ミナス州産業視察ツアー(コンサルタント部会主催)

ミナスジェライス州産業視察ツアー記

コンサルタント部会長 渡邉裕司

とにかく今回の産業視察はブラジルの恐るべき資源パワーをこの眼で実感したことであろう。新日鉄様、三井物産様のご協力を得て11月6日~7日、イパチンガのウジミナス製鉄所とリオドセ社のブルクツ鉄鉱山、イタビラのコンセイソーン鉄鉱山を視察し、6日はベロオリゾンチ市のフェルナンド・ピメンテル市長に会見、BH市が進めるハイテク技術団地計画BH-Techの計画概要を聴いた。

ウジミナス製鉄は世界的鉄鋼再編の動きの中で筆頭株主・新日鉄が「人と技術を惜しみなく投入」(三村明夫社長)して一大鉄鋼生産基地化する計画で、今後1兆円の投資を行い米州最大の5,000㎥容量の高炉も建設する。製銑工程(転炉)、製鋼工程、圧延工程、鋼板ラインをくまなく見学しその技術力を垣間見た思いがする。圧延設備は三菱重工製など日本の設備が使われている。

リオドセ社はカナダのアルミ大手インコを昨年、180億ドルで買収し名実ともに世界鉱山メジャー3強入りを果たした。リオドセが所有するブラジルの鉄鉱山可採埋蔵量は合計98億トン。鉄分62.8%のヘマタイト鉱、48.7%のイタビライト鉱で純度は高い。

国内高炉メーカーに出荷し、輸出は鉱山から鉄道で沿岸に運ぶが、過去、日本企業が鉄道敷設等で大きな貢献をしている。

今、ブラジルの粗鋼生産は3,500万トンしかないが、新日鉄+ウジミナス、韓国ポスコ+リオドセ、中国上海宝鋼集団+リオドセ、アルセロール・ミタルなどの大型高炉建設計画を見ると、将来は資源立地の強みを生かしブラジルは億トン単位の鉄鋼王国になる可能性がある。

 

ブルクツ鉄鉱山の大型ショベルカーの前で記念撮影

ウジミナス製鉄所の圧延工程(厚板用スラブ)

機窓から見るイパチンガ周辺のユーカリ植林地帯

イタビラ鉄鉱山のゲストハウスで昼食

ウジミナス製鉄所のロンメル所長と記念撮影

実働日数減で9月の鉱工業の伸び率は0.5%減少

 9月の鉱工業の対前月比の伸び率は、8月の実働日数23日に対して僅かに19日であったために、マイナス0.5%を記録したが、第3四半期の伸び率は6.4%と最終3年間で最も増加している。

 また9月の鉱工業伸び率は、前年同月比5.6%とダイナミックに伸びており、今後も、資本財を中心にこの傾向が継続すると見込まれている。

 9月の資本財生産の伸び率は、投資の増加に伴って前年同月比21.9%増加、耐久消費財生産は13.2%増加、第3四半期の伸び率は20.4%および13.8%とそれぞれ大幅に増加している。(7日付けエスタード紙)
 

最先端医療設備病院見学会に24人が参加して開催

建設不動産部会(阿部勇部会長)主催の「最先端医療設備を備えた病院見学会」が11月7日午前11時から午後1時過ぎまで、ポルトガル慈善病院系列のサン・ジョゼ病院内を同病院マーケティング部の女性職員3人が初めにヴィデオで病院全体を紹介した。

続いて最先端画像診断センターの3テスラ磁気共鳴装置、PET-CT,デジタルマモグラフィー、三次元超音波装置、最新鋭装置装備の手術室や治療室、リハビリセンター、自動殺菌室などを見学、病院には全て個室で111室あり、個室は33平方メートルから75平方メートルで電動ベッド、リビングルーム、ベランダ、インターネットへのアクセス、液晶テレビなど至れり尽くせりであり、最大限に院内感染などを予防する施設となっており、参加者はその設備の素晴しさに感嘆の声を上げていた。

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見学した最先端設備のサンジョゼ病院の全容

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左から院内案内したメシアスさん/ソウザさん/シーダさんに阿部勇部会長からプレートの贈呈

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最先端医療設備を備えたサン・ジョゼ病院見学会参加者

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ビデオで病院を紹介

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院内感染予防の自動殺菌室

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清潔でよく整備された事務室

元ブラジル日本商工会議所会頭で、現顧問の後藤隆氏が旭日双光章受賞

元商工会議所会頭で現顧問の後藤隆氏は平成19年度在サンパウロ日本総領事館館内邦人叙勲者として旭日双光章を受賞、後藤顧問は中核役員として同会議所内部の組織化と事業活動の拡大、活性化を図ると共に、日伯経済交流の促進に貢献した。

 

