松尾治100周年協会実行委員長が資金協力依頼

Osamu Matsuoブラジル日本移民100周年祭典協会の松尾治執行委員長は、資金の調達が遅れて邦字新聞などで話題になっているが、新アルモニア学園の拡張工事、サンタ・クルス病院の拡張工事、文化福祉協会の改修工事、彫刻家大竹富江氏のグアルーリョス空港の記念モニュメント建設を100周年共催事業として承認されており、実現するために今後企業回りを積極的に行い、納得のいくまで説明するので資金面でのバックアップ依頼を強調、今までと一味違った説得力に会員も納得した様子で、会場入り口での100周年記念バッチ販売など積極的な行動力が前面に出てきているようであった。

(写真:松尾治100周年協会実行委員長)

2008年度異業種交流委員会議事録(2月)

日時:2008.02.14(木)
場所:ブラジル日本語センター
出席者(ABC順):ABE・AKAMINE・KANAZAWA・MATSUDA・MINAMI・NISHIOKA・OHNO・TAKEDA・YAMASHITA

記 ABE

【議事録】

  1. 次回3月度担当者
    ・会場係   板垣
    ・連絡係   大野
    ・会計係   竹田
  2. 本日の勉強会テーマ(参加者:21人)
    ブラジル人と仲良くする方法―長いロビー活動を通じて感じたこと(河野さん)
    サンバの話(ユカさん)

以上

盛り上がった勉強会

プロダンサーによる実技指導

コカコーラは15億ドル投資でシェア拡大

昨年のブラジル・コカコーラ社は果汁メーカーDel Valle 、茶飲料メーカーMatte Leâoを買収してポートフォーリオを拡大、販売総数85億3,000万リットルで前年比20%増加の120億レアルを売上げ、今年は更に 15億ドルを投資してシェア拡大を目論んでいる。

昨年のコカコーラの世界全体の販売量は前年比6.0%であったが、売上は20%増加の288億ドルで、3年前には販売品目が50品目であったが、今ではソフトドリンク以外にもポートフォーリオを拡大して150品目に達している。

コカコーラはペプシコのH2OH に対抗するためにAquariusFreshを1年前に市場に投入、水飲料市場で0.6%のシェアをすでに獲得して、シェアトップのペプシコの1.5%に迫っている。

昨年の米国の水飲料は11%増加したが、炭酸飲料は4.0%の増加に留まっているが、メキシコ人の炭酸飲料摂取が世界トップ、米国が2位であるが、ブラジル人の消費は米国の半分以下となっている。(14日付けエスタード紙)

インフラエロを半民営化

ブラジル政府はブラジル空港インフラ業務公社(Infraero)の25%の株式を公開で半民営化して、空港インフラ整備の促進や業務管理に拍車をかけることを検討している。

25%の株式公開で予想される20億レアルを投資予算にまわして、空港整備を加速することができるが、ブラジル銀行やペトロブラスのように今後も連邦政府がコントロールする。

今年のインフラエロ公社の投資予算は16億レアル、そのうち12億レアルは経済成長加速プログラム(PAC)の空港関連投資となっている。(14日付けエスタード紙)

ボリビアからの天然ガス供給に不透明感

ブラジルを訪問中のボリビアのガルシア・リネア副大統領は、6月から8月の冬季のブラジルへの天然ガス供給では1日当たり2,700万立方メートルは保証するが、ブラジルが要求する3,000万立方メートルは保証できないと明言している。

現在のボリビアの天然ガス生産能力は1日当たり4,200万立方メートルで、国内向けに600万立方メートル、ペトロブラスは契約上では1日当たり 3,000万立方メートル、アルゼンチンは770万立方メートルを要求することができるが、アルセンチンへは300万立方メートルを輸出している。

ボリビア政府は全ての需要を満たすためには4,480万立方メートルの生産が必要であり、9月以降には300万立方メートルの増産、来年は700万立方 メートルの増産を予定しているが、これには総額11億ドルの投資が必要で、この中にはペトロブラスの3億ドルの投資が含まれている。(14日付けエスター ド紙)

ゲルダウは今後3年間で64億ドルを投資

ブラジル最大の製鉄グループのゲルダウ社は今後3年間で64億ドルを投資、そのうち44億ドルは昨年15%伸びたブラジル鉄鋼業界に投資、20億ドルは昨年に48億ドルで買収した海外の製鉄会社への投資を予定している。

ゲルダウはブラジルでの投資では鉄鉱石生産に投資を予定、今年はゲルダウで使用する鉄鉱石の30%を自社の鉄鉱石生産で賄い、2010年には80%まで自給率の比率を上げる予定にしている。

