マルコポーロはドル安で輸出戦略の見直し

南大河州カシアス・ド・スール市の世界的なバス製造メーカであるマルコポーロ社は、ドル安の為替及び収益性の改善でバス輸出戦略の見直しに迫られており、2005年は売上の55%が輸出で占められていたが、今では42%まで低下している。

同社はブラジルを開発基地として部品の国産化を進めてきて、メキシコ、コロンビアインドやロシアへは現地完全組立て(CKD)輸出を進めてきたが、ドル通貨が均衡していた2004年までは収益率が良かった。

現在の収益率は17%まで低下しており、今後は海外からの部品を輸入してブラジル国内で組立て、南米、南アフリカやカリブ地域へは引続き輸出を継続する が、今年9ヶ月間のCKD輸出は、前年同期の1,144台から1,126台に減少している。(28日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

来年のエタノール供給量は14.3%増加

2008/09年度のエタノール生産は、今年の14.3%増加の219億リットルが予想されており、FLEX車所有者にとっては高止まりのガソリン価格よりも、エタノール消費が更に増加すると予想されている。

国内消費へのエタノールは、毎月15億リットルの供給が可能と見込まれており、毎月のFLEX車販売が20万台ずつ増加してもエタノールの供給不足に陥ることはない。

来年のブラジルのエタノール輸出は、今年並みの25億リットルが予想されており、米国のエタノール生産はトウモロコシ価格の高騰及びロジスティック問題 で、予想の110億ガロンよりも大幅に低い95億ガロンが予想されており、ブラジルからは、カリブ諸国経由での輸出増加が予想されている。(28日付けガ ゼッタ・メルカンチル紙)

石油鉱区入札でOGXが14億レアルを投資

国立石油庁(ANP)の第9回石油・天然ガス鉱区入札では、巨大石油埋蔵量が確認されたサントス海盆ツピー鉱区周囲の41鉱区は入札から外されたために、石油メジャーは入札に参加しなかったにも関わらず、前回の入札を大幅に上回る21億レアルの収入を上げた。

今回はエイケ・バチスタ氏が率いるOGX社が、入札売上の66%に相当する14億レアルを投資して、サントス沖、カンポスやエスピリット・サントとなどの有望な21鉱区を落札、ペトロブラスの1億9,500レアルの投資を大幅に上回った。

今回の入札の成功は石油価格が100ドル近くまで高騰、OGX社の破格の落札価格及びブラジル国内企業が、地下油田鉱区の入札に参加したことが要因となっ ているが、落札された117鉱区の開発に60億レアルが投資されると見込まれている。(28日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

クレジット総額がGDP比34%に増加

 政策誘導金利の低下や低額長期ローン拡大で、10月のブラジルのクレジット総額は、8,808億レアルに増加してGDP比34%に達したが、年末にはGDP比36%が予想されている。

 10月のクレジット部門では個人向けクレジットが3.1%、今年10ヶ月間では32.5%それぞれ増加、特に自動車や住宅ローン、年金・恩給口座天引き型ローンが増加してきており、大企業向けクレジットの伸びを大幅に上回っている。

 個人向けクレジットの平均年利は、9月の46.3%から45.8%に低下して1994年以来の低率を記録、法人向け年利は23.4%から23.1%に低下、銀行スプレッドも24.6ポイントから24.4ポイントに低下して、2000年6月以来の低率となった。(28日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

本村巌夫氏の叙勲伝達式が総領事公邸で行われた

平田事務局長は11月27日午後3時から開催された平成19年秋の在サンパウロ日本国総領事館内邦人叙勲者の本村巌夫氏の叙勲伝達式に参加、村本氏は西林万寿人総領事から勲章及び旭日双光章の伝達が行なわれ、関係者と一緒に記念撮影を行なった。

本村 巌夫( もとむら いわお )
年齢  78
住所  サンパウロ州サンパウロ市
勲等 旭日双光章
本籍  鹿児島県
主な功績

  • ABC文化協会創設から25年間、副理事長、理事長を歴任し、地元日系社会の発展に貢献。
  • ブラジル相撲連盟及びABC相撲連盟の中核役員として相撲の普及、発展に貢献。
  • 日語学校「聖愛学園」を開設し、日系子弟に対する日本語教育に貢献。

 

