大企業経営者は世界の株価下落を調整局面と見ている

 米国のサブプライム問題で世界の株式市場が荒れているが、ブラジル大企業の経営者の大半は調整の局面と見ており、テレフォ二カ社のヴァレンテ社長は、GDP4.0%の経済成長率で経営方針の変更は行なわない。

 家電製造のセンピ・東芝のアフォンソ社長は、この金融市場のブラジルへの影響は少ないと見ており、Serpro社のマゾーニ社長は、堅調なブラジルのマクロ経済及び豊富な外貨準備高で対処できると見ている。

 サベスピ社のオリベイラ社長は、ブラジルはすでに国際金融ショックに耐えられる筋肉体質になって心配する必要はないと見ており、WEG社のシルヴァ社長はアジアが成長を続けており、ブラジルにはインフラ整備への投資が必要であると金融危機のブラジルへのインパクトを心配していない。(14日付けヴァロール紙)

GMはペルナンブコ州に工場及び輸入センター建設か

先週水曜日にGM社はペルナンブコ州政府に対して、総額15億ドルに達する輸入センター及び自動車製造工場建設に対する優遇税の検討を申し込んだ。

年間2万5,000台を収容できる輸入センター、2010年から年間30万台の新しいモデルの生産能力を擁する自動車製造工場建設で、ブラジル国内4工場目となる。

今年7ヶ月間のブラジルの自動車生産台数は前年同期比26.6%増加の約130万台で、今年年末までの自動車生産は280万台が見込まれており、ファイアット社のベッチン工場でもフル操業しており、新たな工場建設が急がれている。(13日付けヴァロール紙)

GPインヴェスチメントがマグネジッタ社を24億レアルで買収

GPインヴェスチメント社は、バイア州ブルマッドにマグネシウム鉱山を擁し、70%の国内マーケットシェアを誇る高炉用耐火煉瓦製造メーカーのマグネジッタ社を24億レアルで買収した。

最近ではオウロ・ブランコ市のゲルダウ・アソミナス製鉄への耐火煉瓦納入で、中国資本のミンメタル社に入札で敗れており、マーケティング部門の弱い同社買収には、国内外から5社が参加していた。

海外企業からの買収には、世界最大の製鉄会社アーセロール・ミッタル社、オーストリアの耐火煉瓦メーカーRHI社やマグネジッタ社に技術供与している日本の黒崎グループが名乗りを上げていたが、GPインヴェスチメント社が買収に成功した。(13日付けエスタード紙)

BNDES銀行はPACプロジェクトへの融資承認を早める

社会経済開発銀行(BNDES)は、経済成長加速プログラム(PAC)のエネルギー部門の融資承認を加速、年末までに60億レアル以上が融資されると見込まれている。

BNDES銀行は今年初めの5ヶ月間のエネルギー部門の融資は40億6,000万レアルに達して、昨年の34億レアルをすでに上回っており、上半期にPACプロジェクトの融資総額は167億レアル、また融資審査中が110億レアルに達している。

エネルギー部門への融資343億レアルのうち、203億レアルが石油部門、140億レアルが電力エネルギー部門ですでに5案件が承認、年末までには更に 10案件の承認が予定されているが、全ての案件ですでに環境ライセンスが獲得されている。(13日付けガゼッタ・メルカンチル紙)

グラン・メリア・モファレジホテルのヘリーポート活用の案内

Johannes Bayer8月の懇親昼食会の3分間コーナーで、グラン・メリアホテルのヨハネス・バイヤーマネージャーは空港混乱が続いているためにホテルのヘリーポートの活用、ヘリコプトロ使用で交通渋滞を避け、また短距離移動でビジネスへの活用を案内した。

 

(写真:メリアホテルのヘリポート活用を案内したヨハネス・バイヤーマネージャー)

