外貨準備高が倍増

昨年のブラジルの貿易収支黒字はコモデティ価格の高騰で400億ドルを上回り、海外からの直接投資総額は345億ドル、中銀のドル介入総額は786億ドル達して、昨年の外貨準備高は110.77%に相当する947億ドル増加の1,875億ドルに達した。

2003年から2006年にかけては石油価格の高騰でロシアの貿易収支黒字が急増したが、昨年のロシアの外貨準備高は56.85%増加の4,794億ド ル、中国は43%増加の1兆5,282億ドル、インドは38.23%増加の2,753億ドルで、ブラジルはBRICs諸国では最も低い。

今年も中銀のドル介入は継続するが、世界経済の伸び率の低下や輸入製品の急増でブラジルの外貨準備高は昨年ほど増加しないが、政策誘導金利(Selic)が上昇すれば、ブラジル金融市場に資本が大量に流入する。(18日付けエスタード紙)

世界の鉱工業部門再編が加速

昨年の世界の鉱工業部門の買収・合併総額は前年を18%上回る1,589億ドルに達して大型合併が急速に進んでおり、今年はBHPがリオ・チント 社に1,500億ドル、ヴァーレ社がエクストラータ社に900億ドルでの買収を持ちかけており、この2件の買収物件だけで2,400億ドルとなって昨年を 上回る。

しかしBHP、ヴァーレ、リオ・チントやアングロ・アメリカンなどの世界の大手鉱業会社は中国、インドおよびロシアの企業との買 収・合併で競合にさらされているが、鉱石コモデティ価格が高騰しており、BHP及びヴァーレにとっては買収資金の調達には支障をきたしていない。

昨年の鉱工業界の買収・合併では、北米地域が771億ドルで米国とカナダでは大型買収物件が4件あり、リオ・チント社による総額429億ドルでのアルカン社が注目された。

中国アルミ(Chinalco)はアルコアと共同でリオ・チントの株式12%を購入して資源確保に目の色を変えており、昨年、ロシアのUC Rusalは132億ドルでNorilsk社を買収している。(18日付けヴァロール紙)

設備投資及び設備稼働率が増加

社会経済開発銀行(BNDES)の調査では2006年及び2007年の製造部門は前同期比32%増加の510億レアルのクレジットを受け、クレジット承認は80%増加の720億レアルに達している。

旺盛な内需で設備稼働率はリミットに近づいており、自動車工業部門へのクレジットは82億5,000万レアル、今後数年以内に150億レアルを投資して生産能力を300万台から500万台に引き上げる。

裾野の広い自動車産業の設備投資は鉄鋼、ゴム、プラスチックや機械・装置部門の基幹産業に影響を及ぼすが、一般的に基幹産業の設備稼働率は高いが、鉄鋼業 及び紙・パルプ業の稼働率はすでに85%を超えており、特に製鉄部門の稼働率は91.4%に達しており、230億レアルの投資で現在の生産能力3,710 万トンから2012年には6,300万トンへの増産が計画されている。(17日付けヴァロール紙)

株式からコモデティ投資に移動

米国のサブプライム問題に端を発して米国はリセッションに突入、世界中の株式市場の株価が低下しており、投資家はコモデティ商品投資に軸足を移動したために、コモデティ商品価格が軒並みに高騰している。

また米国のリッセッション突入で、ドル値が他の通貨に対して下落しているために、石油価格が高騰して先週は1バレル110ドル以上の終値をつけた。

大手ヘッジファンドの投資先が先行き不透明な株式市場からポートフォーリオとして、安全なコモデティ商品に投資先を変更、今年に入ってカカオのコモデティ 価格は40%以上上昇、コーヒ−38%、天然ガス34%、小麦29%、アルミ28%と軒並みに大幅上昇している。(17日付けエスタード紙)

3月の懇親昼食会でカイオ聖市観光公社総裁及びピメンテルBH市長が講演、会場一杯の134人が詰めかけた。

3月定例懇親昼食会が14日正午過ぎからマクソウド・プラザホテルに会場一杯の134人が参加、サンパウロ市観光公社のカイオ・カルバーリョ総裁が講演、ミナス州ベロ・オリゾンテ市のフェルナンド・ピメンテル市長が「ベロ・オリゾンテ市について」で特別スピーチを行なった。

