業協会(Abipesca)のエドゥアルド・ロボ・ナスラフスキー(Eduardo Lobo Naslavsky)会長は、現状は「極めて深刻」で、まさに業界が「蹂躙された」状態だと受け止めている。輸出額がわずか1,200万ドルにとどまるこの業界は国内消費への依存が強く、フードサービス業界が営業を制限していることから売上は60%落ち込んだ。また顧客の履行遅滞に伴って業界各社は総額10億レアル規模の損金が発生する見込みで、それ以外にも未払金の支払期日を180日先送りするよう求める顧客もいる。

ロボ・ナスラフスキー会長は、「販売できる市場がなく、私の顧客は破綻した。和食レストランとシーフード・レストランはいずれもシャッターを下ろしている。業界にはさらに20日を乗り切る体力はなく、水産チェーン全体が崩壊中だ」と話す。同会長によると唯一、業界で堅調に事業を継続できているのは缶詰需要に支えられた保存食品分野だという。

また連邦政府が発表した緊急支援策について同会長は、水産チェーンの90%はこれで問題が解決しないと指摘する。業界が喫緊に必要としている対策は、製品の保管条件を確保し従業員への支払いを可能にするキャッシュ・フローを確保するための貸付と、専門船会社と水産加工業界に対する貸付である。またロボ・ナスラフスキー会長は、社会経済開発銀行(BNDES)の資金にアクセスするために銀行業界が定めた条件は過度に厳しいと批判、政府に対して事業継続を保証する基金の立ち上げを求めていることを明らかにした。「業界は、大海原を漂流している。生き残るために浮き輪が必要だ」。

生産者の側から見ると、魚肉販売において年間で最も重要なシーズンとなる聖週間(復活祭までの肉食を特に控えるべき1週間)ですら、「奇跡」は起こらないようだ。COVID-19のパンデミックという危機的状況になければ30%から50%も販売が拡大するこの時期に、そうした販売増は見込めない。「聖週間に販売のピークを迎えることはないが、販売は通常の流通の範囲内で推移する」と、ブラジル養殖業協会(Peixe BR)のフランシスコ・メデイロス(Francisco Medeiros)理事長は言う。同協会傘下の企業は、2019年に75万8,000トンを生産しており、その内57%をティラピアが占めた。

だがメデイロス理事長は、ブラジル北部及び北東部の諸州、連邦区での青空市場の再開や、スーパーマーケットの価格の維持、消費者が買い急ぐ検疫隔離措置期間中に魚の購入額が20%増加するといった、生産者の側から見て明るいニュースもあると指摘した。

ブラジル南部と南東部では、バールとレストランの営業中止によって現実はやや悲観的なものになっている。「これらの地域は、姿を消した。デリバリーでは、レストラン市場の15%にも満たない」という。「2018年5月末のトラック運転手のストで被った打撃は、新型コロナウイルスでこれまでに被った影響よりもはるかに大きかった。販売は縮小しているが運転資本はある。取り組むべき課題は、その後、つまり聖週間が幕を閉じても製品の消費を維持することだ」という。

養殖業界では、売上が想定を下回っている以外にも、キャッシュ・フロー不足という問題を抱えている。トウモロコシの値上がりや大豆ふすまの値上がり、さらにはドル高レアル安といった状況から、飼料が6%から15%値上がりして状況をさらに複雑にしている。「業界は困難に直面している」と、全国農業連合会(CNA)の全国水産委員会のエドゥアルド・オノ(Eduardo Ono)委員長は話す。

例えばエビの養殖業者の場合、販売が80%落ち込んだ。オノ委員長によると、解決策は単価を20%値下げして、大手小売チェーンに生産コストで販売すること。「突然の急ブレーキ」が掛かった中で、生産ラインを維持する唯一の方法だった。ブラジルは年間およそ20万トンのエビと牡蠣、ムール貝を生産している。「業界全てが、雇用を維持し、企業を存続させるために妥協している」という。農務省は連邦政府の経済スタッフに要請した運転資本の支援のための融資で漁業分野の需要を満足させられると期待しているという。

Abipescaのロボ・ナスラフスキー会長は、業界は復活祭に関して前倒しで3月にまとめた売買契約で当初設定した販売目標の80%を達成できると話す。ただし、4月は急激な落ち込みになると予想する。「売上は、50%落ち込むと予想している」という。(2020年4月7日付けバロール紙)

企業支援対策の遅れるサンパウロ市で市税のISSとIPTUに対する納付期日の先送りを認める判決(2020年4月7日付けバロール紙)

