自動車メーカーは一斉にアルゼンチンでブラジル向け自動車増産

ブラジルの自動車の国内販売が絶好調で生産が需要に追いつかないために、各自動車メーカーはアルゼンチンでブラジル向け自動車生産を行なうための投資を急いでいる。

レアル高の為替はアルゼンチンでの自動車生産はブラジルよりも30%のコストダウンが図ることができ、ワーゲン社はフォックス車の生産を6月からアルゼンチンのパシェコ工場で開始、プジョーは307型セダン、シトロエンもC4型をそれぞれアルゼンチンで行なう。

ファイアット社では2002年から生産を中止していた工場に6,000万ドルを投資して生産を再開、ルノーは昨年9月にクリオ車の生産をアルゼンチン移転して、今年は4万6,000台の生産を予定している。

アルゼンチンの昨年の自動車生産は54万4,000台でブラジルへの輸出は50%に達するが、2010年には75万台の生産が見込まれている。(2008年5月19日付けエスタード紙)

ジラウ水力発電所はオデブレヒト/フルナスグループが落札か

昨年12月にマデイラ河のサント・アントニオ水力発電所の落札に続いて、今日の午後に実施されるオデブレヒト/フルナス連合が発電能力3300メガ ワットのジラウ水力発電所の落札が有力視されているが、投資総額87億レアルの同発電所落札にスエズ/カマルゴ・コレア連合も虎視眈々と落札価格を練って いる。

オデブレヒト連合はサント・アントニオ水力発電所と同時に建設できる利点があり、建設コスト的にもスエズ連合よりも有利であり、またマリーナ・シルヴァ環境相に辞任に伴う後任のカルロス・ミンク環境相の方が水力発電所ライセンス取得が容易となると予想されている。

今回のマデイラ河の2水力発電所の発電能力6450メガワットが完成すればブラジルのエネルギー発電に占める水力発電所の比率は70.66%まで上昇して7万7100メガワットとなる。(2008年5月19日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

ブラジルの電力エネルギー

種類 タイプ 発電所数 MW 比率
水力発電 677 77,131 70.66
ガス 天然ガス
プロセス油
81
30
10,208
1,183
9.35
1.08
石油 ジーゼル油
廃油
578
21
3,229
1,315
2.96
1.21
バイオマス 砂糖キビ粕
パルプ黒液
木材
バイオガス
籾殻
248
13
27
3
3
3,096
859
231
41
18
2.84
0.79
0.21
0.04
0.02
原子力 2 2,007 1.84
石炭 7 1,415 1.3
風力発電 16 247 0.23
輸入電力 8,414 8.69
トータル 1,706 109,154 100

 

カサビ市長の支持率が伸びない

ダータフォーリャの支持率調査によるとジルベルト・カサビ市長(DEM)は10月のサンパウロ市長選ではPMDB、PV並びにPR党からの支持を受けて無料放送時間も11分に伸ばしているが、支持率が伸び悩んでおり、前回の支持率13%から15%に伸ばしたが、相変わらず3位に留まっている。

ジェラウド・アウキミン元州知事(PSDB)はPTB党の支持を取付けて前回の支持率調査から1ポイント増加の29%に伸ばしたが、トップはマルタ・スプリシ観光相の30%となっている。

元聖州知事のパウロ・マルフ下議(PP)の支持率は8%で4位、元サンパウロ市長のルイザ・エルンジーナ氏(PSB)7%から5%に支持率を落としており、パウロ・ペレイラ・ダ・シルヴァ下議(PDT)は3%から2%に支持率を落としている。(2008年5月19日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

小売業界は2001年以来の売り上げ増加

今年第1四半期の小売業界の売上は前年同期比12%増加して2001年以来の好成績を記録、2003年第4四半期から18半期連続で増加している。

小売業界の好調は実質賃金並びに雇用の増加、長期格安ローン販売の拡大でC/Dクラスの購買力増加が牽引して、第1四半期のスーパー、食品・飲料部門は8.9%増加している。

