ブラジルは世界5位の投資対象国

 国連の貿易開発会議(Unctad)の200社の多国籍企業への投資対象国調査で、ブラジルは中国、インド、米国、ロシアに次いで、世界で5番目に魅力ある対象国となっている。

 インタビュー対象の22%は、投資したい諸国としてブラジルは国内市場の規模を挙げ、10%は良質なマンパワー、8.0%は南米市場への拠点、7.0%は環境投資や天然資源、5.0%は連邦政府の優遇税制を投資環境に挙げている。

 投資対象地域としてはアジアが圧倒的で、65%の企業家が投資に関心を示しており、特に中国は52%と注目されており、米国やヨーロッパは、医薬品やソフトウエア業界への投資対象となっているが、中近東やアフリカは投資対象国としては支持が弱い。(5日付けエスタード紙)

今年の総合物価指数は5.0%を上回る

 9月の総合物価指数(IGP−DI)は牛肉及び乳製品の卸売価格減少で、前月の1.39%から1.17%に減少したが、今年9ヶ月間では4.44%、最終12ヶ月間では6.16%、今年は5.0%を上回ると見込まれている。

 食料品が前月の0.99%から0.19%に減少した影響で、卸売市場の総合物価指数は、前月の1.96%から1.64%に減少、小売市場も0.42%から0.23%とそれぞれ減少、卸売市場ではプラスチック包装紙が−12.27%、鶏卵−4.17%、牛肉−2.23%、小売市場ではペスカーダ−19.06%、マンゴー−10.28%、ミルクが−7.80%とそれぞれ大幅に値下がりした。

 今年9ヶ月間の16大都市の食料品の値上がりは、ナタル市が15.85%、アラカジュ14.20%、ヴィトリア13.77%と二ケタ台の値上がりを記録しているが、ブラジリアでは2.75%、ゴイアニア4.49%、サンパウロ6.75%、リオは9.66%であった。(5日付けエスタード紙)

今後は旅客車用鉄道網の建設

連邦政府は今後、旅客車用鉄道網建設の14プロジェクトを検討しており、鉄道管理のValec公社は、全てのプロジェクトで環境ライセンスの承認を受けている。

また社会経済開発銀行(BNDES)は、プロジェクトの需要や技術面での分析を担当しており、リオとサンパウロの403キロメートルを結ぶ高速列車鉄道建設の200キロメートルは、トンネルや陸橋を建設しなければならない。

この高速鉄道建設の総投資額は90億ドルで、料金は60ドルと見込まれており、日本、韓国やイタリアの企業が大いに注目して入札に参加すると見られているが、建設計画を急げば、2014年のワールドカップ前に完成できる。(4日付けエスタード紙)

来年は非鉄金属価格が下げに転じる

数年に亘って継続してきた世界経済の伸び率が、来年からゆるいカーブを描いて下降すると見込まれ、それに伴って非鉄金属コモデティの需要が減少、高騰しすぎた価格も下落に転じると予想されている。

来年の米国の経済成長率は、今年上半期に予想されていた2.5%から2.9%よりも1.0%低い、1.5%から2.0%に留まると見られており、来年の ニッケル価格は23%、亜鉛13%、アルミは12%の下落が予想されているが、銅は5.0%、錫は5.2%と下落幅が小さい。

ここ2年間 の亜鉛の値上がりは、262%、錫135%、ニッケル129%、亜鉛115%、銅112%、アルミ35%とそれぞれ大幅に値上がりしているが、来年の非鉄 金属の平均コモデティ価格は、5.0%から7.0%の下落が予想されている。(4日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