ブラジル製品輸出促進セミナー「ENCOMEX」の案内

Gerson Alfredo Schutesky8月13日開催された懇親昼食会の3分間コーナーで、ブラジル銀行のジェルソン・シュテスキー貿易部地域マネージャーが9月4日にサンパウロ州工業連盟(FIESP)で開催され、欧米やアラブ諸国の商工会議所も参加する通商局(SECEX)が支援しているブラジル製品輸出促進セミナー「ENCOMEX」での講演者に、ブラジル日本商工会議所からの参加を要請、また会員のセミナーへの参加も促した。

 

(写真:「ENCOMEX」を案内するブラジル銀行のジェルソン・シュテスキー貿易部地域マネージャー

14種類の中国製品にアンチダンピング課税を適用

 ブラジル政府はドル安にもかかわらず、中国製品など14種類の輸入製品に対してアンチダンピング課税を適用、12種類の製品ですでに輸入量が減少してきている。

 連邦政府は6月末に中国製の電気毛髪ブラジ、スピーカーならびに電気アイロンに対して予備アンチダンピング税を適用、7月の輸入量はそれぞれ33%、32%、75%も低下した。

 それに対して輸入業者は在庫を増やし、7月からの輸入量を減少させており、9月から課税の効果が現れると予想、電気アイロンメーカーのアルノ社とブラック&デッカー社では増産を検討している。

また2005年のアルゼンチンや米国製輸入PET樹脂は1億2,200万ドルに達していたが、昨年は260万ドルまで減少、2000年にニュージーランドやヨーロッパ連合国からの輸入粉ミルクは1,450万ドルだったが、昨年は26万ドルまで低下している。(13日付けヴァロール紙)

老年内科権威の千馬寿夫医学博士を招いて懇親昼食会を開催

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講演する千馬寿夫医学博士

 老年医学権威の千馬寿夫医学博士を招いて、商工会議所の懇親昼食会が8月10日正午からグラン・メリア・モファレジホテルに98人が参加して開催された。

 千馬医学博士は自身が駐在員の父親の関係で南アフリカ生まれ、帰国子女として日本で中学を卒業後、ブラジルに赴任した父親と家族と共にサンパウロで生活、サンパウロ大学医学部を卒業、ブラジルに32年間生活していると自己紹介した。

 講演のタイトルである「良い老後を過ごすには」のスライドでは、これが解決できたら私は医者を辞めると冒頭から笑わしたが、食生活、運動、ストレス、アルコールやタバコなど生活習慣が肥満、高血圧、高血糖などの危険因子となる基礎疾患を誘発して、ガン、脳卒中、心疾患や糖尿病などの生活習慣病を防ぐためには、40歳までにしっかりしたコントロールができるかどうかで、良い老後が過ごせるか決まると強調した。

 今日の参加者の大半はエグゼクチブでストレスの圧力に強いと思うが、その割りに喫煙者が少ないし、30分の運動を週3回以上の行なっている人が2割近くいたのは、今までの講演会で初めてであり脅威に値すると説明、この比率はブラジル人では2%にも満たないと会議所会員の健康管理を称えた。

 「老化防げるか」のスライドでは、進化こそすれ老化を防ぐことは不可能であるが、遅らせることはできると説明、老化のメカニズムにはガンの発生を促すフリーラジカル説、遺伝子の突然変異説、Medvedev医学博士が唱えたエラー破綻説、たんぱく質の機能が失われるたんぱく質架橋説、異常たんぱく質蓄積説、生体膜異常化説、細胞分化異常説やミトコンドリア異常説などが唱えられていると説明。

 また遺伝子にあらかじめ老化や寿命がセットされており、人の細胞はある回数になると細胞分裂をやめてしまうプログラム説で、老化や寿命について色々な説があってよく解明されていない。

 続いてラットでの老化と栄養の関係では、2年間のラットへの自由食と制限食の実験では、初めの1年間に制限食を食べたラットは寿命が長くなるが、2年目は自由食を食べたラットは引続いて制限食を食べたラットよりも寿命が長くなっており、戦後の食糧事情の悪い時期を乗切った皆さんは長生きしますと笑わせた。

