PECにより「財政の絶対原則」を緩和しパンデミック対策を推進へ(3月30日付けバロール紙)

 予算外予算を扱う憲法改正案(PEC)、いわゆる戦時予算PECを通じて、連邦政府は、新型コロナウイルス(COVID-19)が蔓延する状況下で「財政の絶対原則」とその他の財政規定を緩和する。

 経済分野では、経常負担の債券の発行を阻止する仕組みを破ることなく、緊急対策の費用を確保するために債務を増加できるよう緊急措置が必要だというのが専門家らの意見である。

 関係者によると、異常事態に対処するための非常時財政契約体制を確立する草案は、ロドリゴ・マイア下院議長(DEM:民主党=リオデジャネイロ州選出)と立法府の専門家が起草中。これを主だった政党の党首らに今週内に提示し、4月上旬の可決を目指す。

 バロール紙が入手した草案によるとPECは、「財政の絶対原則」の緩和に加え、災害に伴う異常事態が宣言されている期間中、種々の税金に関する納税義務を停止する。この草案はまた、平時に有効な規則から煩雑な官庁の手続きを簡略化する形で人材の雇用や工事及びサービスの契約をまとめることを認める。その結果、法律で定める公務員に対する支出の制限にとらわれることなく、一時的かつ緊急に、COVID-19に対処するため政府が専門家を雇用することも可能にする。また、対策に財源を確保する義務や、その他の分野の歳出や当初から想定されていた予算を削減することも免除される。

 COVID-19への対策に関する歳出、及び経済的影響は、それが恒常的でない限り、予算法の規定に準拠する義務はなくなる。法律でその他の目的に振り向けられている歳出を財源として取り込むこともあり得る。法案では外に、政府が国会に提出する特別予算に関して、国会で5日間の審議を定める。さらにルイス・エンリッケ・マンデッタ保健大臣を議長として他の閣僚とともに議決権を与え、州政府局長らが議決権のない参与として参画する危機対策委員会の設立も想定している。この委員会には、連邦及び連邦政府機関、公社による対策及び契約を無効とする権限が与えられる。この委員会の判断の審理は、連邦最高裁判所(STF)の管轄となる。(3月30日付けバロール紙)

 

上場企業の半数は3か月間売り上げなしでも運転資金に余裕

ブラジルの上場企業245社対象の2019年12月の決算を基にした調査によると、上場企業の半数は、3か月間売り上げなしでも運転資金に余裕があるもののその後は大きな影響を受ける。

しかし上場企業の半数は3か月間売り上げなしでも運転資金に余裕がある一方で、中小企業は売り上げ皆無では、1か月間の運転資金調達も難しい。

経済調査院金融市場研究センター(Cemec-Fipe)の245上場企業対象の調査では、 3か月間売り上げなくてもサプライヤーへの支払い、従業員へのサラリー支給並びにその他のオペレーションにかかわる経費の支払いは充分可能と判明している。ただしこの調査ではレアル通貨に対するドル為替変動は考慮されていない。

この245上場企業対象の調査では、調査対象の23.3%はの上場企業は、初めの30日間で運転資金に問題が発生、2か月目には37.1%に上昇、90日間では48.9%に企業が運転資金に問題が発生すると経済調査院金融市場研究センター(Cemec-Fipe)コーディネーターのCarlos Antonio Rocca氏は指摘している。

FGV-EESP(ゼツリオバルガス財団大学サンパウロ経済学部)のMarcio Holland教授は、新型コロナウイルスのパンデミックは短期的に世界中で壊滅的な打撃を受けるが、中期的にはダメージ規模が不透明と説明している。

またブラジルは今年は経済リセッションになる可能性が濃厚であり、来年も経済リセッションが継続する可能性も否定できないとFGV-EESPのMarcio Holland教授は説明している。

連邦警察のラヴァ・ジャット作戦の汚職問題摘発で不正に関与したことが明らかになったことでゼネコン企業の売り上げは60%から90%減少と壊滅的なダメージを被った経緯があった。

また新型コロナウイルスのパンデミックの影響で同様の壊滅的な打撃を受ける企業が発生、破産を避けるために裁判所に駆け込む企業が多く出てくる可能性があると匿名希望のエコノミストは指摘している。(2020年3月30日付けエスタード紙サイトから抜粋)