初めに聖市観光公社のカイオ総裁は「ブラジルと日本の観光業の傾向」と題して、観光とはその地域の自然資源、カルチャーや人的資源を活用して観光客の夢を叶え、観光業に携る人々に収益を確保する使命を持っているが、地域の持続的開発のユートピア建設に邁進することであると前置きして、2001年9月11日のワールド・トレードセンタービルのジェット機突入テロで一時期、世界の観光業は落ち込んだが、今では世界の観光業はGDPの13.5%に相当の8兆5,000億ドルに達して2億6,260万人が観光業に従事、年間9億3,000万人が観光旅行をしていると述べ、ブラジル国内の観光業はGDP比6.8%、49億ドルがブラジル国内で消費され、外国観光客は510万人に達して24万3,000人の雇用を創出しているが、世界的には18位にランクされている。

フランスを訪問する海外観光客は年間7,000万人、スペインは6,000万人であるが、大半はヨーロッパ人であり、日本人が訪問する国はオーストラリアやハワイであり、海外観光客がサンパウロ市で1日当たり消費するのは600レアルで、年間9万件のエベントや展示会が催されており、エベントの年間売上は82億レアルで1,650万人がエベント会場を訪れている。

サンパウロ市を訪れる日本人観光客は1日当たり200ドルを消費、平均13日間ブラジル国内に滞在、2006年には日本人観光客7万6,600人がブラジルを観光しており、主にフォス・デ・イグアス、マナウス、サンパウロを見学するが、日本人の海外観光客は世界7位であるが、ブラジルへは僅かに0.2%の比率でしかない。

日本人観光客の南米誘致プロモーションとして、日本にメルコスル地域観光誘致事務所を設立、ブラジル観光省は今年、日本で80万ドルをブラジル観光誘致に投資、交流年の今年10月には日本市場にオンラインで日本語のブラジル観光案内所の設置を予定している。

この案内ページには特別サンバグループによるカーニバルの行列、パウリスタ大通りや旧市街の観光ルートの紹介、日本移民100周年祭の今年はサンパウロ市役所後援のエベントが50以上あり、伝統的な七夕祭り、桜祭り、文化祭り、フェステバル・ジャパンの他に、主要エベントとして6月13日から22日までアニェンビー・コンベンションでの日本文化週間、6月21日はサンボドロモでの公式日本移民100周年記念を後援、ブラジル人や日本人と共に祝いたいと強調して講演を終え、田中信会頭から記念のプレートが贈呈された。

続いて世界で最も素晴しい市長として8位に選ばれたベロ・ホリゾンテ市のピメンテル市長は「ベロ・オリゾンテ市について」と題して、ベロ・オリゾンテ市の都市交通網再生計画として、ベロ・ホリゾンテ市の人口は250万人、大都市圏の人口は500万人に達して無秩序に占領され、建設される貧民屈や膨れ上がる人口で都市交通の機能がマヒして交通渋滞が酷く、そのための交通機能回復計画として抜本的な交通網改善に着手した。

ベロ・オリゾンテ市の交通渋滞解消に空港と中心部をつなぐ幹線道路の複線化で20分に短縮、立退きを余儀なくされた貧民屈の住民の移転先にはスポーツセンター、サッカー場を整備、また経済成長加速プログラム(PAC)で認定されているBH環状線建設では連邦政府、ミナス州政府及び民間企業の投資で5年後の完成を予定しており、またBHには連邦大学を初めに8大学があり、優秀な人材、生活水準の高くて治安のよく、インフラ整備を急いでいるBHには投資環境が整っていると強調して特別スピーチを終えた。

懇親昼食会の前に定例理事会及び第58回定期総会が行なわれ、田中信会頭が2007年度事業報告並びに2008年度事業方針、米倉立二郎財務委員長が2007年度収支決算報告並びに2008年度収支予算計画、山田唯資監事会議長から監事会見解、田中会頭の挙手による承認では満場一致で承認されて総会を終了した。

