年末のSelic金利は12.50%か

中銀の最終フォーカスレポートによると、今年年末の政策誘導金利(Selic)は0.75%上方調整の12.0%が見込まれていたが、主な経済指標から割出された年末のSelic金利は1.25%調整の12.50%が予想されている。

来週開催される通貨政策委員会(Copom)からSelic金利が5回連続で0.25%の上方修正が予想されており、中銀はインフレ指数である広範囲消費 者物価指数(IPCA)を先週の4.47%から4.50%に引き上げているが、インフレコントロールの通貨政策を優先させる。

しかしSelic金利の引上げに伴って、欧米諸国との金利差が更に広がるために、海外からの投資金流入でさらにドル安に傾き、経常収支が更に悪化する。(8日付けエスタード紙)

エタノール消費がガソリンと互角に

2月のエタノールとガソリンの混合燃料に対応したフレックス車販売が87.3%に達しており、ガソリン燃料の価格上昇でエタノール燃料消費が2007年初めから急上昇しており、2月のエタノール燃料消費は前年同月比56%と大幅に増加している。

2月のエタノール燃料販売は14億1,300万リットルに対して、ガソリンは14億2,900万リットルで1,600万リットルと僅かに上回っているが、数ヶ月以内に逆転すると予想されている。

また水力発電所の水位が危険水域まで低下したために、ジーゼル油原料の火力発電所を操業、2月のジーゼル油消費は前年同月比11.5%増加の33億5,000万リットルに増加した。(8日付けエスタード紙)

4州で電力料金値下げ

国家電力庁(Aneel)は今月9日からの電力料金の値下げを承認、サンパウロ州、ミナス、南マット・グロッソ並びにマット・グロッソ州の1,100万人が対象となる。

電力料金調整は4年ごとに行なわれるが、電力会社の生産性向上及びコスト削減で電力料金値下げが実現するが、インフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を0.34%から0.30%に引下げる効果がある。

サンパウロ電力会社(CPFL)の一般家庭および商業部門の電力料金値下げは18.18%、鉱工業部門は17.34%から21.92%、ミナス電力公社(Cemig)は17.11%、鉱工業部門は7.97%から13.85%それぞれ安くなる。(8日付けエスタード紙)

今年初めての官民合同会議フォローアップ合同作業部会会合を開催

  4月4日午後3時から5時まで商工会議所大会議室に28人が参加して、今年初めての官民合同会議フォローアップ合同作業部会会合を開催、在ブラジル日本国大使館の宮下匡之総務参事官が司会を務め、初めに田中信会頭、西林万寿夫総領事がそれぞれ開催挨拶を行ない、テーマ「知的財産権」では吉村一元一等書記官が昨年、ジェトロが実施した模造品被害を中心とする実態把握アンケート調査の回答結果について報告した。

  経済産業省製造産業局の模造品対策・通商室の岡本正紀専門官は中南米知的財産保護グループ設立(中南米IPG)では、模造品・海賊版問題、中南米IPG設立、産業界(本国サイド)の反応、中南米IPGへの期待についてパワーポイントで説明、吉村一等書記官はIPG設立では模造品被害の現状把握、制度の運用上の課題、7月の本格会合開催予定について説明した。

  テーマ「移転価格税制」では仲谷秀孝二等書記官がブラジリアで行なった租税課長との移転価格税制についての話合いではギド・マンテイガ財務相宛のGIE陳情レターに対する課長の見解についても説明、また今後のアプローチ方法などについて参加者と意見交換、質疑応答では問題点の指摘など活発な意見交換となってフォローアップ会議は終了、企画戦略委員会の宮田次郎委員長は閉会の辞でフォローアップ会議は昨年から開始されたが、今回は経済産業省、在ブラジル日本国大使館、サンパウロ総領事館、在リオデジャネイロ総領事館の高山智行領事、ジェトロや商工会議所から18人が参加して、率直で活発な意見が交わされて素晴しいフォローアップ会議になったと締めくくった。 

参加者リスト

経済産業省

岡本 正紀 (製造産業局 模倣品対策・通商室 専門官)

大使館

宮下 匡之 (在ブラジル日本国大使館 総務参事官)

吉村一元 (在ブラジル日本国大使館 一等書記官)