 

 

 

 

Mondial社は、4700億レアルを投資して中国から輸入されているポータブル家電の国産化に投資

新型コロナウイルスのパンデミック並びにレアル通貨に対するドルがR$5.00を突破して高騰している状況下で、中国で生産されているポータブル家電の輸入供給が不透明となってきているために、ミキサー、扇風機並びにコーヒーメーカーなどを生産するブラジル資本Mondial社はこれらのポータブル家電の国産化を決定した。

Mondial社は4700万レアルを投資して、バイア州Conceição do Jacuípe市のバッテリー、スピーカー並びに大型商業施設や教会向けの扇風機を行っている工場を拡張するが、これらの製品は中国から輸入されていた。

またMondial社はポータブル電磁調理器(cooktop)や中国から輸入されているその他のポータブル家電製品の国産化を検討している。 

レアル通貨に対するドル高の為替で国産製品と輸入製品の価格格差を減少させる効果に結びついており、Mondial社が国産化に踏み切った要因となっているとMondial社のGiovanni Marins Cardoso共同創業者は説明している。

また新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、中国からの安定供給が不透明である状況下では、ブラジル国内での生産に踏み切る決断を後押ししたとCardoso共同創業者は説明している。

新型コロナウイルスのパンデミックでブラジルの国内経済は完全に停滞しており、全ての製造業が生産調整を余儀なくされている中での設備投資拡大の投資は、新型コロナウイルスのパンデミック終焉後を見据えた中長期向け先行投資とCardoso共同創業者は説明している。

またCardoso共同創業者は、ブラジル国内の所得層の低い1800万家庭はミキサーを擁しておらず、新型コロナウイルス感染危機の期間中はマーケットシェア拡大の絶好のチャンスと見込んでおり、果敢に投資を行う。

2019年の同社の売り上げは20億レアル、昨年の第4四半期は家電小売販売のポータブル家電販売は売上全体の36.0%を占めていた。

今年のポータブル家電販売を縮小を余儀なくされるが、同社のポータブル家電の現地生産向けの4700万レアルの投資で、同社の国産品の比率は昨年の55%から65%に上昇する。(2020年3月29日エスタード紙サイトから抜粋)

 

 

 

 

新型コロナウイルスで運転資金確保のために自社の株式配当金の削減並びに支払い延長

多くのブラジル上場企業は、新型コロナウイルスの世界的な大流行パンデミックに伴って、運転資金確保のために自社の株式配当金の削減並びに支払い延長を発表している。

例えばペトロブラス石油公社は、すでに今年5月の配当金支払い予定を年末まで先送りすることを発表。ポルトガル資本EDP社は配当金支払いを50%カット。ブラジル再保険院(IRB Brasil Re)では、新型コロナウイルス発生前の配当金支払い比率の見直しを検討している。多くの上場企業は顧問弁護士と相談して配当金支払いの見直しを行っている。

配当金は株主に分配される現金配当で株主は持ち株数の出資比率に応じて利益の還元を受ける権利の利益配当請求権)を持っている。会社の利益の状況で配当金の有無・増減が決定し、年1回の本決算または中間決算も入れて年2回支払う会社が多い。ただし、会社によっては利益があっても配当金を支払わない場合や利益が無くても支払われる場合がある。

Miguel Neto弁護士事務所のMiguel Neto弁護士は、大半の企業は新型コロナウイルスのパンデミックの終焉が不透明なために、可能な限り運転資金の確保のため株主への配当金支払いを可能な限り先延ばし若しくは法令で定められている最低限の配当金支払いを模索と説明している。

2019年の企業活動で配当金が出せるだけの利益を出した企業は、配当金の支払いまたは利益を出しても次のビジネスにつなげる設備投資に対する保留、新型コロナウイルス対応策として運転資金確保のための内部保留で配当金支払いの先延ばしをBocater弁護士事務所のBernardo Costa e Silva共営弁護士は指摘している。

新型コロナウイルスのパンデミック状況下では、株主に約束していた配当金支払いを余儀なくされており、配当金支払いの停止および先送りのために総会での承認が必要とCescon Barrieu弁護士事務所のFernanda Montorfano共営者は指摘している。(2020年3月29日エスタード紙サイトから抜粋)

