Copom議事録はインフレ圧力を強調

中銀の通貨政策委員会(Copom)の議事録は前回の同委員会での政策誘導金利を11.25%から大半の予想であった0.25%の切上げに対して0.5%切上げの11.75%に決定、今年並びに来年のインフレシナリオの悪化に対する予防対策を講じている。

今回の0.5%の切上げは好調なクレジット販売や実質賃金の上昇で引続き好調な内需に牽引されて、堅調な経済成長率の継続を阻害する要因とはならない。

また国際シナリオ面では石油の国際価格が高騰を継続していて、ガソリン価格値上げ圧力が強まってきているが、年内の価格調整は行われないと見込んでいる。(2008年4月25日付けエスタード紙)

コザンがガソリンポスト網エッソを買収

エタノール生産最大手のコザン社は8億2,600万ドルでガソリンポスト網1,500ヵ所並びにエクソン・モービルの潤滑油工場を買収、エタノール生産から販売までの川上から川下までのバリューチェーン構築で収益率アップを図る。

自動車燃料配給マーケットシェアはエッソ買収を仕掛けていたペトロブラスが41.5%でトップ、イピランガ18.1%、シェル14.4%、9.8%のテキサコの4社で80%以上を占めているが、エッソは7.2%で5位となっている。

昨年の自動車燃料配給マーケット規模は前年比8.5%増加の300億ドルになっているが、石油及びジーゼル油販売は横ばいであったが、フレックス車の販売に比例してエタノール販売は50%増加している。(2008年4月25日付けエスタード紙)

ヴァーレの純益が55%減少

ドル安並びにニッケルの国際商品価格の下落で、ヴァーレ社の第1四半期の純益は前年同期比55%減少の22億5,300万レアルに留まった。

世界2位のニッケル生産会社インコを買収して、鉄鉱石生産に集中していた事業のポートフォーリオ拡大に成功したが、買収時にはニッケルの国際商品価格がすでに高値になっていた。

しかし同社では今期の純益を10.2%の減益と見込んでいたが、レアル高の影響で売上が18億4,000万レアル減少の145億4,900万レアルに低下して昨年同期を12.5%下回った。(2008年4月25日付けエスタード紙)

3月のスーパーの売上は13.8%増加

3月のスーパーマーケット部門の売上は前年同月比13.8%、第1四半期は10.26%それぞれ増加して最終6年間で最も伸びた。

ブラジル・スーパーマーケット協会(Abras)では今年の売上増加を4.0%から4.5%と見込んでいるが、昨年は前年比6.0%増加の1,363億レアルを売上げている。

昨年のスーパー業界平均純益は売上の1.70%、店舗数は1.2%増加の7万4,602店舗、雇用総数は3.6%増加の86万8,023人、売場面積は1,880万平方メートルであった。

カーレフールはアタカダン、パン・デ・アスーカルによるアサイの買収などで大型化が進んでおり、大手3社の売上は業界全体の39%で前年よりも6.0%増加して寡占化が進んでいる。(2008年4月24日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

コジッパ製鉄所の温室効果ガス排出が最悪

サンパウロ州政府環境局の調査では、パウリスタ製鉄所(Cosipa)の温室効果ガス排出量(CO2)が年間635万トンでサンパウロ州内では最悪となっている。

ペトロブラス傘下のReplan製油所、Revap製油所、RPBC製油所がそれぞれ312万トン、210万トン、194万トンのCO2を排出して2位から4位、ブラジルアルミ会社(CBA)、ヴォトランチン・セメント社が続いている。

調査対象の371企業でCO2排出量の多いランク8位までの総量が全体の63%を占めているが、鉱工業部門の温室効果ガス排出量は全体の1/3,2/3は輸送、エネルギー、ゴミ処理場や一般家庭からのCO2となっている。(2008年4月24日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

