石油ロイヤリティは昨年の300億レアルに達する

岩塩下の巨大な原油埋蔵量の発見が相次いでいるペトロブラスの2010年のローヤリティ支払いは300億レアルに達すると見込まれている。

石油並びに天然ガスの1日当たりの生産は現在の195万バレルから2015年には281万バレルに上昇するが、このロイヤリティには2010年から生産稼動が予定されているツピー油田の生産量は含まれていない。

サントス海盆の岩塩下の石油埋蔵量は確認されていないが、140億バレル相当と推定されており、2009年からツピー油田の本格的な埋蔵量確認調査が開始される。

昨年の主な公社からのロイヤリティ支払い総額は140億レアル、連邦政府へは39%、州政府36%、市町村へは25%が分配されたが、生産性の高い深海油田74ヵ所の内で14油田が連邦政府に18%の特別税を支払っている。

ブラジル石油監督庁(ANP)では生産性の高い油田からの特別税の徴収を現在の18%から40%への引上げを検討しているが、50%は連邦政府、38%はリオ州政府、5%はカンポ・デ・ゴイタカイス市への分配を検討している。(2008年6月9日付けエスタード紙)

OGX社は株式上場で資金調達

エイケ・バチスタ氏が率いる石油・天然ガス採掘のOGX社は今週中にサンパウロ証券取引所(Bovespa)に新規株式を公開するが、75億レアルの資金調達が可能が見込まれているが、金融アナリストは最大で374億レアルに達する可能性もあると予想している。

またOGXの株価総額はペトロブラスの8.0%に達成する可能性もあり、昨年11月のブラジル石油監督庁(ANP)の第9回石油鉱区入札で21鉱区を落札しているが、今後は14鉱区での石油開発を予定している。

OGXでは落札した鉱区の石油埋蔵総計を48億バレル相当と見込んでいるが、50億バレルから80億バレルの巨大埋蔵量が見込まれているツピー油田に近い埋蔵量となっている。(2008年6月9日付けヴァロール紙)

市長選挙の今年は公共支出が大幅増加

今年は市長並びに市会議員選挙が行われるために、州知事や市長の今年4ヶ月間の公共支出が前年同期比14.5%増加したが、連邦政府の支出は4.5%に留まっている。

特にミナス州政府の支出は22%、バイア州政府は19.1%それぞれ増加しているが、サンパウロ州政府は32.78%の大幅増加を記録している。

今年4ヶ月間の連邦政府から州政府への税収分配は国内経済が好調に推移しているために前年同期比27%増加、マラニャン州政府は同州の商品流通サービス税(ICMS)の税収のほぼ2倍に相当する9億3,940万レアルが分配されている。

アラゴアス州は予算の40%以上を連邦政府から支給されており、マナウス市、ポルト・アレグレ、レシーフェ並びにアラカジュ市へは前年同期比60%以上を記録している。

ミナス州政府の公務員の人件費支出が前年同期比21.6%増加、サンパウロ州政府のファイナンス以外の支出は12.7%増加の253億レアル、人件費支出は17.5%増加の131億レアルを記録している。(2008年6月9日付けヴァロール紙)

興憲の野田道明社長が表敬訪問

愛知県岡崎市の興憲社の野田道明社長、通訳のエリオ・タケシ氏、ロゼマリ・トリニダデ女史と共に6月9日に商工会議所を表敬訪問、平田藤義事務局長と懇談した。

左から平田事務局長/興憲社の野田社長/トリニダデ女史/通訳のエリオ氏

ブラジルの紙・パルプ部門の競争力増加

石油や鉄鉱石の国際コモデティ価格は高騰しているが、紙・パルプのコモデティ価格の伸びは小さいために、イラニ製紙の株価は36.10%、メルパペルは9.09%それぞれ減少、大手製紙会社は投資を控えている。

しかし今後は中国を中心にパルプ需要の増加が期待できるが、コスト高、ドル安並びに針葉樹林の成長がブラジルに比較して遅いために、競争力を失くしたカナダのパルプ会社は撤退している。

一方、ブラジルは気候に恵まれて針葉、広葉樹林とも成長が早いために競争力があり、北米での針葉樹林のパルプ生産は15年から18年かかるが、ブラジルでは6年で生産が可能となっている。

アラクルース製紙は中国市場開拓に大幅な投資をすでに行なって他のブラジル製紙企業に先行しているが、スザノ製紙も事務所を開設、またブラジルの大手製紙企業は消費の増えているインドやロシアでも盛んに投資を行なっている。

クラビン製紙は消費の伸びない製紙部門並びに国内市場をターゲットにしているために、同社の株価は伸び悩んでいるが、VCP製紙との合併が予想されているアラクルースの株価は上昇している。

中国の一人当たりの年間の紙の消費は46キロとブラジルと同等であるが、米国の消費は300キロ、ヨーロッパは100キロであり、今後の中国の大幅な消費増加が予想されている。(2008年6月9日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

