4月のポウパンサ預金は、預金総額が引出総額を38億4,100万レアル上回った(2021年5月6日付けエスタード紙)

中銀の発表によると、2021年4月のポウパンサ預金は、預金総額が引出総額を38億4,100万レアル上回ったが、今年1月から3月まで3ヶ月連連続で引出総額が預金総額を上回っていた。

今年4月のポウパンサ預金がプラスに転じた一因として、4月からの貧困層や失業者などを対象に連邦政府によるCOVID-19パンデミック対応の緊急給付金(auxílio emergencial)支給が追い風となっている。

今年4月のポウパンサ預金の預金総額は、2670億7,300万レアルに対して、引出総額は2,632億3,300万レアル、利払いは17億4,500万レアル、預金残高は1兆190億レアルに達している。

今年初め4か月間のポウパンサ預金の引出総額が預金総額を237億レアル上回る赤字を記録、連邦政府によるCOVID-19パンデミック対応の昨年上半期からの月額600レアルの緊急給付金(auxílio emergencial)支給、昨年9月から半額の300レアルの給付金の影響で、昨年3月~12月は、10ヶ月連続で預金総額が引出総額を上回っていた。

昨年3月からのCOVID-19パンデミックで、低所得層の多くのブラジル人は失業による減収の可能性に備えて、COVID-19パンデミック対応で支給された緊急給付金(auxílio emergencial)の一部をポウパンサ預金に預金していた。

伝統的に年初3カ月間のポウパンサ預金は、都市不動産所有税(IPTU )並びに自動車所有税(IPVA)の支払い開始、子供の学用品購入出費などで、ポウパンサ預金の引出総額が預金総額を上回る傾向となっている。

Rio Alto Energia社のIPO中断に次いで、IPO中断要請が数珠繋ぎ(2021年5月6日付けヴァロール紙)

Rio Alto Energia Renováveis社は、有価証券取引委員会(CVM)にサンパウロ証券取引所(B3)での新規株式公開(IP0)を申請していたが、先週同社は新規株式公開の中断を要請、しかし昨日正式に新規株式公開のキャンセルを発表した。

Rio Alto Energia Renováveis社による正式な新規株式公開の中止を含めて、今年初めからのIPOキャンセル件数は33件に達し、昨年1年間のIPOキャンセル件数25件を既に上回っている。またInfracommerce社もIPOをキャンセルしている。

有価証券取引委員会(CVM)にサンパウロ証券取引所(B3)での新規株式公開(IP0)を申請していたにも関わらず、IPOを一時的中断を要請している非上場企業は15社に達しているが、最大60日間でIPOの実施の有無を決定しなければならない。

現在有価証券取引委員会(CVM)に新規株式公開を一時的中断を要請している非上場企業は、Método Engenharia社, Iguá Saneamento社, Cortel社, Guararapes Painéis社, LG Informática社, Hospital Care Caledonia社, Nadir Figueiredo社, Três Tentos Agroindustrial社, Entalpia  Participações社, Livetech社, Kora Saúde社, Bionexo社, Ubook Editora社, BR Partners社並びにFS社となっている。

有価証券取引委員会(CVM)から新規株式公開で既に承認されて、来週中に公募価格決定を予定しているのは、Athena Saúde社、Dotz社並びにGetNinjas社となっている。

 

中銀はSelic金利を前回に続き0.75%引上げて3.50%に決定(2021年5月6日付けエスタード紙)

5日開催された中銀の通貨政策委員会(Copom)は、政策導入金利(Selic)を2回連続で0.75%引上げて3.50%に決定、中銀の議事録では、次回のCopom委員会でも再度0.75%引上げて4.25%になる可能性を示唆している。

現在のブラジル経済活動の再活性化のために政策導入金利(Selic)を引上げるのは逆流になるにも関わらず、特に来年のインフレ上昇をコントロールするためにもSelic金利の引上げを余儀なくされている。

今月5日中銀は、今年末のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を5.1%に引き上げたが、今年のIPCA指数の中央目標値を3.75%を大幅に上回っており、今年のIPCA指数の許容範囲は±1.50%に相当する最低2.25%、最高5.25%には辛うじて留まっている。

2022年のIPCA指数の中央目標値は3.50%、2022年は最低2.00%、最高5.00%に設定している。2023年の中央目標値は3.25%、最低1.75%、最高4.75%が設定されている。