 

中銀は新型コロナウイルスの影響で今年のGDP伸び率ゼロに修正

世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で、今後数か月間にわたって先進諸国や新興国を問わず世界中が経済活動が壊滅的な打撃を受けるために、各国の中銀は一斉に今年のGDP伸び率の大幅な下方修正を余儀なくされている。

今月26日中銀は四半期のインフレレポートで、今年のブラジルのGDP伸び率を年初予想の2.2%増加から一転して0.0%に下方修正。新型コロナウイルスの感染拡大の終焉が長引けばマイナスに振れる可能性も否定できない。

先週パウロ・ゲーデス経済相は、今年のGDP伸び率を0.02%に設定したにも関わらず、GDPが2四半期連続でマイナス成長を記録して景気後退局面に入るテクニカル・リセッションの可能性も否定していない。

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、ボルソナロ政権初年度の2019年のGDP伸び率は、1.1%と過去3年間で最低の伸び率を記録、2017年および2018年のGDP伸び率はそれぞれ1.3%増加を記録していた。

中銀の通貨政策委員会(Copom)は、今月18日に政策誘導金利Selicを6回連続となる4.25%から0.5%引き下げて3.75%に決定、過去最低のSelic金利を記録している。

中銀は新型コロナウイルス感染拡大に伴って、民間銀行を中心にクレジット縮小を余儀なくされるが、今年のクレジット伸び率を前回予想の8.1%から半減の4.8%と大幅な下方修正をしている。

今年のクレジット全体の伸び率は8.1%から4.8%に下方修正、個人向けクレジットは12.2%から7.8%、法人向けクレジットは2.5%から0.6%増加にそれぞれ大幅な下方修正を余儀なくされている。

今年の社会経済開発銀行やポウパンサ預金の資金提供による貸付先限定クレジットを除く、金利設定や貸付先自由のクレジットの伸び率は前回予想の12.9%から8.2%に下方修正、そのうち個人向けクレジットは15.4%から10.0%、法人向けは9.7%から6.0%伸び率にそれぞれ下方修正されている。

今年の社会経済開発銀行やポウパンサ預金の資金提供による貸付先限定クレジット伸び率は、前回予想の1.6%増加から昨年並みに下方修正。そのうち個人向けクレジットは8.1%から5.0%と大幅な下方修正となった一方で、法人向けは8.6%から8.0%と微減になると予想されている。(2020年3月26日付けエスタード紙サイトより抜粋)

 

ペトロブラスは投資削減と執行部の大幅給与カット

ペトロブラス石油公社は、新型コロナウイルス(covid-19)感染拡大並びに石油の国際コモディティ価格下落などの影響で、当初予定の2020年度の投資総額120億ドルを35億ドル削減した85億ドルへの変更を余儀なくされている。

今年の当初の投資予算120億ドルから85億ドルの投資縮小は、レアル通貨に対するドル高の為替の影響でコア事業のブラジル国内での岩塩層下(プレソルト)石油・天然ガス開発や石油製油事業の縮小や先送りを余儀なくされている。

またペトロブラスは新型コロナウイルスの影響で、昨年12月15日に発表された2019年度の配当金17億レアルの支払いの先送りも余儀なくされている。

また同社では年内に財政再建の一環として、人件コストカットのために2019年のパーフォーマンスプレミアムによる支払いの先送り、残業代、暫定令927号による有給休暇の支払い先送りや勤続期間保証基金(FGTS)積立金の先送り、社長、取締役や部長など執行役員の給与30%の先送りなどで24億レアルの支出カットを予定している。

またペトロブラスは石油の国際コモディティ価格下落の影響で、今後3か月間に50%の従業員の勤務体制の縮小並びにすべてのトレーニングや研修を中止する。

同社ではオペレーションコスト削減を加速するために、予定を更に20億ドル上回る削減を発表、また生産性の低い1日当たりの原油生産が2万3000バレルの油田のオペレーションコストが国際コモディティ価格と見合わなくなってきており、徐々に操業を見合わせる予定となっている。(2020年3月26日付けエスタード紙サイトから抜粋)

上場大手の85%が給与支払総額の1年分以上の内部留保でウイルス危機に対処(2020年3月27日付けバロール紙)