ブラジル国内の各製鉄会社は鉄鉱石の自社生産を目論んでおり、ウジミナス、ナショナル製鉄などは鉄鉱石の自給率100%を目指しているが、グローバル化を進めるゲルダウはインドやペルーでの鉄鉱石開発を目指している。(14日付けエスタード紙)

サンパウロ州の日本移民100周年記念行事オープニングセレモニー開催

2月13日にバンデイランテス宮でサンパウロ州の日本移民100周年記念行事オープニングセレモニー がジョゼ・セーラ聖州知事、ジルベルト・カサビ市長、西林万寿夫総領事、上原幸啓100周年記念協会理事長、松尾治記念協会実行委員長、日系コロニア、日 系企業関係者多数が参加して開催、1月14日のサンパウロ市でのカサビ市長出席のサンパウロ市記念行事オープニングセレモニー、1月17日のブラジリアで のルーラ大統領、アモリン外相出席のブラジル連邦政府の日伯交流年、日本移民100周年記念イベントに続いてサンパウロ州でも記念行事のスタートとなっ た。

ブラジリアのセレモニーで記念マスコット「チカラ」を制作した漫画家のマウリシオ・ソウザ氏は、チカラに加えて「ケイカ」ちゃんを制作して披露して大きな拍手を浴びた。会議所からは田中信会頭、平田藤義事務局長が出席した。

 

左は記念マスコットをセーラ知事に贈呈する漫画家のマウリシオ・ソウザ氏

オープニングセレモニーで挨拶するセーラ知事/後ろは上原幸啓100周年祭典協会理事長

2008年度上期の業種別部会長懇談会に110人が詰めかけ、急遽補助イスを用意した

2008年度上期の業種別部会長懇談会が、2月12日午後2時から6時までソフィテルホテルで開催したが、予定をオーバーする110人が詰めかけたために、補助イス15席を追加して対応した。

今回は西林万寿夫総領事をはじめ、経済産業省の三田紀之通商政策局米州課長、本間英一通商政策局米州中南米室長、在ブラジル日本大使館の宮下?之総務参事官、吉村一元一等書記官が参加、司会は松田雅信総務委員長と宮田次郎企画戦略委員長の名コンビが担当した。

初めに田中信会頭が主催者挨拶で、日本の経済産業省、在ブラジリア大使館、サンパウロ総領事館からの参加と毎回更に充実したシンポジウム開催となってきており、2003年からは「開かれた会議所」の基本方針に従い一般にも開放して、更に同時通訳を付けて日本語のわからない人にも開放、各業種別部会の代表者の業界の直近の動向など、今後の経営戦略を決定に役立つために活用していただきたいと挨拶、続いて西林万寿夫総領事は交流年・移民100周年の今年はイベントが目白押しであり、1月16日の日本経済新聞、ブラジル日本商工会議所並びにオ・エスタード・デ・サンパウロ紙共催のブラジル・日本経済シンポジウムは成功、ブラジルから日本への経済ミッション、日本からも多くの要人や100周年記念関係者が伯訪、両国にとってはお互いを知るチャンスであり、また今回の部会長シンポには日本、ブラジリアからも参加と益々注目が集まってき充実してきていると述べた。

初めにコンサルタント部会の高山直己部会長代理は、昨年の政治の回顧で政治スキャンダルで揺れた国会、CPMF廃案による2008年の代替財政パコッチ、高支持のルーラ政権で2010年総選挙の前哨戦である今年の全国市長選への弾み、危惧に終わった南米の左傾化、国内経済ではPACは殆ど実施されなかったが、国内経済の安定成長、個人消費の増加、所得/雇用の改善、良好なブラジル経済を反映する対外勘定、今年の展望ではサブプライム問題とブラジル経済への影響などについて、制限時間を大幅にオーバーしたが、経済問題を熟知したその語り口には参加者は熱心に聞入っていた。

金融部会の藤井良治部会長は綿密に作成されたパワーポイント資料で、昨年の経済指標である消費者物価指数、GDP,為替レート、サンパウロ平均株価、貿易収支、外貨準備高、2008年の指標の見通し、昨年の銀行業界の回顧と今年の見通し、また恒例の半年後の金利/為替予想では4行の政策誘導金利は11.25%で一致、為替レートは1.75から1.81と僅かに差が出た。保険業界の回顧では自動車保険が6.6%の伸びに留まり、火災・新種保険が15.2%、運送保険10.7%生命・障害保険13.2%それぞれ増加した。