 「高齢期で大切なもの」に関する調査では、健康が95%でダントツ、2位が家族となっているが、現在は昔のように貸し借り抜きでの家族による老人介護が難しいのは、家族は構成するものと魂のこもった家族の大切さを教えてこなかったことが、介護拒否に結びついていると指摘、また人類が今ほど老齢化を迎えたことがないために、学問的にも老人医学は難しいが、統計的に悲観的な人は長生きしていないので、明るく気持ちを若々しく保つのが長生きの秘訣であり、皆さんも気持ちを若々しく保つ修練をしてくださいと述べた。

 また気持ちを若々しく保つことと双璧である運動を習慣付けることで老化を遅らせることができ、運動により筋力増加、体脂肪減少、血圧、血糖値やコレステロールの低下、心肺機能や免疫機能の向上で活力年齢を若返ることができる。

 トレーニング者と非トレーニング者の加齢による最大酸素摂取量の調査では、長距離ランナーが最も高くて60歳で非トレーニング者の3倍、週3回のジョガーは2倍近くまで摂取でき、また運動習慣と骨密度の関係では、例えゲートボールでも密度を上げることができるし、競争心を煽られて楽しいことも老化現象を防ぐ要因になっていると説明。

 最後にケガの防止も役立つし若々しく保つ筋力つくりのための筋力トレーニング、ストレッチング、ジョギングやウオーキング、自宅では腕立て伏せ、腹筋運動、膝屈伸運動やストレッチ運動を心がけて、楽しい老後に備えてくださいと結んで盛大な拍手が送られ、田中信会頭から記念のプレートが贈呈された。

千馬寿夫医学博士の略歴
 老年内科専門医、ブラジル老年医学学会(サンパウロ支部)会長、サンパウロ大学医学部付属クリニック中央病院(Hospital Das Clinica)在宅医療チーム総責任者、1963年南アフリカ共和国ヨハネスブルグ市出身、甲南学園中等部卒業、サンパウロ大学医学部卒業、2002年同大学で博士号取得、現在はクリニカ中央病院にて「集中治療室における末期患者への対応」委員会、患者の人間性の尊重を唱える病院内運動のHUMANOCグループのメンバーとして活躍している。

昼食会は平田事務局長が講演者の千馬寿夫医学博士、特別参加の西林万寿人サンパウロ総領事を紹介、3分間スピーチではJBIC銀行の相川武利首席駐在員が、9月17日にリオ工業連盟会館で開催されるCDMセミナー、グラン・メリアホテルのヨハネス・バイヤーマネージャーは空港混乱が続いているためにホテルのヘリーポートの活用、ブラジル銀行貿易部のジェルソン・シュテスキー地域マネージャーが9月4日にFIESPで開催、米国、ドイツやアラブなどの商工会議所が、参加するブラジルの輸出促進セミナーENCOMEXへの参加をそれぞれ案内した。

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田中信会頭から講演者の千馬寿夫医学博士に記念プレートの贈呈

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日伯法律委員会セミナーに54人が参加して開催

日伯法律委員会(押切フラビオ委員長)が8月9日午後4時から6時まで、商工会議所会議室に会場一杯の54人が参加、矢野クラウジオ副委員長が進行役を務め、初めにエリエッチ・リベイロ弁護士が法令5.798/06号-技術革新への免税インセンチブ、ルイス・バルボーザ弁護士がインセンチブ・マーケティング-納税及び社会福祉面での効果について講演した。

続いてヴィトール・ゴメス弁護士が行政促進財団(FUNDAP)を通しての輸入-ICMS納税におけるサンパウロ州の税務期間状況、ジュリアナ・ロペス弁護士が移転価格税制のセーフ・ハーバー輸出の証明書類免除の見通し、最後にマルコス・メンデス弁護士が一般税制・管理財務執行法についてそれぞれ講演、活発な質疑応答が行なわれた。

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左から3人目が矢野クラウジオ副委員長/4人目がジョゼ・オリベイラ副委員長と講演者達

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