 上場企業の大部分が、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる経済危機に対処するため、給与支払総額の1年分以上の現金及び現金同等物(金融投資等)を確保している。バロール・ダッタの調査で明らかになったもので、上場大手企業の85%が、貸借対照表から従業員に対する給与支払総額の12か月分以上の現金及び現金同等物を確保してる。残りの15%の企業の半数も、内部留保で少なくとも6か月は従業員の給与を支払うことができる状況。

 バロール・ダッタが調査したのはサンパウロ平均株価指数(Ibovespa)とスモール・キャップス(Small Caps)の銘柄株で2019年決算を発表済みの金融機関を除く97社。金融機関は会計の条件が異なるため、リストから除外した。ただし、実際問題として大手銀行も、数10万人規模の雇用があるとは言え、長期にわたって従業員の給与を保証できるだけの財政的な余裕を確保している。

 ただ、企業にはその他の義務的経費が存在する。原材料費やサービス費、光熱費、家賃、金利、税金、などであるが、現在の経済が停滞した状況下では、これらのコストについても企業の支払い能力に余裕があることが示されている。

 バロール・ダッタが実施した調査では外に、上場企業大手66社の負債の状況も健全なことが示されている。2019年第4四半期末時点でこれらの企業は、1レアルの短期債務に対して2.55レアルに相当する現金及び短期金融商品を確保している。

 こうした数字はあくまで大手企業のものであり、大部分の企業、とりわけ小・零細企業の状況を必ずしも反映していない。さらに大手企業として見る場合でも、例えば、航空業界や小売業界は検疫隔離措置により強く暴露されているのであり、個別に状況を見る必要がある。バロール・ダッタのウィリアム・ボルパト調査主任は、「一定の余裕があるとは言え、現時点で驚かされる問題はマクロ経済のファンダメンタルズと業界及び企業の活力の急激な悪化である」とコメントした。(2020年3月27日付けバロール紙)

 

COVID-19対策費の一助に連邦政府経済スタッフが全公務員の給与削減を希望(2020年3月27日付けバロール紙)

 連邦政府の経済スタッフが、国会と交渉中の憲法改正案(PEC)において、一般公務員だけではなく、三権に属する裁判官と検察官、検事、大臣、下院議員及び上院議員、市長、州知事、軍人、休職者及び年金受給者も対象に給与を削減することを希望している。

対象外とするのは、受給額が低額と位置付けられる場合のみとする。経済省のある補佐官は、「すべての人が痛みを分かち合う必要がある。それとも一部の人は、私たちが未だ知らない裕福な国に住んでいるのだろうか?」とコメントした。

 連邦政府は、官庁街とその外郭団体の職員らの間でPECに強い反発があることへの回答と言えるものになっている。マスコミに漏出したPECは一般公務員のみを対象にしており、三権の官僚など高い役職にあるものを除外していたために一般公務員から強い反発を受けていた。

 ただし関係者によると、この議論が本格化するのはCOVID-19の感染拡大による現在の社会・経済的な危機が社会問題として人件費のコントロール問題に及んだ場合に限られる。連邦と州、市役所はCOVID-19の影響に対処する活動で巨額のコストに直面することになるため、経済スタッフは、公務員給与の削減は欠くべからざる対応と受け止めている。

 PECは複数の国会議員によりまとめられ、ロドリゴ・マイア下院議長(DEM:民主党)が支持を表明している。現在、削減率や削減対象の対象外となる足切り額などで様々なバージョンが漏出し、出回っている。これらのバージョンにより、削減率は20%から30%の間で、足きり額は、社会保障サービス(INSS)の上限である6,032.73レアルから、1万レアルまで検討されている模様だ。

 またこの削減は改正された憲法の施行から2か月後に導入され、2024年まで有効。連邦と州、市のすべての公務員と3件の官僚が対象。唯一、保健分野の公務員だけは、現時点で受け取っている給与額にかかわらず減額の対象外となる。(2020年3月27日付けバロール紙)

 

新型コロナウイルス対策で政府が医療品など61品目の輸入税率をゼロに引き下げ(2020年3月26日付けバロール紙)

 新型コロナウイルス(COVID-19)の治療あるいは予防で使われる61品目以上を対象に、連邦政府は輸入税率を0%に引き下げる判断を下した。加えて、使い捨ての注射器や採血用プラスチックチューブに対するアンチダンピング措置を一時停止する。

