今年のプレソルト原油・天然ガス入札は来年に延長

岩塩層下(プレソルト)原油・天然ガスの膨大な埋蔵量が見込まれているSepia鉱区並びにAtapu鉱区入札は、最低入札価格の見直し並びに原油生産開始後の利益分配率の見直しなどの要因で、2021年に延長。

連邦政府はSepia鉱区並びにAtapu鉱区入札で、国庫庁には245億レアルの臨時歳入を見込んでおり、今年の中央政府の財政プライマリー収支の許容赤字1241億レアルの軽減を当て込んでいた経緯があった。

また州政府並びに市町村の地方政府へのプレソルト鉱区入札による分配金は、33%に相当する120億8,000万レアルの割当が予定されていたにも関わらず、来年の入札先送りで、地方政府の財政プライマリー収支の悪化を余儀なくされる。

昨年11月6日に実施されたプレソルト鉱区の石油・天然ガスメガ入札では、予想臨時歳入1,065億レアルに対して700億レアル、11月7日の第6回プレソルト入札での予想臨時歳入の358億レアルに対し、僅か50億5,000万レアルと予想臨時歳入の約70%に留まった。

昨年11月の2日連続のプレソルト鉱区の石油・天然ガス入札では、ペトロブラス石油公社の有利な立場での入札参加に対し、大手石油メジャーの不参加による拒絶反応に対して、連邦政府は今後のプレソルト鉱区入札の参加条件変更を余儀なくされていた。

今後のプレソルト鉱区石油・天然ガス入札条件変更として、ペトロブラス石油公社に対する30%のコンソーシアム参加優先権並びに入札最低価格の設定、原油生産開始後の利益割当制などの見直しを余儀なくされている。

現在は石油などの化石燃料からクリーンエネルギーの代替燃料への過渡期であり、また今後のプレソルト鉱区の石油・天然ガス入札条件をポスソルト鉱区の石油・天然ガス入札条件同様に、最高入札価格での落札に戻す必要性が指摘されている。

プレソルト鉱区の入札企業は、PPSA(Pre-Sal Petroleo S.A.)及びペトロブラスとコンソーシアムを組成しなければならない。PPSA は 2010 年の石油改革法で設置された連邦政府機関で、政府の利益を代表して生産分与契約の管理を行うことを目的としている。

ペトロブラス石油公社は、同法で生産分与契約の下でのオペレーターとして定義され、コンソーシアムにおいて最低限 30%ステークを保持することとなっているが、法令12351号/2010の変更を余儀なくされている。(2020年1月21日付けヴァロール紙)

ブラジルはWTO政府調達協定(GPA)導入か

「ダボス会議」と呼ばれる世界経済フォーラム(WEF)の年次総会が今月21日からスイス東部のダボスで開幕、パウロ・ゲーデス経済相は、世界各国の投資家が一堂に集まる機会をとらえて、ブラジルのWTO政府調達協定(GPA)の導入を発表する可能性が示唆されている。

政府調達協定(GPA)は国や地方政府、政府関係機関などの公共セクターが公共事業や物品購入などを行う場合、一定額以上の調達には内外無差別の競争入札を義務づけ、外国企業にも平等に開放する政策で、ブラジル国内市場の公共セクターの開放は年間1兆7,000億ドル相当の投資に匹敵する。

WTO加盟国のうち、政府調達協定を締結した国家間でのみ発効、加盟国はアメリカ並びにEU(欧州連合)、日本、中国、オーストラリア、カナダなど28カ国で、新興国の加盟国は僅かとなっている。

GPAは1979年に初めて締結され、対象は国の物品購入のみが対象であったが、その後、ウルグアイ・ラウンドと並行して改定交渉が進められて1994年に署名、1996年に発効した協定では、対象となる機関が地方政府や政府関係機関などに拡大、サービス調達への適用、調達への苦情処理制度導入などが盛り込まれた。

