政策誘導金利を0.25%切下げ

 昨日、中銀の通貨政策委員会(Copom)は、過熱してきている国内経済活動を視野に入れて、満場一致で政策誘導金利(Selic)を0.25%切下げの11.25%に決定した。

 今年上期の国内の卸売り業界は前年同期比9.9%増加、最終12ヶ月間では8.2%と内需が旺盛であり、鉱工業界も5.1%及び4.2%それぞれ増加しており、今年7ヶ月間の製造業の設備稼働率は、82.5%と前年同期の80.6%から上昇してきている。

 特に今年8ヶ月間の自動車業界の生産は前年同期比28%、最終12ヶ月間では21%とそれぞれ大幅に増加、3勤交代制にシフトして対応、製造ラインの熟練労働者不足を、年金入りしている元技能者採用で対応している。

 Selic金利 11.5% から11.25%の切下げに伴って、個人向けクレジット金利は86.69%から86.26%、口座借越残金利は143.82%から143.28%、クレジットカード金利は、223.21%から222.51%とそれぞれ僅かに金利が下がる。(6日付けエスタード紙)

来年の穀物生産は1億3,800万トン

国家配給公社(Conab)は、今月9月から植付けが始まる来年(2007/2008)の穀物生産量は、国際コモデティ価格が高止まりしており、昨年を700万トン上回る1億3,800万トンで記録を更新すると予想している。

トウモロコシは米国のエタノール生産の原料として需要が強く、またブラジル産は遺伝子組換えではないために、ヨーロッパ向け輸出が増加してきているが、国内の家畜用飼料の供給に影響を与える可能性がある。

2006年/2007年のトウモロコシ作付面積は、1,290万ヘクタールから1,390万ヘクタール、ブラジルの主な穀物コモデティである大豆は、 2,270万ヘクタールから9.1%減少の2,070万ヘクタール、原綿の生産量は43.5%増加の390万トン、小麦は54.2%増加の220万トンで あった。

ブラジルの主食であるフェジョンは3.9%減の330万トン、米は3.5%減の1,130万トンであった。(5日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

サンパウロ環状道路西部区間の入札公示

サンパウロ市環状線道路のレジス・ビッテンコウルト国道とカンピーナス向け旧街道を結ぶ、西部区間の入札が今月後半に予定されており、入札最低価格は16億レアルとなっている。

12月には32キロメートルの区間の高速道路を建設する落札企業が発表、来年3月に正式調印され、このコンセションは25年間契約であり、料金徴収所などの建設の初期投資は、2,700万レアルが見込まれている。

25年間のコンセッション中には、道路補修整備、第5車線の拡張工事などで7億9,000万レアルの投資が予定されており、通行料は四輪車で4.40レアルとなるが、サンパウロ市内の交通量は20%低減する。

サンパウロ州政府は2009年までに12億レアルを投資して、州内の道路補修を行なうが、総延長距離6,000キロのうち民営化されているのは、2,000キロメートルとなっている。(5日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

Eikeは天然ガス採掘事業に参入

鉄鉱石採掘MMX社,製鉄EBXや輸送関係会社LLX社を、グループ傘下に収める企業家Eike氏は5億ドルを投資して、天然ガス採掘部門に参入するためにOGX社を設立、10月の国立石油庁(ANP)の入札に参加する。

自社の製鉄所向け天然ガスの供給で、競争力を付けるのも戦略の一環であり、OGX社の事業の立上げは、ライバルとなるペトロブラス社やヴァーレ・ド・リオドーセ社から、すでに元社長や開発部門の責任者をヘッドハンティングしてきている。

海外での天然ガス採掘には、ボリビアとナイジェリアでの開発を予定しており、エヴォ・モラーレス大統領が大統領に就任後に、7,000万ドルを投資していたEBX社のボリビアからの強制撤退問題もあったが、来年からの操業が予定されている。(5日付けエスタード紙)

7月の鉱工業生産は0.4%減

 7月の鉱工業生産は前月比マイナス0.4%となり、9ヶ月連続で伸びていた対前月比の上昇カーブが反転したが、前年同月比では6.8%の大幅増加で2004年12月以来の伸び率に続いている。

