サムスンはマナウスでミニシステム生産

ブラジル人とメキシコ人は大音量での音楽を聴くことが大好きであり、世界でも音響装置のミニシステムの最大のマーケットであるが、ヨーロッパでは先細りしてCDsの聞けるホームシアターに移行している。

サムスンはマナウスでミニシステムを今年下半期から生産、先行しているソニー、LG、フィリップスと市場シェア獲得でしのぎを削る。

ブラジルのミニシステムの市場規模は120万台前後で移行しているが、サムスンはニューモデル“ブラックピアノ”のミニシステム を売出すが、すでに同社のテレビやホームシアターに付属して販売されて好評であり、またブルーツース機能を備えて価格は600レアルから2,000レアル を見込んでいる。(2008年4月29日付けヴァロール紙)

ブラデスコ銀行の純益は21億レアル

今年第1四半期のブラデスコ銀行の純益は前年同期比23%増加の21億レアルで、最終20年間では民間銀行では最高の利益となった。

ヴィザ・インターナショナルの一部売却などの純益を含まない銀行業務だけの純益は11%増加の19億1,000万レアルであったが、保険部門は純益の39%と大幅に寄与、ブラジルの保険部門は僅かGDP比3%で今後も大幅な伸びが期待できる。

クレジット部門は純益の25%を占めたが、金融取引税(IOF)の税率がアップされたにも関わらず、前年同期比38.5%増加の1,694億1,000万レアルとなっている。

住宅金融クレジットは126%増加、年末までにはクレジット総額は53億レアル、年金・給与口座天引き型クレジットは49.3%増加、90日以上の返済停 滞は個人向けクレジットで6.4%、零細・小企業では3.7%から2.5%に低下して最近2年間で最も低率となっている。(2008年4月29日付けエス タード紙)

フォードも6億レアルでエンジン増産

ワーゲン、GM、ファイアットに次いでブラジルのビッグ4のフォード社は好調な国内自動車販売の需要を賄うために、6億レアルを投資してタウバテ工場のエンジン生産を28万台から50万台に引き上げる。

この新規投資は昨年、フォードが4年間に22億レアルを投資すると発表した計画には入っていないが、今回の投資でブラジルは英国、インドに次いで新型エンジンの生産国となる。

タウバテ工場ではエンジン以外にも3勤交代でトランスミッションを44万台生産、シャーシ部品やピストンなども生産している。(2008年4月29日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

海外旅行での消費が50%近く増加

ドル安の為替や10回払いローンなどの好条件が整って、今年2月の最終12ヶ月間の海外旅行での消費は前年同期に48.7%増加の89億ドル、サービス収支は37億8,000万ドルの赤字を記録した。

この赤字はルーラ第一政権の17億3,700万ドルの117%の大幅増加となっているが、中低所得層の海外旅行が急増してきており、旅行先はブエノス・アイレス、バリロッチェ、サンチアゴ、マイアミが選ばれている。

しかし今年2月の最終12ヶ月間でブラジルを訪れた海外旅行客の消費は前年同期比15.6%増加の51億4,400万ドル、昨年ブラジルを訪れた海外旅行客は500万人で49億ドルを消費したが、エンブラツールでは2010年には790万人で77億ドルの消費を見込んでいる。(2008年4月27日付けエスタード紙)

ブラジルの穀物生産はインフレ改善で倍増

ブラジルは世界でも穀物を輸出するための鉄道、道路並びに港湾施設のインフラが改善されれば、現在の食糧危機に短期間で対処できる唯一の国である。

元農相でFiespのアグロビジネス部門のロベルト・ロドリゲス審議会長は現在、4,700万ヘクタールで穀物栽培が行なわれているが、活用されていない放牧地5,000万ヘクタールでの穀物栽培及び生産技術改良で2.5倍の3億5,000万トンの穀物生産ができる。

また砂糖キビ栽培も水捌けのよい傾斜地の牧草地2,200万ヘクタールの活用で、食料向け耕作地を一切利用しないでも数倍のエタノール増産が可能である。(2008年4月27日付けエスタード紙)

カイピリーニャの普及に従ってタイチレモンの輸出が急増

ヨーロッパでのカイピリーニャ消費増加に従って、タイチレモンの輸出が急増しており、1998年の輸出は2,300トンであったが、昨年は5万8,200トンと30倍近い増加を記録している。

輸出額でも140万ドルから4,170万ドルに急増、この間のレモン価格は僅かに17.36%上昇、主な産地はサンパウロ州イタジョビ、ミナスのジャイバ、バイア州のイニャンブペとなっているが、サンパウロ州カタンヅーバ周辺地域からの輸出が増加すると予想されている。

主なレモンの輸出先はオランダ、英国、カナダ、ドイツ、スペインでカイピリーニャが一般的に普及してきたのに伴って今後も増加する。(2008年4月28日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

