需要拡大で東アジアからの海運コストが50%アップ

ブラジル国内の需要が旺盛で中国からの輸入が急増しているために、東アジアとブラジル間の今年の海運コストがすでに50%増加しており、40フィートコンテナの運輸コストが、5,000ドル近くに値上がりしている。

アジア・シッピング社の今年7月までのコンテナ輸送は1万3,000TEUで、2005年分をすでに上回っており、今年は前年比18%増加の2万5,000TEUを見込んでいる。

また同社では中国に12支店を開設して、格安ショップ向けの製品から自動車製造メーカ向けの設備投資用装置まで運んでいるが、更に中国国内に4支店の開設 を計画、国内では主要な都市や港湾に支店を設けているが、更に3支店開設して販売網を拡大する。(19日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

建設部門の伸び率は昨年の2倍以上

アパートやテナントビル建設ラッシュが続いて、過熱気味の今年の建設・不動産部門の伸び率は、昨年の4.6%の2倍に相当する9.0%前後の伸びが予想されている。

今年上半期のセメントの消費量は前年同期比15.1%増加して、セメント製造メーカは輸出をとり止めて国内消費に回しており、また輸入セメントも増加している。

また建築用鋼材や基礎材料などの消費は9.3%、建設材料メーカの売上が7.5%、雇用は7.0%とそれぞれ増加、ブラジル貯蓄貸付システム(SBPE) からの融資は72%増加の85億レアルで、年間60万軒向けの住宅ローンが予想されている。(19日付けエスタード紙)

ブラジルの貧困層が13.4%減少

 昨年のブラジルの貧困層は、人口の29.5%から25.6%と730万人に相当する13.4%減少、最貧困層は11%から9.0%と350万人に相当する17%減少して1996年以来の最大の減少を記録した。

 しかし貧困層の多い北部地域は10.4%、北東地域は10.2%と全国平均の13.4%を下回ったが、富裕層の多い南東部地域では18.8%、中西部は21.5%、南部地域では15.8%と、それぞれ全国平均を上回る貧困層が減少した。

 昨年の北東地域の貧困層は46.4%、最貧困層は19.8%、南東部地域は14.8%と3.9%となっているが、貧困層の一人当たりの平均収入は167レアル、最貧困層は83レアルである。(19日付けエスタード紙)

CSN製鉄は1,350万トンに大幅増産計画

 年間の鉄鋼生産量が580万トンのナショナル製鉄(CSN)は、今後4年間に90億ドルを投資して3ヵ所に新高炉を建設、最終的には鉄鋼生産量を1,350万トンに増加する計画を立てている。

 バイア州、北大河州またはペルナンブーコ州に30億ドルを投資して、年産450万トンの製鉄所を建設するが、リオドーセ社と上海宝鋼集団が建設を取止めたマラニョン州には建設しない。

 またCSNは上海宝鋼集団の建設労働者を導入して、リオ州イタグイ市に高炉を建設するが、ミナス州コンゴ二アス市の高炉建設に対する環境許可が先に承認されるために、イタグイ高炉に先駆けて建築開始される。(19日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

自動車メーカー従業員が一斉にスト入り

全国金属労連(CNM/CUT)は、サラリーのカテゴリー修正や職場安定改善を求めて、ブラジル全国の13州にまたがる130の自動車製造工場の従 業員3万4,000人が、ワーゲン社、フォード社、スカニア社やダイムラー・クライス社が2時間の一斉ストライキを行なうが、今後、ストが継続すれば自動 車生産台数の記録更新も危ぶまれる。

サンパウロ近郊のABC地区の自動車工の平均月収は3,563レアルであるが、ミナス州セーテ・ラゴアス市では800レアルにも満たない。

また1997年から2006年の間の自動車工の定着率は25%から30%であったが、ドイツの自動車工の同一メーカーの勤続年数は10.4%、カナダは7.8%と安定しているが、ブラジルは3.5年と短い。(18日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