懇親昼食会は平田藤義事務局長が司会を担当、初めに特別招待者のサンパウロ市観光公社のカイオ・ルイス・デ・カルバーリョ総裁、ベロ・オリゾンテ市のフェルナンド・ダマタ・ピメンテル市長、サンパウロ総領事館の丸橋次郎首席領事をそれぞれ紹介した。

連絡事項では山田監事会議長が帰国する三人の理事の補充選挙について説明、3分間スピーチでは揮旗俊雄氏が“日本文化の魅力”出版プロジェクト、近沢宗貴アルジャゴルフクラブ会長が100周年記念ゴルフコンペについて、小原彰元陸軍少将がグアルーリョス空港の移民100周年記念モニュメントについて、ブラジル日本会議の小森広理事長が“嵐の中の灯台”のポルトガル語翻訳本の出版、ブラジル日本青年会議所のクロビス・ベップ会員が新ビジネス講座についてスピーチを行なった。

対会議所代表交代挨拶では日立エアコン社の河内山茂吉社長、三井物産の大前孝雄社長並びに高砂香料の中村善昭社長がそれぞれ帰国挨拶を行なった。

 

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ベロ・オリゾンテ市についてスピーチするピメンテル市長

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BH市のピメンテル市長

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サンパウロ市観光公社のカイオ総裁

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会場一杯の懇親昼食会参加者

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講演者と記念撮影

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田中会頭から記念プレート授与されるカイオ総裁

 

ヨーロッパ企業がクリーンエネルギーに投資

石油価格の高騰や2020年までにヨーロッパ連合国の20%の温室効果ガス削減対策として、潜在的ポテンシャルを擁するブラジルのクリーンエネルギー発電にヨーロッパ企業が注目、小型水力発電所、バイオマスや風力発電所建設で相次いでブラジルに投資を開始しだした。

ポルトガルエネルギー社(EDP)は代替エネルギ−として、2012年までに小型発電所(PCHs)建設で1,000メガワットのエネルギー発電を予定しているが、ブラジルのPCHsによる潜在発電能力は10ギガワットと見込まれている。

フランス資本ヴェルカン社は8億ドルを投資して、サンタ・カタリーナ州ロデイオ・ボニート発電所を2009年から操業、2011年までにPCHsで200メガワットの発電を予定している。

EDP社及びヴェルカン社は海外でのカーボンクレジット取引を予定しており、フランス資本アレーヴァ社はPCHs及び砂糖キビバガスのバイオマス発電のKoblitz社の70%株式を買収してブラジルに進出した。(17日付けエスタード紙)

メタルフリオは海外戦略を果敢に展開

2004年にアルテジア社に1,600万レアルで買収されたメタルフリオ社の2006年は商業用フリーザー販売では世界14位であったが、2007年に新規株式公開(IPO)した同社は3位に浮上した。

2006年には海外での販売は売上の2%を占めるに過ぎなかったが、トルコ、ロシア及びデンマークのフリーザーメーカーを買収して、海外戦略を果敢に進めるメタルフリオ社の昨年の海外販売比率は26.6%に上昇したが、50%以上を目標にしている。

同社の海外戦略は過当競争に陥っている世界のフリーザー業界で生残るための戦略であり、昨年はメキシコのフリーザー企業を買収、今後はアジアでの拠点作りが課題となっている。(17日付けエスタード紙)

改築された事務局を訪問

ウジミナス製鉄の経済アナリストでベロホリゾンテ市の名誉総領事事務所補佐役のユカリ・ハマダ女史とケンブリッジコンサルタントの河野賢二社長が3月14日に表敬訪問、平田事務局長は改築された会議所事務局を披露した。

ウジミナスのユカリ・ハマダ経済アナリスト/平田事務局長/ケンブリッジ社の河野賢二社長

記念モニュメント建設を説明する小原彰元陸軍少将

Akira Obara著名な彫刻家大竹富江氏の作品で、グアルーリョス空港ターミナル付近に建設される日本移民100周年記念モニュメントについて、小原彰元陸軍少将はプロジェクトについてパワーポイントを用いて説明、商工会議所会員の後援を依頼した。

(写真:記念モニュメント建設を説明する小原彰元陸軍少将)