ドル安が内需拡大に追い風

 今年10ヶ月間の国内でのマイクロウエーブ販売は160万台、自動車は200万台、コンピューターが700万台と前年同期比20%から50%増加しており、ドル安は資本財輸出の障害となっているが、ドル安で輸入電子部品価格が減少しており、10ヶ月間にテレビ、音響装置やコンピューター価格は平均6.18%低下したが、原材料の全てを国内で賄う履物は4.81%値上がりしている。

 また今年8月までの小売は前年同月比9.0%、一般家庭の消費は6.0%、今年上半期のGDPは、4.8%それぞれ増加しており、7月までのドル換算による実質サラリーは19%増加している。

 力強い国内需要で製造部門は、生産能力限度まで稼動しているが、消費財製造部門は、安価な輸入品に圧されているが、社会経済開発銀行(BNDES)の2008年から2011年までのクレジットの81%は、輸出関連部門の石油、アルコール、鉱業、鉄鉱、紙・パルプのコモデティ関係部門への投資となっている。(18日付けヴァロール紙)

電力会社はカーボンクレジット取引に注目

エレトロブラス電力公社は、9月にBM&Fで行なわれたカーボンクレジット取引で、サンパウロ市役所がオランダのフォルティス銀行に1トン当たり16.20ユーロで、80万8,000トンを3,400万レアルで取引が成立したことに注目した。

同公社は温室効果ガス排出を低減する、代替燃料向け優遇プログラムの138プロジェクトで、270万トンのカーボンクレジット取引市場参入を準備している。

また同公社は砂糖キビ粕による火力発電、風力発電、小規模水力発電による総発電量3,200メガワットでの温室効果ガス低減による、カーボンクレジット取引を検討している。

AESチエテ社は、サンパウロ州内に10ヵ所の水力発電所を有しており、発電所周辺の1万ヘクタールに、現地固有種の植林プロジェクトによる300万トンのカーボンクレジットが国連で承認されており、現在は1,450ヘクタールの植林が行われている。(14日付けエスタード紙)

クラーロは3Gセルラーサービスを開始

クラーロ社は世界81カ国で使用されている3Gセルラーサービスを開始、現在の15倍から20倍の高速度の1メガビットで、インターネットのように音楽、ビデオや写真などを送信やダウンロードが可能となる。

3Gセルラーサービスは、ブラジリア、レシーフェ及びフォルタレーザ市で開始、サンパウロ及びリオ市では12月初めからサービスが開始される。

同サービスの月額基本料金は、19.90レアルから99.9レアル、ノキア、LGやサムスンが199レアルから1,349レアルの5機種を発売するが、先 週にはテレミグ・セルラーがベロ・オリゾンテ市で、14.4メガビットの高速データ通信サービスを開始している。(14日付けエスタード紙)

クリスマス前にはインターネットでの不正引出が増加

 毎年、クリスマスが近づくとインターネットバンキング取引での、暗証番号不正獲得するためのスパイウエアなどによる被害が増加するために、ブラジル銀行協会連盟(Febraban)は注意を呼びかけている。

 Febrabanの調査では、2005年のインターネットバンキングによる取引は350億レアル、不正引出件数は6万8,000件で3億レアルの被害を被ったが、2006年は190%増加の19万7,892件、今年9月までにはすでに12万9,010件となっている。

 不正引出を防ぐ方法として、当選連絡メールや優遇クレジットカードのメールを疑い、国税庁や銀行業務集中サービス会社(Serasa)を装ったメールはクリックしない、普段から利用している銀行のサイトを注意深く観察して、カモフラージュさせたサイトにはクリックしない、firewallのインストールやビールス対応ソフトの普段からの使用を心がける。(14日付けエスタード紙)

ブラジル銀行の今年9ヶ月間の純益は大手銀行では最低

 ブラジル銀行の第3四半期の純益は、前年同期比50.3%の大幅増加の13億6,000万レアルを記録したが、今年9ヶ月間の純益は早期退職制度などによるコストアップで、前年同期比マイナス20%の38億レアル、大手銀行では最低となっている。