IGP−10は3年ぶりのインフレ率

 農業関連製品高騰で9月の総合物価指数(IGP−10)は、前月の0.64%から大幅上昇の1.47%を記録して、2004年6月の1.50%に次ぐインフレ率を記録した。

 しかしエコノミストは食料品価格のこれ以上の値上がりはないと予想しており、8月11日から9月10日までの卸売りは2.06%、前月の0.83%の倍以上の値上がりで2003年2月の高率を記録した。

 農畜産部門のコモデティ価格は端境期、国内の供給不足、国内外の旺盛な需要などの要因で、前月の1.66%から9.45%と大幅に上昇、トウモロコシの卸売価格は15.70%、大豆は10.13%、小麦は12.57%とそれぞれ大幅に上昇した。

 また加工食料品価格は1.88%から3.33%、食料品の小売価格は0.61%から1.22%にそれぞれ上昇したが、9月の第1週と第2週の総合物価指数(IPC−S)は0.49%から0.32%、食料品関連は1.09%から0.46%にそれぞれ減少してきている。(18日付けエスタード紙)

東ヨーロッパの市場開拓

 食料品や飲料業界大手55社及び国家輸出振興庁(Apex)は、ポーランド及びロシアで開催される農産物展にミッションを派遣、ブラジル産食料品の輸出拡大を図る。

 ロシアは年間30億ドルの食肉を輸入しているが、ブラジルのシェアは30%でトップ、今年8ヶ月間ではブラジルから23億ドルが輸出されたが、12億ドルが食肉であった。

 今年8ヶ月間のポーランドへの輸出はタバコ、自動車、トラクターや鉄鉱石で、前年同期比22.9%減の1億7,890万ドルであったが、ブラジルは東ヨーロッパの食料品供給基地を目指している。(18日付きガゼッタ・メルカンチル紙)

海外投資家が戻ってきた

 8月は米国のサブプライム問題で、ブラジルの金融市場からの資金引上げや海外からの投資が減少していたが、シティバンクを通しての9月17日までの外資流入は、サンパウロ証券取引所への株投資が13億レアル、確定金利付ファンドへは10億レアルで総計23億レアルとなり、8月の24億レアルに匹敵する投資額となった。

 有価証券取引委員会(CVM)の8月の統計では、海外からの投資金額は前月比38.2%減の25億9,000万ドルがブラジルの金融市場に投資され、今年8ヶ月間では466億2,000万ドルに達している。

 ブラジルの外貨準備高増加やカントリーリスク低下に伴って、海外からの投資が増加してきており、外資の76.05%が株投資、確定金利付ファンドは21.19%となっている。(18日付きガゼッタ・メルカンチル紙)

ポジチボ社のコンピューター生産が100万台突破

クリチーバ市に拠点を置くポジチブ社は、8ヶ月前にサンパウロ証券取引所(Bovespa)に上場したが、すでに取引高が大きいIBX−100に入っている。

2004年から一般向けコンピューターを販売した時は、年間の生産台数は10万台であったが、今ではマーケットシェアが17.7%とトップになって、今年の生産台数は120万台が予定されている。

ポジチブ社が大きく飛躍した要因に海外からの密輸品対策として、国内コンピューター生産に対して、連邦政府が減税を実施したために販売価格が低下して密輸 品が減少、当時の最も安いコンピューター価格は1,999レアルであったが、今では899レアルでの購入が可能である。(17日付けエスタード紙)

乳製品価格が低下してきた

国際乳製品価格上昇で3月から7月にかけて70%も国内価格が上昇、インフレの主因となっていた乳製品価格は、最終2ヶ月間で20%の生産増加で価格が低下してきている。 牛乳生産者の酪農業者への引渡し価格は、今後10月から10%から20%低下が予想されており、乳製品価格は更に低下すると予想されている。(17日付けガゼッタ・メルカンチル紙)