三井物産本社の榎泰邦顧問が表敬訪問

三井物産本社の榎泰邦顧問がブラジル三井物産企画戦略部門の浅野英樹取締役と共に5月27日午前に商工会議所を訪問、田中信会頭、平田藤義事務局長とブラジルの政治・経済について意見の交換を行なった。

左から平田事務局長/三井物産本社の榎顧問/田中会頭/ブラジル三井物産の浅野取締役

日本アマゾンアルミニウムの前田武社長が社史贈呈に訪問

アルブラスの副社長で日本アマゾンアルミニウム株式会社の前田武社長が5月27日に商工会議所を表敬訪問、田中信会頭、平田藤義事務局長が応対、前田社長は立派な社史「アマゾンアルミ・プロジェクト30年の歩み」を贈呈した。

左から平田事務局長/日本アマゾンアルミニウム会社の前田武社長/田中会頭

今年4ヶ月間の経常収支は141億ドルの赤字

今年4ヶ月間の経常収支は貿易収支の悪化及び外資系企業の利益送金増加で141億ドルの赤字を計上、4月の赤字幅は33億1,000万ドル、また同期間の経常収支では中銀予想の120億ドルを上回る赤字幅を記録して最悪となった。

4月の最終12ヶ月間の経常収支は146億5,500万ドルの赤字でGDP比1.08%となり、2002年8月の最終12ヶ月間の153億2,100万ドルに次ぐ赤字幅を計上している。

しかし4月の海外からの直接投資は38億7,200万ドル、今年4ヶ月間では126億7,100万ドル、金属部門の直接投資19.1%の22億4,100 万ドル、自動車が5.2%の6億700万ドル、金融部門が14.3%の16億8,400万ドル、最終12ヶ月間では372億1,900万ドルでGDP比 2.75%と大幅に増加してきている。

貿易収支では輸入の大幅増加と輸出の減少で黒字幅が減少してきており、4月の貿易収支黒字は前年同月比マイナス41%の17億4,400万ドル、ドル安による海外旅行の増加で4月の最終12ヶ月間のサービス収支は、ブラジル人による海外での消費が95 億3,500万ドル、海外からの観光客は52億7,900万ドルをブラジル国内で消費して42億5,600万ドルの赤字を計上した。

今年 4ヶ月間の利益送金などの所得収支は123億5,800万ドルの赤字で前年同期比では2倍以上となり、米国向け送金が29.9%、スペイン16%、オランダが11.5%を占め、特に金融関係の利益送金が最も多く22億8,500万ドルであった。(2008年5月27日付けエスタード紙)

新規株式公開ブームが再開か

世界金融市場の先行き不安で今年初めからの新規株式公開は9社に留まっていたが、投資銀行関係者は7月までに7社から8社が株式を上場して80億レアル相当の資金調達をすると見込んでいる。

電力エネルギー配電レッジグループは上場手続きを申請、ロンドン株式市場に上場してモルガン・スタンレイ社が主幹事のインフィニティ・バイオエネルギー社も申請準備をしており、それぞれ5億ドルの資金調達が見込まれている。

石油関連部門、鉱業並びに港湾や道路建設のインフラ部門の新規株式公開株(IPO)の投資家の需要は大きく、石油採掘やプラットフォームの保守などを含む石油関連部門ではOGX社を含めて70億ドルの資金調達が予定されている。

昨年の株式上場企業は76社で700億レアルを調達したが、今年は下半期から活発になると予想されているが、昨年よりも大幅に下回ると予想されている。(2008年5月27日付けヴァロール紙)

ブンゲは32億レアルを肥料関連に投資

ブンゲ肥料は32億レアルを投資して国内向けに燐酸肥料生産量を倍増の120万トンに増産するが、石油から製造される窒素肥料並びに基礎肥料生産はペトロブラスが大半のシェアを握っているために、天然カリウムの埋蔵量が少ないブラジルでは燐酸肥料だけがマーケットシェア拡大を図れる。

今回の投資額は最終10年間の年間平均投資額の8倍に相当する大型投資であり、穀物並びに肥料の国際コモデティ価格の高騰が大型投資に踏み切らせた。

今回の投資は2011年までに4プロジェクトに投資するが、20億レアルはミナス州パトロシニオにある燐鉱山の開発、3億レアルはウベラーバにある肥料工場の拡張、ミナス州アラシャの燐鉱山開発に3億2,000万レアルなどに投資する。

ブラジル国内の燐肥料消費は年間400万トン、輸入は200万トンであるが、ブンゲの燐肥料の増産後には燐肥料の輸入は50%低下、ブンゲは南米ではトップシェアを維持している。(2008年5月27日付けエスタード紙)