自動車業界は生産、販売とも上方修正

全国自動車工業会(Anfavea)では今年は販売が好調に推移して、今後の生産並びに販売台数の見直しを迫られており、19万台増加の342万台、販売は16万5,000台増加の306万台に上方修正した。

今年の生産台数は前年比8.9%から15%、販売台数は17.5%から24.2%それぞれ上方修正したが、昨年の生産台数は297万台、販売実績は246万台であった。

今年5ヶ月間の販売台数は前年同期比30.3%増加の115万台、輸入台数は41万5,000台で前年の50%増加、特に自動車協定を結んでいるメキシコとアルゼンチンからの輸入が大半を占める。

自動車輸出はドル安で価格競争力を失ってきているが、前回予想の前年比5.1%の減少から1.0%減少の78万台であるが、輸出金額は7.4%増加の145億ドル、特に農業機械やトラック輸出金額は40%増加を予想している。

農業機械生産台数は前回予想の9.5%から30.8%増加となる8万5,000台と大幅な上方修正、販売台数は前回予想の14.9%から38.6%増加の5万3,100台にそれぞれ上方修正している。(2008年6月6日付けエスタード紙)

日本ボリビア商工農林会議所の島袋正克会頭が表敬訪問

ボリビアのサンタ・クルス市のIshima SRL社代表で最近設立された日本ボリビア商工農林会議所の島袋正克会頭が6月6日に商工会議所を表敬訪問、田中信会頭、平田藤義事務局長と今後の南米諸国の商工会議所との交流や会議所活動について意見の交換を行なった。

日本ボリビア商工農林会議所の島袋正克会頭が表敬訪問

Cofins/PIS廃止で社会格差減少

応用経済研究院(Ipea)のポーチマン総裁は社会保障融資納付金(Cofin)と社会統合基金(PIS)の間接税を廃止並びに直接税の増税で貧困層減少による社会格差の低減効果は大きいと上院の人権委員会の公聴会で説明した。

この税制改革案で人口の3.5%に相当する640万人の貧困層が恩恵を受け、ブラジルの人口の32.5%に相当する5,960万人の貧困層を29%まで減少する効果があり、社会格差の減少に結びつく。

現在の2段階の所得税率を12段階に分けて、現在の税率15%の所得層の税率を5.0%に減税、税率27.5%の所得層のうちで5万レアル以上の高額所得層には税率を60%まで引上げ、8,000レアルまでの所得層の税率を一律にして、8,000レアル以上の高額所得者に対してのみ増税する。

主に社会における所得分配の不平等差を測るジニ係数はルーラ政権になってから徐々に下がり始めたが、ジニ係数が最も高い月収が最低サラリーの1/4以下で人口の2.5%を占める極貧層にとっては大きな恩恵となる。(2008年6月6日付けヴァロール紙)

今年中にシンガポールとFTA締結か

人口が459万人のシンガポールは進展しないドーハラウンド交渉などの要因でメルコスルとの間で今年中の自由貿易協定(FTA)締結を望んでいる。

シンガポール政府はすでにアジア諸国を中心に13カ国とFTAを締結しているが、更に南米諸国との締結を望んでおり、特にブラジルとの締結で農業コモデティ製品、繊維やエタノールの貿易の進展を図る。

またシンガポール企業はブラジルのインフラ整備、医薬品、情報産業やサービス部門への投資を予定している。

シンガポールのGDPは2,430億ドルでアジアの貿易拠点であり、メルコスルにとってシンガポールとのFTA締結で強大な消費市場を抱える中国、インドなどのアジア進出の拠点になる。

昨年のシンガポールの輸入総額は3,960億ドルでGDPを超えており、マレーシア1,100億ドル、中国920億ドル、インドネシア660億ドル、日本が540億ドルであったが、ブラジルからは前年比46%増加したにも関わらず13億7,900万ドルに留まっており、主な輸出品目は石油、機械、鶏肉、インスタントコーヒー、船舶関連装置、シンガポールからの輸出は電話機、ジーゼル油、マイクロプロセッサーや電気・電子関連装置であった。(2008年6月 6日付けヴァロール紙)

サンパウロ鉱工業は14.9%の大幅増加

4月のサンパウロ鉱工業の伸び率は前年同月比14.9%で全国平均10.1%を大幅に上回り、2004年9月以来に伸び率を記録した。

全国14地域の内13地域で前年同月比では伸びたが、前月比では8地域で生産が減少したが、セアラー州が7.7%、バイア州が8.4%とそれぞれ大幅に減少している。

全国の鉱工業の40%を占めるサンパウロ州の第1四半期の伸び率は9.1%で農業用資本財、自動車、機械・装置や電力エネルギー部門が牽引したが、下半期の初め頃まで大幅な伸び率が予想されている。

サンパウロ州の今年4ヶ月間の伸び率は10.6%、4月の前年比の伸び率ではゴイアス州が1.6%のバイア州を抜く3.6%の伸び率でトップとなったが、ペルナンブコ州は8.4%と大幅に減少した。(2008年6月6日付けエスタード紙)