8月の貿易収支黒字は35%減

 8月18日までの貿易収支黒字は前年同期比35.4%、今年の累計では9.4%それぞれ減少、今年の黒字は前年の470億ドルから400億ドル以下と大幅な減少が予想されている。

 8月18日までの輸出は83億8,000万ドル、輸入は67億2,000万ドルで貿易黒字は16億6,000万ドル、今年の輸出総額は957億2,000万ドル、輸入総額は700億7,000万ドル、貿易黒字は256億4,000万ドルとなっている。

 第一次産品の輸出では特に原綿、トウモロコシ、大豆、鶏肉、鉄鋼製などで15.2%増加、完成品の輸出はトラクター、コンプレッサー、航空機、精糖などで6.2%増加している。(21日付けエスタード紙)

インフレ及びGDPを上方修正

中銀のボレチン・フォーカスの発表によると、今年の広範囲消費者物価指数(IPCA)を3.75%から3.77%、GDPを4.60%から4.62%、来年のGDPを4.30%から4.35%にそれぞれ上方修正した。

 総合物価指数(IGP-DI)は3.56%から3.66%、総合市場物価指数(IGP-M)を3.55%から3.64%、来年は4.0%を見込んでいる。

 中銀のアナリストは9月の通貨政策委員会(Copom)では0.25%の政策誘導金利(Selic)の切下げ、年末には10.75%となると予想、年末のレアル値をR$1.85からR$1.90 に修正している。(21日付けヴァロール紙)

今年の正規雇用創出は150万人

 国際金融危機にもかかわらず、全就労・失業者台帳(Caged)からの統計では、ブラジルの今年の正規雇用創出は150万人を超えると見られており、7月までに122万2,000人が新たに就労している。

 今年の情報産業分野の伸びは16%から17%が予想されて、雇用創出を牽引すると見られているが、労働省では18才から29才を対象に5億レアルを投資して、青年の就労促進プログラムを立ち上げる。

 このプログラムはProjovemと呼ばれてイタリアの雇用創出プログラムがモデルであり、労働省、ONGならびに大学がパートナーを組んで青年の雇用準備を行なうもので、100万人の雇用創出が予定されている。(21日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

コモデティ価格が回復

7月26日に始まった米国のサブプライム問題で、世界の株及びコモデティ価格の暴落が継続していたが、米国の緊急金利低下政策が功を奏して回復したが、今年及び来年のコモデティ価格はそれぞれ7.0%の低下が予想されている。

先週16日のロンドン金属市場の金属コモデティ価格は、ニッケルがマイナス21.2%、亜鉛−16.2%、鉛−11.4%、アルミ−10.8%、農産物コモデティは−5.2%それぞれ大幅に暴落した。

ブラジルの今年の貿易収支黒字は450億ドルが見込まれているが、農産物コモデティの先行きの価格低迷で、来年は370億ドルに低下すると見込まれている。(20日付けエスタード紙)

連邦政府はPACプロジェクトに12億レアルの臨時クレジット

連邦政府は17日に経済成長加速プログラム(PAC)促進のために、臨時クレジットとして12億レアルを承認、都市管理省には上下水道整備に8億5540万レアルを投資する。

運輸省向けには総額1億5,400万レアル、バイア州イリェウス港及び北大河州ナタル港改修に2,140万レアル、国防省向けには1億レアル、国家統合省には旱魃対策として3,980万レアルがまわされる。

今年の第1回目のPAC予算は158億レアルで、各省向けに総額23億レアルが割り当てられているが、環境省へは最も少ない399万レアルが割り当てられたに過ぎない。(20日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

自動車設計ではブラジルは先進国

自動車製造やデザインでは、ブラジルのエンジニアは非常に評価されており、GMでは次世代のグローバル戦略のピックアップ車の自動車設計を、ブラジル支社が担当する。

ブラジルの自動車設計コストは世界的にも最も安いが、自動車設計では世界5指に入るほど優れており、GMのヨーロッパで販売される車の一部の設計を担当した車が、米国のシカゴのモーターショーで紹介された。