 鉱工業生産は旺盛な内需や長期低額クレジットの拡大で、今年7ヶ月間の伸び率は5.1%、最終12ヶ月間では4.2%それぞれ増加している。

 7月の鉱工業生産では食品部門が前月比マイナス2.5%、石油精製部門は国内向け燃料向けの石油輸入が増加したためにマイナス3.5%を記録、資本財の生産がマイナス1.3%であったが前年同月比では19%増加、今年7ヶ月間の資本財の輸入は26%増加している。(5日付けエスタード紙)

7月の鉱工業の伸び率は6.5%

 7月の鉱工業業界の伸び率は前年同期比6.5%、前月比では1.2%、今年7ヶ月間では、3.3%それぞれ増加したと全国工業連合(CNI)は発表している。

 また7月の製造設備稼働率は継続して設備投資が行なわれており、前年同月の80.7%から82.6%に上昇、特に食品、飲料、機械・装置や金属業界の成長率が目立っている。

 労働時間は前年同月比で食品業界を中心に平均3.8%、食品業界は4.7%、雇用は3.7%それぞれ増加しているが、ドル安の為替で打撃を受けている業界も少なくない。(4日付けエスタード紙)

IPOが目白押し

 今年8ヶ月間の株式上場は、前年同期比151%増加の225億ドルに達し、世界平均の31%増加の5倍となっており、特に新規公開株式(IPO)は356%増加の185億ドルで、世界のIPOの1826億ドルの10%以上となっている。

 8月までのブラジルのIPOの主幹事会社は、UBS銀行が26件で29.7%、スイスクレジットが22件で27.2%、イタウー銀行が10件で9.9%のマーケットシェアを獲得している。

 昨日は有価証券取引委員会(CVM)のIPO承認が、ブラジル第2の健康プラン会社Amil、ゼネコンのMBエンジニア社、医薬品会社のFarmasaに対してそれぞれ承認された。(4日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

年末の政策誘導金利は10.75%を予想

 明日発表される通貨政策委員会(Copom)の政策誘導金利(Selic)予想は、大半の金融スペシャリストが0.25%切下げの11.25%、年末は11%を予想している。

 今年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、国内消費が旺盛で3.86%から3.92%に上方修正されたが、来年は4.0%に据え置かれている。

 名目政策金利ではトルコが17.5%と世界で最も金利が高いが、実質金利は9.4%、ヴェネズエラが17.2%、アルゼンチンが11.6%とブラジルの11.25%を上回っている。(4日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

貿易収支黒字が7.5%減少

 今年8月までの貿易収支黒字は輸入が27.8%増加したために、前年同期比7.5%減の275億1,300万ドルに減少したが、輸入の53.8%は設備投資用機械・装置の資本財や消費財であった。

 今年8ヶ月間の消費財の輸入は、前年同期比31.8%増加の98億600万ドル、そのうち自動車の輸入は52.5%増加の16億5,800万ドルと大幅に増加している。

 最終12ヶ月間の貿易黒字は442億24,00万ドルで、前年同期を僅かに20億ドル下回っているが、今年の輸入津は1,550億ドルが見込まれている。

 貿易収支黒字に寄与しているのは、食肉輸出の16億ドル、鉱物輸出13億ドル、農畜産輸出が10億ドルとそれぞれ貿易黒字を計上しているが、化学製品が15億ドル、石油化学製品が10億ドルの貿易赤字を計上している。

 今年8ヶ月間の輸出は前年同期比15.9%増加、第一次産品輸出は前年同期比24%増加して、輸出総額の31.6%相当の323億8,300万ドルであったが、完成品輸出は66.4%の679億8,200万ドルであった。(4日付けエスタード紙)

PCHプロジェクトもカーボンクレジット承認か

ブラジルエネルギー社(EDB)はパライゾ小型水力発電所(PCH)建設で、3万300トンの二酸化炭素排出削減プロジェクトが,連邦政府のCDMプロジェクトの承認を受け、国連のCDM理事会で承認されれば取引可能となる。

EDB傘下のポルトガル・エネルギー社によると、ヨーロッパでは二酸化炭素削減取引では1トン当たり10から15ユーロで取引されており、EDBの3ヵ所のPCH建設で670万レアルの収益を見込んでいる。

Ersa社はミナス、サンパウロ並びにサンタ・カタリーナ州に12ヵ所のPCHを建設して、トータル207メガワットのエネルギー発電を予定しており、すでに環境ライセンスは獲得済みで、5年以内にバイオマスや水力発電所建設に20億レアルを投資して、600メガワットの発電を予定している。(3日付けガゼッタ・メルカンチル紙)