さらに2011年12月15日、WTO・GPA閣僚会議で新協定が最終合意に達し、17年ぶりに協定は改定。新協定では対象となる公的機関がさらに拡充、調達範囲の拡大、開発途上国を対象とした加盟推進のための条項の導入、電子入札制度の導入などより効率性を重視した国際的ルールが規定された経緯がある。

政府調達協定(GPA)の導入は、入札条件の透明な公示、公平な条件下による参加企業の拡大、困難なカルテル形成、汚職防止効果などで公正な入札が可能となる。

ジウマ・ロウセフ政権時代には、国内産業保護を前面に打ち出した産業政策「ブラジル拡大計画(PBM : Plano Brasil Maior)」で、ブラジル産の国防産業や医薬品、機械・装置、繊維製品などに25%の優遇税制を導入していた経緯があった。

フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ政権並びにルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ政権、ジウマ・ロウセフ政権時代には、政府調達協定(GPA)の導入は少しも検討されなかった。

2018年4月にブラジルとチリ政府は政府調達についての協定締結、ブラジル並びにチリ両国の企業は公平な条件で、両国政府調達の公共入札への参加が可能となる。ペルーとの政府調達協定は2016年5月に結ばれていた。

2019年からチリ並びにペルー、メルコスールでの政府調達協定の施行に伴って、ゼネコンを中心にブラジル企業は、総額1,090億ドルに達する市場への参入が可能と見込まれている。(2020年1月21日付けヴァロール紙)

今年の一般小売販売は前年比倍増か

延滞率低下に伴って拡大するクレジット部門、コントロールされているインフレ、過去最低の政策誘導金利(Selic)などが牽引して、2020年の自動車並びに建材を除く一般小売販売は、前年の1.7%増加の約倍増の3.0%増加をBOA VISTA SCPC(信用保護サービスセンター)は予想している。

今年の一般小売販売では、家具並びに家電、電気製品など月賦販売による部門の売り上げ増加が見込まれており、過去最低のSelic金利に伴って、商業銀行では資本財販売向けクレジットを拡大している。

2019年の一般小売販売の家具・家電販売は前年比0.2%増加に留まった一方で、繊維・衣類・履物販売は前年比6.3%と大幅増加、今年は低金利や低インフレ指数、更に信用度自動判定登録(Cadastro Positivo) の導入をBOA VISTA SCPC(信用保護サービスセンター)エコノミストのフラヴィオ・カリフェ氏は指摘している。

米国の習慣を採用した毎年11月第4木曜日に催される感謝祭(Thanksgiving Day)翌日のブラジルでのブラックフライデー商戦並びに500レアルまでの現役サラリーマンの勤続期間保障基金(FGTS)預金や凍結預金の先払い政策導入の影響で、昨年12月の一般小売販売は前月比マイナス2.5%を記録したものの、前年同月比では0.8%増加していた。

また昨年12月の家具並びに家電販売はマイナス4.7%と前月の5.2%増加から一転して大幅マイナスを記録したが、繊維・衣類・履物販売は0.4%増加していた。

昨年12月のハイパー・スーパーマーケット・食料品・飲料・嗜好品販売はマイナス1.8%、過去12カ月間では2.0%増加、燃料・潤滑油販売は1.8%増加、過去12カ月間ではマイナス0.2%を記録していた。(2020年1月21日付けヴァロール紙)

渡辺健司氏(元KAWASAKI DO BRASIL社長)が会議所訪問

渡辺健司氏が2年ぶりの1月20日、商工会議所を訪問、平田藤義事務局長と年初早々に起きた米・イ対立の今後の世界情勢変化や米国の大統領選挙の行方、米・中貿易摩擦の将来動向および直近のブラジルの政治・経済情勢変化などについて意見交換を行った。

Kenji Watanabe e Fujiyoshi Hirata

Rubens Ito / CCIJB

日メルコEPA準備タスクフォースがジェトロと会合

2020年1月20日(月)ジェトロがEPA研究会立ち上げに向け日メルコスールEPAタスクフォースと会合を行ない、会議所から関係メンバーが参加した。

会合には日メルコスールEPAで最も影響を受けると予想される自動車、機械金属、電機・情報通信部会の代表者が出席し、各部会の紹介とともに、EPAに対する期待や課題、影響などについて活発に意見交換を行った。