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が拡大して連邦税と収税で納付期日の先送りを求めた企業の訴訟が相次ぐ中、市税に関しても同様の訴訟が増加している。サンパウロ市では、サービス税(ISS)と都市土地家屋税(IPTU)の納付期日の先送りで、少なくとも2件の差し止め命令が出た。

サンパウロ市とブラジリア、リオデジャネイロ市に代表される国内の主要な大都市がパンデミックによる危機という状況下で企業を支援する具体的措置を立ち上げてないことが、訴訟の動きにつながっている。こうした中、ベロ・オリゾンテ市では、主要都市の先陣を切って3月、バールとレストラン、食堂、芝居小屋、映画館、劇場を対象に、4月と5月、7月のIPTUの支払いを2020年下半期(7―12月)に振り替える規定を定めた。

シゴー弁護士事務所のブルーノ・シゴー弁護士は、「このような流れが生じていることから、次に支払期日を迎えるIPTUとISSの支払いを止めようと考えるクライアントの相談が増加している」という。

こうした中、小規模の市役所ではすでに納税者を支援する措置の導入が始まっている。こうした対策は、市税(ISS及びIPTU、手数料)に対する減額支払い期日の延期、裁判所による差し押さえの中断などで構成される。サンパウロ州内でこうした対応に乗り出した地方自治体には、オザスコ市とマイリポラン市がある。リオ・グランデ・ド・スル州では、リベラット・サルザーノ市とエストレーラ市、サンタ・カタリーナ州ではトレーゼ・チリアス市とカピバリ・デ・バイショ市、セーラ・アルタ市、ナベガンテス市などがある。「言い換えると、既に市でそうした動きが始まっている。ただ、それはまだマイナーな状態だ」とシガー弁護士は言う。

小・零細企業はすでに、こうした支援策を獲得している。国家Simples運営委員会(CGSN)は4月3日の会議で、小・零細企業向け税及び賦課金統合納付制度(Simples)で扱う税金、すなわち州税の商品サービス流通税(ICMS)と市税のISS、連邦税の納付期日を3か月から6か月先送りする判断を下した。それぞれの期日(3月分から6月分)が、その対象となる。

サンパウロ市内では、裁判所で下された差し止め命令のひとつは産業医分野のある企業に恩恵を与えるものである。サンパウロ財政裁判所第15法廷のジルサ・エレーナ・リオス裁判官が下したもので、ISSの納付期日を90日先送りする。この企業は、3月22日施行の暫定令第927号(MP 927)の第15条で、国が異常事態を宣言している期間中、解雇時の健康診断を除いて産業医及びクリニック、その他補助的な医療機関による健康診断の義務を凍結したことで売上が75%落ち込むことが予想されると主張した。

判決文において同裁判官は、異常事態及び検疫隔離措置を宣言した州政令(政令第64,862号及び同64,879号、64,881号)の結果として当該企業の事業家いつ同派直接的に影響を受け、「主たる活動の行使が阻害され、収入が落ち込み、賃金と税金の支払いを危うくした」と付け加えた。

この判決では、経済活動の行使に関するパラメーターを規定して勤労の価値を認め、民間の事業活動及び完全雇用を保障した憲法第170条も引用した(訴訟番号1017589-28.2020.8.26.0053)。

差し止め命令が下されたもうひとつの訴訟は、不動産コンサルタント業者に対するものである(訴訟番号1016723-20.2020.8.26.00 53)。この判決は、サンパウロ財政裁判所第8法廷のルイス・エドゥアルド・メデイロス・グリゾリア裁判官が下したもので、当該企業に対して市税の支払いの先送りあるいは分割を認めた。同裁判官はさらに、支払いが先送りあるいは分割された場合において当該企業に財産上、あるいは行政上の処罰が加えられてはならないとした。さらに、本案件に対する判決が確定するまで、滞納税として当該金額を登記することも禁じた。

憲法の原則で示されている上に、連邦税及び州税で納付期日の先送りにこの主張が使用されており、納税者の主張を支持する判例があるとブルーノ・シガー弁護士は言う。法律第14,493号(Lei nº 14.493)では2007年から、洪水/冠水の影響を受けた不動産に関してIPTUの免除/減額が認めている。「2007年以降、公権力によって免税が明確に承認された事実がある中、COVID-19のケースで同様の対策が公示されない理由は何だろうか?」と同弁護士はコメントした。(2020年4月7日付けバロール紙)

株や投資ファンドからポウパンサ預金に投資回避

新型コロナウイルスのパンデミックの影響拡大に伴って、3月の株式投資下落やレアル通貨に対するドル高騰などの要因で、ハイリスク・ハイリターンの株式投資や投資ファンドからの資金引き揚げが顕著となっている。

