今年の大生産地地域の砂糖キビ生産は4,981万トン

ブラジル全体の生産量の86%を占める大生産地域であるサンパウロ州を中心とする中南部地域の今年の砂糖キビの生産は、前年比16%増加の4,981万トンの予想で記録更新が予想されている。

315ヵ所の砂糖・アルコール精製工場が加盟するサンパウロ州砂糖キビ加工工業者連合(Unica)では、今年は新たに32精製工場が操業を開始したが、 今年のアルコール生産は前年比19%増加の243億リットル、輸出は8億リットル増加の39億リットルを見込んでいる。

最終12ヶ月間のアルコールのコモデティ価格は1ガロン当たり19%増加の2.5ドルになっており、また砂糖生産は9.0%増加の2,860万トン、輸出は15%増加の1,890万トンを見込んでいる。(2008年4月18日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

ドルがR$1.663で1999年以来の安値を記録

昨日の通貨政策委員会(Copom)の政策誘導金利(Selic)の切下げ発表を前にして、ドルがR$1.663と1999年5月以来の安値を記録 したが、大半の金融スペシャリストの予想0.25%の切上げを上回る0.50%の切上げ決定で、海外投資家の更なる金融投資が予想されて、益々ドル安に傾 くと予想されている。

昨年4月のSelic金利は12.75%、米国の金利は5.25%で金利差は7.5%であったが、今では9.25%の金利差となっているために、海外の金融市場において低金利で資金を調達、ブラジルで資金運用して利ザヤを稼ぐキャリートレードが増加すると予想される。

国際金融危機で金融市場が荒れているにも関わらず、今月初めの二週間には54億3,500万ドルが流入、米国でサブプライム問題が発覚する前の昨年同期の 43億6,200万ドルを大幅に上回っており、国債や株式などの金融投資が70%増加の17億1,400万ドルに達している。(2008年4月17日付け エスタード紙)

労働問題研究会でバランス・スコアカードについて講演

企業経営委員会(石川清治委員長)の労働問題研究会が4月16日午後4時から6時過ぎまで会議所会議室に27人が参加、ラエルチ・エレーロ副委員長が司会を担当、サンパウロIBMEC大学教授でKallasコンサルタント社共営者のダヴィジ・カラス氏が「経営戦略とバランス・スコアカード」について講演した。

ダヴィジ氏はパワーポイント並びにビデオで、バランススコアカードとは戦略経営のためのマネジメントシステムであり、ビジョンと戦略を明確にすることによって、財務数値に表される業績だけではなく、財務以外の経営状況や経営品質から経営を評価し、バランスのとれた業績の評価を行うための手法であると説明した。

バランススコアカードを導入することにより企業ビジョンの実現・目標の達成を目指して、財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点の4つの視点から戦略を立てる。その戦略の重要成功要因を分析、業績評価指標を設けてアクションプランと現場の業務まで反映させことにより、従業員は日々の業務がどのように目標達成に影響するのかを意識でき、経営陣は視覚的、実質的に目標達成までの道のりを管理すること可能であると説明、質疑応答では多岐に亘る質問が飛び出したが、テキパキと応えていた。

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熱心にメモをとる参加者

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左から講演者のダヴィジ・カラス氏/ラエルチ・エレーロ副委員長

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パワーポイント及びビデオで講演するダヴィジ氏

LLXは33億ドルを投資して3港湾を建設

鉱山会社MMXを率いるエイケ・バチスタ社長はグループ傘下のLLX社を通して、サンパウロ州とリオ州に33億ドルを投資して浚渫深度18メートルの3港湾を建設する。

最も投資額が大きいのはサントス港から70キロメートルのペルイーべ市に建設されるブラジル港と呼ばれる港湾で、50万平方メートルの土地に20億ドルを 投資して、年間の取扱量は鉄鉱石が320万TEUsに相当する2,000万トン、エタノールが750万立方メートル、穀物類が3,000万トン、肥料 1,000万トンの能力を擁する大港湾となる。

リオ州サン・ジョアン・ダ・バーラのアスー港の第1期工事には6億ドルを投資、2010年 の操業時の取扱量は鉄鉱石が2,650万トン、第二期工事は6億ドルを投資して2011年の操業を予定、主に石炭や鉄鋼製品の取扱いが予定されてい る。(2008年4月17日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