輸入エンジンで自動車生産に対応

金利の低下、格安長期ローンや好調な国内景気が追い風となって、各自動車メーカーは三交代勤務で生産に追われているが、国内生産のエンジンやトランスミッションだけでは、需要に追いつかない為に、輸入エンジンでの対応を始めた。

GM社のではエンジン生産部門では、今年の生産を前年比15%増加の78万台を見込んでいるが、エンジンやトランスミッションの部品納品が追いつかず、2ヶ月前からヨーロッパや中国から輸入を開始した。

フォード社でもエンジン生産のタウバテ工場が、3交代勤務でも限界に近づいており、南アフリカからやメキシコから輸入をして凌いでいる。(27日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

来年も国内鉄鋼販売は好調維持

 国内販売が好調な鉄鋼は、来年も引続き好調を維持すると予想されているが、今年10ヶ月間の国内販売は、前年同期比15.6%増加の1,690万トンであった。

 ブラジル鉄鋼院(IBS)では、今年10ヶ月間の自動車や白物家電生産用圧延鋼の販売は16.7%増加の1,000万トン、建設・土木部門用棒鋼や構造鋼などの鉄鋼製品販売は、14.3%増加の620万トンまで回復してきている。

 今年の好調な国内の鉄鋼製品販売は来年も更に需要が増加して、販売増加が見込まれているが、今年10ヶ月間の圧延鋼の輸出は、前年同期比19.5%減少しているが、来年の圧延鋼の輸出は更に半減すると予想している。(27日付けヴァロール紙)

11月は貿易収支黒字が大幅に減少

 昨年7月から減少が続いている貿易収支黒字は、輸入増加で更に減少してきており、11月4週間の輸出は前年同月比16.8%増加の104億1,900万ドルであったが、輸入は25%増加の88億5,100万ドルで、貿易収支黒字は前年同月比マイナス35%の15億6,800万ドルに縮小している。

 また今年の累計では、輸出は15.8%増加したが、輸入は29.5%増加して前年同期比マイナス12.1%、今年6月から10月までの貿易収支黒字は、前年同期よりも51億3,200万ドル減少している。

 ブラジル貿易協会(AEB)では今年の貿易収支黒字を400億ドル、来年は輸出を1,680億ドル、輸入を1,380億ドルで貿易収支黒字を300億ドル、2009年は250億ドルから375億ドルの間とそれぞれ予想している。(27日付けエスタード紙)
 

サンパウロ州の一人当たりのGDPは全国2位

 GDP新計算方法によると、2005年のサンパウロ州の一人当たりのGDPは、1万7,977レアルで伝統的に2位を続けていた、リオ州の1万6,052レアルを抜いて2位に上昇した。

GDPトップは連邦直轄区ブラジリアの3万4,510レアル、全国平均は1万1,658レアルであったが、ピアウイ州は3,700レアルで最下位、マラニャン州4,150レアル、アラゴアス州4,687レアル、パライバ州が4,690レアルと貧困州は北東地域に集中している。

2005年のサンパウロ州のGDP総額は、3.6%増加の7,270億5,000万レアルとなり、同州のGDPは全国の比率では、前年の33.1%から33.9%に増加、新GDP計算方法では、全国のサービス業に占める割合が46.6%から66.3%に増加したが、鉱工業部門の比率は43.9%から30.1%に減少した。

新GDP計算方法では、サンパウロ州の鉱工業製造部門は全国の42.7%、2005年にはその比率が44%と更に増加、アマゾナス州のGDPの伸び率は、全国平均3.2%を大幅に上回る10.2%に増加したが、全国の比率では僅かに1.6%を占めたに過ぎない。(27日付けエスタード紙)

風力発電エネルギー入札は来年の4月か

クリーンな代替エネルギーである事業用風力発電エネルギーの入札開始は、来年の3月末か4月初めに予定されており、入札募集公布は年末が予定されている。

ブラジル風力発電協会(ABEE)では、入札にかけられる風力発電総量は500メガワット、20年間の供給が義務付けられているが、現在の発電総量は240メガワットしかない。

今年7月に行なわれた風力発電入札は15年契約で、入札最高価格はMWh当たり140レアルに設定されたために、入札参加企業にはメリットがないために成立しなかった。(26日付けヴァロール紙)