自然人にもCDM/カーボン・クレジット熱が到来か

 8月29日、Luiz氏はサンパウロ総領事館の紹介を通じ会議所を訪問、『地球温暖化がマスメディアを通じ話題になる中、京都議定書とは?、CDMとは一体何ですか?CO2排出権、カーボンクレジットとは?』と訪問の第一声。ブラジルにスペインから単身移住53年になるLuiz氏は、いきなり平田事務局長に質問を浴びせた。
 
 よくよくお話を伺うと京都プロトコ-ロと言葉からブラジルにある日本の出先機関や商工会議所を訪問すれば全てが理解できると考えたらしい。氏はサンパウロ市内から70〜80KMの近郊に1200万平米の土地を所有、京都メカニズムを通じ何か利用方法があれば教えて欲しい依頼であった。温室効果ガス排出量削減に絡む新しいビジネスチャンスを求めるのは法人だけに限らず個人レベルにも浸透して来た証か。

アーセロール・ミッタルがブラジルで鉄鉱石開発

世界最大の製鉄会社アルセロール・ミッタル社は、ヴァーレ・ド・リオドーセ社の鉄鉱石開発部責任者のコスタ・フィリョ氏を引抜き、ブラジルでの鉄鉱石開発を進める予定であり、同社の鉄鉱石の世界生産5,500万トンを数年後には、1億1,000万トンに引上げる。

初めに2004年からリオドーセ社にリースしているミナス州のアンドラーデ鉱山の開発に着手、また昨日、上級司法裁判所(STJ)は2年前に経済防衛審議 会(Cade)が決めた独占禁止法に触れるために、Ferteco社の放出または2001年からナショナル製鉄所(CSN)所有のカーザ・ダ・ぺドラ鉱山 の余剰鉄鉱石の独占権放出を支持する判決を言渡した。

2001年のリオドーセの民営化時にCSN製鉄をリーダーとするコンソルシオ・ブラジルが、33億ドルで41.73%の資本参加をしているが、リオドーセ社は連邦最高裁判所(STF)へ上訴する可能性が大きい。(29日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

7ヶ月連続で鉱工業活動レベル指標が上昇

 サンパウロ州の鉱工業の活動レベル指標(INA)は、政策誘導金利の低下に伴って、今年7ヶ月連続で上昇してトータル5.0%上昇、昨年同期は2.9%の伸びに留まっていた。

 7月のINAは1.0%上昇して持続的経済成長のシグナルを維持しており、今年の鉱工業部門の成長率は、年初予想の2.5%から5.0%近くまで伸びると予想されている。

 内需拡大による製造設備稼働率は82.9%に達しており、特に機械・装置部門のINAは、7ヶ月間で11.7%と大幅に上昇、サンパウロ州工業連盟(Fiesp)では継続されるSelic金利の低下で、国内景気拡大を予想しているが、米国のサブプライム問題に端を発する世界の消費の冷え込みやコモデティ価格下落を懸念している。(29日付けエスタード紙)

今年7ヶ月間の連邦政府の公共投資は87億レアル

 今年7ヶ月間の連邦政府の公共投資は、昨年同期70億レアルを上回る87億レアルに達しているが、第二次ルーラ政権の看板である経済成長加速プログラム(PAC)への投資は予算の1/3に留まっている。

 また投資パイロットプロジェクト(PPI)は、113億レアルの予算の僅かに15億レアルが投資されているに過ぎない。

 今年7ヶ月間の財政プライマリー収支は、国税庁が720億レアルの黒字であったが、社会保障院(INSS)が239億9,670万レアル、中銀が3億7,890万レアルの赤字をそれぞれ計上しているが、連邦政府は昨年同期比60億レアルの476億9,500万レアルの黒字を計上している。(29日付けエスタード紙)

サムスンはサンパウロ州でモニター生産開始

サムスン電子はマナウスフリーゾンでの商品流通サービス税(ICMS)の税制特典損失でメリットが減少したために、タウバテ市でモニター生産しているLG社同様に、サンパウロ州カンピーナス工場でモニターの生産を開始した。