 今年9ヶ月間のブラデスコ銀行の純益は、前年同期比73.6%増加の58億レアル、イタウー銀行は112.7%増加の64億レアル、ウニバンコ銀行も112.7%とそれぞれ大幅な増収を記録している。

 ブラジル銀行の第3四半期は、従業員の健康プラン制度の変更による2億6,600万レアルの支出や早期退職優遇制度による9,300万レアルの支出があった。

 今年9ヶ月間の売上はクレジット部門の16.6%増加が寄与して、7.9%増加の415億レアル、法人向けクレジットは34.3%増加して、個人向けクレジット27.3%より伸びた。(14日付けエスタード紙)

京都ブラジル文化協会の岡本光幸理事一行が表敬訪問

京都より京都ブラジル文化協会の岡本光幸理事、原爆被災者協会小西博氏及びJTB土屋吉信氏が13日午後4時に、京都クラブの杉山エレーナ会長と共に商工会議所を表敬訪問、岡本理事は日本移民100周年記念の一環として、来年9月に開催予定の京都文化・産業フェアーの「後援名義使用許可願い」を京都ブラジル文化協会の森田嘉一会長の依頼を受けて、田中信会頭にフェアーの開催趣意書、事業概要、展開イメージなどの使用を説明して手渡し、平田藤義事務局長も一緒に応対した。

京都ブラジル文化協会は1988年の設立依頼、定期的に親善使節団をブラジルに派遣、2008年のブラ実日本移民100周年を記念して、サンパウロ市で「京都文化・産業フェアー」を実施すると共に、青少年における文化・スポーツの親善交流を目的とした記念事業を推進する。

左から平田事務局長/杉山エレーナ会長/小西博常任理事/JTBの土屋吉信営業部長/田中会頭/岡本光幸常任理事

共同通信社の本蔵一茂リオ支局長が訪問

共同通信社の本蔵一茂リオ支局長、名波正晴記者が11月13日午後に商工会議所を表敬訪問、応対した平田藤義事務局長とブラジル経済の潜在力や今後の傾向や政治について意見交換、本蔵支局長は今後はブラジル経済の中心地であるサンパウロで、積極的に情報収集を行なうと述べた。

左から平田事務局長/共同通信リオ支局の本蔵一茂支局長/名波正晴記者

巨大油田発見も採掘コストは4倍

良質な軽油や天然ガスの埋蔵量が、50億バレルから80億バレルと見込まれているサントス海盆のツピー鉱区の発見で、ブラジルは石油輸出国の仲間入りが可能となったが、6,000メートル以上の深度採掘でコスト高になる。

サントス沖やエスピリット・サントでの海底採掘コストは、1バレルあたり7.5ドルであるが、ツピー鉱区での石油採掘コストは、バレルあたり30ドルと4倍になるために、石油価格がバレルあたり60ドルを下回ると、採算割れする可能性がある。

石油採掘プラットフォーム建設費は15億ドル、採掘ボーリング費は1基当たり5億ドル、採掘関連装置は5億ドルとなっており、1日あたり10万バレルから15万バレルの原油採掘には、30億ドルのコストがかかる。(13日付けエスタード紙)

オセアンエアーはBRA発注の航空機購入

 今後数年間で、ブラジル航空業界のマーケットシェア15%の獲得を目標にしているオセアンエアー航空は、先週に営業を停止したBRA航空がエンブラエル社に発注していたエンブラエル195型、20機の購入に興味を示している。

 この20機は2008年下半期に納入されるが、オセアンエアーは今後数年間で90機を購入するが、コロンビアのアビアンカ航空と共同購入する。

 オセアンエアーによるBRA買収が市場で噂されているが、同社では買収を否定しているが、BRA航空は月平均26路線で315便を運航して、4.6%のマーケットシェアを占めていたが、オセアンエアーのマーケットシェアは僅かに2.6%となっている。(13日付けガゼッタ・メルカンチル紙)