今年のインフラ部門への投資は850億レアル

20年間に亘ってインフラ部門への投資が置き去りにされていたが、昨年から国内経済の好調に後押しされて、インフラ部門への投資が加速してきており、今年は850億レアルの投資が港湾、鉄道、電力エネルギーや上下水道整備に投資される。

電力エネルギー部門ではマデイラ河のサント・アントニオ水力発電所並びにジラウ水力発電所の建設だけで170億レアル、中南部地域への送電に36億レアルの投資が行なわれる。

サンパウロ市の地下鉄4号線の建設、同5号線の延長が予定されており、サンパウロ市環状線の工事に36億レアル、パラー州サンタレンからマット・グロッソ 州のノーヴァ・ムツンを結ぶ国道163号線の建設には12億レアル、シングー河のベル・モンテ水力発電所建設に75億レアルの投資が予定されている。

また北東地域を結ぶトランスノルデスチーナ鉄道建設に45億レアル、マラニャン州アサイランジアとゴイアス州アナポリスを結ぶ南北鉄道に45億レアル、リ オ州の国道101号線工事に2億2,000万レアル、リオ・サンパウロ・カンピーナスを繋ぐ弾丸列車建設に110億ドルなどに投資される。(2008年6 月1日付けエスタード紙)

中国製オートバイ輸入が急増

ドル安並びに国内経済が好調なブラジルへの中国製オートバイの輸入が急増しており、年間100万台のオートバイを生産するLifan社はブラジル進出を検討、Jialing社はすでにマナウスで生産しているが、今年は輸入オートバイの倍増を計画している。

Jialingu社は年間250万台のオートバイを生産、中国以外ではブラジル、コロンビア、インドネシアに生産工場を所有、マナウス工場では20万台の生産能力を擁しているが、昨年は2万台の生産に留まっている。

今年は4万台のオートバイ生産を予定しているが、20万台に達するまで毎年、増産を続けるが、中国からの輸入も4万台を予定しており、今年の売上は4,000万ドルを見込んでいる。

昨年の同社の輸出先トップはアルゼンチンの4,800万ドルで輸出の10%以上を占めていたが、今年第1四半期のブラジルへの輸出は1,275万ドルでアルゼンチンへの輸出額1,141万ドルを追い越してトップになっている。(2008年6月2日付けエスタード紙)

味の素の新谷道治社長が表敬訪問

6月2日に味の素の新谷道治社長とウンベルト・サガワ広報/リスク管理担当部長が商工会議所を表敬訪問、田中信会頭、平田藤義事務局長と話合った。

左から平田事務局長/味の素のサガワ広報/リスク管理担当部長/新谷社長/田中会頭

一般消費拡大でインフレ懸念で年末のSelic金利が14%か

国内経済の好調並びに容易なクレジット販売で、昨年第4四半期の一般消費前年同期比8.6%の大幅増加、今年の第1四半期は8.0%、小売業界は12%増加それぞれが予想されており、インフレ圧力となって年末の政策誘導金利(Selic)は現在の 11.75%から14%に引上げられると予想されている。

今年の一般消費の伸び率は昨年の6.5%から6.0%と僅かに減少するが、食料品価格を中心にインフレを押上げており、低所得層ではすでに飲料類の購買を控える傾向が出てきている。

今年のインフレは5.24%と予想されているが一般消費はインフレ以下の4.8%、来年の一般消費は4.5%から5.0%がそれぞれ予想されている。(2008年6月2日付けエスタード紙)

公務員の年金を民間と統一

連邦政府は公務員の年金・恩給制度を民間と統一するための法案を国会に送り、最高年金支給額を民間と同じ10最低サララーに統一して、社会保障院(INSS)の赤字を減少させる。

しかし陸海空軍の年金は現状維持となり、法案が通過すれば2010年1月以降に公務員になった人を対象に適用されるが、州並びに市町村の職員は連邦公務員の後で実施される。(2008年6月2日付けエスタード紙)

フィッチもS&Pに続いて投資適格級に引上げ

昨日、国際的な格付け会社フィッチ・レーティングスは、ブラジルのソブリン格付けを1段階引き上げ、投資適格級のBBBマイナスとして、スタンダー ド&プアーズ(S&P)に続いて投資適格級に格上げしたが、ムーディーズは海外投資家にとってはブラジルへの投資は未だに慎重を要すると格上げを見合わせ ている。

  金融市場は格上げに対してすぐに反応して、ドルは1.09%下落のR$1.637レアルで1999年以来のレアル高となり、カントリーリスクも7.2%下落の192ポイントと大幅に下げた。

