第1・四半期のGDPは5.8%増加

今年の第1・四半期の国内総生産(GDP)は公共支出の急増並びに税収増加で前年同期比5.8%増加したが、前四半期比では0.7%と前四半期の増加率1.6%から低下している。

過去12ヶ月間のGDPも5.8%増加した1996年以来の伸び率を記録、今年の第1・四半期のGDPは鉱工業や公共投資の伸びが大きく寄与しているが、前四半期比の公共投資支出は10月の統一地方選挙のための公共投資支出の増加で4.5%と大幅に伸びている。

第1・四半期の一般消費は前年同期比6.6%、前四半期比0.3%、資本財・サービス輸出は-2.1%、-5.7%とそれぞれマイナスとなったが、輸入は18.9%、0.8%とそれぞれ増加した。

過去12ヶ月間の一般消費は6.7%、公共支出3.6%、資本財サービス輸出は4.6%、輸入は20.4%とそれぞれ前年同期比を上回った。

また過去12ヶ月間の農畜産部門は4.9%、鉱工業5.7%、サービス4.9%、製品関連の税収は9.4%とそれぞれ大幅に伸びている。(2008年6月11日付けエスタード紙)

今年の第1・四半期の資本財・サービス収支が大幅に悪化

今年の第1・四半期の資本財・サービス部門の収支は前年同期の100億ドルの黒字から48億ドルの赤字に転落、資本財・サービス輸出は5.7%の増加に留まったが、輸入は18.9%と大幅に増加している。

第1・四半期の海外への利益・配当金の送金は前年同期の139億ドルから184億ドルと45億ドルも増加、最も赤字幅が増加したのは資本財・サービス部門で前年同期は102億ドルの黒字を計上していたが、第1・四半期は48億ドルの赤字を記録した。

住宅・ビル建設ブームの建設部門を中心に設備投資用機械・装置輸入が急増、第1・四半期の国内ポウパンサがGDP比16.8%と投資のGDP比8.3%を下回っている。

今年4ヶ月間の経常収支は146億6,000万ドルの赤字を記録して統計を取り始めた1947年以来の赤字幅を記録しているが、今年の赤字は229億ドル、来年は303億5,000万ドルの赤字が中銀のフォーカスレポートで報告されている。(2008年6月11日付けエスタード紙)

マリンガ市の日本公園プロジェクトのヨシイ部長が招待状持参

マリンガ市の日本公園プロジェクト(OSCIP)のマリー・クリスチーナ・ヨシイ部長並び日本公園関係者でSISA建設エンジニアのクラウジオ・ムカイ氏は6月11日に商工会議所を表敬訪問、対応した平田藤義事務局長に6月22日午後3時30分から皇太子殿下がご出席される移民100年モニュメント落成式並びに午後7時からAcemaのサロンで開催されるブラジル移民100周年記念/日伯交流年並びに加古川市との姉妹都市35周年の夕食会参加の田中会頭、平田事務局長宛ての招待状を持参した。

平田事務局長マリンガ市日本公園プロジェクトのヨシイ部長/ムカイ氏

CSNは鉄鉱石生産でヴァーレ社と競合

ナショナル製鉄所(CSN)は鉄鉱石輸出で2009年から25年に亘って鉄鉱石1億8,330万トンをバーレンの湾岸工業インベストメント社(GIIC)に供給する大型長期契約を結んで中近東に進出する。

2009年からはGIIC社に年間1,100万トンの鉄鉱石を供給するが、今年のカーザ・デ・ペドラ鉱山からの鉄鉱石はすでに全て契約済み、来年の供給先の90%もすでに決まっている。

2012年からの鉄鉱石生産は3,500万トンに引上げられるが、最終的には1億トンまで生産能力を引上げる計画があり、今年はリオ州イタグアイ港から2,000万トンを輸出するが、来年は3,000万トンを中国、ヨーロッパや中近東に輸出する。

ヴァーレ社は以前から持っていたナショナル製鉄傘下のカーザ・デ・ペドラ鉱山の鉄鉱石の大量優先購入権もしくは、近年買収した鉄鉱会社フェルテコのどちらかを手放すように、2005年に経済防衛行政審議会(CADE)から命じられていた。

ヴァーレはCADEの決定を不服として連邦高騰裁判所(STJ)に訴えていたが、今年になってSTJがCADEの判断が正しいとして、同社はCSN傘下のカーザ・デ・ペドラ鉱山からの優先購入権の放棄している。(2008年6月11日付けエスタード紙)

投資適格級に格上げされたブラジルにプライベート・エクイティが注目

ブラジルの投資適格級への格上げで未公開企業や不動産に対して投資、収益力を高めた上で上場させるか他の投資家に売却する投資家である海外のプライ ベート・エクイティがブラジルに注目、CerberusキャピタルやCollorキャピタルがブラジル進出すると予想されている。

米国で6位のファンドであるCerberusキャピタルはクライスラー買収案件で知られており、カナダ航空、GMAC、GMフィナンシャル銀行などに投資している。

また米国でも最大級の80億ドルを擁するCollorキャピタルもブラジルに注目、最近になってCarlyle、Cartesian、Actisなどはブ ラジルに進出しているが、投資適格級の格上げ後はブラジル企業への投資や買収が増加している。(2008年6月10日付けヴァロール紙)