仲谷 秀孝 (在ブラジル日本国大使館 二等書記官)

総領事館

西林 万寿夫 (在サンパウロ日本国総領事館 総領事)

土肥克己(在サンパウロ日本国総領事館 領事)

田畑 篤史 (在サンパウロ日本国総領事館 副領事)

金沢 登紀子 (在サンパウロ日本国総領事館 専門調査員)

高山 智行 (在リオデジャネイロ日本国総領事館 領事)

ジェトロ

佐々木 光 (ジェトロ・サンパウロ 所長)

大岩 玲 (ジェトロ・サンパウロ)

ブラジル日本商工会議所

田中 信 (商工会議所 会頭)

峯川 副会頭・移転価格税制委員長 (ホンダ・サウスアメリカ 社長)

宮田 次郎 企画戦略委員長 (住友商事 社長)

阿部 勇 異業種交流委員長 (戸田建設社長)

松尾 新一郎 化学部会長 (住友化学 社長)

工藤 英博 (イハラブラス 社長)

溝口 正士 日曹 社長

江口 克己 (クミアイ化学 社長

中村 剛久 (NSK)

倉橋 登志樹 (パナソニック)

鍋島 直裕 (ホンダ・サウスアメリカ)

小林 (三菱商事)

小林 且幸 (三菱商事)

竹田 (三菱商事)

石原 純一 Mizuno USA) 

山田 唯資 (商工会議所 監事会議長)

平田 藤義 (商工会議所 事務局長)

 

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率直な意見の交換が活発に行なわれた

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多数の商工会議所会員が参加

4月3日のビザセミナーには97人が参加して盛大に開催された

労働雇用省移住審議会のパウロ・セルジオ・デ・アルメイダ会長などをゲストに迎えて開催された企業経営委員会(石川清治委員長)主催のビザセミナーが4月3日午後2時から6時までクラウン・プラザホテルに97人が参加して会場を埋めつくした。 

リベルコン社の高田フェルナンド社長が司会を担当してセミナーの進行について説明、田中信会頭が開会挨拶で今回のセミナーの重要性を強調、プレゼンテーターに対してお礼を述べて開催、初めにテーマ1の「外国でのブラジル人労働者について」について、日系ブラジル人が日本に出稼ぎに行っている数は日本からの移住者総数を越える31万人に達しており、出稼ぎ問題に詳しいCIATEのリカルド・佐々木顧問弁護士は出稼ぎの歴史について、70年代からブラジルは石油ショック、ハイパーインフレ、失業率増加などで不況にあがいていたが、日本は80年代から右肩上がりの経済成長を続いて労働者不足に陥っていたが、ビザ獲得に問題のないブラジルへ移住した日本人に目を付けて1985年ごろから出稼ぎが始まり、賃金格差が非常に大きく瞬く間に出稼ぎブームとなり、二世が観光ビザで渡航して不法滞在が増加したために、1990年に入管法で日本政府は三世まで対して特別な長期滞在ビザを発給、日本の査証には外交、公用、就業、一般、短期滞在、通過、特定査証の7種類、パーマネントビザには27種類あり、日系ブラジル人のパーマネントビザ所有者は7万8,000人に達しており、日本在住のブラジル人31万人の25%に相当して、今後も益々定住者の増加が見込まれている。 

日系ブラジル人の雇用形態は直接雇用が少なく、大半は間接雇用であるがアウトソーシングの請負で働いており、雇用が不安定で社会保険や健康保険未加入が多く問題になっており、日本語レベルが低く職場でのコムニケーション、年金問題、幼児や青少年の教育問題、犯罪の増加、また中国、フィリピンやカンボジアからのアジアからの労働者の入国が増えてきて、ブラジル人の失業率が増加してきていると指摘、最後に日系人雇用サービスセンターサンパウロ事務局(CIATE)の活動を説明した。

  救済会の吉岡黎明会長は小さい子供を連れて家族で出稼ぎに日本に行く人が増えてきているが、日本では日本語レベルではなく年齢で学級編入されるために、日本語を理解するには非常に難しく、大半は学校の教育レベルに追いつかずに落ちこぼれとなって問題化しており、またブラジル人学校は各種学校扱いとなり、卒業資格が取れない上に学費が非常に高いなど問題が山済みしており、これらの問題を議論するには日本移民100周年はよい機会であり、両国政府は解決をしなければならないと強調した。