出席者は、ジェトロ本部から吉澤 隆企画部長、木村 洋一海外調査部長、ジェトロサンパウロから大久保 敦所長、岩瀬 恵一次長、松平 史寿子次長、会議所から村田 俊典会頭(双日ブラジル 会長)、佐藤 真吾副会頭(日伯経済交流促進委員長/ブラジル三井物産 社長)、芦刈 宏司氏(ブラジル三井物産)、大塚 未涼氏(ブラジル三井物産)、佐橋 拓哉氏(伯国三菱商事)、下村セルソ氏(自動車部会長/ブラジルトヨタ)、平林氏(自動車部会/ブラジルトヨタ)、高田 正純氏(電機・情報通信部会長/NEC Latin America社長)、水谷 浩之氏(電機・情報通信部会/ブラジル三菱電機)、岡田 俊郎氏(機械金属部会/コマツブラジル)、事務局から平田事務局長、日下野総務補佐、近藤アシスタント。

日メルコEPA準備タスクフォースの会合の様子

日メルコEPA準備タスクフォース会合開始前にジェトロ本部から吉澤 隆企画部長、木村 洋一海外調査部長、ジェトロサンパウロから大久保 敦所長、松平 史寿子次長、会議所から村田 俊典会頭(双日ブラジル 会長)が参加して打合せを行った

左から平田藤義事務局長/村田 俊典会頭/ジェトロサンパウロの大久保 敦所長/松平 史寿子次長/ジェトロ本部の木村 洋一海外調査部長/吉澤 隆企画部長

左からジェトロ本部から木村 洋一海外調査部長/ジェトロサンパウロの大久保 敦所長/平田藤義事務局長/吉澤 隆企画部長

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

 

今年上半期の公立銀行の資産売却は600億レアルに達するか

ジャイール・ボルソナロ政権2年目の今年の連邦貯蓄金庫並びにブラジル銀行、社会経済開発銀行(BNDES)ではポートフォーリオ事業の資産売却に拍車がかかると予想されている。

今年上半期の連邦貯蓄金庫並びにブラジル銀行、社会経済開発銀行(BNDES)による資産売却総額は、年内の連邦政府による民営化による資産売却総額1,500億レアルの1/3以上に相当する600億レアルが見込まれている。

2019年の上記3公立銀行の資産売却総額は365億レアルに達したとSalim Matter民営化長官は説明、連邦政府傘下の公社や少数資本参加している民間企業を含めると624企業に達しているが、2020年以内に300公社以上の民営化や持ち株放出で1,500億レアルの臨時歳入を見込んでいる。

Salim Matter民営化長官は、ペトロブラス石油公社並びにブラジル銀行、連邦貯蓄金庫以外の公社は全て民営化の対象であり、ペトロブラス石油公社のグループ公社も民営化の対象と強調、非効率の典型で腐敗汚職の温床と指摘されている郵便公社も民営化対象となっているにも関わらず、年内の民営化は難しいと示唆している。

連邦貯蓄金庫は、ペトロブラス石油公社並びにブラジル銀行などの持ち株放出で150億レアルの資金を調達、今年は社会経済開発銀行(BNDES)の持株の放出を計画している。

また社会経済開発銀行(BNDES)は、年内の上下水道事業やインフラ整備事業、都市照明事業からの撤退で1,000億レアルの資金調達を予定、昨年末にはMarfrig社の持株放出で20億レアルを調達していた。

社会経済開発銀行(BNDES)は今年2月にブラジル及ぶ米国の株式市場で所有するペトロブラス石油公社の持株放出で235億レアルに相当する資金調達を予定、また年内にはパラナ電力公社(Copel)、鉄鋼メーカーのTupy社の持株放出を計画している。