ブラジルは米国のエタノール輸入政策を非難

イタマラチー宮は米国のエタノール輸入政策は国内経済が停滞しているにも関わらず、エタノール国内市場開放せずに、国内エタノール生産者保護を継続していると非難した。

世界貿易機構(WTO)も世界経済が停滞している現在はエネルギー市場の輸入関税低減を図って市場開放を訴えているが、米国のエタノール輸入関税は1.9%から2.5%、リットル当たり0.14ドルの追加税を徴収している。

ブラジルの農産物を中心に主な20品目の米国向け輸出に対して、米国の平均輸入関税は23%に達しているが、米国政府では平均輸入関税は3.0%であると主張している。

イタマラチー宮では米国からの主な輸入品20品目の輸入関税は11%であり、米国の輸入関税はブラジルの2倍以上であると主張して平行線を辿っている。(2008年6月10日付けエスタード紙

三洋電機米国統括会社の山形シニア顧問が訪問

三洋電機米国統括会社の山形ヒデキ・シニア顧問が三洋・ダ・アマゾナス社のケイスケ・ヤブキ副社長、ヒロシ・スズキ取締役、アーネスト・ヤングの租税部門のクラウジオ・ヤノ取締役、西口阿弥部長、ダニエル・ペリン・シニアマネージャーが同行して、6月10日に商工会議所を表敬訪問、平田藤義事務局長が応対、ブラジルの移転価格税制についてアーネスト・ヤング社の担当者と会議を予定している。

左から三洋アマゾニアのスズキ取締役/ヤブキ副社長/三洋電機米国統括会社の山形シニア顧問/平田事務局長/アーネストヤングのヤノ取締役/ペリン・シニアマネージャー/西口部長

第1四半期のGDPは5.7%前後か

今年の第1四半期の国内総生産(GDP)は前年最終四半期の6.2%から5.66%に減少すると見込まれており、4月から政策誘導金利(Selic)が上昇サイクルに転換したが、経済活動には未だ影響が現れていない。

今後2年間に亘ってGDPは減少サイクル入りすると見込まれており、今年の経済成長率は4.5%から5.0%、来年は4.0%から4.5%が見込まれている。

リミットに近い設備稼働率、旺盛な一般消費と生産投資に牽引されている国内経済は輸出よりも輸入が急増しているために、今後のGDP伸び率は鈍化すると見込まれている。

ブラデスコ銀行の経済班では今年第1四半期のGDP伸び率を5.7%、今年1年間では4.8%の増加、第1四半期の輸出量は前年同期比2.5%減少、輸入は18.3%、投資18.8%、一般消費は8.6%それぞれ増加すると見込んでいる。(2008年6月10日付けエスタード紙)

栗原猛 移民史料館運営委員長が日伯友好交流促進協会(所在地:会議所)を訪問

栗原氏は6月10日、会議所を訪問、日伯修好100周年基金を管理する日系主要5団体(ブラジル日本文化福祉協会、サンパウロ日伯援護協会、ブラジル日本都道府県人会連合会、ブラジル日本文化連盟、ブラジル日本商工会議所)の長が去る2月08日、同基金からの助成を承認した「ブラジル日本移民史料館所蔵資料のデーターベース化とデジタル化」、通称アーカイブ・プロジェクトの今後の基本的な進め方などについて意見交換を行った。国際的なレベルのアーカイブ・プロジェクトを目指し最初の段階にプロの指導下で進める事で意見が一致した。
 
  同プロジェクトはブラジル日本移民百周年協会のメイン事業として登録されており、昨年11月13日企画書を受理、2008年4月1日から2012年3月31日に及ぶ壮大な中期事業である。又本日6月10日の邦字紙が報道した通り、本プロジェクトに天皇皇后両陛下が御下賜金を皇太子に託され、移民資料館をご訪問の際、手渡される事になっている。

写真は左から平田事務局長、栗原史料館運営委員長、山田監査役

ヴァーレ社は大型買収案件準備で資金調達

ヴァーレ社は大型買収案件準備のために海外市場で300億ドルの株発行で資金調達を行 い、英国資本で世界4位の鉱業企業アングロ・アメリカン、米国資本で世界第2位のアルミメーカーであるアルコア社、米国資本で世界2位の銅生産メーカーの Freeport-McMoRan社のいずれかの買収が行なわれると市場関係者は予想している。

昨日、ヴァーレ社による買収が噂に上がったアルコア社の株はニュヨーク市場で4.0%も上昇したが、ライバルのBHPビリトン社もリオ・チント社に対して買収を仕掛けている。

ヴァーレ社は3ヶ月前にエクストラータ社の買収を諦めたが、ポートフォーリオを広げるためには理想的な買収案件であったが、鉄鉱石と金生産のアングロ・アメリカン買収はヴァーレ社にとって1, 200億ドルの買収資金が必要となり、更に負債が増加する。

アルミ生産の原材料のアルミナ生産を増加しているヴァーレ社にとってアルコア買収は理想的であるが、アルミ生産は電力エネルギー消費が膨大であり、エネルギーの確保をしなければならないが、昨年はアルコア社のライバルであるアルカン社買収を仕掛けている。

銅並びに石炭部門強化を考慮しているヴァーレ社にとって世界第2位の銅生産のFreeport-McMoRan社の買収は収益増加が図れるが、買収には市 場価値450億ドルに20〜30%上乗せしなければならないが、同社の銅鉱山はインドネシアにあり、1年半前に買収したインコ社の鉱山もインドネシアにあ り、地域的に偏ると危惧されている。(2008年6月10日付けエスタード紙)