中銀の通貨政策委員会(Copom)がSelic金利を0.75%引上げた要因として、食料品並びに資本財の上昇以内にも石油を除いた国際コモディティ価格が継続して上昇傾向を示している。また短期的には一般家庭や法人向けの電力エネルギー料金引上げも加味している。

連邦政府と国会は、歳出上限法と財政目標以外にパンデミックcovid-19対応のための緊急歳出として、1,250億レアルの承認で合意に達しているが、中銀は連邦政府の財政バランスリスクに警告を発している。

中銀の通貨政策委員会(Copom)は、連邦政府の財政軌道を悪化させるパンデミック対応の新たな歳出拡大並びに、一向に進まない経済改革に対する不満は、将来的にはより多くのインフレ高を生み出す可能性を示唆している。

次回の通貨政策委員会(Copom)は、6月15日~16日に開催が予定されており、再度のSelic金利の0.75%引上げで、今年初めは過去最低の2.00%のSelic金利は2倍以上になるとLCA社シニアエコノミストのThais Zara氏は予想している。

一方通貨政策委員会(Copom)の議事録では、Selic金利の引上げは緩やかなカーブを描くとハト派的で穏健的な(dovish)メッセージであるとConsultoresGenial Investimentos社チーフエコノミストのJosé Márcio Camargo氏は解釈している。

鉄鉱石の国際コモディティ価格は、201.88ドルに達し記録更新(2021年5月6日付けヴァロール紙)

中国の5月1日~5日迄の労働節の長期休暇明けの中国山東省の青島港湾での1トン当たり含有量が62%の鉄鉱石の国際コモディティ価格は、労働節前よりも4.9%に相当する9.34%上昇して201.88ドルに達し、過去最高の鉄鉱石価格を更新していると「Fastmarkets MB」誌は報じている。

含有量が62%の鉄鉱石の国際コモディティ価格が201.88ドル達したために、5月は既に6.9%の値上がりを記録、今年の5月6日迄の鉄鉱石価格は、既に25.8%も高騰している。

また青島港における含有量が65%の世界最高水準のブラジル産の1トン当たりの鉄鉱石の国際コモディティ価格は、7.70ドル上昇の234.70ドルを記録している。

6日中国政府は、オーストラリアとの間で交わされている中豪戦略経済対話の下での全ての活動を無期限に停止すると発表している。中国英府は「最近、一部の豪連邦政府当局者が、冷戦思考とイデオロギー上の差別から中豪の通常の交流・協力を混乱させる一連の措置を打ち出した」と説明している。

オーストラリア政府は、4月21日にビクトリア州が中国政府と結んだ中国の巨大経済圏構想「一帯一路」で協力する合意文書を安全保障にもかかわる基幹インフラ事業のために無効にする、と発表していた経緯があった。

中国とオーストラリア間の政治的緊張は、上海先物取引所での鉄鉱石の先物取引価格が4%以上上昇し、1トン当たり5,644元の記録的な価格に上昇している。

 

事務局便り  JD—070/21  新型コロナウイルス関連(移行フェーズの延長(2回目)情報

                         JD—070/21
                         2021年5月7日
会員各位
                         ブラジル日本商工会議所 事務局

在サンパウロ日本国総領事館より以下の通り新型コロナウイルス関連(移行フェーズの延長(2回目))について情報をいただきましたので共有いたします。
________________________________________
—–Original Message—–
From: 在サンパウロ日本国総領事館 [mailto:sp@mailmz.emb-japan.go.jp]
Sent: Friday, May 07, 2021 4:40 PM
To: secretaria@camaradojapao.org.br
Subject: 新型コロナウイルス関連(訂正:移行フェーズの延長(2回目))

先ほど当館からサンパウロ州経済活動(Plano SP)のフェーズに関する領事メールを
発出させていだきました。同メール中の3で記載した外出自粛要請措置(toque de
recolher)の対象時間帯について、「21時から翌朝6時」までとお伝えしました
が、この点については州知事の記者会見中に「21時から翌朝5時」までと訂正され
たとのことですので、訂正させていただきます。不正確な情報をお伝えしてしまった
ことお詫び申し上げます。