 しかし昨日は石油の国際コモデティ価格が3.37%下落のバレル当たり126.62ドルになった影響及び前日にサンパウロ平均株価(Ibovespa)が3.0%上昇していたことも平均株価の1.85%下落につながった。

  金融スペシャリストは中長期的には株価の上昇を見込んでおり、WestLB銀行では年末の株価を8万1,000から8万2,000ポイント、南米投資会社では8万ポイントを見込んでいる。

  しかしインフレ抑制政策として政策誘導金利(Selic)の引上げが確実視されており、また更なる格上げには社会保障院(INSS)の膨れ上がる赤字の解消、GDP比に対する公共負債比率の低下など困難な問題も抱えている。

 国際投資ファンド及び年金ファンドなどは投資適格級の格付けされた国に投資を行なうために、今回のブラジルの格上げでブラジル国債などへの投資が大幅に増加すると予想されて、投資残高現在の2倍近くまで増加すると見込まれている。

 世界の金融市場の投資金総額は120兆ドルと予想されており、そのうちの40兆ドルが安全確実な投資を行なう投資ファンドの資金であり、その95%の38兆ドルが投資適格国に投資を行ない、その2%がブラジルに投資される可能性がある。

   ブラジルと同じBBB-はクロアチア、インド、ウルグアイ及びヴェネズエラはBB-、ボリビアB-、エクアドールCCC、アルゼンチンは最下級Dの1ラ ンク上のRDにランク付けされており、最高のAAAはドイツ、カナダ、米国及びフランスとなっている。(2008年5月30日付けエスタード紙)

エンブラテルはWiMaxに投資

エンブラテル社はブラジルで初めての高速伝送,最長50kmまでの伝送距離できる無線通信技術WiMAX(ワイマックス)網に1億7,500万レア ルの投資を第一期工事として3月から開始しているが、11万以上の顧客がターゲットにできる172都市に400ヵ所のアンテナ塔を設置する。

昨日、同社はベロ・オリゾンテ市にWiMax網を開設したが、サンパウロ市、ベレン、クリチバやポルト・アレグレ市など12州都にWiMax網の設置を見込んでいる。

同社が投資を急いでいるのは今年下半期に電気通信庁(Anatel)が入札準備を進めており、コンペチター参入の可能性があり、同社では無線LANは一般 的に100m以内の通信距離を想定したLAN用の技術にそれに対してWiMAXは,数kmから数十kmまでの範囲で使えるために、中小企業の4回線の電話 つきでワイドバンドへのアクセスが可能なパーケージ販売を準備している。(2008年5月30日付けヴァロール紙)

ペトロブラスはジェット燃料を8.8%値上げ

ペトロブラスは石油価格高騰が続いて、ジェト機燃料ケロシン価格を6月から8.8%の値上げを行なうが、今回の値上げを含めて今年のケロシン価格は30.6%の大幅値上がりをしており、2005年以降では最大の価格調整となる。

TAM航空の今年第1四半期のケロシン価格コストは全体のコストに占める比率前四半期の30.7%から37.6%、ゴール航空では35.7%から40.7%とそれぞれ大幅に上昇している。

ブラジルの飛行機利用客は上昇の一途を辿っており、売上増加に寄与しているが、石油価格高騰の継続では航空運賃の値上げを余儀なくされている。(2008年5月30日)

ブラジル・コスタリカ商工会議所のフィゲロア元会頭補佐が表敬訪問

エルサルバドルのサンパウロ総領事を37年間勤め、ブラジル・コスタリカ商工会議所のラウル・タデウ・フィゲロア元会頭補佐が5月30日に同会議所のサミル・アサド国際ビジネス副会頭、同会員のサミル・アサド・フィーリョと共に商工会議所を訪問、平田藤義事務局長、日下野成次総務担当と懇談した。

左からブラジル・コスタリカ商工会議所のアサド・フィーリョ会員/アサド国際ビジネス副会頭/平田事務局長/フィゲロア会頭補佐/日下野総務担当

自動車メーカーの利益送金は238%

国内の自動車販売並びに生産記録を塗り替えている自動車メーカーの今年4ヶ月間の利益及び配当金は前年同期比238%増加の18億8,100万ドルを記録、GMやフォード本社の赤字をカバーしている。

自動車メーカーの利益送金は自動車メーカーの純益の20.7%に相当、また工業部門の利益送金総額の35%に相当して最も多いが、金融部門の送金総額22億8,000万ドルに次いでいる。

また今年4ヶ月間の自動車部門の直接投資額は前年同期比83.2%と大幅増加、鉱工業部門は48.6%増加の48億9,000万ドル、サービス部門は 0.6%微増の56億500万ドル、鉱業・農業部門は62.3%増加の12億5,300万ドルであった。(2008年5月29日付けヴァロール紙)