 貿易会議所(Camex)の商議裁定委員会(Gecex)が3月25日の会議で決定した。Gecexは先週の時点で、医療用手袋と消毒用アルコールジェル、医療用体温計、人工呼吸器など50品目を対象に輸入税率を一時的に0%に引き下げており、25日の判断はその対象を拡大する措置となる。決定に伴う一連の新たな輸入税率は、9月末まで有効。

 新しい対象品目リストには、試験キットとしてコロナウイルスとクロロキン、ヒドロキシクロロキン、アジスロマイシン、免疫グロブリンを対象にしたものが含まれる外、エチルアルコールと純塩化ナトリウム、紙タオル、防護手袋、滅菌装置、注射針、体温計、診断機器といった品目も組み入れられた。

 経済省と保健省は今回、国家衛生監督庁(Anvisa)の協力を得てこのリストを作成。メルコスール共通分類(NCM)の51品目コード、合計61の製品に対してブラジルは、工業製品の輸入としては最大となる35%の輸入税率を適用している。

 保健省の提案に基づきGecexは、「公共の利益」を理由として9月末まで、一般用使い捨てでプラスチック製の1ml及び3ml、5ml、10ml、20mlの張り付き及び針無しの中国製注射器に対するアンチダンピング関税の適用停止、さらにドイツ製及び中国製、アメリカ製、イギリス製の真空採血管用プラスチックチューブに対するアンチダンピング関税の適用を停止する決議も可決した。

 アンチダンピング関税を適用する権利は、外国企業が輸出元の国で販売されている価格以下でブラジルに輸出する場合に課徴される場合のある追加関税である。(2020年3月26日付けバロール紙)

 

下院議会は非正規雇用者やBPC受給申請者に月額600レアル支給承認

今月26日下院議会では新型コロナウイルス感染拡大で、全国的な外出自粛処置の採用であらゆる産業部門を直撃して、ブラジル経済が停滞している。

下院議会では非正規雇用者、社会保障院(INSS)の審査待ちの勤労不可能な高齢者や障害者に対する最低賃金額を支給する継続扶助(Benefício de Prestação Continuada–BPC)申請者の救済目的で、月額600レアル支給を承認、更に上院議会での承認が必要となる。

新型コロナウイルス感染がまだ小規模にとどまっていた救済プロジェクト初期の支給額は月額200レアルで検討されていた。またパウロ・ゲーデス経済相傘下の経済班は下院議員との交渉で300レアルに引き上げていた経緯があった。

その後プロジェクト担当のMarcelo Aro下院議員(PP-MG)が500レアルへの上乗せ案を提示、昨日26日にジャイール・ボルソナロ大統領は、600レアルの引き上げにゴーサインを出していた。 

月額600レアルは3か月間にわたって支給される。非常事態宣言(カラミダーデ・プブリカ)が3か月以上継続すれば延長される。また家庭の収入を一手に担っているシングルマザーなどの母親に対して2倍の1200レアルが支給される。

非正規雇用者やBPC受給申請者、シングルマザーなどに対する月額600レアル支給の補助金支給に関する下院議会での投票は、ビデオコンフェレンスで実施され満場一致のシンボリックな投票で承認された。

“600レアルへの補助金引上げは連邦政府の下院議会との対話姿勢のデモンストレーションであり、新型コロナウイルス感染からブラジル国民を守るための対話の活性化を望む”とRodrigo Maia 下院議長(DEM-RJ)は説明している。

連邦政府は非正規雇用者に対する200レアル支給の場合による歳出月額150億レアル、3か月間では総額450億レアル、BPCに対して50億レアル、150億レアルの歳出につながる。

貧困層向け生活扶助の家族手当(ボルサ・ファミリア)の場合は、家族当たり最大2人分の緊急補助金(auxílio emergencial)を受給できる。

今年のBPC支給は一人当たりの収入が最低サラリーの4分の1に相当する261.25レアル、しかし2021年は2倍の522,50 レアルへの引上げが見込まれているにもかかわらず、連邦政府にとって205億レアルの支出拡大に繋がるために難色を示している。(2020年3月26日付けエスタード紙サイトから抜粋)