Camilはウルグアイ資本Saman買収で南米トップに

ブラジルで精米業並びに米販売でトップ企業のCamil社は、昨年末にウルグアイ資本のSamanを1億6,000万ドルで買収して南米では同部門でトップ企業となり、今年の売上は米の国際コモデティ価格高騰で、前年比50%増加の10億ドルを見込んでいる。

Saman社買収でCamil社にとっては海外への輸出の足がかりとなり、またトン当たり1,000ドルに達している米価で、今年の輸出比率は前年の6.0%から35%の3億2,500万ドルが見込まれている。

年産60万トンの95%を輸出しているSaman社の買収でアジアでも最も消費の多いフィリピン並びにマレーシア、中東のイラン並びにイラクへの輸出が可能となる。(2008年5月26日付けヴァロール紙)

2006年度の米生産国  生産量

中国          1億8,200万トン
インド         1億3,650万トン
インドネシア       5,440万トン
バングラデッシュ    4,370万トン
ベトナム          3,580万トン
タイ              2,930万トン
ミヤンマー        2,520万トン
フィリピン         1,530万トン
ブラジル         1,150万トン
日本            1,070万トン

民間銀行はノッサ・カイシャ銀行の入札を要求

ブラジル銀行のノッサ・カイシャ州立銀行買収の話が進んでいることに対して、ブラジルの大手民間銀行は正式な入札による買収参加を要求しているが、セーラ知事はブラジル銀行による買収はサンパウロ州政府並びに銀行職員にとっても最善策であると説明している。

入札による買収を要求しているのはブラデスコ銀行、イタウー銀行、ウニバンコ並びにサンタンデール銀行の大手民間銀行であるが、入札にかけると落札価格は上昇するが、州議会の承認が必要となり時間がかかる。

ブラジル銀行による買収が明らかになった先週の金曜日のノッサ・カイシャ州立銀行の株価は31.50%と大幅上昇したが、ブラジル銀行の株価は2.81%下げた。(2008年5月26日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

フレックス車テクノロジーが注目を集める

世界で唯一100%のエタノール使用のブラジルのフレックス車生産台数は530万台に達し、年末までに700万台を突破すると見込まれているが、最 近ブラジルを訪問したドイツのメルケル首相はドイツでのフレックス車導入の可能性を認めており、ブラジルのフレックス車のテクノロジーが海外で注目されて いる。

フレックス車は石油が高騰を続けている現在は短期的には石油燃料の代替として唯一の解決方法であり、米国ではすでに500万台のフレックス車が使用されているが、車社会の米国ではその比率はまだまだ低い。

昨年のブラジルのプジョー・シトロエンはフランス並びにスイスにフレックス用エンジンを6,000台輸出、サンパウロ砂糖キビ加工業者組合(Unica) は輸出振興庁(Apex)と米国並びにベルギーで事務所を開設してエタノール普及に努めているが、アジアでも事務所開設を計画している。(2008年5月 26日付けエスタード紙)

ホンダの鍋島重役補佐と後任の末重役補佐が表敬訪問

移転価格税制、模造品対策や安全対策などで積極的に会議所活動を行い、8年間のブラジル勤務を終えて帰国するホンダ・サウスアメリカの鍋島直裕重役補佐と赴任早々で後任の末一義重役補佐が5月26日に会議所を表敬訪問、応対した平田藤義事務局長と色々な話に話が弾んだ。

左から平田事務局長/帰国するホンダの鍋島重役補佐/後任の末重役補佐

輸入増加は工業化に足枷か

輸入急増で電機業界、医療器具やオートメーション業界の先進テクノロジー化への足枷になっており、近代化への投資並びに生産能力の拡大を怠ると長期的には工業化衰退に結びつくことが社会経済開発銀行(BNDES)の調査で判明している。

2004年から2007年にかけて一般消費財の輸入比率は15.4%から20.3%に留まったが、機械・装置、オートメーション部門の輸入は60%も増加、化学部門は28%増加しており、特に化学肥料の輸入は2004年から年平均10.4%増加しているが、国内生産は2.6%に留まっているが、ペトロブラスによる天然ガス部門への投資は国内生産の増産に繋がる。

2004年から2007年の電気部門の年間平均輸入額は26.4%増加したが、国内生産は12%増加に留まり、年平均16.9%増加の国内消費を賄っており、医療器具並びにオートメーションの年平均の輸入は35.1%増加したが、国内生産の伸び率は6.0%に留まっている。(2008年5月26日付けヴァロール紙)