昨年の社会経済開発銀行(BNDES)の投資管理会社であるBNDES出資会社(BNDESPar)では、ペトロブラスやヴァーレ社の持ち株放出で159億レアルの資金調達を行っていた。

ブラジル銀行はアルゼンチンのパタゴニア銀行の80.38%の株式を保有、農畜産セクターのKepler  Weber社の17.5%の株式を保有、エジプトではAfrican Export-Import Bankの株式を保有しているが、早急な持株放出が予定されている。

労働者党(PT)が政権を担っていたルイス・イナシオ・ルーラ政権並びにジウマ・ロウセフ政権時に、与党政権に歩調を合わせる形で社会経済開発銀行(BNDES)は業界の有望企業に積極的に資本参加、企業の体質改善や海外進出を後押しして、ブラジル企業の世界的企業育成のために資本参加を積極的に行っていた経緯があった。

BNDES銀行はペトロブラス石油公社、世界3大鉱業メジャーのヴァーレ社、Oi社、CPFLエネルジア社、エレトロブラス社や成長の目覚ましいIT企業などに積極的に資本参加して、世界企業育成の一翼を担っていた経緯があった。(2020年1月18日付けエスタード紙)

2020年第1四半期のGDP伸び率は僅か0.2%増加予想

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査によると、2020年第1四半期のGDP伸び率は、昨年の最終四半期のGDP伸び率が予想下回った影響で、前四半期比では僅かに0.2%増加に留まると予想している。

今年1月のマクロレポートによると、昨年最終四半期のGDP伸び率は前回予想の0.8%から0.6%に下方修正された影響で、2019年のGDP伸び率は1.2%増加、2020年のGDP伸び率は2.2%増加が予想されている。

2019年のGDP伸び率1.2%の内訳として、農畜産部門のGDP伸び率は1.8%、鉱工業部門は0.6%、サービス部門1.2%、一般家庭の消費部門は2.0%、公共支出部門はマイナス0.4%、民間部門の住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)部門は3.4%、輸出部門はマイナス2.7%、輸入部門は1.8%増加をそれぞれ予想している。

また2020年のGDP伸び率は2.2%、そのうち農畜産部門のGDP伸び率は4.0%、鉱工業部門は3.1%、サービス部門1.7%、一般家庭の消費部門は2.6%、公共支出部門は0.1%、民間部門の住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)部門は4.4%、輸出部門は3.5%、輸入部門は4.1%増加をそれぞれ予想している。

昨年の最終四半期の一般家庭の消費は現役サラリーマンの勤続期間保障基金(FGTS)預金や凍結預金の先払い政策導入で1.1%増加を記録したが、今年第1四半期の一般家庭の消費は僅か0.3%増加に留まると予想されている。

昨年の最終四半期の一般消費者の景況感を計る消費者態度指数(ICC)は、前四半期のICC指数から2.7ポイント上昇の91.6ポイントに上昇しており、今年初めの四半期の失業率は、企業経営者の楽観的な予想に伴って低下が予想されている。(2020年1月20日付けヴァロール紙)

論評【ブラジル工業をめぐるドラマ】

税制改革案の可決と市場の開放に関して財界は口を挟むのをやめるべきだ。

アフォンソ・セルソ・パストーレ*

大きな困難を伴いつつブラジル経済は回復しつつあるが、工業生産は2010年から2013年に記録した平均的水準をおよそ15パーセントポイント下回って停滞中だ。この実績を、高い実質金利とレアル安の為替相場のせいにはできない。我が国は生産を刺激し資本流入にブレーキを掛ける低金利フェーズに入っており、コモディティー相場の下落と合わせて輸出を活発化する実質為替相場に向かわせる。我が国の工業が失敗した別の理由を探す必要がある。