  文協評議会の渡部和夫会長は日本移民が日本の敗戦で帰国を諦めてから日系コロニアが活性化したが、日系ブラジル人の日本での定着化が始っているが、ブラジル人コミュニティはまだまだ軟弱であり、早急に組織化して社会保障、年金、子弟教育などの解決を図らなければならないし、ブラジル文化や教養やポルトガル語の継承などを維持していく必要性を説いた。

  パウロ・アルメイダ会長は海外渡航する人やすでに海外に住んでいる人を対象にビザ、必要な書類や大使館所在地などが網羅されている小冊子「海外のブラジル人−有益情報」を作成してサポートしていると説明、1970年代のブラジルから海外での仕事を求める人は教育レベルが高かったが、1980年代から海外に職を求めるブラジル人の教育レベルは低下してきており、主に米国やヨーロッパ諸国に職を求めて400万人のブラジル人が海外に在住しているが、世界中では2億人が海外移住をしている。

  2006年に海外在住ブラジル人が銀行を通して正規にブラジルに送金した額は76億ドルで、不正規送金は数倍に達すると見込まれているが、労働ビザを持たないブラジル人は不正規労働を強いられており、審議会では昨年7月にポルトガルのブラジル人コミュニティ、今年2月にはボストン在住ブラジル人コミュニティを訪問して実態調査を行ない、今後は労働雇用省の支援で「ブラジル人労働者の家」プロジェクト推進の可能性を説明した。

  質疑応答では海外在住ブラジル人に対する労働手帳の発行、海外支店勤務の必要な書類、海外転勤などについて質問がなされたが、審議会のメンバーが的確なアドバイスを返していた。また出稼ぎ関係のプレゼンテーションに対して審議会のカント女史は日本のブラジル人の実態がよく解り、リマ女史は日本の子供の教育問題、アルメイダ会長は今まで貴聴いたことがない話であり、参考になったと述べた。

  コーヒーブレイク後のテーマ2「ブラジルの外国人労働者-入国管理政策の現状」ではアルメイダ会長が労働雇用省の移住審議会の組織、歴史、審議会メンバーの構成、年間10回の会議、プロセス分析件数、昨年の労働ビザ承認件数は2万9,488人、そのうち航海関係が1万699人、保守サービス7477人、アーチスト6,366人、特殊技能者1,879人、投資家1,336人、エグゼクチブ891人、その他840人、発給ビザで90日ビザが38%と最も多く、2年ビザ26%、1年ビザ19%、パーマネントビザ10%となっており、労働契約書が必要だった講演者にも契約書なしでビザを発給、科学者、アーチストやプロスポート選手へのビザ発行ブロクラシーが減少して発給が早くなってきていると説明した。

  質疑応答では90日ビザの延長の可能性、海外でのINSSの支払い、ブラジル勤務の50%のサラリー支給などについて質問されて審議会メンバーは的確にアドバイスをしてセミナーが終了、高田フェルナンド社長からアルメイダ会長に記念のプレートが贈呈された。

 移住審議会メンバーはパウロ・セルジオ・デ・アウメイダ会長、観光省代表のオゾリオ・ヴィエイラ審議員、労働者(FS)代表のエリアス・フェレイラ審議員、労働者(CGT)代表のジョゼ・ダンタス審議員、雇用者代表(CNI)のクリスチーナ・リマ審議員、雇用者代表(CNF)のマリレナ・フナリ審議員

 

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左からマリレナ・フナリ審議員/CIATEの佐々木リカルド弁護士/救済会の吉岡黎明会長/文協評議会の渡部和夫会長/リベルコンの高田フェルナンド社長/田中信会頭

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オゾリオ・ヴィエラ審議員/マルジョライネ・カント審議員/パウロ・アルメイダ会長/クリスチーナ・リマ審議員/ジョゼ・ダンタス審議員/エリアス・フェレイラ審議員

