2月の製造業の設備稼働率は減少

全国工業連合(CNI)は2月の鉱工業界の設備稼働率はピークの昨年11月の83.3%、今年1月の82.9%から82.9%に低下しており、次回の通貨政策委員会(Copom)での政策誘導金利の切上げに対して反対を表明している。

鉱工業界の設備投資は2年間連続で増加しており、最終12ヶ月間では20.2%の増加で鉱工業生産の伸び率6.9%を大幅に上回る投資が行なわれたため、に稼働率に余裕が出てきている。

2月の鉱工業界の売上は前年同月比11.5%、労働時間では8.8%、雇用者数4.9%、実質賃金では7.2%それぞれ増加している。

業界別の最終12ヶ月の設備稼働率増加の40%は自動車工業で9.0%アップ、家具5.4%、ゴム・プラスチック3.4%とそれぞれ大幅に増加している が、石油・潤滑油業かはマイナス5.8%、電子部品3.3%、化学品1.6%、衣料品1.0%、繊維0.9%とそれぞれマイナスとなっている。(4日付け ヴァロール紙)

世界最大の農産物輸出国を目指す

農務省はブラジルを世界最大の農産物供給国にするためのプランを進めており、第一段階では世界の農産物消費マップを民間企業と共同で進めている。

第二段階として農産物の輸出障害となる各国の農産物保護政策や検疫制度を研究するが、果物及び食肉部門では中国、インド、東アジア、湾岸諸国、ロシア及び北アフリカ地域ではすでに調査が済んでいる。

インドは今後数年間に水不足と前近代的農法で不作に見舞われると予想されており、ブラジルからは農産物輸出に限らず、農業機械輸出の好機が期待されている。

最終段階では新市場開拓のための農産物輸出プロモーションを行い、距離的には大消費国から遠距離であるが、農産物生産コストの安いブラジルは農産物輸出で世界トップになれる。(4日付けエスタード紙)

ジラウ水力発電所建設は見積を大幅に下回る

発電能力3,300メガワットのマデイラ河ジラウ水力発電所建設でフルナス発電とオデブレヒト建設が共同で行った建設費見積は126億レアルであったが、エネルギー研究公社(EPE)では39億レアルと大幅な誤差が生じている。

またEPEは昨年末に入札が行なわれたマデイラ河のサント・アントニオ水力発電所建設のゼネコンの見積130億レアルを95億レアルと再評価しているが、 ジラウ発電所はポルト・ヴェーリョ市から135キロメートル離れており、インフレが全く整備していないために建設費が高くなるとスペシャリストは反論して いる。

EPEは小型水力発電所、風力発電所や天然ガスやバイオマス火力発電所など369ヵ所で総電力4万1,134MWのHA-3入札を発表している。(4日付けエスタード紙)

ゲルダウは米国でセンチュリー製鉄を傘下に

グローバル戦略を展開するゲルダウ・グループは、米国でセンチュリー製鉄を1億5,200万ドルで買収して米国全土を網羅する戦略をとっている。

センチュリー製鉄は建築用鉄鋼製造メーカで、ネバダ州、カリフォリニア、ユタ並びにニューメキシコ州を中心にシェアを確保しており、年産25万トンの生産能力を擁しているローカル製鉄所である。

ゲルダウは2006年にパシフィック・コースト社並びにBAR社とカリフォルニア州にジョイント・ヴェンチャー企業を設立、2007年6月にはラスベガス のValley Placers 社、8月にはアリゾナ州のD&R Steel社を買収して全米に建材用鉄鋼生産会社を網羅する。(3日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

コピーCD,DVD横行でレコード関連売上を打撃

ブラジルレコード制作者協会(ABPD)は海賊版の横行で、昨年のCD、DVDや音楽配信ダウンロードによる売上は、前年比31.2%減少の3億1,250万レアルまで減少している。

海賊版が出回る前の1997年のCDなどの販売は12億ドルで世界ランク6位であったが、今では14位にまで下がっており、3年間でCDの価格も30%低下していることも売上減少に拍車をかけている。

2006年にはブラジル国内で12億回の違法ダウンロードが行なわれ、昨年はコンピューターやブロードバンドの普及に伴って更に50%も増加している。

ABPDでは昨年のCDの売上は33.2%減の2億1,500万レアル、売上枚数では19.2%減の2,540万枚、DVDは26.3%減の9,740万レアル、売上枚数は7.5%減の580万枚となっている。(3日付けヴァロール紙)