2012年には自動車生産能力は500万台に達する

全国自動車部品工業連合(Sindipeças)では2012年にはブラジルの自動車生産能力は500万台、自動車生産台数は438万台を見込んでいる。

同連合では今年の生産台数は前年比13.2%の336万4,000台を予想しており、今年の自動車部品関連投資は前年比18.5%増加の16億ドル、全国 自動車工業会(Anfavea)では今年の自動車生産を325万台、50億ドルを投資して生産能力を350万台から380万台に引上げる。

しかし国際コモデティ商品価格が高騰して、原材料のコストに占める割合が2003年の58.23%から昨年は63.10%に上昇、今年に入りアルミ、亜 鉛、銅価格が世界需要で上昇、自動車用鋼板はすでに14%も値上げされているが、下半期にも更なる値上げが予想されている。(2008年4月17日付けガ ゼッタ・メルカンチル紙)

石油生産大国10カ国入りか

エスピリット・サント州南部からサンタ・カタリーナ州北部にかけた地域の岩塩下の深海油田層の石油埋蔵量は500億バレルから700億バレルと見込まれており、現在の埋蔵量140バレルを併せると850億バレルに達して石油生産大国10カ国入りが可能となる。

連邦政府はサントス海盆のツピー鉱区、ジュピター鉱区、カリオカ/パン・デ・アスーカル鉱区での調査を元に埋蔵量を算出している。

しかしより正確な埋蔵量調査には最低でも数年を要するが、国家エネルギー政策審議会(CNPE)はツピー鉱区での埋蔵量確認後には41鉱区を対象にした入札を差止めている。(2008年4月17日付けエスタード紙)

マリンガ市のシルビオ・バーロス市長が表敬訪問

パラナ州マリンガ市のシルビオ・マガリャエス・バーロス市長、日本公園プロジェクトのマリー・クリスチーナ・ヨシイ部長、MGois社のマルコス・ゴイス取締役が4月17日に会議所を表敬訪問、平田藤義事務局長に日本公園建設プロジェクト支援パートナーシップについて説明、また田中会頭並びに平田事務局長にプロジェクトの進捗具合を近くで見てもらうために、マリンガー市への訪問を招待した。

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左からマリンガ市のゴイス取締役/平田事務局長/バーロス市長/ヨシイ部長

アラクルース製紙がクラフトパルプ生産を180万トンに増産

アラクルース製紙は南大河州グアイバ工場に26億ドルを投資して、2010年までに現在の市販クラフトパルプ(BKP)の生産量45万トンを180万トンに増産して世界最大のBKP生産工場に拡張する。

同社はすでにクラフトパルプ生産では世界トップメーカーであり、この工場拡張で南大河州の生産量は同社の36%を占め、更に7,000人の直接雇用、4万3,000人の間接雇用が創出できる。

工場拡張以外にも、同社は6億ドルを投資して12万ヘクタールにユーカリを植林するが、また2万ヘクタールには環境保護のために自然林を確保する。(2008年4月16日付けエスタード紙)

銀行金利はSelic金利発表前に上昇

今日の通貨政策委員会(Copom)での政策誘導金利(Selic)が0.25%切上げされて年利11.5%が予想されているが、銀行ではすでに各種の金利を調整している。

米国のサブプライム問題で端を発した世界金融危機で、ブラジルの銀行金利は12月から切上げに転じており、12月の口座借越残金利は138.1%から2月 には146%、自動車ローン金利は28.8%から31.2%、個人向けクレジットは45.6%から52.6%となっていた。

Selic金利の0.25%の上昇は消費者にとっては0.52%の平均金利上昇に跳ね返り、最も金利高になるのは個人向けクレジット金利の0.78%、クレジットカード金利0.71%、口座借越残金利は0.54%それぞれ上昇する。

Selic金利が11.5%に上昇すれば実質金利が6.8%に上昇して世界で最も高金利となり、トルコの5.6%、オーストラリア4.6%コロンビア3.4%、メキシコの3.2%をそれぞれ大幅に上回る。(2008年4月16日付けエスタード紙)