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高田社長から記念プレートをアウメイダ会長に贈呈

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高田社長と審議員メンバー

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高田社長/田中会頭/土肥領事

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左から渡部会長/進行役の高田社長/田中会頭

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熱心にセミナーを聞く満員の聴衆

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セミナーの様子

チリとの農産物貿易交渉が難航

チリはブラジル産牛肉輸入ではヨーロッパ連合国、エジプト、ロシアについで4位で年間2億ドルを輸入していたが、2005年のマット・グロッソ州での口蹄疫発生から大幅に輸入を制限して、今では10分の1の2,000万ドルにまで減少している。

これに対してブラジルはチリ産の果物から発見されたダニはブラジルの果物農園に感染する可能性があるために輸入を中止しているが、チリ産果物輸入再開に対してブラジル産豚肉及び鶏肉の輸出再開を交渉している。

チリとブラジル政府はブラジルからのバス輸出に対してワインの輸入関税引下げを交渉しているが、ブラジルのワイン生産が壊滅的打撃を受けると圧力がかかっている。

昨年のブラジル国内のワイン市場はブラジル産が25.7%でトップシェアであるが、チリが24.3%と肉薄していたが、今年初めの2ヶ月間では継続するド ル安でチリ産が30.1%、ブラジル産は15.4%でアルゼンチン産の21.2%にも追越されている。(7日付けヴァロール紙)

IT投資でホームブローカー取込

サンパウロ証券取引所(Bovespa)のオンライン・システムを導入している証券会社を通じて株の売買注文をする個人投資家であるホームブロー カーが急増しているが、Bovespaから認可を受けている57証券会社ではブローカーの取込のためにソフトやハード技術向上に投資競争をしている。

3月にブラデスコ銀行に買収されたアゴーラ証券は21万人と見込まれているホームブローカーの23%を顧客に占めているが、IT技術改善に500万レアルから1,000万レアルの投資を見込んでいる。

Banifinvest社の昨年の技術投資は200万レアルであったが、今年はオペレーション監視サポート技術改善に800万レアルを投資するが、同社のホームブローカー顧客は2万5,000人で1日当たり1億レアルの株売買を行なっている。

3月のBovespaにおけるブローカーの株売買は前年同月比2倍に相当する1日当たり24億レアル、Bovespaの出来高の31%に相当して230万回の株売買が行なわれた。(7日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

輸入車で国内消費を埋合わせ

乗用車の国内需要が旺盛で自動車生産が需要に追いつかず、昨年2月から今年3月までの生産は需要の91.5%であり、主にアルゼンチンやメキシコから32万7,000台を輸入して需要をカバーした。

昨年の輸入車総数は25万台で今年は40万台が予想されており、今年3ヶ月間ではすでに8万800台が輸入されて昨年同期比60%増加している。

3月の自動車生産は前年同期比13.4%増加の28万600台、今年3ヶ月間の生産は前年同期比19.3%増加の78万3,000台とそれぞれ記録を塗替えており、2010年までに50億ドルを投資して年産400万台の生産が予定されている。(7日付けヴァロール紙)

ドル安で医薬品の輸入が急増

昨年の製薬、薬原材料や医療機器などの医薬品関連貿易収支は前年比36%増加の60億の赤字を記録、製薬のみでは40%増加の27億7,000万レアルの赤字を計上している。

医薬品原材料は48%増加の12億9,000万レアル、医療機器や病院関連消耗品はドル安の為替が後押しして、25%増加の19億レアルとそれぞれ貿易赤字を計上している。

医薬品原材料の輸入先はドイツが16.67%でトップシェア、中国が16.33%、米国16.23%、インド7.80%、スイス7.29%、イタリア4.91%となっている。(7日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

健康保険分野のカルテルが大半を占める

1999年から今年2月までに公正取引委員会に相当する経済行政防衛審議会(Cade)によって54件の改善命令が言渡されたが、そのうち27件が健康保険プラン業界によるカルテルであり、商業は9件、鉱工業界の処分は7件であった。

昨年5月に法務省の経済法務局(SDE)が摘発したジョアン・ペソア市のガソリンポストの価格カルテルでは、4月の1リットル当たり2.74レアルのガソリン価格が年末には2.37レアルまで低下している。

ブラジルで発生するカルテルはサービス業が大半で、健康保険プラン業以外では観光や航空業界、都市交通、有料テレビ放送や教育業界にまで及んでいるが、欧米では化学業界や医薬品業界などの工業製品業界が大半を占めている。(4日付けガゼッタ・メルカンチル紙)