上海宝鋼集団とリオドーセ社が55億ドル投資で製鉄所建設

 上海宝鋼集団とヴァーレ・ド・リオドーセは、エスピリット・サント州に500万トン生産の製鉄所、港湾設備及び港湾と製鉄所を結ぶ鉄道建設に55億ドルを投資する。

 上海宝鋼集団が80%の資本を投資、リオドーセは20%の資本参加をするが、資金は社会経済開発銀行(BNDES)からの融資を予定している。

 ヴィトリアから80キロメートル離れたアンシエッタ市に建設されるヴィトリア製鉄所は、500万トンの生産規模で2012年から操業開始され、エスピリット・サント州から鋼板が、中国や欧米に輸出される。(4日付けエスタード紙)

8月の鉱工業伸び率は6.5%

 国内景気に牽引された鉱工業の8月の売上は前月比1.3%、前年同月比6.5%、今年8ヶ月間では4.3%それぞれ増加、今年は生産及び売上が、それぞれ5.0%増加すると見込まれている。

 特に食品・飲料部門、機械・装置、金属部門の伸び率は、鉱工業部門の伸び率の65%を占め、今年8ヶ月間の製造部門の伸び率は4.3%であったが、木材部門はマイナス3.2%、電気部品及び通信部門はマイナス6.2%となった。

 今年上半期の内需は5.8%増加したが、輸入製品の増加及び輸出の低下で、生産は3.0%の伸び率に留まったが、鉱工業部門の雇用は21ヶ月連続で増加しており、今年8ヶ月間では3.6%増加している。(4日付けヴァロール紙)
 

地上デジタル放送開始は12月2日から

大サンパウロ圏での地上デジタル試験放送開始は、12月2日が予定されているが、8月にエリオ・コスタ通信相がコメントしていた、アナログテレビへのコンバーター価格は200レアルではなく、700レアル以上になると見込まれている。

テレビメーカー6社は、総額1億ドルをデジタルテレビ開発に投資したが、センピ東芝並びにフィリップスが、12月までにコンバーターを市場に投入すると発 表しているが、その他のメーカーは内蔵型同調装置付デジタルテレビの製造のみかコンバーターを市場に投入する予定がない。

サンパウロでの試験放送後は、来年初めからリオでの放送開始が予定されており、その後はミナス及びブラジリア、ブラジル全国には2年以内に行なわれるが、アナログ放送は2016年まで継続する。(3日付けエスタード紙)

IDBはアマゾン地域観光事業に10億ドルを融資

今月17日にワシントンで、米州開発銀行(IDB)とブラジル政府は、アマゾン地域観光開発向けに2億ドルの融資に調印、IDBではブラジル観光プロジェクトに、総額10億ドルの融資を予定しており、現在の年間86万人のアマゾン地域の観光客を300万人にする。 ブラジル政府はアマゾン観光向けのインフラ整備に8,000万ドルを投資、また急速な発展が見込まれているエコーツリズム部門にも支援する。

米国からサンパウロ及びリオを経由しないで、5−6時間で結ぶマナウス直行便の導入で、米国からの観光客が飛躍的に増加すると見込まれており、便利な飛行便開発を検討する。(3日付けエスタード紙)

リオドーセが南北鉄道サブコンセッション落札予想

今日、サンパウロ市で南北鉄道のマラニャン州アサイランジアとトカンチンス州パルマスの729キロメートル区間のサブコンセッション入札が行なわれるが、保証金を積み立てたのはヴァーレ・ド・リオドーセ社だけであり、同社による落札が決定的となっている。

入札の最低価格は14億7,800万レアルであり、中国資本参加のARG社とロシア資本参加アルヴォラーダ・エンジニアリング社は、リオドーセ社と共に最終審査まで残ったが、保証金を積み立てることができなかった。

南北鉄道のコントロールは、ヴァレッキ・エンジニアリング公社が担当、リオドーセ社のサブコンセッション期間は30年、同公社はすでにアサイランジアとト カンチンス州アラグアイーナ間の374キロメートルを建設、南北鉄道完成後はパラー州ベレンとゴイアス州アナポリス間の1,980キロメートルを結び、ブ ラジル全土を網羅できる統合鉄道となる。(3日付けエスタード紙)