成功を収めた国の歴史は、多くの場合、異端派経済学と保護貿易主義が開発に対する推進力のきっかけになることを示しており、ブラジルもこの「法則」から外れていなかった。1948年から1953年にかけてブラジルでは輸入に対するライセンス交付が行われ、外貨調達に必要だった為替販売約束状(PVC)の競売に置き換えられた。資本財と比べて消費財により多くが割り当てられ、輸入品を代替して国産化するのを後押しし、このスキームは同様の構造を持つ関税制度が1957年に制定されるまで維持された。この段階で我が国は、これまでにない成長を記録した! ところが歴史は同じく、このフェーズが終了すればいずれの国も、韓国とその他の国々と同じく、国際貿易に対して開放しなければならないことを示している。1969年から1973年にかけて我が国は、貿易の自由化に向かうのだという幻想を抱き、コーロル政権下でも再びその幻想に浸ったが、いずれも短命に終わった。

現実問題として、軍事政権だけでなく労働者党(PT)政権も、常に、ブラジルの発展で工業が果たすと思われた魔法のような役割を夢見たのであるが、市場の開放と効率の向上に対する刺激策を促進するとは決して約束したことがなかった。我が国は、付加価値に対して天文学的な関税を持つ状況に後戻りし自動車業界ではほぼ100%に達したのであるが、過去数年は、助成とローカルコンテント指標、国内最大手のチャンピオンを優遇するといった非関税障壁による保護主義にいそしんでおり、そのチャンピオンも幾つかは生き残れたがそれ以外は第1ラウンドで早々にノックアウトされた。

だがより深刻なことは、開発を促進する手法として過去に工業化の基礎を築いた圧力が、社会的な目的ではなく私的な目的に使われる「縁故資本主義(クローニー資本主義)」に変化したことだ。中央集権化された意思決定と計画経済と比較して市場経済の持つ価値に対して揺るぎない信念を持っているが、私は、政府に対する役割として何らの貢献しないリベラル原理主義に対してはいくばくかの共感も持ち合わせていない。そのために私は、経済分野における政府の介入が常に良くないことだと主張する一派とは大きくかけ離れた立場に立つ。とは言え、財界が個別に判断したことが国全体の目的につながるようにする規則を作るのは政府であり、そのことは労働生産性の平均水準の上昇を最大化するのであって、そのために刺激策の導入は個別の企業に対してではなく社会に対して恩恵を最大化する投資が行われるように考慮すべきだ。

ルーラ政権とジルマ政権で行われた過去数年にわたる縁故資本主義には、あるゲームのルールがあった。それはすなわち、特定の企業とって個別に良かったものごとはブラジルにとっても良いとするものだ。この2つの政権のいずれもが、我が国がなぜ発展に失敗したのかという理由に対する診断を実施していない。彼らはただ単に、影響力のある国会議員の誰かを伴うかどうかにかかわらず実業家が、どの、あるいはどんな投資が個人的な観点から収益性を失ったかという理由に対する「判断の根拠」を伝えにやって来るよう扉を開けっぱなしにしていただけだった。その話に政治的に影響力があるほど、メッセージの伝達者としては成功と扱われた。

実業家らは、彼らの役割を果たした。結局のところ、企業内統治を成功させる責任は、彼らの株主に対して負うものなのである。ミスを犯したのは彼らではなく、政府だった。我が国の工業が必要としているのは、株主の利益とより大きな利益の追求を保護し、経営陣がこの国全体に恩恵を与える判断を下すためのルールである。財界人は、ベルナルド・アピー氏が提案した税制改革案の可決に関して口を挟むのをやめるべきだし、国際貿易で我が国の経済を開放するよう努力すべきだ。工業が再び発展する道はそこにある。

工業部門はベルナルド・アピー氏の税制改革案を支持すべきだ。(2020年1月19日付けエスタード紙)

*中央銀行元総裁、A.C.パストーレ& アソシアードスの経営パートナー。隔週で執筆中。

事務局便り JBBC(JICA Brazil Business Communication)の 第6号送付について

JD-007/20
2020年1月17日

                           ブラジル日本商工会議所 事務局
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ブラジル日本商工会議所会員の皆様へ

新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
JICAブラジル事務所の間瀬と申します。

ブラジルの第一線でご活躍されているビジネスパーソンの皆様へ、よりJICAの取り組みを知って頂けるよう発行しているJBBC(JICA Brazil Business Communication)の 第6号をお届け致します。

目次
1.     民間企業との連携
(1) 2月の民間企業調査団13社決定!ビジネスマッチング参加歓迎!
(2) 宇都宮工業の汚泥除去装置「週一君」で環境を守る!
(3) 地下埋設物管理の世界から、デジタルトランスフォーメーション!