旭日双光章受賞の後藤隆顧問

為替は輸出企業の意欲を削いでいる

 輸出契約期間が長期の製品輸出が、ドル安の為替で価格競争力を失って収益率を圧迫しているために、資本財の輸出比率が低下してきている。

 輸出企業ランキング40位までの調査によると、12社が自動車、自動車部品、セルラーや装置の製造メーカであり、6社は輸出を減少させるが、輸出を継続するためにコスト削減などで対応しているが、鉄鋼やパルプなどのコモデティ製品の輸出企業は、継続して輸出増加をしている。

 今年9ヶ月間のワーゲン社の自動車輸出は前年同期比1.3%、GMは3.4%、フォードは4.4%それぞれマイナスを記録したが、ファイアット社は27.3%の大幅増加となっている。

 自動車部品のボッシュ社の今年9ヶ月間の輸出は5億1,900万ドルであるが、2005年の輸出比率は48%であったが、今年は41%、来年は37%まで下がると見込まれているが、今年の国内販売は25%増加が見込まれているために、輸出減少を補っている。(6日付けヴァロール紙)

今年10ヶ月間のIPO総額は254億ドル

 新規株式公開(IPO)が目白押しであり、今年10ヶ月間のIPO総額は、前年同期比300%増加の254億ドルを記録、今年10ヶ月間の世界全体のIPOは17%増加の2,375億ドルでブラジルでのIPOは世界全体の10.7%を占めた。

 10月のIPO総額は79億ドルを記録、特にサンパウロ証券取引所(ボベスパ)の新規株式公開での66億2,000万レアルは、ブラジルでのIPOの記録を塗り替えた。

 今年10ヶ月間のブラジル国内のIPO主幹事証券会社では、クレジ・スイスがトップ、UBS証券が2位、ゴールドマン・サックス、イタウーBBAが続いている。(6日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

9月の設備稼働率は82.7%とフル操業

 全国工業連合(CNI)は9月の製造業界の設備稼働率は、前月の82.2%から82.7%に上昇して、多くの部門ではフル操業体制を敷いており、第3四半期の平均は82.4%を記録している。

 特に金属部門及びアルコール精製部門の設備稼働率は91.4%、皮革・履物は90%、自動車製造88.7%、機械・装置部門が84%と平均を上回ったが、電子部品・情報通信は75.1%、出版・印刷は77%、製材78.2%、化学79,2%、家具製造部門は79.2%であった。

 この稼働率は2004年の第3四半期のレベルに達しているが、現在の経済成長率が低率であるために、これ以上の設備稼働率には達しないと見込まれている。

 9月の鉱工業界の実質売上は前年同期比2.8%増加、今年9ヶ月間では4.2%増加、9月の労働時間は前年同月比2.8%増加している。(6日付けヴァロール紙)
 

ブラデスコ銀行の純益は73%増

 民間最大ブラデスコ銀行の今年9ヶ月間の純益は、前年同期比73%増加の58億2,000万レアルを記録、ブラジル銀行が昨年同期に記録した50億レアルをも上回った。

 ブラデスコ銀行の純益増加は、クレジット部門の拡大や一般銀行業務からの収益以外に、セラーザ社やアルセロール社への資本参加なども大幅な純益増加に寄与した。

 クレジット部門は27%増加して1,400億レアル、サービス収入は22%増加の79億1,000万レアル、純資産は34%増加の292億レアル、エフィシエンシー指数は42.4%から41.8%に改善、収益率は22.7%から32.6%となっている。(6日付けエスタード紙)

サンパウロ東部地区の小売が好調

サンパウロ市の人口の37%が密集する貧困層の多い東部地区が最低給サラリーアップで、小売業が好調でスーパーや金融業界が注目している。

イタウー銀行は東部地区でも、特に商業が盛んなサンミゲル地区に2ヶ所目の支店を開設、2ヶ月以内にフェラス・ヴァスコンセロス地区でも支店開設を予定しており、2004年以降では52.5%増加の61支店を開設している。

東部地区の平均月収は690レアルで、サンパウロ市平均の1,016レアルを大幅に下回っているが、最低給の大幅アップで実質賃金が上昇、食肉、鶏肉やソフトドリンクの消費が大幅に増加している。(5日付けヴァロール紙)

平田事務局長はバイア州投資イベント開催パーティに参加

平田藤義事務局長は11月5日午後7時からサンパウロ州工業連盟(FIESP)で、バイア州政府、 FIESP、バイア州工業連盟共催の投資誘致イベント開催カクテルパーティに出席、6日及び7日にはバイア州の環境政策、インフラ、エネルギー、IT、カ マサリ石油化学コンビナートについてのセミナーが開催され、バイア州紹介ビデオは2日から11日まで一般公開されている。