(訂正後)
5月7日、ドリア・サンパウロ州知事は記者会見を実施し、サンパウロ州経済活動再
開計画に基づく移行フェーズの延長(2回目)を発表したところ、概要は以下のとお
りです。関連指数の改善は見られますが、当地における感染状況は引き続き高い水準
で推移しており、引き続き感染予防の徹底をお願いいたします。

1 5月9日(日)まで延長されていた、サンパウロ州経済活動再開計画に基づく移
行フェーズは5月23日(日)まで延長されます。

2 今回の移行フェーズ延長に伴う措置は5月8日(土)から適用され、経済活動に
対する制限措置は一部が緩和されます。レストラン等の商業活動やその他必要不可欠
でないサービスの営業時間は拡大され、6時から21時までの間営業が認められます
(現在は6時から20時まで。)。

3 密を避ける観点から、施設内に収容される人員は本来の収容人数の30%を上限
に認められます(現在は25%まで。)。外出自粛要請措置(toque de recolher)
は継続されますが、対象時間帯は21時から翌朝5時までとなり、必要不可欠でない
事務業務のテレワーク化の推奨、商業・サービス業・工業労働者の時差を設けた出退
勤の推奨は引き続き継続します。

 

【問い合わせ先】
在サンパウロ日本国総領事館 領事部
電 話 (55-11)3254-0100
メール cgjassist@sp.mofa.go.jp

※「たびレジ」簡易登録された方でメール配信を停止したい方は、以下のURLから停
止手続きをお願い致します。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/simple/delite
※ ご帰国、他国に転居等されておられ、帰国(転居)届がお済みでない場合は、誠
に恐れ入りますが、以下のとおり手続きをお願いします。

<帰国>
紙で在留届を提出された方は、当館にFAX・メール等で帰国届を提出して下さい。
ORRnetを利用されている方は以下のURLから手続きをお願いします。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html

<転居>
最寄りの在外公館に紙で提出するかORRnetを利用して在留届の提出をお願いしま
す。

 

(Zoom)Madrona Advogados弁護士事務所 Webセミナー開催

COVID-19パンデミック拡大が続く中で、連邦政府は2020年に発令した労働法に関する暫定令を再発令、セミナーでは暫定令1045号及び1046号について説明している。

講師はMadrona Advogados弁護士事務所のAnna Thaís Hernandesパートナー及び  Fernanda Oliveiraパートナー 

Tel.: (55 11) 4883 8750  

セミナービデオ視聴は右クリック acesse aqui .   

PDF anexo: 
Medidas Provisórias 1.045 e 1.046 – Medidas Trabalhistas para enfrentamento dos efeitos da Covid-19   

Anna Thaís Hernandes e Fernanda Oliveira (Fotos: Divulgação)

今年3月の鉱工業部門生産はCOVID-19パンデミックの影響でマイナス2.4%(2021年5月5日付けエスタード紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM-PF)によると、20201年3月の鉱工業部門生産は、前月比マイナス2.4%と2月のマイナス1.0%に続いてマイナスを記録している。

今年3月の鉱工業部門生産がマイナス2.4%を記録した主な要因として、トラックやバスを含む自動車業界の生産は、前月比マイナス8.4%と大幅に落ち込んでいた。

今年3月の鉱工業部門生産レベルは、2011年5月に記録した最高レベルよりも依然としてマイナス16.5%の水準に留まっているが、今年初め3か月間の累積生産量は4.4%増加、3月の過去12か月間の累積生産量は、マイナス3.1%に留まっている。

昨年3月の鉱工業部門生産は、COVID-19パンデミックの影響でマイナス3.9%を記録していたために、今年3月の鉱工業部門生産量は、前年同月比10.5%増加して、2010年6月に記録した11.2%増加に次ぐ記録、前年同月比では7ヶ月連続で増加を記録している。

3月の鉱工業部門生産は、コロナ禍対応のワクチン接種の遅れ、半導体などの部品や原材料不足、各自治体では、COVID-19パンデミック対応の休暇前倒し(サンパウロ市では2021年聖体祭/2021年黒人意識の日/2022年サンパウロ市生誕日/2022年聖体祭/2022年黒人意識の日)による製造業部門の操業停止を余儀なくされていた。

昨年5月~今年1月までの鉱工業部門の累積生産量は40.1%増加を記録して、COVID-19パンデミック前の2月の水準を3.5%上回っている。しかし今年2月並びに3月の鉱工業部門生産がマイナスを記録したために、今年1月までの累積生産量を帳消しにしている。