ペルーが投資適格国入り

好調な輸出、高い経済成長率、低いインフレなどで堅調なマクロ経済や投資環境の整ったペルーは、ブラジルに先駆けて格付け会社フィッチ・レイチング社からBB+から投資適格国入りとなるBBB-に格上げされた。

この投資適格国のランク入りでBB+までの格付け国には投資が奨励されていない海外投資ファンドが、今後はペルーに注目して投資増加が予想されている。

ブラジルの投資ランクは投資適格国入りの一歩手前のBB+で年内の適格国入りが予想されているが、更に増え続ける1兆3,000億レアルに達する対内公的債務残高と低い経済成長率が足枷になっている。(3日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

今年のアルミ生産は12%増加

ブラジルアルミ協会(Abil)は国内景気が好調に推移して、今年のアルミ消費は年頭予想の10%から11.9%に上方修正した。

昨年の国内販売が13.9%も落込んでいた送電関連のケーブルや送電線は今年は28%の増加が見込まれており、バス、日用品やチューブ向け薄板は12.2%増加、包装関連向けは12%の増加が見込まれている。

昨年のブラジルのアルミ生産はスペインを追越して世界6位にランク、国内消費は9.7%増加の91万8,900トンに達しているが、今年は国内消費に対応するために、アルミ輸出は前年比5.1%減少の101万トンが予想されている。(3日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

ブラジル三菱商事トップ交替

ブラジル三菱商事は4月2日、シントリでトップ交替カクテルを行った。中南米統括の工藤 章氏の帰国にともない佐々木 修社長が中南米CROに、また同氏の後任には近藤正樹氏が新社長として就任した。

佐々木氏は経歴からもラテン贔屓の人物だ。 中南米を舞台に一層頑張る決意を表明、後任を立てながら日伯交流年をさらに盛り上げて行きたいと挨拶、また今 朝ブラジルに到着したばかりの近藤新社長は20年ぶりの駐在、ブラジルは地理的には遠いが心は近い国だとした上、両国の経済交流促進に傾注したいと抱負を 述べた。

両氏に続き4年半リオ支店長を勤め上げた堤寿彦氏が挨拶、リオ会議所会頭時代も振り返り、躍進するブラジルの虜になり起業家を目 指して行くようだ。後任には井上惣太郎氏がリオ支店長に就任した。なお組織の三菱らしく同グループのブラジル・メタルワンの林 浩米州統括補佐も駆けつけ た他ブラジル三菱商事の各部門長が一人一言ずつ挨拶した。

最後に同社の重鎮又2002年の1年間、当会議所会頭を歴任した工藤氏は中南米歴22年、在伯通算10年(今回8年)に渡る数々の熱い思い出話を語り、帰国したらインテリゼンスのブラ吉になると約束、外から惜しみない応援・協力をして行くと結んだ。

多数の会員企業の代表者が参加、会議所からは田中信会頭、平田藤義事務局長が参加した。

今年2ヶ月間の鉱工業の伸び率は9.2%を記録

2月の鉱工業の伸び率は前月比0.5%減少したが、前年同月比9.7%の伸びを記録して2ヶ月間では前年同期比9.2%増加して2000年以来の高率を記録している。

設備投資用機械・装置の導入継続で増産体勢が整い、2月の資本財生産は前月比3.1%増加、前年同月比では25%と大幅増加している。

今年2ヶ月間の資本財生産は前年同期比19.9%、建設用消費財は12.2%それぞれ増加して、特に機械・装置部門及び建設部門増加がGDPを押上げている。(2日付けエスタード紙)

6年ぶりの貿易収支黒字幅に減少

今年第1四半期の貿易収支黒字は輸入の増加で前年同期の87億2,000万ドルから67.4%減少の28億4,000万ドルに縮小、輸出は13.8%増加の386億9,000万ドル、輸入は41.8%増加の358億5,000万ドルであった。

3月の輸出は前年同月の129億ドルから126億ドルに減少、輸入は116億ドルで貿易収支黒字は僅かに10億1,000万ドル、輸入では資本財が前年同 月比70%、消費財は32.4%それぞれ増加したが、アルゼンチンの農産物輸出関連増税に対する抗議ストライキで特に農産物の輸入が減少している。

3月はアジアの鉄鋼メーカーとの間で鉄鉱石価格の大幅調整が合意に達したために、見合わせていた輸出を再開して輸出が急増、石油輸出もパウリーニャ製油所 の操業停止及び国内需要急増で減少、大豆輸出も28%減少したが、国際コモデティ価格は52%上昇している。(2日付けエスタード紙)