昨年の鉱工業部門の生産性は6.7%増加

昨年の鉱工業部門の平均生産性伸び率は6.7%であったが、レアル通貨がドルに対して16.8%値上がりしたために、輸出部門にとっては、更なるコスト削減で競争力を付ける必要がある。

調査対象の17部門の内、為替の値上がりを上回った部門は履物・皮革部門の18.1%だけで、衣類部門が12.6%、非鉄金属9.7%、ゴム・プラスチックが9.6%で続いている。

またタバコ部門は9.3%、電気電子8.4%、機械8.2%、製造部門が7.0%で平均生産性の伸び率を上回ったが、化学部門はマイナス2.0%、燃料 も−1.9%、金属部門も−0.3%とそれぞれマイナスを記録している。(7日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

川崎重工の斉藤清博社長が帰国挨拶で会議所を訪問

川崎重工の斉藤清博社長は1月から副社長に就任したジョージ・サワサト氏と共に、1月7日に商工会議所を訪問、田中信会頭、平田藤義事務局長に帰国挨拶を行い、1月11日、に行われる新年会で新旧交代挨拶を行なうと会議所を訪問した。

斉藤氏は在伯中の実績が高く評価され本社に戻り、グローバル戦略の要、環境推進本部で活躍が期待されている。CDM関連ビジネスなどを通じ今後も引き続きブラジルとの関係は深まりそうだ。

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左から平田事務局長/川崎重工のジョージ・サワサト副社長/斉藤清博社長/田中会頭

昨年の農産物の貿易収支は400億ドル

昨年の農産物貿易収支は、前年同期比20%増加の400億ドルの黒字を計上、輸出が456億ドル、輸入が56億ドルであったが、今年は12%増加の448億ドルの黒字が見込まれている。

昨年は大豆派生商品の輸出が110億ドルであったが、昨年は穀物価格が高騰したために輸出金額を押上げたが、今年は5.0%増加に留まると見込んでいる。

また今年はコーヒーの輸出が期待されているが、昨年減少した砂糖の輸出は8.0%増加の53億ドルが見込まれているが、2006年の63億ドルには及ばない。(7日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

投資グレード入りは2009年か

米国のサブプライム問題に端を発して、世界経済の先行き未投資が不透明になっており、2008年上半期にブラジルは投資グレード入りすると見込まれていたが、2009年にずれ込む可能性が高くなってきた。

しかしブラジルよりもペルーが先に、ラテンアメリカではメキシコ及びチリに次いで、投資グレード入りすると金融スペシャリストは予想している。

米国経済のリセッション入りで、世界経済の縮小傾向が明らかになれば、格付け機関がブラジルの格付けを見直すのは難しいと見込まれている。(7日付けヴァロール紙)

今年もPACや住宅建設部門が牽引

投資部門の拡大がブラジル経済を牽引しており、連邦政府の公共投資を測る最終4年間の平均固定資産形成(FBCF)は10%以上となっており、応用経済調査院(Ipea)では、今年のFBCFを12%と見込んでいる。

金融取引暫定納付金(CPMF)の中止で、公共投資部門が影響を受けると見られていたが、経済成長加速プログラム(PAC)への投資は、昨年のGDP比0.5%から今年は1.0%と倍増する可能性がある。

インフラ及び建設・不動産部門の企業家は大幅な投資を見込んでおり、スエズグループでは総額100億レアルのジラウ水力発電所の入札参加を予定しており、 2010年操業予定の243メガワットのサン・サルバドール水力発電所及び1,087メガワットのエストレイト水力発電所建設を手がけている。(7日付け ヴァロール紙)

外貨準備高は1,814億ドルに達した

ブラジルの外貨準備高は今年1年間で949億3,900万ドル増加して、1,813億7,800万ドルと倍増して記録を更新、また昨年12月は35億1,900万ドル増加した。

昨年の貿易収支は400億3,000万ドルの黒字を計上、実質金利が世界トップのブラジルの金融市場への投資も外貨準備高を押上げている。

また長期投資となる生産部門への投資も増加、昨年1月から11ヶ月間の直接投資は337億ドルを記録して、益々ブラジルに外貨が流入してきている。(4日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

5年間で99.5%のレアル高

ルーラ第一次政権当初の2003年初めは、左翼政権誕生の舵取り不安からレアルがR$3.53まで下落したが、2007年年末はR$1.77の終値となり、ルーラ政権の5年間で、レアル通貨はドル値に対して99.5%も上昇している。

2007年のドルに対するレアル通貨は20.7%も上昇して、2003年の22.3%に次ぐレアル高を記録しており、ユーロ通貨は5年間でドルに対して28.7%の上昇であった。

レアル高の要因として、海外からの金融市場への投資の増加、米国の巨大な財政及び貿易赤字、更に経済の減速や金利低下でドル安に歯止めがかかっていないことも、レアル高が当分継続すると見込まれている。(4日付けエスタード紙)

ボリビアからの天然ガスは契約以下の輸入に減少

ボリビア政府は昨年末1日当たり平均4,200万立方メートルの天然ガスを生産していたが、現在の生産は日産4,000万立方メートルで、国内消費 及びブラジルとアルゼンチン向けの輸出契約量を合せた4,600万立方メートルの生産ができないために、天然ガスの輸出量を減少すると発表した。

ブラジル向け天然ガスの輸出は、ペトロブラス公社との契約であるサンパウロ州向け3,100万立方メートルに留まり、サンパウロのコンガス社及びマット・グロッソ州のクイアバ火力発電所向けは中止される。

クイアバ火力発電所は480メガワットの発電能力を擁して、クイアバ市の70%の電力エネルギー消費を賄っているが、ボリビアからの天然ガス輸出停止で、東北地域の13火力発電所を稼動させて、クイアバ市へ電力を供給する。(4日付けエスタード紙)

CPMF補填はIOFの増税

連邦政府はCPMF税徴収延長中止で、年間400億レアルに上る税収を補填するために、金融取引税(IOF)の適用範囲を免税されていた生産部門まで拡大して、CPMF税徴収中止での減収を補う予定である。

設備投資用機械・装置の購入に対する社会経済開発銀行(BNDES)のクレジットに対しては免税されていたが、今後はCPMF税と同率の0.38%のIOF税が徴収される。

また連邦政府はレアル高の為替で打撃を受けて、輸入税を免除されていた業界の輸入税も変更され、ソフトや建材などの輸入免税特典を受けていた業界は0.38%のIOF支払い、船積み前輸出前貸し(ACC)の変更も予定されている。(4日付けエスタード紙)

国際経済不安よりも国内インフレを懸念

中銀は金利の低下や長期格安ローン販売で好調な国内需要や好調だったクリスマス商戦で、インフレ圧力が増してきており、米国を中心とする国際経済の先行き不透明感よりも国内インフレの動向に注目している。

中銀は2008年のインフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)を4.3%と予想、9月時点の予想よりも0.1%上方修正したが、中間目標値4.5%には入っている。

また来年の国内総生産伸び率(GDP)は、今年の伸び率5.2%から以前の見通しを大幅に下回る4.5%に引下げたが、今年の民間投資は前年比12.2%と一般消費の伸び率5.9%を大幅に上回り、調査対象の53%の企業家は来年も投資を続けると回答している。(28日付けエスタード紙)