多くの小規模投資家は、収益率が最も低い反面最も安全な投資先であるポウパンサ預金に投資金を回避する傾向となっており、3月の預金総額は引き揚げ総額を差し引いた121億6,800万レアルの黒字で記録更新。今年初め3か月間では37億5,800万レアルを記録している。

今年3月のサンパウロ平均株価(IBOVESPA)はマイナス29.9%と過去20年間で最高の下落率を記録、今年初め3か月間ではマイナス36.86%の下落を記録していた。

今年3月のポウパンサ預金への預金総額は2,218億6,000万レアル、預金引き揚げ総額は2,096億9,100万レアル、121億6,800万レアルの黒字を記録。ポウパンサ預金残高は8489億1,900万レアルを記録している。

現在の政策誘導金利 (Selic)は過去最低の3.75%で確定金利付き投資は不人気にも拘らず、収益率が最も低いが最も安全なポウパンサ預金への資金流入が続いている。

ポウパンサ預金の金利計算は、政策誘導金利 (Selic)の年利が8.5%以下の場合は、月間0.5%の固定金利(年利換算6.17%)プラス過去2年以上継続している0.0%の参考金利(TR)となっている。(2020年4月6日付けエスタード紙サイトから抜粋)

今年の地方政府の財政プライマリー収支は440億レアルの赤字予想

州政府並びに全国約5,700市で構成される地方政府の2020年の財政プライマリー収支は90億レアルの黒字が予想されていたにもかかわらず、新型コロナウイルス(COVID-19)によるブラジル国内の社会・経済の危機的状況に直面しているために、地方政府の歳入が半減すると予想されている。

地方政府の各州知事や各市長は、新規借り入れ並びに連邦政府、銀行並びに借入を抱える国際金融機関への負債支払い繰り延べの要請を余儀なくされている。連邦政府は新型コロナウイルスのパンデミックの影響を最小限に抑えるための社会弱者救済並びに雇用維持するために、緊急財政支出など国家予算を無視した財政支出を余儀なくされている。

今年の国庫庁、社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支の許容目標赤字1,241億レアルを大幅に上回る4200億レアルの赤字に達すると予想されている。また地方政府の今年の財政プライマリー収支は当初予定の90億レアルの黒字から一転して、400億レアル~440億レアルの赤字に反転すると予想されている。

3月末の今年の連邦政府の財政プライマリー収支は、壊滅的な緊急財政支出を強いられるために3,500億レアルの赤字に達する可能性を国庫庁のMansueto Almeida長官は示唆していたが、地方政府でも大幅な赤字への転落が避けられない。

国庫庁のMansueto Almeida長官は地方政府の救済目的の65億レアルに達するMansuetoプランと呼ばれる連邦政府の地方政府への交付金支出で交渉中であるが、Paulo Guedes経済相率いる経済班は、地方政府の今年の財政プライマリー収支を300億レアルの赤字に収めることを要請している。

国会では新型コロナウイルス対応の非常事態宣言(カラミダーデ・プブリカ)の期間中の地方政府に対する財政支出規定の変更を模索、これには国庫庁が保証機関となっている地方政府の償還期間以内に返済できない負債の肩代わりを余儀なくされている2016年末の財政緊急事態宣言の発表を余儀なくされたリオ州、また南大河州並びにミナス州なども含まれている。(2020年4月7日付けエスタード紙サイトから抜粋)

COVID-19の感染拡大で上場企業の約半数が製造に支障(2020年4月4日付けバロール紙)

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、経済・社会の危機的状況を乗り越え見通しの立たない不安定な状況に対処するため、製造ラインの停止や生産の縮小を決定した会社がこの数週間で増加した。過去1か月間にパンデミックに関する声明を有価証券取引委員会(CVM)に送付した上場企業116社の内48社が、店舗の閉鎖や工場の操業の停止、工事の中断、生産水準の引き下げといった対策に言及している。

これらの経営判断は、自動車メーカーのような非上場の大企業が採用した対策とほぼ同一のものである。集団休暇を実施するなどして過去1か月で生産活動の全面休止あるいは部分的な休止を発表した企業にはフォードとスカニア、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)、フォルクスワーゲン(VW)、ホンダ、ルノー、日産、トヨタ、BMWが名を連ねている。

上場企業で見ると、最初に生産活動の縮小を発表したのは小規模の金属工業と自動車及びその他の業界向けの部品・コンポーネントのメーカーで、これに衣料・シューズ・メーカーが続いた。店舗とレストランの閉鎖は地元自治体による検疫隔離措置の判断に従って実施に移行した。