2.     トピックス
(1) 北岡理事長のブラジル訪問と「ODA60周年式典」、「フジタ・ニノミヤチェア特別講義」の実施
(2) JAXA衛星x産総研AIでアマゾン違法伐採の監視強化!新規技プロがスタート!
(3) ダイキン主催のKONWAKAIとは?
(4) ボランティアの皆さん、発表お疲れ様でした! @活動報告会

≪今後の主なイベント≫
1月24日(金):新規ボランティア17名の任地赴任
1月30日(木):2020年度日系社会研修(下半期)募集開始(3月12日募集〆)
2月2日(日)~15日(土):民間企業調査団13社の来伯(4日はSPでビジネスマッチング実施予定)
3月~:フジタ・ニノミヤチェア2020年正規課程講義開始

昨年は大変お世話になりました。2020年も皆様にご関心を持って頂けるよう、内容の充実を図る所存でございます。
つきましては、ご意見、ご要望等ございましたら、下記連絡先までご連絡いただければ幸いです。

引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

【問い合わせ・連絡先】
国際協力機構(JICA)ブラジル事務所
担当:間瀬 将成
電話:(11)-3251-2655
Email:Mase.Masanari@jica.go.jp
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180人以上が参加して盛大に新年会開催

商工会議所新年会は、2020年1月17日正午から午後2時までブルーツリーモルンビーホテルに180人以上が参加して開催、司会は平田藤義事務局長が務め、ねずみ年は干支の最初のスタートで好いことがありそう。60年前には日米安保闘争で岸信介総理が総辞職に追い込まれた。また黒人への差別の撤廃を訴える公民権運動の若き指導者、マーティン・ルーサー・キング牧師が暗殺された。チリ地震による津波が三陸海岸沿岸を中心に襲来。今年初めにはアメリカとイランの一触即発状態と先行き不透明であるが、ブラジルではボルソナロ政権が持続的成長に向けて、昨年は年金改革、今年は税制改革実施で、持続的成長に期待したいと述べた。初めに特別参加者として野口 泰在サンパウロ日本国総領事/会議所名誉顧問が紹介された。

続いて村田俊典 会頭は新年の挨拶を行った。
Pdf村田俊典 会頭 新年挨拶参照

野口泰総領事は総領事館からの報告として、要人訪問では、12月21日に尾身外務大臣政務官サンパウロ訪問。1月14日に山東参議院議長一行がサンパウロ訪問。12月19日マット・グロッソ州のセザール・ミランダ経済開発局長を訪問。日系社会関連では、11月22日にカンポグランデ第1回日本祭り。11月26日にサンパウロ総領事公邸で100歳表彰。12月11日,日伯友好病院拡張計画定礎式。12月12日、クルゼイロ・ド・スール大学遠隔日本語講座視察。12月31日、リベルダージ餅つき大会。文化外交関連では、11月27日~12月1日、ClubeHebraica でクルビ・エブライカ祭りにおける日本文化紹介イベント。12月14日,ジャパン・ハウスサンパウロで山田彰駐ブラジル大使によるマンガに関する講演「日本のマンガ~過去,現在,未来」。2020年の予定として、2月13~16日、日系国際スポーツ親善。2月6日、国費日本語・日本文化研修留学生による帰国報告会。3月14~15日、第二回日本祭りシンポジウム。7月10~12日、県連日本祭りなどを紹介した。