貿易部会は佐々木修部会長が、昨年の輸出入の実績ブラジル主要商品別輸出、主要国・地域別輸出及び輸入、対日主要品目別輸出入、2008年の予測として輸出額は1,865億ドル、輸入は1,495億ドル、貿易黒字は370億ドルに減少、長期ローン販売の抱えるリスクでは昨年の焦付きが11%に増加しており推移を見守る必要性をコメント、貿易部会の資料作成ではジェトロの大岩玲氏に感謝を述べた。

化学部会は松尾新一郎部会長の独特の関西弁で、部門別のプラスティック樹脂着色剤原油高による原材料費のアップ、接着剤ではコピー商品の再出現、医薬では盗難による物流コスト増、高級化粧品ではブラジルの化粧品の売上が、米国と日本に次いで世界3位と意外な事実を披露、筆記具ではテレビ宣伝でブランドイメージアップ、ロジン・テレピン油では原材料の値下げと工場建設の工事遅れで新製品販売ができず、農薬ではジェネリック品流入による価格の低下および中国製違法品との競合、資料添加物では玉繰りタイト、家庭防疫薬ではデング熱・黄熱病発生で、売上アップなどを説明して笑いを誘っていた。

機械金属部会は嶋末繁部会長が自らリモートコントロールを操作して、製鉄鋼板の回顧として好調な自動車生産、PAC需要で前年比18%増、今年の展望では今年の9.0%増加で新記録、国内需要で輸出減、電力プラントでは2001年の電力危機の心配、大型水力発電所の入札、バイオマスによる自家発電設備、パルプの国際価格600から700レアルでブラジルの生産コストは欧米の半分、農機アルコールブームで穀物相場高騰、3直体制、各種工具国内需要が旺盛で供給不足気味、精密測定機器は外為法違反問題で売上ダウン、コンプライアンスや内部統制の充実などを懇切丁寧に説明した。

自動車部会は峯川尚部会長が、昨年の四輪生産は前年比14.1%増加の297万台、販売は27.8%増加の246万台とそれぞれ記録を更新、リッターカーの販売比率の低下、販売の各社の能力拡大投資見通しでは、今後3年間で380万台体勢、二輪車の生産は173万台、二輪向けファイナンスの急拡大、今年の生産は194万台、部品業界の売上も順調に伸びていると説明した。

食品部会は尾崎英之部会長が、乳酸飲料部門の回顧では脱脂粉乳の原料コストが倍増、展望では脱脂粉乳の国産化でコスト削減、国内家庭用食品ではボルサ・ファミリアの効果、粉末飲料好調、ブランド強化や外食市場の成長に期待、素材用食品では国内での韓国メーカーの生産開始、中国製品の輸出構成、輸送コストの上昇、冷凍果汁ではアセロラ需要拡大、消費者健康志向、農薬管理の原材料確保、食品添加物ではトレーサビリティの備わった原料確保、レアル高で輸出は不振、高付加価値商品輸出へシフト、コーヒーでは国際相場上昇、国内消費市場の多様化などを説明した。

電気電子部会は松田雅信部会長がアップテンポで、2002年以降は順調に進展して昨年は11%アップ、マナウスフリーゾーンでの生産は薄型テレビ、デジカメが順調に伸びたが、為替でノキアがメキシコに退避、単価の安い商品は輸入ビジネスに移行、電子業界の雇用の低下、進む価格破壊、展望では米国経済の退潮による影響、価格下落、原材料高騰、移転価格問題、税関ストなどを説明した。

建設不動産部部会の阿部勇部会長は、初めにセメント販売量の推移のグラフを見せて、最終計は未だであるが4,400万トンの生産予想、サンパウロ市不動産販売件数では前年比61.5%の大幅アップ、ブラジルの建設雇用者は10%アップ、建設業課の売上推移、建築部門の回顧では引き合い好調、工事期間短縮傾向、技術者・労働者不足で賃金上昇、展望では人材・建設機械の確保が重要課題、建設資材価格の上昇傾向、価格競争激化、不動産部門の回顧では戸建て・アパート販売好調、アパート価格の上昇でデベロッパーの収益向上、展望ではアパート販売好調持続、大手でベローッパー買収、新規参入による価格競争激化を説明した。