最近では、ペトロブラスとエンブラエルのような巨大企業まで事業活動を縮小し始めている。例えばペトロブラスの場合、4月4日から10万バレル/日の新たな減産に踏み切る。さらに同社は、2万1,000人の従業員を対象に労働時間を8時間から6時間に短縮することも決定、製油所の稼働についても「燃料需要に即した」ものに調整する。

約1週間にわたって業務を中断し3月30日に業務を再開していたエンブラエル(Embraer)は、集団休暇を4月13日まで延長することを決定した。サンパウロ州のサン・ジョゼ・ドス・カンポス(São José dos Campos)市の金属労組によると、同社は後日導入される労働体制についての交渉を希望しており、工場では、航空機の修理用部品に加えてCOVID-19の感染者に使用される人工呼吸器のコンポーネントの生産に従事する人員のみを製造ラインに立たせ続ける方針。残りの労働者は、自宅にとどまる。

より抜本的な対策がある中で、従業員の解雇はだいぶ部分の企業は協議の俎上にあげもしていない。例えばロージャス・レンネル(Lojas Renner)は、COVID-19の流行とは無関係に実施していた普通解雇を停止した。

他方、KFCとピザハット、フランゴ・アッサード(Frango Assado)などのレストラン・チェーンを展開するIMCは、国内の従業員の30%に相当するおよそ2,100人を削減した。道路用危惧や輸送用及び産業用冷蔵設備を製造するレクルスル(Recrusul)は、リオ・グランデ・ド・スル州政府の異常事態宣言が続く場合、雇用契約の一時的な凍結を検討していることを明らかにしている。

CVMは企業に対して、パンデミックが自社の企業活動に与えかねない可能性を「慎重に」評価しその影響を市場に通知するよう勧告した。3月10日のこの勧告を受けてすでに116社が、この問題について声明を発表している。

危機対策委員会の設置

集団休暇の前倒しの実施や事業所の閉鎖、労働時間の短縮といった緊急対応に必要な計画の策定に責任を持つ危機対策委員会の設置は、パンデミックに直面する企業が採用する対策の中で最も一般的なものになっている。上記116社の内59社がこの種の委員会を社内に設置している。

例えば学校法人のアニマ(Ânima)の場合、1日に最低1回の頻度で5人の理事と感染症の専門医がオンライン会議を実施し、14万人の生徒と従業員を抱える同社の活動にCOVID-19が与える影響を分析、未曽有の事態にどのように対処すべきかを協議している。同社は、イタリアをはじめ欧州で感染が拡大、自社の計画に影響が出始めた2月末にこの会議を立ち上げた。(2020年4月4日付けバロール紙)
 

需要の落ち込みを受けアルセロール・ミタルに続きウジミナスとゲルダウも減産で対応(2020年4月6日付けバロール紙)

国内鉄鋼業界では、アルセロール・ミタル(ArcelorMittal)に続いてウジミナス(Usiminas)とゲルダウ(Gerdau)が、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴う景気の減速に対応するための減産を発表した。業界は、2020年4月にブラジル国内の鋼材の見かけ消費量(国内生産から輸出を差し引き輸入を加えたもの)が50%縮小し、年間でも20%の落ち込みになると予想している。

4月3日夕にゲルダウは声明を発表し、4月を通じて複数の電気製鋼所と棒鋼圧延工場を休業すると通知した。さらに4月中に年間150万トンの生産能力を持つミナス・ジェライス州のオウロ・ブランコ(Ouro Branco)製鉄所の2号高炉の稼働を停止する。同製鉄所で300万トンの生産能力を持つ1号高炉は稼働を継続する。「一連の対策は、とりわけ工業及び土木建築部門を中心とした需要の落ち込みによるものである」と同社は強調した。

他方、収入の40%を占める北米では、建築需要と工業需要が縮小する状況に緩やかに生産を対応させつつ4月は通常通りの稼働を継続している。

ゲルダウの重要事業のひとつである特殊鋼(主に自動車業界で使用)は、4月に、ブラジルだけでなくアメリカでも電気製鋼所及び圧延工場の計画的な生産停止を実施する。この対策は、既存の在庫と顧客からの発注を勘案して判断を下す。またゲルダウは、両国の自動車業界がこの種の鋼材の需要に強いインパクトを与える集団休暇を4月に実施すると発表していることを強調した。

更にゲルダウによると、「南米では、ペルーとアルゼンチンで当該国の政府が宣言した非常事態に伴う措置に応じるため、当社の事業所は、顧客への製品の納入を含めて営業を完全に停止している」という。