州間の企業誘致のための税制恩典争いは継続しているが、マナウスからサンパウロ州での生産に移転したために、製品納入が15日間早くなり、輸送代の節約にもなっている。

しかしマナウス工場でのモニター生産は継続しているが、年末商戦向けに生産拡大が急がれているために、市場に近い新しいモニター生産工場を探している。(28日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

バイオ燃料の寿命は短い

元エンブラエル社長のオジーレス・シルバ氏は、ミナス州で開催された第12回道路輸送セミナーで、今後10年ぐらいで電気自動車開発ga急速に進んで台頭してくるために、アルコール生産への投資に集中しないように警告した。 バイオ燃料は大気汚染排出や地球温暖化などで環境に悪影響を与えるが、電気自動車はクリーンであり、アルコール生産者は今後、砂糖キビからの水素抽出技術開発に力を注ぐべきであると強調した。(28日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

国際金融危機は金利低下を妨げる

 国際金融危機で今年2月から継続していた銀行の貸出金利低下が中断、8月15日間の平均クレジット金利は、7月末と同じ39.5%に留まっている。

 先物金利上昇で平均コストは0.2%上昇の11.0%したが、個人向けクレジットの平均スプレッドは、36.3%から35.9%と1994年以来の低率を記録している。

 法人向けクレジットのスプレッドは12.1%と変わらず、8月15日までのクレジット総額は2.0%増加、最終12ヶ月間では21.1%増加、特にリージングは1年間で68.1%増加の460億レアル、個人向けクレジットは74.8%増加の116億レアルと大幅に増加している。

 リージング増加は長期格安ローン販売で好調な自動車業界が大幅に寄与、銀行のクレジット総額はGDP比32.7%と1995年11月以来の比率となっている。(28日付けエスタード紙)

中銀はGDPを4.62%に上方修正

 中銀は米国のサブプライム問題に端を発して国際金融市場が不安定にもかかわらず、今年のGDPの伸び率を4.62%から4.64%、来年も4.35%から4.40%とそれぞれ上方修正した。

 インフレ指標となる広範囲消費者物価指数(IPCA)は、3.77%から3.86%に上方修正したが、来年は継続して4.0%、貿易収支黒字は430億ドルから427億ドル、来年は370億ドルに据え置いた。

 また海外からの直接投資は270億ドル、来年は225億ドル、年末のドル値はR$1.90、来年末はR$1.95、9月の政策誘導金利(Selic)は0.25%切下げの11.25%で、年末は10.75%、来年末は9.75%を見込んでいる(28日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

ポジチブ社は通信省のコンピューター入札を落札

通信省向けの5万4,000台のコンピューターの電子入札で、クリチーバに本社を置くポジチブ社は8,760万レアルの最低価格で落札した。

この入札は今年1月のジエボルド社が、総額1億980万レアルで落札していたが、技術的に欠陥があるとキャンセルされていた入札物件であり、ジエボルド社の入札額は9,230万レアル、イタウテッキ社は9,500万レアルであった。

納入機器は5万4,000台のコンピューター、サーバー、プリンター、ビデオカメラがそれぞれ5,400台、スタビライザーが6万4,800台であり、この落札でポジチブ社の連邦政府への納入は売上の18.4%に上昇する。(27日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

農産物の卸売価格が上昇

今後数週間に亘り農産物価格の上昇が予想され、インフレを押上げる要因になると見込まれており、先週は17品目で前週比平均1.1%の価格が上昇している。

8月の23日までの農産物価格は前月同期比7.0%、昨年7月比では25.5%と大幅に上昇しており、端境期の米が15.5%、トウモロコシ5.6%、小麦3.5%、大豆2.9%、綿花が0.1%とそれぞれ上昇している。

しかし牛肉0.5%、卵0.8%、砂糖1.6%、オレンジ10.4%、トマト15.1%、ジャガイモ16.1%がそれぞれ値下げしている。

トウモロコシの国際価格上昇による牛肉の国内価格への影響は少なかったが、農産物価格の高止まりは10月まで継続すると予想されている。(27日付けヴァロール紙)