鏡割りは野口泰総領事並びに村田会頭、佐藤 真吾副会頭、安田 篤副会頭、大久保  敦副会頭、秋山 雄一副会頭が参加。佐藤 真吾副会頭が2020年の世界は不透明であるが、ブラジルの景気回復に期待。日本では今年オリンピック、パラリンピック開催で世界を元気にしていきたい。皆様の事業発展、日本とブラジルの協力関係強化と乾杯の音頭を取った。

平田事務局長は、法被が1着足りなかったが、臨機応変に調達したことを説明。津軽三味線や和太鼓、ボーカル、キーボードによる演奏。ブラジル国内で著名なマリオ・カミヤマジックショーを堪能した後、抽選で参加者6人をペアで今月20日に開催されるマジックショーに招待した。

3分間スピーチでは、大久保ジェトロサンパウロ所長がジェトロからのお知らせとして、ジェトロでは昨年から日本産のおコメをブラジルで販路開拓するための取り組み開始。 その一環として2月1日より、ブルーツリーホテルグループにて、新潟県産「ゆきんこまい」を使用したパックごはんの試験導入を実施予定。 カルタ・アコルドのある企業の予約に対しては、「和朝食バウチャー」で使用されるごはんをこの日本のおコメに変更。 またイノベーション研究会では第5回セミナーとして 、1月29日午前 9:30-12:00 前半-「データ経済」をキーワードに、スタートアップとの協業のポイントを探る。 後半-セクター別でフィンテック、ヘルスケア、モビリティの具体的なセッションを実施。

 また第6回セミナーとして 2月27日午前中に日本のベンチャー投資家や起業家の来伯機会を捉え、日本・ブラジルのスタートアップ エコシステム、起業環境についてパネルディスカッション予定を説明した。 JCI BRASIL-JAPÃO (青年会議所)の2020年度会頭のMarcelo Asamura氏は淀みない日本語で、昨年11月30日の「第4回 ブラジリアンマインドプロジェクト「Brazilian Experience Day」」への会員企業から30人の駐在員参加にお礼を述べた。また今年の色々なイベントを企画しており、2月10日の2020年度の執行部就任式への参加を招待した。

2020年度常任理事/監事の所信表明では、初めに佐藤 真吾    日伯経済交流促進委員長は、今年の活動方針として日伯経済関係の更なる強化を促す両国政府・民間の各種取組支援、在伯日本企業の代表として、ブラジルにおける日伯両国間の更なる経済交流促進、特に日メルコス-ルEPA関連の継続的支援。当委員会傘下の課税・通関、労働、インフラのワーキンググループ及び医療機器の分科会の運営を通じて、ブラジル政府に対する提言能力強化。9月28日及び29日に東京で開催予定の第23回「日伯経済合同委員会」での日メルコスールEPA早期締結を訴えたいと説明した。

安田 篤 日伯交流委員長は、日系諸団体、青年会議所、ブラジル国内並びに近隣諸国の日系商工会議所等との連携・相互交流機会の強化を通じた共同イベント開催並びにブラジルと日本をつなぐ人材育成を目的とした次世代における日伯間の人的な関係強化を視野に入れた施策の企画の立案・実行などについて説明した。

大久保  敦イノベーション・中小企業委員会は、昨年5月に立ち上げたイノベーション研究会を引き継ぎ会員企業に対して、ブラジル・スタートアップ企業との協業・提携目的とした交流機会や情報提供、発信の場の設定。日本の中堅中小企業誘致を研究する「中堅中小企業誘致研究会」を立ち上げ、実務協力メンバーによる調査研究を機動的に行い、ブラジル市場における日本の中堅中小企業展開ニーズを特定するために企業のリストアップを募集。会議所内における募集を通じて、会員企業の日本出張の機会等を捉えた、日本の中堅中小企業の誘致等に資する講演計画を設定・実施などについて説明した。

秋山 雄一    環境委員長は、昨年実施した味の素工場見学は好評だった。今年は会員のためになる見学会予定。今年の活動方針として、商工会議所メンバー企業による日本およびブラジル社会の持続的成長(SDGs)への貢献をサポートするために、商工会議所の機能・ネットワークを最大限活用した環境意識の向上や具体的な行動の喚起、日伯の一層の関係強化を説明した。