今年3月の自動車業界の生産マイナス8.4%は3ヶ月連続でマイナスを記録、今年初め第1四半期の自動車業界の累積生産量は、マイナス15.8%を記録している。

また今年3月の鉱工業部門の部門別生産比較では、衣類・アクセサリー部門生産はマイナス14.1%、その他の化学製品部門マイナス4.3%、医薬品部門マイナス9.4%、皮革・履物・旅行用品部門はマイナス11.2%、ゴム・プラスティック部門マイナス4.5%、飲料マイナス3.4%、家具マイナス9.3%、繊維製品マイナス4.5%、非鉄金属部門生産はマイナス2.5%を記録している。

一方今年3月の鉱工業部門の部門別生産で増加した部門は、鉱業部門で5.5%増加、その他の輸送機器35%、石油派生品・バイオ燃料1.7%それぞれ増加を記録している。

段ボール業界はEコマース拡大で恩恵を受けている(2021年5月5日付けエスタード紙)

COVID-19パンデミック拡大で、外出自粛や必需品以外営業自粛、ホームオフィス形態が常態化し始めた2020年4月~9月の6ヶ月間に初めてオンラインによる製品購入した人は、1,150万人に達するとブラジル電子販売協会(Abcomm)では発表している。またこの期間に新規のオンラインショップ開設は、15万店舗増加している。

COVID-19パンデミック発生前の2020年3月以前のインターネット販売は、全体の僅か5.8%に過ぎなかったが、COVID-19パンデミックによる外出自粛などの影響で、昨年のe-commerce によるオンラインの小売販売は、68.0%と大幅に増加している。

今年のe-commerce によるオンライン販売は、前年比18.0%の二桁増加が継続すると予想されている。現在のインターネット販売は、全体の11.0%とマーケットシェアを拡大している。

今年のe-commerceによるオンライン販売は前年比26.0%増加予想、オンライン販売による売上総額は、1,100億レアルに達する可能性が指摘されている。

COVID-19パンデミックによる外出自粛規制などの影響で、オンライン販売が急増しており、食品・飲料、医薬品、衛生用品向け段ボール箱需要が伸びているとブラジル包装紙協会(Empapel)は説明している。produtos vendidos 

段ボール箱などの包装関連製品販売は、オンライン向けが牽引して昨年7月から9か月間連続で月間記録を更新、今年3月の段ボール箱販売は前年同月比9.6%増加、今年下半期の段ボール箱販売は、継続して増加が見込まれている。

ゲルダウ社の第1四半期の純益は、24億5,000万レアル(2021年5月5日付けヴァロール紙)

ブラジル大手鉄鋼メーカーゲルダウ社の2021年第1四半期の純益は、前年同期の2億1,600万レアルの10倍以上に相当する24億5,000万レアルを記録している。

今年第1四半期のゲルダウ社の売上は、鉄鋼製品の販売増加並びに北米での売上増加、レアル通貨に対するドル高の為替が牽引して、前年同期比77.0%の大幅増加の163億4,000万レアルを記録している。

同社の今年第1四半期の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は、前年同期比308%増加の42億レアルを記録している。

同社の今年第1四半期の販売コストは、販売量の増加並びに原材料のコストの上昇に伴って50%増加、スクラップ販売は77.0%増加した一方で、鉄鉱石の国際コモディティ価格も94%高騰している。

同社の今年第1四半期の鉄鋼製品販売は、ゲルダウが生産を行っている各国の鉄鋼製品の消費回復に伴って、15.0%増加の308万トンに達している。また鉄鉱製品生産はマイナス1.0%の315万トンであった。

ゲルダウ社の特殊鋼を除いた第1四半期の国内販売は31.0%増加、そのうち僅か4.0%は輸出であった。また同社は14万5,000トンの鉄鉱石を第三者に販売、また71万8,000トンは国内消費に回された。鉄鉱石部門の売上は102%増加の68億8,000万レアル、輸出はマイナス53.0%の1億9,200万レアルであった。

ゲルダウ社の第1四半期のEBITDA有利子負債倍率は、Ebitdaの増加に伴って昨年の第4四半期の1.25倍から0.96倍に減少して改善してきている。ゲルダウ社は、第1四半期決算の普通株並びに優先株の1株当たりの配当金0.40レアルを5月26日の支払いを予定している。