3月の小売は前月比1.8%、前年同月比11.4%それぞれ増加、最終12ヶ月間では10.2%の増加を記録、第1四半期の自動車部門の売上は21.4%と好調を維持している。(2008年5月16日付けエスタード紙)

銀行の平均収益率が21.94%

ルーラ政権の2003年から今年にかけてのブラジルの各銀行の平均収益率はカルドーゾ政権時よりも飛躍的に伸びて、3月最終12ヶ月間の平均収益率は21.94%に上昇、1995年は18.97%であった。

1995年以降の銀行の収益率は10%前後に低下したが、1999年には13.61%に再上昇したが、2000年には9.78%まで低下していたが、ルーラ政権になった2003年以降は上昇を続けている。

収益率の上昇要因としてクレジット部門の拡大、世界経済の好調なシナリオ、政策誘導金利の大幅な低下が追い風になっており、今年の第1四半期のクレジット 部門はすべての銀行で拡大しており、ブラデスコ銀行は前年同期比38.5%、イタウー銀行は36.2%とそれぞれ大幅に増加している。(2008年5月 16日付けエスタード紙

ペトロブラスは100億ドル投資で製油所建設

エジソン・ロバン鉱山エネルギー相はマラニャン州サンルイス市に日産40万から50万バレルの処理能力を擁する製油所を100億ドル投資して建設、主に米国市場向けに石油を輸出する。

またペトロブラスはヴェネズエラからの輸入天然ガスの液化天然ガス(LNG)ターミナル建設を計画、今後、需要増加が見込まれるブラジルの北東地域に供給する。

チャー ベス大統領の構想である200億ドルを投資してヴェネズエラからブラジルやアルゼンチンに1日当たり1億5,000万立方メートルの供給可能な天然ガスパ イプラインの建設が実現すれば、ブラジルの北東地域への供給も可能になる。(2008年5月16日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

シナノケンシの清水マネージャー、臼井係長が訪問

小型精密モーター製造のシナノケンシ株式会社の精密電気事業部営業統括部の清水公典海外営業マネージャー、開発センターの臼井弘明係長が5月16日に会議所を表敬訪問、13日の電気電子機械関連展示会mecanicaを視察、応対した平田藤義事務局長とブラジル市場や経済などについて話合った。

左からシナノケンシ社の臼井弘明係長/平田藤義事務局長/清水公典マネージャー

同志社大学人文科学研究所の野口敬子研究員が表敬訪問

日本ブラジル中央協会会員で同志社大学人文科学研究所族宅研究員並びに日本移民学界会員の野口敬子女史が5月16日に商工会議所を表敬訪問、山田唯資監事会議長、平田藤義事務局長と意見の交換を行なった。

平田事務局長/同志社大学人文科学研究所の野口敬子属託研究員/山田監事会議長

IGP-10が前月の3倍の1.52%に上昇

5月の総合物価指数(IGP-10)は前月の0.45%から3倍増となる1.52%まで上昇、5月としては13年ぶりのインフレ高を記録、ジェツリオ・ヴァルガス財団調査の5月の総合物価指数(IGP-DI),並びに総合市場物価指数(IGP-M)もそれぞれ1.5%を上回ると予想されている。

卸売市場の物価高は食料品だけではなくなってきており、今後も中銀はインフレ抑制のために政策誘導金利(Selic)の上昇を続けると見込まれている。

4月11日から5月10日までの間のインフレ調査であるIGP-10の卸売り部門は前月の0.35%から1.91%に上昇、鉱工業製品は前月の1.0%から2.01%、と2004年11月以来のインフレ率を記録、鉄鉱石がヴァーレ社の価格調整で0.81%から15.51%に急上昇、ジーゼル燃料も 0.73%から3.68%に上昇している。(2008年5月16日付けエスタード紙)