建設業界へのクレジット倍増

昨年の建設業界への土地購入、アパート建設向けの銀行からのファイナンスは前年比101%増加の30億レアルに達したにも関わらず、昨年は建設業界企業の新規株式公開(IPO)が盛んに行なわれた。

先週、Enen建設はイタウー銀行から4億5,000万レアルの66ヶ月支払いのクレジットを調達して土地購入並びに新規アパートを建設、昨年末にGafisaは運転資金として銀行から2億レアルを調達している。

しかし銀行からのクレジットは建設期間中には総額の20%、入居開始と同時に大半を融資されるために豊富な運転資金が必要となり、昨年は20社のIPOで50億レアルを調達している。(2008年4月28日付けヴァロール紙)

【日本】 日伯交流年・ブラジル移住100周年記念式典に皇太子殿下が出席

日伯交流年・ブラジル移住100周年記念式典が2008年4月28日午後2時から兵庫県公館で開催、皇太子殿下は「日系人の皆さんの長年にわたる努力への敬意と、日本人移住者を温かく受け入れてきたブラジル政府、国民への感謝を忘れずに、両国関係を発展させていきたい」とお言葉を述べられた。出席者は神戸市、兵庫県、日伯協会、関西ブラジル人コミュニティ、海外日系人会館(仮称)協力委員会など300人。ブラジル日本商工会議所からは田中信会頭、平田藤義事務局長が全ての記念事業に参加した。

日伯交流年・ブラジル移住100周年記念レセプションが同日午後5時30分から7時まで、ホテルオークラ神戸「平安の間」で皇太子殿下、政府関係者、日伯交流年兵庫県実行委員会関係者、日伯議連、在日日系ブラジル人など500人が参加して盛大に開催された。
71年の閉鎖まで約25万人の海外移住者を送り出した同区の「旧神戸移住センター」でも、同時午前10時から施設再整備に向け式典を開催。施設は仮称「海外日系人会館」、来年5月には日系人らを支援し、移民の歴史を知ってもらう施設として生まれ変わる。

日本から最初のブラジル移民船「笠戸丸」が神戸港を出港して同日で100年を迎えた。神戸市中央区の旧神戸海外移住センターでは午前10時30分から太陽光を集めて採火した「友情の灯」は笠戸丸が神戸港を出発した同じ時刻の午後5時55分にブラジルへ送り出された。

日伯交流年・ブラジル移住100周年記念コンサートとして同日午後4時から4時50分までホテルオークラで「原 久美」ボサノバコンサートが開催され、記念レセプション出席者が美声に酔いしれた。

 

2月の貿易収支は2002年6月以来の黒字幅に縮小

輸入急増で2月の貿易収支は前年同月比71.2%減の8億8,200万ドルの黒字で2002年6月依頼の黒字幅に縮小、輸出は128億ドル、輸入は119億2,000万ドルであった。

また今年2ヶ月間の輸出は前年同期比20.5%増加の260億7,000万ドル、輸入は50.7%増加の242億5,000万ドル、貿易収支は18億2,000万ドルであったが、3月は農産物の輸出増加が予想されているので貿易黒字幅は拡大する。

2月の資本財輸入は58.1%、設備投資用機械・装置84%、昨年末から輸入中止されていたアルゼンチン産小麦などの原材料53.9%、消費財43.2%、自動車は93.5%、石油・潤滑油72.2%それぞれ大幅に増加している。

2月の輸出は工業製品が17.3%増加しているが、米国向け輸出は5.6%、今年2ヶ月間では7.6%の増加に留まっている。(4日付けエスタード紙)

マナウスフリーゾンの輸出が低下

マナウスフリーゾンからの輸出はレアル高の為替及び好調な内需の影響で価格競争力を失ってきており、昨年の輸出額は2005年の20億ドルから大幅低下の10億ドルにまで減少してきている。

2006年のセルラー輸出は前年比3.0%、昨年は28%それぞれ減少、ノキアは為替の影響で生産の一部をメキシコに移動、サムスンも優遇税制問題からモニター工場をサンパウロに移している。

しかしレアル高の為替で部品の現地調達では価格コストで輸出競争力が削がれているが、海外から安価な部品を輸入して再輸出する時の戻り税(Brawback)の適用が可能なセルラー業界の輸出が期待されている。

今年のノキアのセルラー輸出は前年比170%増加の8億8,000万ドルが予想されており、ブラジル全体の輸出は30%増加の3,000万台、輸入セルラーは17%増加の550万台が見込まれている。

昨年のフリーゾーンの工業界の売上は好調な国内経済を反映して前年比12.7%増加の257億ドルと好調に推移しているが、1990年代には国産化比率が 75%まで達していたが、昨年は輸入部品の増加で51%まで低下してきている。(2008年4月25日付けヴァロール紙)