またすべての事業所で、「必要な場合には」集団休暇を実施することになり、その場合でも、衛生当局の定めた条件の範囲内で顧客には特別な配慮を持って引き続き対応するとしている。また鋼材は病院の建築や保健分野及び安全分野の機械・設備とコンポーネントに欠かせない投入財であるとして、同社は鉄鋼業界を「根本的に書くことのできない経済活動である」と位置付けた。

他方、ウジミナスは4月2日夕、翌日に同社株が大幅安となる発表を行った。ミナス・ジェライス州のイパチンガ(Ipatinga)製鉄所が保有する3基の高炉の内2基の送風量を削減しスラブの圧延という下流事業のみを継続していたサンパウロ州クバトン(Cubatão)製鉄所の稼働を停止するというもので、アナリストは回復に最も悲観的な判断と受け止めている。

市場は、ウジミナスが短期的に市場が回復しないとみていると受け止めている。同社の大口顧客のひとつが自動車業界で売上の35%を占めるが、自動車メーカー各社は既に製造ラインを停止している。

業界関係者の1人は、「これは受注が深刻な非常に深刻な状況を示している。生産量を40%削減するというのは、第2四半期(4―6月期)の販売が50%落ち込むと想定していることを示している。高炉の送風量を落とすのは、採用可能な対策の中でも最後の手段だ。稼働を再開させるのに多くの時間を必要とする」と話す。「ウジミナスがこういう状況なら、それは(競合社の)ナシオナル製鉄会社(CSN)も同様だ」と強調した。

クレディ・スイスのアナリスト、カイオ・リベイロ(Caio Ribeiro)氏とガブリエル・ガルボン(Gabriel Galvão)氏が執筆したレポートで同銀行は、ウジミナスの判断は、今後数か月は同社の売上科目が非常に困難な状況に直面することを示している。「今回のイベントは当銀行の目から見て、同社の収益という観点から明らかにネガティブなものである。というのも、今後の需要がさらに縮小するのを示唆している飲みにとどまらず、生産コストも恐らくは上昇するということを示しているためである」と説明した。

またこの2人のアナリストは、3か月にわたって高炉が稼働を停止するという状況を考慮し、ウジミナスの利払い前・税引き前・減価償却前利益(EBITDA)が第2四半期に1億レアルにとどまる可能性があると指摘する。ただしウジミナスは、2020年の投資を4億レアル削減し、同社年金基金から3億9,000万レアル、強制借入金によりエレトロブラスからさらに3億レアルを受け取ることで現金預金を強化できる。両氏によると、「EBITDAの大幅な落ち込みを支えるウジミナスの現在の財務体質は、負債レバレッジが1.6倍と低いため、非常に良好だ。一般論として、2015年から2016年の状況と異なり、流動資産不足に陥る可能性は低い」という。(2020年4月6日付けバロール紙)

COVID-19でストの脅威にさらされる港湾業務をMPで保証(2020年4月6日付けバロール紙)

連邦政府は4月4日、新型コロナウイルス(COVID-19)により港湾業務がこれ以上の影響を受けないよう暫定令(MP)を定めた。MPの内容は、港湾、とりわけサンパウロ州のサントス港で港湾労働者がストをちらつかせていることへの対策。

同MPでは、咳の症状が出ている労働者、あるいは、COVID-19のリスク・グループとされる労働者は勤務を禁じるが、この場合、収入の一部を補償する。補償額は、2019年10月から2020年3月の平均賃金の50%に相当する。支払いは港湾事業会社が行い、その後、支払額に関して行政と清算するか、契約の経済的条件でリバランスする権利の形で相殺する。(2020年4月6日付けバロール紙)

ショッピングセンターのテナントに賃貸契約の負担の一部凍結を認める判決(2020年4月6日付けバロール紙)

ブラジリア民事裁判所第25法廷の正判事補が、原告の主張する緊急保護要請を部分的に認め、ショッピングJK(Shopping JK)の店舗の賃貸契約で定められた最低賃貸料と広告を目的とした基金への分担金の支払いを凍結する判決を下した。 原告は今後も、売上に応じた賃貸料と共益費の支払いを継続する。

申し立て(訴訟番号0709038-25.2020.8.07.0001)を行った原告は、最低賃貸料及び売上に応じた賃貸料と、販売促進及び広告を目的とした基金への分担金を支払う内容の当該商業施設内で店舗スペースの賃貸契約を交わしていた。だが新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を防止するために当局が商業施設の営業を停止する対策を講じたことで当該店舗は営業ができなくなり、直ちに売上がなくなり、契約で定められた義務を履行する能力に影響を与えることになった。(2020年4月6日付けバロール紙)