讃井 慎一総務委員長は、2020年度活動方針として会議所全委員会活動の調整。諸活動・行事の推進。各種日程調整、事務全般の円滑化等、事務局の後方支援。年2回(2月、8月)の企画戦略委員会との共催による業種別部会長シンポジウム開催。安全対策に関する活動推進。会員向け安全対策セミナー開催。必要に応じた会議所定款、ポリシー、内部規定の見直し及び整備。他の委員会に属さない事項のフォローなどについて説明した。

長野 昌幸異業種交流委員長は、様々なイベントを通じて会員の交換促進。政治経済からスポーツまで色々なイベントの提供。地場企業および日本からの進出企業、特に中堅、中小企業の積極的な参加促進、企業活動のニーズに対応した情報発信を図ると説明した。

松崎 治夫企画戦略委員長は、今年の活動方針として会議所の基盤体制強化、運営・発展のための戦略・施策など中長期視点に立った会議所のビジョンや方針の作成、その活動状況を常に把握、調整・促進する業務補佐。ブラジル各州及びメルコスールを中心とした近隣諸国政府・関係機関との関係構築・情報交換とセミナーやミッション派遣等の関連案件の企画立案。活動計画として、ブラジル政府・各州およびメルコスールを中心とした近隣諸国の政府・関係機関からの要望に基づき、会員企業のニーズを踏まえたセミナー開催を企画・調整・立案。会員ニーズを踏まえて他の委員会・部会とも連携して近隣諸国政府等が要望する同国視察ミッションを企画・立案・実施を説明した。

永谷 佳久渉外広報委員長は、商工会議所の更なる発展に寄与する為、認知度・ブランドイメージの向上とSNSによる相互コミュニケーションの充実。ホームページの内容充実やもっと早い情報提供などについて説明した。

篠崎 幸男相互啓発委員長は、活動方針として会員相互のコミュニケーションを促進し開かれた商工会議所活動の一翼を担う。ブラジル並びに南米内諸機関、団体との交流及び会員相互の啓蒙を深める。地場企業の参加・連携に努め日系社会の更なる発展に寄与。昨年はカマラゴルフや忘年会を企画、今年も魅力的な企画を行うので積極的な参加を要請した。

福元 信義財務委員長は、昨年8月から財務委員長を拝命、金利低下局面下、適切な予算策定と健全な財務体質を構築。監事会の意見を踏まえ、ガバナンスを強化し、堅確な業務基盤を構築する。事務局及び他の委員会と連携し、会員増強プログラムの立案・推進などについて説明した。

最後に二宮正人監事会議長は、1988 年に発効したブラジル共和国憲法は30年開花して1/3が改正されたが、日本国憲法は70年経過しているが、全く改正されていない。三井物産の支援で私の翻訳著書「1988年ブラジル連邦共和国憲法」を無料配布したが、余っているので差上げます。今年はねずみ年で年男。生涯現役を通すので今後とも宜しくお願いしますと丁寧な挨拶を行った。

最後に平田事務局長は、ニッケイ新聞社の『世界が感謝!「日本のもの」』のポルトガル語版『O MUNDO AGRADECE! COISAS DO JAPÃO』を会議所では委託販売を行っているが、昨年12月11日に会員宛てに案内を行ったが、僅か1週間で100冊以上販売のベストセラーを記録。ニッケイ新聞社の深澤正雪編集長の努力の賜物です。『世界が感謝!「日本のもの」』(著:「ニッポン再発見」倶楽部、出版:三笠書房)のポルトガル語翻訳版『O MUNDO AGRADECE! COISAS DO JAPÃO』が12月9日、ニッケイ新聞から発売。日本の優れた技術を紹介したいので、1月中に200冊販売を目標にしているので、皆さんもブラジル政府関係者にプレゼントして協力してほしいと強調した。

Fotos: Rubens Ito / CCIJB