運輸サービス部会は森田透副部会長が航空業界の回顧で、TAM航空の事故で一時的に需要が低下したが、旅客は前年比7.9%増加したが、06年のGOL事故および07年のTAM事故で航空管制及び空港問題がクローズアップされ、便の発着が大混乱、BRA社の倒産、展望では国際便の運航便増加、ラテンアメリカ/ヨーロッパ行き運賃自由化と燃料油サーチャージ徴収自由化、グアルーリョス空港駐機料の破滅的値上げ通告に対する解決、海運は輸入が好調、極東からは30%増、輸出も順調に推移、南米東岸は食料供給地域の役割増加港湾、通関のインフラ改善、旅行、ホテル業界ではドル安で航空券割安、国内旅行パッケージツアーが好調、宿泊稼働率67%で2%増加、通信業界ではセルラーが1億2,100万台で世界5位、ノートブックが倍増、デジタル放送配信中だが変換装置の販売が遅れ気味、Oi社がブラジル・テレコンを買収予定、節電や停電リスクの可能性で通信設備、サーバー類をデーターセンターへの移行を検討している企業もあると説明した。

最後に繊維部会の須賀治部会長は今の繊維業界は「薄日から雨、のち晴れ」で年央まではレアル高で輸出減、輸入超過、3年連続の暖冬で国内マーケットは低調であったが、低所得者層の消費拡大で今年は良いスタート、国際原綿では中国が全世界の29%の生産インドが25%アメリカ19%、ブラジルが6%、中国の綿花消費が全世界の43%、紳士服地・小口販売市場は輸入増加のなかで消費拡大で10%増加、クリスマス商戦も順調であったが、ファスナーは中国からの安物輸入品増加、ジーンズ市場の不振からマーケット縮小、ブラジルは豊富な綿花と労働力を備え、国内消費拡大に期待、ブラジルの優れたファッションセンスを日本に紹介、ブラジルの繊維業界は大きな打撃を受けている密輸に対する取締強化を引続き当局に働きかけてほしいと強調した。

経済産業省の三田紀之通商政策局米州課長は講評として,このシンポジウムで素晴しい勉強をさせも貰った。本省から経済関係強化でブラジルに来たが、このシンポジウムで再活性化してきているのが肌で感じられ、100周年を機会にどのように再活性化するか参考になった。現場のビジネスの話ではブラジルの経済安定成長、日本に知られていない潜在ポテンシャル、消費市場の質が良くなっているのが実感でき、今後伸びてゆく市場であり、ブラジル企業と日本企業がアライアンスを組んだらビジネスチャンスがあるのではないか、日伯経済関係の強化に向けて努力してゆきたいと結んだ。

在ブラジル日本大使館の宮下?之総務参事官は講評で、ブラジルの経済の現状や企業の抱える悩みなどが理解でき、今年は交流年/移民100周年で日本でのブラジルの関心が高まっており、ブラジルから日本への関心も高めてゆきたい、今年は多種多様なイベントが企画されているが、一過性の祭りではなく日伯関係の足場作りとして地道な活動をして行きたい、また移転価格税制や知財権ワーキンググループを組織して会合をもち、ブラジル政府に働きかけていく予定であるが、会議所同様に開かれた大使館を目指しているので、ブラジリア訪問時は気軽に大使館を訪れてほしいと述べた。

最後に100周年祭典協会の松尾治実行委員長は文協、資金繰りが遅れている100周年祭典協会に集中するために、文協、県連から離れ、15日の昼食会にも出席して皆さんの協力をお願い致しますと強調した。

松田雅信総務委員長は閉会の挨拶で素晴しい内容のシンポであり、また時間を予定どおりを終了、日本、ブラジリアから駆けつけた来賓者に拍手を盛大に送って閉会、カクテルパーティには大勢が参加して和やかに懇談していた。

 

司会の松田雅信総務委員長/宮田次郎企画戦略委員会

超満員のシンポジウム会場

左から平田事務局長/本間英一通商政策局米州中南米室長/宮下?之総務参事官/田中会頭/吉村一元一等書記官/三田紀之通商政策局米州課長/山田監事会議長

Caixaが住宅ローン金利引下げ

連邦貯蓄銀行(Caixa)はポウパンサ預金を資金源とする住宅購入ローンの初年度金利を最大1.35%切下げ、更に住宅購入を促進する。

13万レアルまでの住宅購入ローン金利は9.0%から8.4%、13万レアルから20万レアルの金利は10.5%から9.5%にそれぞれ切下げる。

20万レアルから35万レアルのファイナンスで24万5,000レアルまでの金利は11.5%から10.5%、24万5,000レアルを超えるファイナンス金利は12.5%から11.0%にそれぞれ切下げられル。(13日付けエスタード紙)