しかし今後は中国、インドや東ヨーロッパ諸国が、自動車設計部門に進出するために競争の激化が予想されているが、GMでは生産エンジニアリング部門の強化を進めている。(20日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

東アジア・ラテンアメリカ協力フォーラム(FEALAC)開催

東アジア・ラテンアメリカ協力フォーラム(FEALAC)のビジネスミーティングに多数の各国代表 者が参加、8月20日午前10時からサンパウロ州工業連盟(FIESP)で開催、商工会議所からは田中信会頭、平田藤義事務局長が参加、ブラジル政府要 人、タイ、シンガポールやフィリピンなどの政府要人と昼食しながら意見の交換を行なった。

ビジネスフォーラムのなかで、イタマラチー宮 (外務省)のエヴェンドロ・ジドネッテ国際関係担当理事は世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハラウンド)の合意が難航しており、メルコスール がアジア、特にアセアンへ目を向ける新しいシナリオの可能性がでてきたと述べた。

メルコスールとインドとの間では2週間前に特恵関税条約で合意、イタマラチー宮ではシンガポールとの特恵関税合意を目指して、FIESP,全国工業連合(CNI)並びに全国農業連合(CNA)と鉱工業部門や農業部門での調整を行なっている。

FIESPの国際関係・貿易部のカルロス・カバルカンテ理事はラテンアメリカからアジアへの輸出は第一次産品であり、アジアからは完成品の輸出が大半を占 めて貿易摩擦の障害はないが、アセアン諸国からの輸出は7,600億ドル、輸入は5,400億ドル、アセアンとブラジルとの貿易は僅かに70億ドルで今後 の貿易拡大では大きな可能性を秘めている。

またシンガポールはブラジルにとって輸出基地となる可能性があり、昨年のシンガポールの貿易はブラジルの5倍に相当する5,000億ドル、ブラジルからはすでにエンブラエル、ペルジガン、サジア、ヴァーレ・ド・リオドーセなどが進出している。

FEALACは1998年9月にシンガポールのゴー・チョク・トン首相がチリのフレイ大統領に対し、従来より関係が希薄になって、ミッシング・リンクと呼 ばれていた東アジアと中南米の関係を強化することを目的とするフォーラムの設置を提唱、加盟国間の相互理解、政治的対話及び友好協力関係の促進、経済、貿 易・投資、金融、科学技術、環境保護、文化、スポーツ、観光、人的交流など幅広い分野における交流と協力の拡大などを目的に、2001年3月にチリで第1 回外相会合開催された。

 加盟国は東アジア側から15ヶ国(日、中、韓、アセアン10ヶ国、豪、NZ)、ラテンアメリカ側は17ヶ国(ブラ ジル、アルゼンチン、ウルグアイ、エクアドル、エル・サルバドル、キューバ、グァテマラ、コスタ・リカ、コロンビア、チリ、ニカラグァ、パナマ、パラグア イ、ベネズエラ、ペルー、ボリビア、メキシコ)で構成されている。

カマルゴ・コレアはセメントを20%増産

好調なブラジルのマクロ経済、経済成長加速プログラム(PAC)及び低価格の長期住宅ローンで住宅建築ブームに後押しされて、セメント需要が拡大してカマルゴ・コレア・セメントは、現在の年産500万トンから20%増産を予定している。

2000年初めから2005年まで国内のセメント需要が低迷していたために、同社では300万レアルを投資して、ミナス州サン・レオポルド工場の操業を再開する。

またラテンアメリカでは第2位のセメント生産を誇る同社では、南マットグロッソ州ボドケーナ工場の生産能力の20%アップ、年産60万トンのサンパウロ州アピアイ工場の20%増産を検討している。

昨年のブラジルのセメント生産は前年比8%増加の3,900万トン、今年はPACプログラムのインフラ整備部門への投資の大幅増加が予想されているために、5%以上の増加が期待されているが、同社の上半期は8.4%増加の2億5,100万レアルと好調であった。(20日付けガゼッタ・メルカンチル紙)