今年度の連邦政府支出予算は12.1%増加

今年の連邦政府の財政支出予算は金融取引暫定納付金(CPMF)の廃止にも関わらず、前年比12.1%増加の5,164億レアルが承認されたが、財政一次支出が前年比558億レアル増加する。

名目財政一次支出は前年比10.9%増加、インフレ4.5%を差引いた実質支出はGDPの伸び率を上回る予算で、社会保障院(INSS)の支出が毎年増加している。

国税庁、社会保障院並びに中銀で構成される中央政府の財政収支黒字は前年比10.6%増加の667億5,000万レアルが見込まれている。

今年度予算で最も恩恵を受けるのは基礎教育振興基金(Fundeb)で前年比55%、投資パイロットプロジェクト(PPI)は171%それぞれ増加、社会援助プログラム向け予算も18.9%増加する。(2008年4月24日付けエスタード紙)

社会保障院の赤字が17%減少

今年第1四半期の社会保障院(INSS)の赤字は、3ヶ月間で55万4,500人が正規雇用されて徴収金が増加したために、前年同期比17%減少の98億レアルに低下、特に3月は46.7%減の26億レアルであった。

INSSの第1四半期の歳入は前年同期比9.9%増加の354億レアルであったが、歳出は2.6%増加の452億レアルに留まり、3月の歳入は9.2%増加の121億レアル、歳出は8.1%増加の147億レアルであった。

INSSでは不正病気手当支給に厳しく目を光らせて歳出削減を図っており、3月の15日以上の病気手当支給者は130万人まで減少しているが、2005年9月には160万人に達していた。(2008年4月24日付けエスタード紙)

【日本】 日本ブラジル交流年/日本移民100周年記念式典に天皇、皇后両陛下、皇太子殿下が出席されて開催

日本政府主催の日本ブラジル交流年/日本人ブラジル移住100周年記念式典が24日午後4時から、 東京都港区のホテルオークラで開かれ、式典には天皇、皇后両陛下や「日本ブラジル交流年」名誉総裁の皇太子殿下、福田康夫首相、河野洋平衆議院議長、江田五月参議院議長、島田仁郎最高裁判所長官、麻生太郎日伯交流年実行委員長、ブラジル政府代表のジウマ・ローセフ官房長官、斉藤準一ブラジル空軍総司令官、 日系コロニアからは上原幸啓ブラジル日本移民100周年記念協会会長、松尾治同協会執行委員長ら約400人が出席され、ブラジル日本商工会議所からは田中信会頭、平田藤義事務局長が出席した。

開会後には、日伯両国国歌吹奏、高村正彦外務大臣の祝辞に続いて、天皇陛下がお言葉を述べられ、陛下のブラジル日系人、在日日系人への暖かい思いが、参列者の胸を強く打った。

式典で天皇陛下は「今日、日系の人々がさまざまな分野で活躍し、ブラジル社会に貢献していることを頼もしく感ずるとともに、これまでに努力を重ねてきた日系の人々の労苦に深く思いを致すのであります」と挨拶された。

ゲルダウは中米に生産・販売拠点

ゲルダウは中米に生産・販売拠点としてグアテマラのCentroamericana・Del・Acero社に1億8,000万ドルを投資して30%の資本参加を発表、昨年はドミニカ共和国のINCA製鉄にも出資している。

同社は粗鋼生産50万トン、圧延鋼69万トンの生産能力を擁しており、中米地域の生産拠点となり、ゲルダウ社は1999年から2006年までは北米でのローカル製鉄所買収を果敢に行なってきたが、昨年からラテンアメリカ地域の拠点作りに方向転換している。

ゲルダウは昨年、ラテンアメリカ地域で製鉄所買収に4億6,600万ドルを投資、メキシコではSidertulを買収、Aceros・Corsa社に 49%の資本参加、ヴェネズエラではSizucaを買収、コロンビアおよびペルーでの投資拡大を発表している。(2008年4月22日付けヴァロール紙)